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7章 旅行先で
ランク決め ー1
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「僕はツゥーリっていうんだ。みんなの試験を担当するから、宜しくね!」
ツゥーリは、そう自己紹介した。ツゥーリは、盗賊っぽい露出の多い装備に、黄色の短髪が特徴的だ。身長は、レクスより少し高い程度。少女だ。っていうか、試験なんて初めて聞いたんだけど…………。
「取り敢えず、軽く説明するね! この試験は、君達の強さを計る試験だ! その強さを見て、どのランクからスタートするか決めていくからね! ランクは、G~SSランクまであって、SSランクは現在の所、僕とあともう一人だけかな? SSランクともなれば、報酬も莫大だからね! その分クエの難易度も高いけど!」
ツゥーリは、ここの冒険者ギルドの階級について軽く説明した。レクスは、セレニア皇国とのランク分けの違いに、感心していた。
「それじゃあ、説明はこのくらいにして…………どうする? 誰から始める?」
「じゃあ、僕からで」
最初に手をあげたのはレクスだ。
「オッケー。じゃあ、武器を構えて」
レクスは魔法袋から、ミスリルの剣を取り出して構える。ここで、『鬼人皇帝』の素材を使った剣を出したら、大騒ぎになるかもしれない。鍛冶に目ざといドワーフ族の事だ、素材のこともすぐに分かるだろう。
「ミ、ミスリルだと!? あのボウズ、いい剣持ってんな…………」
ミスリルの剣にどよめきたつ観客達。これが、鬼人皇帝の剣だったらどうなっていたことか…………計り知れない。
「にしし、いい剣を持ってるようだね。だけど────僕の剣の方がもっと凄いよ?」
そういいながら、剣を鞘から抜くツゥーリ。そして、刀身が現れた。その刀身は燃え盛るように赤く、剣が生きているかのような感覚だ。
「お、おい、ツゥーリの剣、見てみろよ…………」
「…………ああ、間違いねえ。あれは────レッドベリルだ」
レッドベリル。数百年に一回産出されるかどうかというくらいの貴重な鉱石だ。その硬度は、ミスリルの比ではなく、相当硬い。とてもレアな鉱石だ。
「ふふふっ、つい最近、ダンジョンの深層付近で狩った魔物がこのレッドベリルをドロップしたんだ。いや~、ラッキーだったよ」
嬉しそうにそう言うツゥーリ。
「レッドベリルって何?」
しかし、ここにレッドベリルを知らない者が一人。レクスである。レクス以外のメンツも、あまり知らないようで、黙ってこそいるが、理解していない様子。
「あ、あんた、レッドベリルを知らないの? 数百年に一回産出されるかどうか分からない超レアな鉱石なのに…………」
「すみません、なにぶん、鉱石に詳しくないので」
レクスは申し訳なさそうにそう言った。ツゥーリとしては、羨ましがって欲しかったのだが…………その算段は失敗に終わった。
「ま、まあ、いいや。取り敢えず、試験を始めよう。リルリ、審判をお願い」
「分かりました。では、両者構えて─────始め!!」
レクスの試験が始まった。エレナ達は、端に避けて観戦していた。
「かかってきなよ」
余裕の笑みを浮かべるツゥーリ。勝てると思っているようだ。
「では──────遠慮なく」
ギュン!! と一気に加速するレクス。
「───────!?」
ツゥーリは驚いて、咄嗟に剣を出した。
ギイイィィィィィ─────ン!!
「くっ………………!!」
何とか防いだが、体勢が崩れてしまった。レッドベリルの剣に、ヒビが入ってしまった。レクスが、その首元に、剣を突きだした。勿論、寸止めだ。
「つ、強いね…………。ぼ、僕の負けだ………」
剣を床に置いて降参するツゥーリ。
「おいおい、嘘だろ…………? あのツゥーリが一瞬で…………?」
「ツゥーリが負けるなんて、あのボウヤ…………いったい何なの………!?」
観客席から、ざわめきが聞こえた。受付嬢、リルリもアワアワしていた。
「僕の剣が………………せっかく手に入れた剣なのに…………」
一方、ツゥーリは負けたことよりも、剣にヒビが入った事でショックを受けていた。ヒビ割れた剣は、そう簡単には直せない。鍛冶が得意なドワーフでも、出来るかは分からない。
「─────あのー…………すいません、僕で良ければ、その剣、直させてくれませんか? そのー…………壊してしまったお詫びとという事で」
レクスは申し訳なさそうな表情で、そう言った。レクスの言葉を聞いたツゥーリは、すぐに目を輝かせた。
「ほ、ほんとに!? 直るの!?」
「え、ええ、うまく出来るかは分かりませんが」
「ありがとう!」
そう言って笑うツゥーリは、輝かしい表情をしていた。
ツゥーリは、そう自己紹介した。ツゥーリは、盗賊っぽい露出の多い装備に、黄色の短髪が特徴的だ。身長は、レクスより少し高い程度。少女だ。っていうか、試験なんて初めて聞いたんだけど…………。
「取り敢えず、軽く説明するね! この試験は、君達の強さを計る試験だ! その強さを見て、どのランクからスタートするか決めていくからね! ランクは、G~SSランクまであって、SSランクは現在の所、僕とあともう一人だけかな? SSランクともなれば、報酬も莫大だからね! その分クエの難易度も高いけど!」
ツゥーリは、ここの冒険者ギルドの階級について軽く説明した。レクスは、セレニア皇国とのランク分けの違いに、感心していた。
「それじゃあ、説明はこのくらいにして…………どうする? 誰から始める?」
「じゃあ、僕からで」
最初に手をあげたのはレクスだ。
「オッケー。じゃあ、武器を構えて」
レクスは魔法袋から、ミスリルの剣を取り出して構える。ここで、『鬼人皇帝』の素材を使った剣を出したら、大騒ぎになるかもしれない。鍛冶に目ざといドワーフ族の事だ、素材のこともすぐに分かるだろう。
「ミ、ミスリルだと!? あのボウズ、いい剣持ってんな…………」
ミスリルの剣にどよめきたつ観客達。これが、鬼人皇帝の剣だったらどうなっていたことか…………計り知れない。
「にしし、いい剣を持ってるようだね。だけど────僕の剣の方がもっと凄いよ?」
そういいながら、剣を鞘から抜くツゥーリ。そして、刀身が現れた。その刀身は燃え盛るように赤く、剣が生きているかのような感覚だ。
「お、おい、ツゥーリの剣、見てみろよ…………」
「…………ああ、間違いねえ。あれは────レッドベリルだ」
レッドベリル。数百年に一回産出されるかどうかというくらいの貴重な鉱石だ。その硬度は、ミスリルの比ではなく、相当硬い。とてもレアな鉱石だ。
「ふふふっ、つい最近、ダンジョンの深層付近で狩った魔物がこのレッドベリルをドロップしたんだ。いや~、ラッキーだったよ」
嬉しそうにそう言うツゥーリ。
「レッドベリルって何?」
しかし、ここにレッドベリルを知らない者が一人。レクスである。レクス以外のメンツも、あまり知らないようで、黙ってこそいるが、理解していない様子。
「あ、あんた、レッドベリルを知らないの? 数百年に一回産出されるかどうか分からない超レアな鉱石なのに…………」
「すみません、なにぶん、鉱石に詳しくないので」
レクスは申し訳なさそうにそう言った。ツゥーリとしては、羨ましがって欲しかったのだが…………その算段は失敗に終わった。
「ま、まあ、いいや。取り敢えず、試験を始めよう。リルリ、審判をお願い」
「分かりました。では、両者構えて─────始め!!」
レクスの試験が始まった。エレナ達は、端に避けて観戦していた。
「かかってきなよ」
余裕の笑みを浮かべるツゥーリ。勝てると思っているようだ。
「では──────遠慮なく」
ギュン!! と一気に加速するレクス。
「───────!?」
ツゥーリは驚いて、咄嗟に剣を出した。
ギイイィィィィィ─────ン!!
「くっ………………!!」
何とか防いだが、体勢が崩れてしまった。レッドベリルの剣に、ヒビが入ってしまった。レクスが、その首元に、剣を突きだした。勿論、寸止めだ。
「つ、強いね…………。ぼ、僕の負けだ………」
剣を床に置いて降参するツゥーリ。
「おいおい、嘘だろ…………? あのツゥーリが一瞬で…………?」
「ツゥーリが負けるなんて、あのボウヤ…………いったい何なの………!?」
観客席から、ざわめきが聞こえた。受付嬢、リルリもアワアワしていた。
「僕の剣が………………せっかく手に入れた剣なのに…………」
一方、ツゥーリは負けたことよりも、剣にヒビが入った事でショックを受けていた。ヒビ割れた剣は、そう簡単には直せない。鍛冶が得意なドワーフでも、出来るかは分からない。
「─────あのー…………すいません、僕で良ければ、その剣、直させてくれませんか? そのー…………壊してしまったお詫びとという事で」
レクスは申し訳なさそうな表情で、そう言った。レクスの言葉を聞いたツゥーリは、すぐに目を輝かせた。
「ほ、ほんとに!? 直るの!?」
「え、ええ、うまく出来るかは分かりませんが」
「ありがとう!」
そう言って笑うツゥーリは、輝かしい表情をしていた。
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