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7章 旅行先で
どうしてこうなった
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「お兄ちゃん達、お帰り~。遅かったじゃん…………って凄い疲れた顔してるじゃん!? ティーナちゃんも! どうしたの!?」
ミアは、2人の表情を見て、驚きの声をあげた。それもそのはず。レクスとティーナは、遠目から見てもはっきりと分かるくらいに表情がどんよりしていたからだ。
何故そうなっているのか説明するには、少し時を遡る必要がある──────。
◇◆◇◆◇
「そうそう! この試練を見事クリアした君達には、これをプレゼントしよう!」
少年──────名を、マリューシュと言うらしい──────がそう言うと、マリューシュの目の前が光って、そこに騎士が着るような装備が現れた。っていうか─────。
「それ、さっきの人形が着てたやつじゃん!」
「そうさ。こう見えて僕は錬金術にも精通しているからね。作るのなんて、ちょちょいのちょいさ」
得意気に笑うマリューシュ。むしろ、錬金術の方が得意なのでは? と思うレクス。人形だって、性能自体は全然高くもなかったし。ほとんど装備で補ってるようなもんだったし。
「ありがたく受け取っておくよ」
レクスでは、まだ武器しか上手く作ることが出来ないため、もらっておいても損はないだろう。
レクスは、マリューシュから暗黒騎士が身に付けていた装備品を受けとる。持ってみた感じ、装備も大して重くない。誰でも身に付けられそうである。レクス自身、装備は必要ないので、後で誰か適当な人にあげようと決めた。
「あと、僕から一つお願いがあるんだけど」
「何? ──────って、ティーナ! 駄目だよ、魔法をぶっ放そうとするのは!」
「何でなのだ!? 気にくわないから、奴をぶっ殺すのだっ!」
「駄目だってっ!」
必死に止めるレクス。一向に話が進まない。
「それで、僕のお願いなんだけど──────」
暫くして、とりあえず騒ぎは収まり話を切り出すマリューシュ。
「ここの新たな主になってほしいんだ」
「………………主?」
「そう、主さ。その顔だと分かってないようだね。一から丁寧に説明すると、主っていうのは─────」
マリューシュはダンジョンの主について説明を始めた。要約するとこうだ。
主っていうのは、有り体に言えばダンジョンの管理者の事を指す。ダンジョンコアの管理、ダンジョンの難易度の調整などが主な仕事になるらしい。
「それって要するに、ダンジョンに縛られるってこと?」
「そうなっちゃうかな…………」
上手く包んだつもりでも、隠しきれなかったううだ。素直に白状してくれた。
「じゃあ──────悪いけど、その話は受けられないよ」
ダンジョンに縛り付けられないならまだしも、縛り付けられるのでは領主の仕事だってこなせなくなってしまう。それに、そんな面倒な仕事を引き受けるのはごめんである。
「じゃあ、これだけでもいいから持ってって欲しい!」
そう言ってマリューシュが渡したものは、赤色の八面体の形をした結晶。マリューシュが先程説明していたダンジョンコア、それの複製である。
「これに魔力を注ぎ込めば色々調節が出来るから!」
「どうしてそこまで………………」
レクスは少々困惑気味にそう尋ねた。
「それは、話せば長くなるけど──────」
「あ、じゃあいいよ」
話が話が長くなるにせよ、あまり深入りするべき事情じゃない気がする。なんか、僕の本能が話を聞くべきじゃないって言ってる気がする。
「わ────っ! 待って、待って! 分かった、簡潔に話すから!」
マリューシュは、一旦深呼吸して落ち着きを取り戻すと、本来の路線に戻って話し始めた。
「実は今─────ダンジョンが危ないんだ」
真剣な表情で切り出すマリューシュ。どっちにしても、長くなる予感しかしない、レクス達であった。
ミアは、2人の表情を見て、驚きの声をあげた。それもそのはず。レクスとティーナは、遠目から見てもはっきりと分かるくらいに表情がどんよりしていたからだ。
何故そうなっているのか説明するには、少し時を遡る必要がある──────。
◇◆◇◆◇
「そうそう! この試練を見事クリアした君達には、これをプレゼントしよう!」
少年──────名を、マリューシュと言うらしい──────がそう言うと、マリューシュの目の前が光って、そこに騎士が着るような装備が現れた。っていうか─────。
「それ、さっきの人形が着てたやつじゃん!」
「そうさ。こう見えて僕は錬金術にも精通しているからね。作るのなんて、ちょちょいのちょいさ」
得意気に笑うマリューシュ。むしろ、錬金術の方が得意なのでは? と思うレクス。人形だって、性能自体は全然高くもなかったし。ほとんど装備で補ってるようなもんだったし。
「ありがたく受け取っておくよ」
レクスでは、まだ武器しか上手く作ることが出来ないため、もらっておいても損はないだろう。
レクスは、マリューシュから暗黒騎士が身に付けていた装備品を受けとる。持ってみた感じ、装備も大して重くない。誰でも身に付けられそうである。レクス自身、装備は必要ないので、後で誰か適当な人にあげようと決めた。
「あと、僕から一つお願いがあるんだけど」
「何? ──────って、ティーナ! 駄目だよ、魔法をぶっ放そうとするのは!」
「何でなのだ!? 気にくわないから、奴をぶっ殺すのだっ!」
「駄目だってっ!」
必死に止めるレクス。一向に話が進まない。
「それで、僕のお願いなんだけど──────」
暫くして、とりあえず騒ぎは収まり話を切り出すマリューシュ。
「ここの新たな主になってほしいんだ」
「………………主?」
「そう、主さ。その顔だと分かってないようだね。一から丁寧に説明すると、主っていうのは─────」
マリューシュはダンジョンの主について説明を始めた。要約するとこうだ。
主っていうのは、有り体に言えばダンジョンの管理者の事を指す。ダンジョンコアの管理、ダンジョンの難易度の調整などが主な仕事になるらしい。
「それって要するに、ダンジョンに縛られるってこと?」
「そうなっちゃうかな…………」
上手く包んだつもりでも、隠しきれなかったううだ。素直に白状してくれた。
「じゃあ──────悪いけど、その話は受けられないよ」
ダンジョンに縛り付けられないならまだしも、縛り付けられるのでは領主の仕事だってこなせなくなってしまう。それに、そんな面倒な仕事を引き受けるのはごめんである。
「じゃあ、これだけでもいいから持ってって欲しい!」
そう言ってマリューシュが渡したものは、赤色の八面体の形をした結晶。マリューシュが先程説明していたダンジョンコア、それの複製である。
「これに魔力を注ぎ込めば色々調節が出来るから!」
「どうしてそこまで………………」
レクスは少々困惑気味にそう尋ねた。
「それは、話せば長くなるけど──────」
「あ、じゃあいいよ」
話が話が長くなるにせよ、あまり深入りするべき事情じゃない気がする。なんか、僕の本能が話を聞くべきじゃないって言ってる気がする。
「わ────っ! 待って、待って! 分かった、簡潔に話すから!」
マリューシュは、一旦深呼吸して落ち着きを取り戻すと、本来の路線に戻って話し始めた。
「実は今─────ダンジョンが危ないんだ」
真剣な表情で切り出すマリューシュ。どっちにしても、長くなる予感しかしない、レクス達であった。
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