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5章 『一神教』の野望と王都の危機
勇者パーティーへの依頼
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「皇女様からの手紙…………なんだろう?」
ニンファはポストに入っている手紙を片手に取ってそう呟いた。皇女様から手紙が来るなど随分と久しぶりであるからだ。
ニンファは取り敢えず、家に入ってから読もうと、家の中に入る。
「ニンファ、その手紙は?」
フェルティーがそう尋ねる。今はニンファもフェルティーも私服姿だ。
「皇女様からだって」
「そっかー…………って皇女様!?」
「ええ」
「て、手紙の内容は!?」
「まだ見てないわ。今から見るところよ」
「見てみようぜ!」
そう促すフェルティーにニンファは頷いて、手紙の封を開ける。手紙には、こう書かれていた。
『ヴィクトリーンへ
モクセイの香りが漂う季節。そのような素晴らしい時に、このようなお手紙を差し出したこと、お許し下さい。さて、本題ですが、至急、貴女達に王宮へ来ていただきたいのです。内密にお話がありますーーーー』
そのあとも、長々と手紙が続いていた。
「相変わらずずれた挨拶するわね…………皇女様は」
「そうだな………………」
モクセイが咲くのは、基本的に秋だ。今は春。180度季節が違っていた。
「フェルティー。アイリーンを起こしてきてちょうだい。急いで支度をして、王宮に向かうわよ」
「分かった」
フェルティーはそう言うと、アイリーンを起こしに2階へと向かった。
◇◆◇◆◇
「久方ぶりね。よく来てくれたわ」
「お久しぶりです。皇女様」
「久し振りです」
「おひさ~」
皇女ーーーーヴァンナ=セレニアの言葉に3人はそれぞれそう言った。ヴァンナは、フィオナの母である。
「ふふ。3人共、相変わらず元気そうで何よりだわ」
ヴァンナはそう言って微笑む。そして、顔を真剣な表情へと変えた。
「ーーーー早速本題に入るけれど、貴女達をここに呼んだのは、上級悪魔の調査及び討伐を頼みたかったからよ」
「………………上級悪魔?」
ニンファは不穏な単語に眉間を寄せた。
「ええ。何でも、『一神教』の信者達が召喚したそうよ」
「『一神教』…………ってことは………」
「大方、無職や複数職業持ちの排除が目的ってことだな」
ニンファの意見にフェルティーが同意するようにそう言った。
「それで、貴女達にその悪魔の調査及び討伐をしてもらいたいのよ」
「調査に討伐、ですか…………。しかし、私達だけでは…………」
人手が足りない。それに、上級悪魔ともなれば、3人だけでは対処しきれないだろう。
「それについては大丈夫よ。各師団や他の冒険者ギルドにも協力を要請したから」
ヴァンナはそう言うと、安心させるように微笑んだ。
「それじゃあ、内密でもなんでもないじゃないですか。どうして、わざわざ私達だけに手紙を?」
手紙には、内密にお話があります、と書いてあった。きっと、別の話があるのだろうと思った3人。
「それはーーーー何だっけ?」
ドテッとすっ転びそうになった3人。ヴァンナは必死にう~ん…………と思い出そうとしている。
「…………あっ、そうだ! ニンファ、貴女男が嫌いだって言ってたじゃない? ニンファの男嫌いを克服できる人材を見つけたのよ! レクスくーん、入ってきてー!」
内密にする話? と少し疑問に思ったニンファ。
ヴァンナの声に1人の少年が入ってきた。
「わぁー……………可愛いね~」
「そう、だな………。本当に男か?」
アイリーン、フェルティーがそんな声をあげた。
「因みに、レクス君は悪魔の調査と討伐にも参加するのよ?」
その言葉に驚く2人。失礼だが、そこまで強そうには見えない。
「…………………帰りなさい」
「…………え?」
レクスは声が聞こえなかったのか、首を傾げる。
「ーーーー今すぐ帰りなさい! でないと、バトルハンマーで叩き落とすわよ!」
「は、はぁ…………」
困惑するレクス。レクスは皇女に手紙で『内密にお話がありますので、王宮まで来てください』と貰っただけだ。因みに、レクスには先程の会話は聞こえていなかったので、ニンファが男嫌いであることは知らない。
「………………そう。ならーーーー食らいなさい!」
理不尽にも攻撃されるレクス。バトルハンマーをレクス目掛けて振り下ろす。2人とも慌てて止めようとするが、間に合わない。しかしーーーー。
「全く…………いきなり攻撃するからビックリしたよ」
片手で受け止められてしまった。目を見開いて驚く2人。だが、ニンファにはそれよりももっと気になることが。
「ぎゃーーーー! 近い、近い、近いーー!!」
ニンファは乱暴にバトルハンマーを振り回した。彼女は、男が近づいただけでも拒絶反応を示してしまう。
そのまま暫く、ニンファは暴れ続けたのだった。
ニンファはポストに入っている手紙を片手に取ってそう呟いた。皇女様から手紙が来るなど随分と久しぶりであるからだ。
ニンファは取り敢えず、家に入ってから読もうと、家の中に入る。
「ニンファ、その手紙は?」
フェルティーがそう尋ねる。今はニンファもフェルティーも私服姿だ。
「皇女様からだって」
「そっかー…………って皇女様!?」
「ええ」
「て、手紙の内容は!?」
「まだ見てないわ。今から見るところよ」
「見てみようぜ!」
そう促すフェルティーにニンファは頷いて、手紙の封を開ける。手紙には、こう書かれていた。
『ヴィクトリーンへ
モクセイの香りが漂う季節。そのような素晴らしい時に、このようなお手紙を差し出したこと、お許し下さい。さて、本題ですが、至急、貴女達に王宮へ来ていただきたいのです。内密にお話がありますーーーー』
そのあとも、長々と手紙が続いていた。
「相変わらずずれた挨拶するわね…………皇女様は」
「そうだな………………」
モクセイが咲くのは、基本的に秋だ。今は春。180度季節が違っていた。
「フェルティー。アイリーンを起こしてきてちょうだい。急いで支度をして、王宮に向かうわよ」
「分かった」
フェルティーはそう言うと、アイリーンを起こしに2階へと向かった。
◇◆◇◆◇
「久方ぶりね。よく来てくれたわ」
「お久しぶりです。皇女様」
「久し振りです」
「おひさ~」
皇女ーーーーヴァンナ=セレニアの言葉に3人はそれぞれそう言った。ヴァンナは、フィオナの母である。
「ふふ。3人共、相変わらず元気そうで何よりだわ」
ヴァンナはそう言って微笑む。そして、顔を真剣な表情へと変えた。
「ーーーー早速本題に入るけれど、貴女達をここに呼んだのは、上級悪魔の調査及び討伐を頼みたかったからよ」
「………………上級悪魔?」
ニンファは不穏な単語に眉間を寄せた。
「ええ。何でも、『一神教』の信者達が召喚したそうよ」
「『一神教』…………ってことは………」
「大方、無職や複数職業持ちの排除が目的ってことだな」
ニンファの意見にフェルティーが同意するようにそう言った。
「それで、貴女達にその悪魔の調査及び討伐をしてもらいたいのよ」
「調査に討伐、ですか…………。しかし、私達だけでは…………」
人手が足りない。それに、上級悪魔ともなれば、3人だけでは対処しきれないだろう。
「それについては大丈夫よ。各師団や他の冒険者ギルドにも協力を要請したから」
ヴァンナはそう言うと、安心させるように微笑んだ。
「それじゃあ、内密でもなんでもないじゃないですか。どうして、わざわざ私達だけに手紙を?」
手紙には、内密にお話があります、と書いてあった。きっと、別の話があるのだろうと思った3人。
「それはーーーー何だっけ?」
ドテッとすっ転びそうになった3人。ヴァンナは必死にう~ん…………と思い出そうとしている。
「…………あっ、そうだ! ニンファ、貴女男が嫌いだって言ってたじゃない? ニンファの男嫌いを克服できる人材を見つけたのよ! レクスくーん、入ってきてー!」
内密にする話? と少し疑問に思ったニンファ。
ヴァンナの声に1人の少年が入ってきた。
「わぁー……………可愛いね~」
「そう、だな………。本当に男か?」
アイリーン、フェルティーがそんな声をあげた。
「因みに、レクス君は悪魔の調査と討伐にも参加するのよ?」
その言葉に驚く2人。失礼だが、そこまで強そうには見えない。
「…………………帰りなさい」
「…………え?」
レクスは声が聞こえなかったのか、首を傾げる。
「ーーーー今すぐ帰りなさい! でないと、バトルハンマーで叩き落とすわよ!」
「は、はぁ…………」
困惑するレクス。レクスは皇女に手紙で『内密にお話がありますので、王宮まで来てください』と貰っただけだ。因みに、レクスには先程の会話は聞こえていなかったので、ニンファが男嫌いであることは知らない。
「………………そう。ならーーーー食らいなさい!」
理不尽にも攻撃されるレクス。バトルハンマーをレクス目掛けて振り下ろす。2人とも慌てて止めようとするが、間に合わない。しかしーーーー。
「全く…………いきなり攻撃するからビックリしたよ」
片手で受け止められてしまった。目を見開いて驚く2人。だが、ニンファにはそれよりももっと気になることが。
「ぎゃーーーー! 近い、近い、近いーー!!」
ニンファは乱暴にバトルハンマーを振り回した。彼女は、男が近づいただけでも拒絶反応を示してしまう。
そのまま暫く、ニンファは暴れ続けたのだった。
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