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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
特殊な力
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「お花さん達?」
「うん、お花さん達。お花さん達の声が聞こえるの。こっちは行き止まりだよ、こっちは安全だよ、こっちにお宝あるよ、って」
楽しそうに話すルーパ。それはもう、ニッコリと笑みを浮かべながら嬉しそうに。
「じゃあ、花達と話せるんだね。いいなぁ~…………」
カレンが羨ましそうにルーパを見る。そういえば、カレンも花が好きだった、ということをレクスは思い出した。冒険中に珍しい花があれば、よく立ち止まって話しかけていたような…………。てっきり話せるとばかり思っていたのだが…………あれはどうやら独り言だったらしい。
「じゃあ、聞いてみる……?」
ルーパはそう提案した。その提案に、カレンは目を輝かせて身を乗り出した。
「聞けるの!?」
「うん……」
「やったぁ!」
喜ぶカレン。いつにも増して大はしゃぎ。
「カレン、うるさいのだっ!」
気持ちよくベッドで寝ていたティーナがカレンに向かって思い切り跳び蹴りした。カレンは、いきなりの跳び蹴りに驚きながらも、魔法によって障壁を展開し、防ぐ。
「ちょっと、危ないでしょ!」
「我の安眠を邪魔するのが悪いのだ」
ティーナはふん、と鼻息を鳴らしながらそう言った。しかし、本気で怒っているわけでもないようで、すぐにケロッとしていた。それにしても、本当に寝起きがいい。起きた後だというのに、欠伸の一つもしていない。
(…………っていうか、また寝たし)
ティーナがベッドに戻って再びぐっすり眠っている姿を見て、レクスは呆れながらも苦笑していた。
「それで、ルーパ。花の声、聞かせてくれるんだよね?」
「うん………でも………」
ルーパはレクスの方を見た。恐らく、許可をもらいたいのだろう。レクスはそんなルーパの心中を察してか、苦笑して。
「いいよ、行ってきて」
「ありがとう」
ルーパは微笑みながらそう言うと、お姉ちゃん行こ……? とカレンの手を引っ張って共に部屋を出ていった。
「お姉ちゃん、ね…………」
ミーシャは意味ありげに呟きながら微笑んだのだった。
◇◆◇◆◇
ルーパとカレンは今ユビネス大森林帯に向かう道中を歩いていた。
「じゃあ、基本的にはどんな花の声でも聞くことができるんだ?」
「うん………。花にも色々個性がある……。聞いてて楽しい」
優しい花や短気な花、面白い花など、実に多様な個性がある。今まで花の個性など考えたこともなかったので素直に驚いた。
ルーパとカレンが何気ない会話をしていると──────
「ピイイィィィィーーーー!!」
「………………!?」
ルーパは思わず上を見る。そこには─────鳴き声は限りなく可愛い鳥のそれだが、見た目はおぞましいとまではいかないもののあまり見たくない魔物がルーパに迫ってきていた。空から一気に急降下して、ルーパに攻撃する─────
「お花さん達、私に力を貸して…………!」
ルーパが目を閉じて詠唱すると、地面から鮮やかな花をつけたツルが鳥の魔物に巻き付く。
「『奇音』…………!」
心地よい音が響く。カレンも聞いていると、癒されるような音色。しかし─────
「ピイイイィィィーーーーーー!?」
耳を塞ぎたいのか、バタバタバタと羽を動かしてもがく鳥の魔物。暫くして、バタバタ動いていた羽も動かなくなり、力尽きたように気絶してしまった。いったい、何が起こったというのか。
「ルーパ、今のは………………?」
「あの魔物にとって嫌な音を聞かせたの…………」
カレンの問いにルーパはそう言った。
(…………っていうか、今の魔法(?)初めて見るね……)
「ねえ、今のって魔法?」
カレンの問いにルーパは首を横に振った。どうやら違うらしい。
「ううん、違う…………。今のは近くのお花さん達の持つ力を借りたの………。魔法に限りなく近いかもしれないけど、違う………」
「うん、お花さん達。お花さん達の声が聞こえるの。こっちは行き止まりだよ、こっちは安全だよ、こっちにお宝あるよ、って」
楽しそうに話すルーパ。それはもう、ニッコリと笑みを浮かべながら嬉しそうに。
「じゃあ、花達と話せるんだね。いいなぁ~…………」
カレンが羨ましそうにルーパを見る。そういえば、カレンも花が好きだった、ということをレクスは思い出した。冒険中に珍しい花があれば、よく立ち止まって話しかけていたような…………。てっきり話せるとばかり思っていたのだが…………あれはどうやら独り言だったらしい。
「じゃあ、聞いてみる……?」
ルーパはそう提案した。その提案に、カレンは目を輝かせて身を乗り出した。
「聞けるの!?」
「うん……」
「やったぁ!」
喜ぶカレン。いつにも増して大はしゃぎ。
「カレン、うるさいのだっ!」
気持ちよくベッドで寝ていたティーナがカレンに向かって思い切り跳び蹴りした。カレンは、いきなりの跳び蹴りに驚きながらも、魔法によって障壁を展開し、防ぐ。
「ちょっと、危ないでしょ!」
「我の安眠を邪魔するのが悪いのだ」
ティーナはふん、と鼻息を鳴らしながらそう言った。しかし、本気で怒っているわけでもないようで、すぐにケロッとしていた。それにしても、本当に寝起きがいい。起きた後だというのに、欠伸の一つもしていない。
(…………っていうか、また寝たし)
ティーナがベッドに戻って再びぐっすり眠っている姿を見て、レクスは呆れながらも苦笑していた。
「それで、ルーパ。花の声、聞かせてくれるんだよね?」
「うん………でも………」
ルーパはレクスの方を見た。恐らく、許可をもらいたいのだろう。レクスはそんなルーパの心中を察してか、苦笑して。
「いいよ、行ってきて」
「ありがとう」
ルーパは微笑みながらそう言うと、お姉ちゃん行こ……? とカレンの手を引っ張って共に部屋を出ていった。
「お姉ちゃん、ね…………」
ミーシャは意味ありげに呟きながら微笑んだのだった。
◇◆◇◆◇
ルーパとカレンは今ユビネス大森林帯に向かう道中を歩いていた。
「じゃあ、基本的にはどんな花の声でも聞くことができるんだ?」
「うん………。花にも色々個性がある……。聞いてて楽しい」
優しい花や短気な花、面白い花など、実に多様な個性がある。今まで花の個性など考えたこともなかったので素直に驚いた。
ルーパとカレンが何気ない会話をしていると──────
「ピイイィィィィーーーー!!」
「………………!?」
ルーパは思わず上を見る。そこには─────鳴き声は限りなく可愛い鳥のそれだが、見た目はおぞましいとまではいかないもののあまり見たくない魔物がルーパに迫ってきていた。空から一気に急降下して、ルーパに攻撃する─────
「お花さん達、私に力を貸して…………!」
ルーパが目を閉じて詠唱すると、地面から鮮やかな花をつけたツルが鳥の魔物に巻き付く。
「『奇音』…………!」
心地よい音が響く。カレンも聞いていると、癒されるような音色。しかし─────
「ピイイイィィィーーーーーー!?」
耳を塞ぎたいのか、バタバタバタと羽を動かしてもがく鳥の魔物。暫くして、バタバタ動いていた羽も動かなくなり、力尽きたように気絶してしまった。いったい、何が起こったというのか。
「ルーパ、今のは………………?」
「あの魔物にとって嫌な音を聞かせたの…………」
カレンの問いにルーパはそう言った。
(…………っていうか、今の魔法(?)初めて見るね……)
「ねえ、今のって魔法?」
カレンの問いにルーパは首を横に振った。どうやら違うらしい。
「ううん、違う…………。今のは近くのお花さん達の持つ力を借りたの………。魔法に限りなく近いかもしれないけど、違う………」
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