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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
レクス、困惑する
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「ま、間に合わなかった………………」
「残念だったね! あと少しだったのにさぁ!」
どこまでも楽しそうに笑うリライ。狂っている。思考も、その表情も、何もかもが…………。
「お、お姉ちゃん!? なんでここに!?」
「ユキ姉! それにレクス達まで!?」
イルメラとマリューシュが驚きながら叫んでいた。さっきまで、2人の姿はここにはなかった。例のマリューシュのあの空間に白い穴が開くスキルで出したのだろう。
「もう用は済んだし、こいつらを助けたかったんだろう? 返すよ」
パチン! と指を鳴らすと、檻が解けて2人とも自由の身になった。2人とも、ユキメウラ達のもとへ駆け寄ろうと、駆け出す。しかし──────。
「───────勿論、殺した後でねぇ!」
2人の後ろから剣を振り下ろすリライ。2人とも、後ろからリライが襲ってきていることに気づいていない。鋭い刃が、2人の背中を捉える──────。
「───────させないっ」
ガキイイイィィィィィ──────ン!!
「ぐっ………………!」
重い…………!
レクスは『精力』を駆使して、何とか受け止めた。思った以上に身体が速く動いたことに、レクス自身も驚いていた。2人は、後ろから聞こえた音でリライが自分達を襲おうとしていたことに気づいたようだ。
「あ、言い忘れたけど、もう『制限』は解除してあるよ。そろそろ効果が切れるころだったからね。まあ、今更何をしたところで意味はないけどさ!」
リライは、そのまま後ろに何回転かして華麗に着地し、そう言った。
「あ、ありがとう…………」
「レクス、ごめん…………」
2人はそう言うと、再びユキメウラの元へ駆け出した。
「お姉ちゃんっ、お姉ちゃんっ…………!」
「ユキ姉っ!」
2人ともユキメウラに飛び付いて抱きつく。ユキメウラは、優しく二人を受け止めた。
「お姉ちゃん、ごめんね…………!」
「ユキ姉、ごめんっ…………!」
泣きながら、そう言うイルメラとマリューシュ。ユキメウラは、ただ優しく2人の頭を撫でる。
「…………こんなことをしていていいのかい? こうしている間にも、魔物はどんどん溢れだしてるけど」
リライが嘲笑しながらそんなことを言った。
「…………そうかもね。でもっ、この瞬間を邪魔させる訳にはいかないっ…………!」
それに、あっちにはフィアさんや、オーグデンさん、『四英雄』の方達がいる。そう簡単にやられはしない。後からすぐに加勢しにいける。
「…………そうかい、まあいいさ。君は、これから本当の脅威を知ることになる。直にわかるさ」
あはははは! と笑うリライ。──────と。
「………………ん? なんだ、あれは?」
リライは、空の方を向いた。そこには、飛竜がこちらに向かって飛んでくる姿があった。明らかに妖精族ではない。しかもあの姿…………。
「人間!?」
リライの声に釣られ、レクスも空を見る。そこには──────飛竜に乗ったディベルティメント騎士団やその他の騎士団、更には他の種族まで、姿が見られた。フィアの姿もあった。更に下の方にも多種族も姿見えた。レクスの見知った顔もいた。主に、対策会議を開いた時の面子のことだ。
「な、なんで………………!?」
レクスは予想外の事態に驚いた。それと同時に、なぜここに来たのか─────と悲痛な思いにもかられていた。
「──────レクス達! みんな、大丈夫!?」
飛竜でここの屋上に着地して、レクス達のもとへ駆け寄るフィア。他の人達も、続々と飛竜から降りてくる。
「ど、どうして………………?」
「…………心配したんだよ? レクスが妖精族の国に行ったって聞いて」
潤んだ瞳でそう言うフィア。レクスの言葉が耳に入っていないようだ。どうやら他の種族も来ているようなので、これから理由が分かるはずだ。
「─────何の用かな? こんな大勢で」
「───────妖精族の王、リライ。貴様を捕らえに来た」
対策会議において、『ミューエル』の代表である、ハールがそう言いながらリライの前に佇んだのだった。
「残念だったね! あと少しだったのにさぁ!」
どこまでも楽しそうに笑うリライ。狂っている。思考も、その表情も、何もかもが…………。
「お、お姉ちゃん!? なんでここに!?」
「ユキ姉! それにレクス達まで!?」
イルメラとマリューシュが驚きながら叫んでいた。さっきまで、2人の姿はここにはなかった。例のマリューシュのあの空間に白い穴が開くスキルで出したのだろう。
「もう用は済んだし、こいつらを助けたかったんだろう? 返すよ」
パチン! と指を鳴らすと、檻が解けて2人とも自由の身になった。2人とも、ユキメウラ達のもとへ駆け寄ろうと、駆け出す。しかし──────。
「───────勿論、殺した後でねぇ!」
2人の後ろから剣を振り下ろすリライ。2人とも、後ろからリライが襲ってきていることに気づいていない。鋭い刃が、2人の背中を捉える──────。
「───────させないっ」
ガキイイイィィィィィ──────ン!!
「ぐっ………………!」
重い…………!
レクスは『精力』を駆使して、何とか受け止めた。思った以上に身体が速く動いたことに、レクス自身も驚いていた。2人は、後ろから聞こえた音でリライが自分達を襲おうとしていたことに気づいたようだ。
「あ、言い忘れたけど、もう『制限』は解除してあるよ。そろそろ効果が切れるころだったからね。まあ、今更何をしたところで意味はないけどさ!」
リライは、そのまま後ろに何回転かして華麗に着地し、そう言った。
「あ、ありがとう…………」
「レクス、ごめん…………」
2人はそう言うと、再びユキメウラの元へ駆け出した。
「お姉ちゃんっ、お姉ちゃんっ…………!」
「ユキ姉っ!」
2人ともユキメウラに飛び付いて抱きつく。ユキメウラは、優しく二人を受け止めた。
「お姉ちゃん、ごめんね…………!」
「ユキ姉、ごめんっ…………!」
泣きながら、そう言うイルメラとマリューシュ。ユキメウラは、ただ優しく2人の頭を撫でる。
「…………こんなことをしていていいのかい? こうしている間にも、魔物はどんどん溢れだしてるけど」
リライが嘲笑しながらそんなことを言った。
「…………そうかもね。でもっ、この瞬間を邪魔させる訳にはいかないっ…………!」
それに、あっちにはフィアさんや、オーグデンさん、『四英雄』の方達がいる。そう簡単にやられはしない。後からすぐに加勢しにいける。
「…………そうかい、まあいいさ。君は、これから本当の脅威を知ることになる。直にわかるさ」
あはははは! と笑うリライ。──────と。
「………………ん? なんだ、あれは?」
リライは、空の方を向いた。そこには、飛竜がこちらに向かって飛んでくる姿があった。明らかに妖精族ではない。しかもあの姿…………。
「人間!?」
リライの声に釣られ、レクスも空を見る。そこには──────飛竜に乗ったディベルティメント騎士団やその他の騎士団、更には他の種族まで、姿が見られた。フィアの姿もあった。更に下の方にも多種族も姿見えた。レクスの見知った顔もいた。主に、対策会議を開いた時の面子のことだ。
「な、なんで………………!?」
レクスは予想外の事態に驚いた。それと同時に、なぜここに来たのか─────と悲痛な思いにもかられていた。
「──────レクス達! みんな、大丈夫!?」
飛竜でここの屋上に着地して、レクス達のもとへ駆け寄るフィア。他の人達も、続々と飛竜から降りてくる。
「ど、どうして………………?」
「…………心配したんだよ? レクスが妖精族の国に行ったって聞いて」
潤んだ瞳でそう言うフィア。レクスの言葉が耳に入っていないようだ。どうやら他の種族も来ているようなので、これから理由が分かるはずだ。
「─────何の用かな? こんな大勢で」
「───────妖精族の王、リライ。貴様を捕らえに来た」
対策会議において、『ミューエル』の代表である、ハールがそう言いながらリライの前に佇んだのだった。
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