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7章 旅行先で
進む、進む
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「ふぅ…………取り敢えず100階層まで来たね…………」
レクスは一息つきながらそう言った。10階層毎にボスが出てきたが、全て一撃で撃破した。ここまで進むのに大体2時間かからないくらいできた。というのも、途中から似たような鉱石ばかりが見られるようになってきたので、向かってくる魔物だけ蹴散らしてきたのだ。ステータスは後でまとめて取るので、今は保留である。
「ここら辺は何か黒い鉱石が多いね…………」
さっきまでは実に色々な鉱石があったのだが、どこを見渡しても黒い鉱石だらけである。
「一応見てみよっかな…………」
レクスは『見る』を発動。黒い鉱石を調べる。
・ダルム鉱石
加工しやすく、ミスリルと同等の硬度を誇る。主に、盾や防具を作る際に用いられる事が多いが、ここ最近は誰もここに訪れないため、街では出回っていない。
・マダン鉱石
強度はミスリルよりも上。鉱石自体は大して重くない。しかし、加工が難しく大量の魔力(普通の人の基準)を要するため、加工したがる者はほとんどいない。
・バーモノイド鉱石
この鉱石は、助燃性に優れた鉱石で炎を点火すれば、炎が二回りくらい大きくなる。爆弾の材料にも使用されることが多々ある。これも街では出回ってない。あ、因みに助燃性ってある物質が燃えるのを助ける性質ね。オーケー?
こんな説明が次々に出てきた。後半がほぼ駄文になっているのは、きっと気のせいだろう。っていうか…………。
「何? 普通の人の基準って。確かに僕が普通の人じゃないのは認めるけどさ…………」
それに、助燃性の説明の最後のオーケー? だって、これ絶対いらないでしょ。もしかして…………。
「僕が最近ずっと『見る』使ってなかったから…………構って欲しかったの?」
レクスがそんなことを呟いていると、目の前の画面が切り替わった。
◇そ、そんなんじゃありません。別にマスターが他の女の子と仲良くしてるから寂しいとか、そういうのじゃありませんっ。
あ、そうなんだ。
レクスは、絶対にそうだなと確信した。
しかも、さっきマスターって呼んでなかった? 今までマスターって呼ばれたこともなかったのに。
◇それはどうでもいいのです。ワタシの気持ちというか、なんというか…………。ああっ、もう! それよりも、マスター。レベルを早く上げて下さいよ。ワタシがいつまで経ってもマスターに会えないじゃないですか!
僕の思ってることも分かるのか。初めて『見る』が厄介だって思った。
◇ひ、ひどい!?
それにしても…………会話が出来るようになるなんてね。早くレベルを上げろとか言ってたけど、
脳内でそんな会話を繰り広げていると。
「レクス! ちょっとこっちへ来るのだ!」
「ん? 何? どうしたの?」
レクスは、すぐさまティーナの元へ行き、ティーナが指差す壁を見る。そこにはなにか文字が書いてあった。しかし、見慣れない言語で書かれており、全く読めなかった。
◇魔力を通せって書いてありますよ(笑)。
なんか企んでそうだけど…………まあいいや。取り敢えず通してみるか。僕達なら、大抵の事なら対処できるだろうし。
レクスは文字の上に手を置いて、魔力を流し始めた。
「何をやってるのだ?」
「魔力を通してるんだよ」
ある程度魔力を流し込むと、文字が光り──────床に魔法陣が現れた。
「な、何なのだ!?」
ティーナは突然の事に驚いたように声をあげた。かくいうレクスも、全く予期していなかった出来事に驚いていた。でも、この魔法陣をよく見てみれば、ある魔法陣に酷似していた。
「強制送還魔法に似てる………………?」
それは、レクスがエレナと初めて出会った時に、エレナが奴隷であり、強制的に奴隷商の元へ返された強制送還魔法の魔法陣に似ていた。しかし、それとは微妙に違う。きっと、どこかに転移させられるんだろう。それだけは間違いない。
光が収まると、レクス達の姿は既にそこから消えていた。
レクスは一息つきながらそう言った。10階層毎にボスが出てきたが、全て一撃で撃破した。ここまで進むのに大体2時間かからないくらいできた。というのも、途中から似たような鉱石ばかりが見られるようになってきたので、向かってくる魔物だけ蹴散らしてきたのだ。ステータスは後でまとめて取るので、今は保留である。
「ここら辺は何か黒い鉱石が多いね…………」
さっきまでは実に色々な鉱石があったのだが、どこを見渡しても黒い鉱石だらけである。
「一応見てみよっかな…………」
レクスは『見る』を発動。黒い鉱石を調べる。
・ダルム鉱石
加工しやすく、ミスリルと同等の硬度を誇る。主に、盾や防具を作る際に用いられる事が多いが、ここ最近は誰もここに訪れないため、街では出回っていない。
・マダン鉱石
強度はミスリルよりも上。鉱石自体は大して重くない。しかし、加工が難しく大量の魔力(普通の人の基準)を要するため、加工したがる者はほとんどいない。
・バーモノイド鉱石
この鉱石は、助燃性に優れた鉱石で炎を点火すれば、炎が二回りくらい大きくなる。爆弾の材料にも使用されることが多々ある。これも街では出回ってない。あ、因みに助燃性ってある物質が燃えるのを助ける性質ね。オーケー?
こんな説明が次々に出てきた。後半がほぼ駄文になっているのは、きっと気のせいだろう。っていうか…………。
「何? 普通の人の基準って。確かに僕が普通の人じゃないのは認めるけどさ…………」
それに、助燃性の説明の最後のオーケー? だって、これ絶対いらないでしょ。もしかして…………。
「僕が最近ずっと『見る』使ってなかったから…………構って欲しかったの?」
レクスがそんなことを呟いていると、目の前の画面が切り替わった。
◇そ、そんなんじゃありません。別にマスターが他の女の子と仲良くしてるから寂しいとか、そういうのじゃありませんっ。
あ、そうなんだ。
レクスは、絶対にそうだなと確信した。
しかも、さっきマスターって呼んでなかった? 今までマスターって呼ばれたこともなかったのに。
◇それはどうでもいいのです。ワタシの気持ちというか、なんというか…………。ああっ、もう! それよりも、マスター。レベルを早く上げて下さいよ。ワタシがいつまで経ってもマスターに会えないじゃないですか!
僕の思ってることも分かるのか。初めて『見る』が厄介だって思った。
◇ひ、ひどい!?
それにしても…………会話が出来るようになるなんてね。早くレベルを上げろとか言ってたけど、
脳内でそんな会話を繰り広げていると。
「レクス! ちょっとこっちへ来るのだ!」
「ん? 何? どうしたの?」
レクスは、すぐさまティーナの元へ行き、ティーナが指差す壁を見る。そこにはなにか文字が書いてあった。しかし、見慣れない言語で書かれており、全く読めなかった。
◇魔力を通せって書いてありますよ(笑)。
なんか企んでそうだけど…………まあいいや。取り敢えず通してみるか。僕達なら、大抵の事なら対処できるだろうし。
レクスは文字の上に手を置いて、魔力を流し始めた。
「何をやってるのだ?」
「魔力を通してるんだよ」
ある程度魔力を流し込むと、文字が光り──────床に魔法陣が現れた。
「な、何なのだ!?」
ティーナは突然の事に驚いたように声をあげた。かくいうレクスも、全く予期していなかった出来事に驚いていた。でも、この魔法陣をよく見てみれば、ある魔法陣に酷似していた。
「強制送還魔法に似てる………………?」
それは、レクスがエレナと初めて出会った時に、エレナが奴隷であり、強制的に奴隷商の元へ返された強制送還魔法の魔法陣に似ていた。しかし、それとは微妙に違う。きっと、どこかに転移させられるんだろう。それだけは間違いない。
光が収まると、レクス達の姿は既にそこから消えていた。
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