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6章 突如、領地経営へ

今日も領地を開拓する…………?

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 数日後ーーーー。



 あれから、フードの男は現れていない。今は監視を続け、フードの男が現れるのを待っている状況だ。



「じゃあ、今日も領地を開拓しよう…………って思ったんだけど………」


 

 もう大体終わっちゃってるんだよね…………。





 街道も無事に開拓し終えてしまった。他にやることは…………。




「そう言えば、タイル板みたいなのが地面に敷き詰められてたような…………」




 そう。どの街にも、地面の土が剥き出しになっていることはなく、タイル板みたいなものが綺麗に敷き詰められてたいた。




「あれを作って街道だけでも敷き詰めちゃおうかな?」




 でも、どうやって作るかだよね…………。作り方を教われば出来るかもだけど…………。うん、『建築士』が来るまで待つしかないね。多分、そこら辺も詳しいと思うし。




「みんな、今日はもうこれでいいよ」


「まだ作業もしてないのに?」


 ミーシャがそう問う。


「だって、もう開拓する場所もないでしょ?」


「確かに、それもそうだね」


 カレンがレクスの言葉に同意した。


「………………たまに、草を抜きに来る………」


「そうだね」



 というわけで、『建築士』が来るまで生えてくる雑草とかの手入れをしようということに決まった。



◇◆◇◆◇


「見てくださーい! 何も入ってない帽子からーーーー鳩が出てきましたぁ!!」



 手品師が、路傍でマジックを披露していた。女性だ。背はレクス達よりも一回り以上大きい。年も、レクスよりも少し年上みたいな感じだ。



「あの手品…………帽子に魔力を通してるだけじゃん」



 帽子に魔力を通すことで、自動的に鳩の形が作られるのだ。何とも胡散臭い。




「すげえーーーー!!」


「タネが全然わかんねえよ!」


「本当ね!!」



 そう言いながら次々と手品師に向かって金を投げる観客達。ある意味詐欺の被害者とも言えるだろう。可哀想だ。



「じゃあ、鳩以外の生き物を帽子から出して欲しいわ!」


「ミ、ミーシャ………………」



 いつの間にか、ミーシャが観客に紛れ込んでそう叫んでいた。その顔は、イタズラ好きのする笑みだった。レクスは慌てて止めようとしたが。


「他の生き物が出てくる所も見せてくれーー!」


「帽子よりでかい生き物が出てくるのかーー!?」


 それよりも前に観客達は、ミーシャの言葉に乗せられて大盛り上がり。



「そ、それは…………」



 その女性はたじろいだ。鳩以外のものを出すのは現状不可能だからだ。



「きょ、今日はネタが切れたから、これで終わりよ!!」



 女性はしっかりとお金を拾うと、急いでその場を立ち去った。


「おい、まさか出来ないってのか!?」


「金返せーーーー!!」


 観客達から響く、怒声。



「ちっ…………。もうここで芸が出来なくなったじゃないのっ」


 女性は去り際に、ミーシャを睨みながらそう悪態をついた。




「それにしても…………さっきの手品師………魔力コントロールが精密だったね………」


 女性が去った後、レクスはそう呟いた。


 あれだったら手品じゃなくてもやってけると思うんだけど…………。



「いやーっ、楽しかったわ!」


 ミーシャはレクス達の元に駆け寄り、そう言った。



「ミーシャ、人の商売の邪魔をしちゃ駄目でしょ?」


 レクスは諭すようにそう言った。ミーシャはうっ…………と罰の悪そうな顔でたじろいだ。ーーーーと、そこに。




「あ、ありがとうございます!! 手品師の方を追い払って下さって!」



 ドアを開けて駆け寄ってきたのは、エプロンを身に付けた男性だ。



「………………へ?」


 レクスは突然の展開に頭が追いつかず、間抜けな声を出してしまった。


「いやー、あの人、営業の邪魔なんでどいて下さいって何度も言ったんですけど、中々どいてくれなくて。このままじゃ、営業に支障が出るところでした」


「は、はぁ…………」



 どうやら商売の邪魔をしていたのは、あの手品師だったようだ。



「お礼と言っては何ですが、当店で自慢の一品を無料で提供します! どうぞこちらへ」



 そう言って、店に入ることを促す男性。



「わ、私のおかげね!」



 先程の態度から一変、勝ち誇ったようにそう言うミーシャ。



 レクス達は取り敢えず店に入るのだった。


 
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