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5章 『一神教』の野望と王都の危機

悪魔捜索と冒険者活動 ー2

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 ユビネス大森林帯にて。



「今のところ、悪魔らしき姿はないね…………」

 レクスは、『見る』を駆使して広範囲を探しているが、見当たらない。魔力反応にも違和感がないか、そういうのも調べているが該当するものはない。『探す』でも良いのだが、あれはレクスの記憶をベースとするものなので、使ったところで意味はない。


「ねえ、その悪魔って、上級悪魔なんでしょ? 大丈夫なの?」


 ミアは上級悪魔討伐に参加しない。故に参加しているレクス達が心配なのだ。



「大丈夫だよ」

「そうよ、でたらめに強いレクスがいるんだから。大丈夫よ」


《ご主人の強さは確かにでたらめだよねー》


「レインまで…………。でたらめって…………まあ、そうかもしれないけどさ」




 レクスはふと自分のステータスを開いて確認してみた。






レクス   Lv.77 職業:選択なし

HP   385649/385649

MP   254389/254389

攻撃力  365784

防御力  477526

知力   218675

素早さ  226548


【固有スキル】

『日常動作』



【奪取スキル】


《攻撃系統》

『棒術・真(2/15)』『突撃(2/10)』『超重斬撃(1/10)』『絶腕(0/10)』『操糸・真(10/15)』『投擲(2/5)』『豪剣(4/5)』『追従射撃(2/5)』『確撃(2/5)』『飛刃(2/5)』



《魔法系統》

『水魔法(2/10)』『風魔法(5/10)』『植物魔法(1/5)』『共鳴・上(0/15)』『飛翔(3/10)』『吸収・上(4/15)』『消化・上(4/15)』『掘削・改(7/10)』『偽装(2/5)』『伸縮(3/5)』『光魔法(2/10)』『闇魔法(3/10)』『麻痺針(1/5)』『毒針(1/5)』『操影(3/5)』『精神魔法(10/15)』



《バフ系統》

『脚力強化(中)(0/10)』『攻撃力上昇パワーリング(5/10)』『走砲(4/5)』『剣術の心得』『鼓舞』『防御支援』『跳躍(4/5)』『王の威厳』




《状態変化系統》

『威圧(中)(0/10)』『毒付与(2/5)』『気配遮断』『音遮断』『魔物化』




《防御系統》

『回避』



アビリティ

《攻撃系統》

『棒術・真』ー『強硬』『器用』『強打』『魔力纏』『連撃』

『超重斬撃』ー『威力上昇』『重力纒』

『操糸・真』ー『硬化』『軟化』『刺化』『細分化』

『投擲』ー『正確性向上』『威力上昇』



《魔法系統》

『全属性魔法』ー『初級』『中級』『上級』

『精神魔法』ー『初級』『中級』『上級』

『飛翔』ー『安定』『速度上昇』

『共鳴・上』ー『反射』『効果範囲拡大』『密集』『増幅』

『植物魔法』ー『成長』

『吸収・上』ー『HP吸収(7%)』『MP吸収(3%)』

『消化・上』ー『麻痺打ち消し』『毒打ち消し』『睡眠打ち消し』

『掘削・改』ー『溝生成』『穴生成』










 あの戦いから、レクスのでたらめだったステータスが更にでたらめになった。レクスのステータスに勝てる人間ヒューマン族などもういないだろう。職業の方も、大分増えたので、自分でも何があるかよく覚えていない。魔法も『全属性魔法』で統合されて、上級まで使えるようになった。



「あ、オークだ! 4体もいる!」


 ミアの目線の先には、確かに4体のオークがいた。


「よ~し、出てきて、『スラちゃん』!」


 相応の魔力と引き換えに魔法陣が現れ、そこから無色のスライムーーーー『スラちゃん』が出てくる。



「キュッ!」


 可愛らしい鳴き声をあげるスラちゃん。


「ブモオオォォォ……………」


 そのスライムを見て、なめたように嗤うオーク達。



「やっちゃって、スラちゃん!」


「キュッ!」


 了解とでも言うように鳴くと、スラちゃんの体が光り出した。魔力が一点に凝縮しているのだ。そしてーーーー無色の球体が放たれた。



「ブモォ!?」



 かなりの速度に加えて、オーク達は油断していたため、避けられない。


「ブモオォォォ!?」



 すると、直撃した胸の部分がぽっかりと溶けた。オーク達は苦痛に顔を歪める。暫く悶え苦しんだあと、その場で息絶えた。



「す、凄い…………。衝撃波だけじゃなくて、敵を溶かす魔力弾まで撃てるなんて…………」


 ミアが新たなスラちゃんの技に驚いた。他の4人もスラちゃんに素直に感心した。



「このスライム、柔らかいね。それにひんやりしてるし。これは、枕にでもしたらーーーー」


「ダメーーーー! それ以上は言っちゃダメ!」


 カレンがスラちゃんをプニプニと触りながらそう言おうとすると、ミアが大声でそう遮った。


「どうしたの? ミア、そんな必死に」

「な、何でもないよ?」



 レクスの問い掛けに、ミアはそう答える。危ない、自分だけのひんやり枕がとられるところだった。


 
「それにしても、ミア。スライム以外召喚してないようだけど…………他の魔物は召喚しないの?」


「だって…………他の魔物を召喚したら、なんか浮気してるみたいでやだ」


 ミアが少し頬を膨らませながらそう言った。スラちゃんに相当愛着が沸いていたようだ。



「そ、そっか……………でも、他の魔物も召喚出来るようにしときなよ? スライムで対処できない魔物も出てくるだろうし」


「は~い」


 軽く返事をするミア。



「よし。これで依頼分のオークは討伐したし、冒険者ギルドに戻ろうか」


 4人と1匹は、レクスの言葉に冒険者ギルドへと戻るのだった。



◇◆◇◆◇


 とある裏路地にて。


「これで、まずは1人…………」


 上級悪魔ーーーーギエムは、足元に血を流して倒れている無職怠け者の男性を見て、そう呟いた。ギエムの長い爪には、血がついていた。


「あと何人殺せばいいんだか…………。ああ、面倒だ」


 そう呟くと、ギエムはその場から姿を消した。


 

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