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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
マリューシュの危機
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「こ、これは………………!」
マリューシュは、見覚えのあるものが机の引出しの中に置いてあったのを見て、思わず声を出した。マリューシュは、現在推進派のアジトにいる。昨日、遂に突き止めてダンジョンコアを乗っ取ろうとしたその証拠を確保しようとしていたところだ。
「王にしか身に付けることを許されていない首輪…………? ってことは、まさか………!」
これが本物だとすると──────リライが、推進派と繋がっていることになる。
「まさか、リライ様が…………」
でも、よくよく考えてみれば、辻褄が合う。何故犯人の情報が中々入ってこないのか、何故わざわざ警戒体制を強化しているときに、『黒翼人』が来たのか。全て裏でリライが情報を操作していたのだ。情報を漏らしたり、あるいは虚偽の情報を流したり。
「でも、なんで…………!?」
そう。動機だけが、分からないのだ。何が目的で、このような事をしたのか──────。
「ぐふっ…………!?」
考え事をしているマリューシュの背中に、強い衝撃が走った。マリューシュは、その瞬間、意識が暗転して地に倒れ伏したのだった。
◇◆◇◆◇
「ふぅ…………忘れた首輪を取りに来たら、まさか先客がいたとはね。危ない、危ない」
忘れた首輪を取りに来た妖精族─────リライは、そんなことを呟いた。リライがここに戻って来たのは、本当に偶然である。タイミングが良かったのだ。
「これ以上勘づかれても厄介だし、ここで───────」
殺そうか、と思ったリライだが、ふと思いとどまる。そして、もっといい案が頭に思い浮かんだのか、ニヤリ…………と不気味な笑みを浮かべる。
「…………あいつの目の前で、マリューシュを殺すのもいいかな」
あいつに、マリューシュの協力者だった少年…………名をレクスといったかな……。そいつを殺せば、マリューシュを解放してやるって言って…………!
「ふふふ…………あははは! 最高じゃないか!」
リライは、そんな様子を想像して興奮したのか、建物内に響き渡るような声で嗤うのだった。
◇◆◇◆◇
授業参観当日─────。
「えー…………では、これから古代文字の読解を行う。各自に簡単な古代文字の魔法紙を渡すから、早速魔力を通して、読解に挑戦してみてくれ」
ミアは、先生の話を聞きながらレクスとエレナに手を振った。レクスとエレナも苦笑しながら、手を振り返した。レクスとエレナは最初、教室に入った時に、何でこんな若い夫婦が…………? と噂になっていた。レクス達は、少々見悶える羽目になったのだ。
「…………ところでエレナ。古代文字って何?」
「………………古代文字っていうのは、エルフの上位種族にあたるハイエルフが使っていた文字…………。………ハイエルフも、今は私達と同じ文字を使ってる…………」
なるほどね。古代文字かぁ…………僕の授業の時はなかったなぁ。それに、壇上に立ってる先生。耳が普通のエルフよりも長い。もしかすると…………あれがハイエルフかな?
「読解出来ない~!」
「魔力を通しても、何も起こらねえぞ!」
「ははは、魔力量が足りないんだ。そもそもこの授業自体、魔力量の強化を目的としてるしな」
豪快に笑う、ハイエルフらしき男性。
「宜しければ、皆様もどうぞ挑戦してみて下さい」
ハイエルフらしき男性は、そう言って授業参観を見に来た人達にも配る。レクス達にも配られた。
「取り敢えず、魔力を通してみようかな」
「………………私も」
そう言って2人は、魔力を通す。すると、程なくして文字が浮かび上がって来た。
「アル・ディハム・オーラル・コウス…………?」
古代文字など全く知らないレクスだが、何故か読むことが出来た。頭の中に、読みが浮かんできたのだ。
レクスがその古代文字を唱えると─────。
「「「「「「おおっ!!」」」」」」
魔法紙が虹色に輝いた。生徒達は、その光景を目の当たりにして、感嘆していた。
「古代文字を読解するとは………………中々やるな…………」
ハイエルフらしき男性も、その光景を見て素直に褒めた。
「お兄ちゃん達…………相変わらず凄いね……」
ミアは、苦笑しながらそんなことを言った。
この日、レクスは授業参観で目立つ羽目になったのだった。
マリューシュは、見覚えのあるものが机の引出しの中に置いてあったのを見て、思わず声を出した。マリューシュは、現在推進派のアジトにいる。昨日、遂に突き止めてダンジョンコアを乗っ取ろうとしたその証拠を確保しようとしていたところだ。
「王にしか身に付けることを許されていない首輪…………? ってことは、まさか………!」
これが本物だとすると──────リライが、推進派と繋がっていることになる。
「まさか、リライ様が…………」
でも、よくよく考えてみれば、辻褄が合う。何故犯人の情報が中々入ってこないのか、何故わざわざ警戒体制を強化しているときに、『黒翼人』が来たのか。全て裏でリライが情報を操作していたのだ。情報を漏らしたり、あるいは虚偽の情報を流したり。
「でも、なんで…………!?」
そう。動機だけが、分からないのだ。何が目的で、このような事をしたのか──────。
「ぐふっ…………!?」
考え事をしているマリューシュの背中に、強い衝撃が走った。マリューシュは、その瞬間、意識が暗転して地に倒れ伏したのだった。
◇◆◇◆◇
「ふぅ…………忘れた首輪を取りに来たら、まさか先客がいたとはね。危ない、危ない」
忘れた首輪を取りに来た妖精族─────リライは、そんなことを呟いた。リライがここに戻って来たのは、本当に偶然である。タイミングが良かったのだ。
「これ以上勘づかれても厄介だし、ここで───────」
殺そうか、と思ったリライだが、ふと思いとどまる。そして、もっといい案が頭に思い浮かんだのか、ニヤリ…………と不気味な笑みを浮かべる。
「…………あいつの目の前で、マリューシュを殺すのもいいかな」
あいつに、マリューシュの協力者だった少年…………名をレクスといったかな……。そいつを殺せば、マリューシュを解放してやるって言って…………!
「ふふふ…………あははは! 最高じゃないか!」
リライは、そんな様子を想像して興奮したのか、建物内に響き渡るような声で嗤うのだった。
◇◆◇◆◇
授業参観当日─────。
「えー…………では、これから古代文字の読解を行う。各自に簡単な古代文字の魔法紙を渡すから、早速魔力を通して、読解に挑戦してみてくれ」
ミアは、先生の話を聞きながらレクスとエレナに手を振った。レクスとエレナも苦笑しながら、手を振り返した。レクスとエレナは最初、教室に入った時に、何でこんな若い夫婦が…………? と噂になっていた。レクス達は、少々見悶える羽目になったのだ。
「…………ところでエレナ。古代文字って何?」
「………………古代文字っていうのは、エルフの上位種族にあたるハイエルフが使っていた文字…………。………ハイエルフも、今は私達と同じ文字を使ってる…………」
なるほどね。古代文字かぁ…………僕の授業の時はなかったなぁ。それに、壇上に立ってる先生。耳が普通のエルフよりも長い。もしかすると…………あれがハイエルフかな?
「読解出来ない~!」
「魔力を通しても、何も起こらねえぞ!」
「ははは、魔力量が足りないんだ。そもそもこの授業自体、魔力量の強化を目的としてるしな」
豪快に笑う、ハイエルフらしき男性。
「宜しければ、皆様もどうぞ挑戦してみて下さい」
ハイエルフらしき男性は、そう言って授業参観を見に来た人達にも配る。レクス達にも配られた。
「取り敢えず、魔力を通してみようかな」
「………………私も」
そう言って2人は、魔力を通す。すると、程なくして文字が浮かび上がって来た。
「アル・ディハム・オーラル・コウス…………?」
古代文字など全く知らないレクスだが、何故か読むことが出来た。頭の中に、読みが浮かんできたのだ。
レクスがその古代文字を唱えると─────。
「「「「「「おおっ!!」」」」」」
魔法紙が虹色に輝いた。生徒達は、その光景を目の当たりにして、感嘆していた。
「古代文字を読解するとは………………中々やるな…………」
ハイエルフらしき男性も、その光景を見て素直に褒めた。
「お兄ちゃん達…………相変わらず凄いね……」
ミアは、苦笑しながらそんなことを言った。
この日、レクスは授業参観で目立つ羽目になったのだった。
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