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5章 『一神教』の野望と王都の危機
VS黒竜
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「さあ、そこのクソガキを始末しろ!」
魔族の男の言葉に魔物は一斉にレクスに襲いかかった。
「『伸縮』!」
すると、レクスの槍が魔力によって長くなり、攻撃範囲が広がった。
「はぁ!!」
それを自分を中心に一回転させるレクス。魔物が一斉に薙ぎ払われた。悲鳴が騒がしい。
「なっ!?」
魔族の男は、まさか一撃でほとんどの魔物を殲滅されるなどとは思っておらず、驚きの声をあげた。
「よし…………今のうちに………。……『光矢』!」
レクスは、結晶に向かって光の矢を放つ。その速度は凄まじいものだった。しかし、その結晶は割れなかった。結晶に刺さった瞬間、光の矢が折れてしまった。
「フヒ、馬鹿め! その結晶は、魔法攻撃も物理攻撃も通さねえ! 唯一通るとすれば、状態異常系統の魔法やスキルだけさ! フヒヒヒ…………まあ、貴様は持ってないだろうがなぁ!」
ペラペラと結晶の弱点まで喋ってくれる魔族。
「へぇ…………状態異常系統の魔法やスキル、ねえ…………」
これは…………いい情報をもらったね。直接攻撃が当たるのならーーーー。
「『毒針』!」
これはクイーンビー討伐の際に取ったスキルだ。それを、結晶へと向けて放つ。
「フヒ、だから物理攻撃は効かないとーーーー」
魔族の男がそこまで言いかけた所で、毒針が刺さる。そして、結晶にピキッ………と亀裂が入りーーーー。
パキッ!
割れた。魔族の男は、は…………? と驚愕の表情でその光景に目を疑った。そして、黒い穴が消滅して魔物が消えた。
「き、貴様、一体何をしたぁ!!」
不気味な笑いが消えた。どうやら結晶を壊されたことに焦っているらしい。
「何をしたって…………言われた通りにやっただけなんだけど…………」
魔族の男が勝手にペラペラ喋って弱点を明かしたのだ。いきなりキレられても困るというものだ。
「くそっ…………どこまで俺を馬鹿にすれば………!!」
別に馬鹿にしてる訳じゃないんだけど…………。まあ、言っても通じないんだろうけど。
「フヒ、フヒヒ…………こうなったら………!」
魔族の男は横に出現した黒い穴から、残りの結晶を取り出すと、それらを魔力で連結させて起動させた。すると、それらが光りーーーー竜の形を成した。全身が黒く、おぞましいオーラを放っていた。その竜は、段々巨大化し、教会ごと破壊した。
「……魔族ごときに我が呼び出されるとはな…………」
ふん、と横たわっている魔族の男を足で蹴飛ばした。どうやら、魔力を使い果たして気絶していたらしい。多分今の蹴りで確実にHPを全て削られたに違いない。
「それに、煩わしい小僧が1人…………」
そう言ってレクスを見下ろす黒竜。レクスは、今まで感じたことのないオーラに思わず息を飲んだ。『見る』でステータスを確認しているが、あの醜い塊を上回るステータス。全てが50万以上を突破している。防御力に至っては、90万越えときた。
「小僧よ、今すぐ我の前から消えろ。でないとーーーー焼き払うぞ」
その声の威圧感にレクスは押された。しかしーーーー。
「ーーーーここは行かせない」
レクスは、力強くそう言った。しかし、身体中冷や汗をかいている。こんな感覚、クジャ村を追い出されて以来であった。
「そうか、ならばーーーーここで屍と成り果てるがいい」
黒竜が、口から黒いブレスを吐き出した。スキル『黒竜の息吹』である。
ゴオオオォォォッッッーーーー!!
「ーーーー!? 『守る』!」
レクスは咄嗟に守るを発動する。しかしーーーー。
パリイイイィィィィーーーーーン!!
「ぐっ………………!?」
防ぎきれず、吹っ飛ばされるレクス。呻き声をあげるも、すぐに立ち直る。
「ーーーーくっ!」
黒竜の爪をすれすれで避けた。その爪は、地面を深く抉った。黒竜の移動スピードは凄まじく、レクスでさえも肉眼で捉えられなかった。魔力を感知して、避けたのだ。
「ほう…………。我の攻撃をかわすとは…………」
避けられないと思っていた黒竜は、感心したようにそう言った。レクスはその隙に『回復』を行使する。
「『発散』、『発散』!」
黒竜は見たところ、魔物。なら、強制的に魔力を排出すればーーーー。
しかし、一向にその効果は表れなかった。
「魔力を強制的に排出しようとしても、無駄だ。我が魔力を引き戻しているからな」
確かに、魔力の流れを見ても、排出された魔力が黒竜の身体へと戻っていた。
くそっ…………! 一体どうすれば……………!!
黒竜を見据えて、レクスは歯軋りをするのだった。
魔族の男の言葉に魔物は一斉にレクスに襲いかかった。
「『伸縮』!」
すると、レクスの槍が魔力によって長くなり、攻撃範囲が広がった。
「はぁ!!」
それを自分を中心に一回転させるレクス。魔物が一斉に薙ぎ払われた。悲鳴が騒がしい。
「なっ!?」
魔族の男は、まさか一撃でほとんどの魔物を殲滅されるなどとは思っておらず、驚きの声をあげた。
「よし…………今のうちに………。……『光矢』!」
レクスは、結晶に向かって光の矢を放つ。その速度は凄まじいものだった。しかし、その結晶は割れなかった。結晶に刺さった瞬間、光の矢が折れてしまった。
「フヒ、馬鹿め! その結晶は、魔法攻撃も物理攻撃も通さねえ! 唯一通るとすれば、状態異常系統の魔法やスキルだけさ! フヒヒヒ…………まあ、貴様は持ってないだろうがなぁ!」
ペラペラと結晶の弱点まで喋ってくれる魔族。
「へぇ…………状態異常系統の魔法やスキル、ねえ…………」
これは…………いい情報をもらったね。直接攻撃が当たるのならーーーー。
「『毒針』!」
これはクイーンビー討伐の際に取ったスキルだ。それを、結晶へと向けて放つ。
「フヒ、だから物理攻撃は効かないとーーーー」
魔族の男がそこまで言いかけた所で、毒針が刺さる。そして、結晶にピキッ………と亀裂が入りーーーー。
パキッ!
割れた。魔族の男は、は…………? と驚愕の表情でその光景に目を疑った。そして、黒い穴が消滅して魔物が消えた。
「き、貴様、一体何をしたぁ!!」
不気味な笑いが消えた。どうやら結晶を壊されたことに焦っているらしい。
「何をしたって…………言われた通りにやっただけなんだけど…………」
魔族の男が勝手にペラペラ喋って弱点を明かしたのだ。いきなりキレられても困るというものだ。
「くそっ…………どこまで俺を馬鹿にすれば………!!」
別に馬鹿にしてる訳じゃないんだけど…………。まあ、言っても通じないんだろうけど。
「フヒ、フヒヒ…………こうなったら………!」
魔族の男は横に出現した黒い穴から、残りの結晶を取り出すと、それらを魔力で連結させて起動させた。すると、それらが光りーーーー竜の形を成した。全身が黒く、おぞましいオーラを放っていた。その竜は、段々巨大化し、教会ごと破壊した。
「……魔族ごときに我が呼び出されるとはな…………」
ふん、と横たわっている魔族の男を足で蹴飛ばした。どうやら、魔力を使い果たして気絶していたらしい。多分今の蹴りで確実にHPを全て削られたに違いない。
「それに、煩わしい小僧が1人…………」
そう言ってレクスを見下ろす黒竜。レクスは、今まで感じたことのないオーラに思わず息を飲んだ。『見る』でステータスを確認しているが、あの醜い塊を上回るステータス。全てが50万以上を突破している。防御力に至っては、90万越えときた。
「小僧よ、今すぐ我の前から消えろ。でないとーーーー焼き払うぞ」
その声の威圧感にレクスは押された。しかしーーーー。
「ーーーーここは行かせない」
レクスは、力強くそう言った。しかし、身体中冷や汗をかいている。こんな感覚、クジャ村を追い出されて以来であった。
「そうか、ならばーーーーここで屍と成り果てるがいい」
黒竜が、口から黒いブレスを吐き出した。スキル『黒竜の息吹』である。
ゴオオオォォォッッッーーーー!!
「ーーーー!? 『守る』!」
レクスは咄嗟に守るを発動する。しかしーーーー。
パリイイイィィィィーーーーーン!!
「ぐっ………………!?」
防ぎきれず、吹っ飛ばされるレクス。呻き声をあげるも、すぐに立ち直る。
「ーーーーくっ!」
黒竜の爪をすれすれで避けた。その爪は、地面を深く抉った。黒竜の移動スピードは凄まじく、レクスでさえも肉眼で捉えられなかった。魔力を感知して、避けたのだ。
「ほう…………。我の攻撃をかわすとは…………」
避けられないと思っていた黒竜は、感心したようにそう言った。レクスはその隙に『回復』を行使する。
「『発散』、『発散』!」
黒竜は見たところ、魔物。なら、強制的に魔力を排出すればーーーー。
しかし、一向にその効果は表れなかった。
「魔力を強制的に排出しようとしても、無駄だ。我が魔力を引き戻しているからな」
確かに、魔力の流れを見ても、排出された魔力が黒竜の身体へと戻っていた。
くそっ…………! 一体どうすれば……………!!
黒竜を見据えて、レクスは歯軋りをするのだった。
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