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4章 学園編

6学園対抗祭本選、決勝

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 それから更に月日が経った。今日は6学園対抗祭の決勝。レクスにとって今年が最後の6学園対抗祭だ。因みに、去年の魔法の部の優勝はレクスである。その強さは圧倒的であった。


『さあ、6学園対抗祭決勝ーーーーレクス選手対ルリ選手! 2人とも同じ学園の出身だぁ! ルリ選手は今年で初めて決勝に進出。対するレクス選手、去年は圧倒的な強さで優勝を果たしました』


『そうですねー。今年もレクス選手が優勝するのか、それともルリ選手が優勝するのか。この勝負、目が離せません!』





「…………レクス。手加減はなし」


「勿論。ルリさんもね」




 両者とも笑みを浮かべながらそんな言葉を交わし合った。




「ではーーーー始めっ!」



 監督者の合図で、試合が始まった。先手を取ったのはーーーールリだ。



「氷よ……………『氷円アイスサークル』……!」



 ルリも成長し、詠唱を短縮して魔法を発動できるようになった。レクスは持ち前の素早さを生かして易々と避ける。そもそも、数も多くない。避けるのは簡単だった。しかしーーーー。



 魔力反応が段々近くなってる。まさか…………。



 案の定後ろにはあの氷円アイスサークルが迫ってきていた。どうやら追尾型らしい。


「ふっ!」


 レクスはある程度魔力を凝縮させて、氷円アイスサークルに向けて放つ。それは、氷円アイスサークルを霧散させた。




「………『貫通風杭ペネトウィンドパイル』!」



 その隙に上空から鋭い風の杭を落とすルリ。その速さは凄まじいものだ。


「…………炎よ……我が手に『炎竜巻フレイムトルネード』!!」


 更にもう一発と横から同時に浴びせるルリ。しかしーーーー。





「……………やっぱり届かない」



 レクスは、障壁を無詠唱で局所展開して、ルリの魔法を防いでいた。観客の盛り上がりも最高潮だ。



「じゃあ、次はこちらから」


 レクスはそう言うとーーーー消えた。移動速度の速さによるものだ。


「…………『盾展開シールド』!」



 ルリは、魔力によってレクスを感知。すんでのところで、複数展開して防ぐ。




パリイイィィィーーーーン!




 レクスが触れると、全て壊れてしまった。それだけレクスのパワーが強いのだ。これでも、ちょんと触ったくらいなのだ。



「…………凄まじい」


「降参する?」


「…………それはない」



 ルリは笑いながらそう言った。この戦いを楽しんでくれているらしい。


「じゃあ、もう一段階上げようかな」


 レクスはそう言うと、もう一度消えた。魔力を追ったときには既に対処できない位置にいた。レクスはちょん、と指で防御陣に触れた。





パリイイィィィーーーーン!!



 

 防御陣が一瞬で消滅し、ここに勝敗が決した。




『こ、この勝負、レクス選手の勝利です! いやー、速すぎて全く解説出来ませんでしたねー』


『それを防ぐルリさんも凄かったですねー。いやぁ、ナイス健闘でしたーーーー』





「…………ぶぅー………レクス、魔法の勝負なのに一回も魔法、使わなかった」


「あ、あはははは……………」



 ルリは直ぐに気づいたようで、指摘して頬を膨らませていた。


 レクスが魔法を使わなかった理由ーーーーそれは、威力があまりにもだ。いくら押さえても、辺り一帯が消しとんでしまうのだ。不用意に放ちたくないのが、レクスの思うところだった。



「ま、まあ、こっちにも事情があるんだ」


「………ふぅん…………? 手加減はなし、って言ったのに?」


「うっ……………」



 たじろぐレクス。



「…………まあ、いいや」


 ルリはジト目でレクス見て、溜め息をつきながらそう言った。



「………それにしても……………あの時………」



 レクスに接近されて防御陣を破壊された時の事を思い出すルリ。



「……………近かった」


 ルリは少し頬を赤くした。レクスの顔が至近距離だったのだ。不覚にも少しドキッとしてしまった。


「ルリさん、表彰式までまだ時間があるし、他のみんなと合流しない?」


「………………うん」


 
 こうして、6学園対抗祭決勝はレクスの優勝で幕を閉じた。




 





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