スキル『日常動作』は最強です　ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

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６章　突如、領地経営へ

そして────。

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｢────とまあ、そんな経緯があって、私は魔剣になったのよ｣

｢そっか、そんなことが………………｣

　レクスはどう言葉をかけたらいいのか、分からなかった。ミーシャの決断の辛さを計りしれないからだ。他のみんなも、思わず黙り込んでしまった。そんな中────。

｢──────っ｣

　ミーシャは思わず息を飲んだ。エレナが優しく抱き締めてくれたからだ。優しく頭をポンポンしてやるエレナ。ミーシャは、思わず涙を流してしまった。

｢ううぅぅぅ…………。うわああぁぁぁ…………！｣

　そして、ミーシャは今まで溜め込んでいたものを吐き出すかのように、涙を流すのだった。

◇◆◇◆◇

　────２ヶ月後。

｢旦那の館が完成しやしたぜ！｣

　『建築士』の取り纏め役のような男────ジェインが領地にやって来たレクスに、そう言った。

｢おお、遂に…………！中に入っても大丈夫？｣

｢勿論ですぜ！おい、ノルック！旦那達に館の中を案内してくれ！｣

｢おうよ！｣

　ジェインがノルックを呼ぶと、ノルックはすぐさま駆けつけて来た。

｢じゃあ、旦那達。オレについてきてください｣

　ノルックにそう言われ、レクス達はノルック先導の下、館の中を見て回ることになった。

◇◆◇◆◇

｢ここが、旦那が書類やら何やらの整理を行う際に使う、執務室になります｣

｢わぁー…………。思ったより随分広いね｣

｢………うん………………｣

｢そうね｣

｢ここだけでも生活出来そうな広さだね…………｣

｢わぁ～～………………｣

《ご主人にふさわしいね》

　レクス、エレナ、ミーシャ、カレン、レインが口々にそう呟いた。ミアは目を輝かせていた。ティーナは、｢広いのだー！｣と言いながら、執務室ではしゃいでいた。そこには、本などを置くための書斎を完備しており、中央上部には、机と椅子があった。下には、赤い絨毯が敷いてあり、豪華絢爛だ。

｢では、次は風呂の方へ案内致しましょう｣

　ノルックは、レクス達を風呂へと案内する。

｢風呂も広いなぁ……………｣

｢……………これなら、２人でも入れそう…………｣

｢エレナ、今なんて？｣

　レクスは、エレナが何か言っているのは分かったが、その内容までは聞こえなかった。

｢そうね｣

｢そうだね｣

　ミーシャも、ふんす、と鼻息を鳴らしてそう言った。ミアも同意らしく、頷いていた。

｢………ミーシャ、ミア…………。正妻の座は、私のもの………｣

｢ま、まだ負けを認めた訳じゃないんだから！！｣

｢わ、私だって！！｣

　正妻だのなんだのって、一体何を言ってるの？僕はエレナ一筋だから！ハーレムなんか目指してないから！

　レクスは心の中でそう叫んだ。

　その後も、リビング、キッチン、ダイニング、客室、個室、それとレクスの要望で作った作業場を見て回った。どれも領主の館には十分すぎるくらいの広さと機能を兼ね備えていた。

｢ノルックさん、案内の方、ありがとう｣

｢いえいえ。また何かあればオレ達を頼ってください。出来る限りのことはしますよ｣

｢分かった。これからも宜しく頼むよ｣

｢任せてください！｣

　ノルックはそう返事をすると、ジェインの元へと戻っていった。

｢────決めた。ミアが学園を卒業したら、ここにみんなで住もう｣

｢それはまた急ね。どうして？｣

　ミーシャがそう尋ねる。

｢領主として、領民が集まったら仕事も増えるだろうし…………。それに、いつまでもフィアさんに面倒をかけるわけにもいかないしね｣

　そう。フィアの屋敷には随分と長居させてもらっている。もう、これ以上面倒をかけたくない。

｢そうだよね…………。いつまでも、フィアさんにご迷惑はかけられないよね…………｣

　ミアは、少し落ち込んだ様子でそう言った。

｢ミア、大丈夫だよ。同じセレニア皇国内なんだから、いつでも会いに行けるよ｣

　ミアの頭をポンポンと叩き、励ますレクス。

｢お、お兄ちゃん…………。そ、そうだよね！いつでも会えるよね！それに、お別れはまだ先だし！｣

　元気に振る舞うミア。しかし、その顔には隠しきれない寂しさが浮かんでいた。今までの楽しい生活を手放したくない、というところだろうか。

｢ほら、ミア。その………さ、屋敷を離れた後も、定期的にフィアさん達にも会いに行こうと思ってるんだ。だから、そんなに落ち込まないで、ね？｣

　レクスは暫くの間、ミアを励まし続けたのだった。

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