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4章
Part 338『変わらない』
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計画自体は非常に良いものだったのだが、よくよく考えてみれば現在の状況を加味していなかった。
「あ、あのどうしましょう。」
そこには無残に破壊されたピンがレーンの上に転がっていた。
サクヤは慌てた様子で俺に尋ねてくる。
誤算だったのは、サクヤが開花した状態だと言う事実である。初めてボーリングをするサクヤにやり方を説明したのだが、説明の仕方が悪かった。
「力入れてないとボールに体が持っていかれるからな。投げるギリギリまで力は抜いちゃダメだぞ。」
なんてことを言ってしまったんだろうか。
その結果、ボーリングの球はプロの投手の野球ボールの様な勢いで床に触れることなくピンに激突し、粉砕した。
周囲がどよめく。これはまずい。
しかし一番混乱しているのは間違いなくサクヤだった。
「峰さん、どうしましょう!? 私お金なんてありません。弁償ですかね? あ、そうだ。お金を想像すれば・・・・・・」
「犯罪だから!」
「じゃあ、私はどうすれば良いんですか!? 噂の臓器売買ですか!?」
「いや、魔法で直すだけで良いんだよ!」
「臓器をですか?」
「ピンをだよ!!」
なんで臓器売って解決する前提なんだ。怖いよ。
しかし、俺の言葉にサクヤは納得してすぐに魔法を使ってピンを修理していく。
ほんの一瞬でよく注目している人間でもなければ、突然のことのように思えるだろう。
「あ、周囲の人の記憶も隠蔽しないと」
そういうとサクヤはレーンの近くにいる人たちに向かってお辞儀をすると指を振るった。
すると先程までどよめいていた人達が何事もなかったかのようにボーリングを再開した。
「これで良しですね。本当でした。今なら大体のことが出来るのを忘れていました。」
突然のトラブルに弱いのは相変わらずだ。
「精霊って凄いんですね。」
「ユキ、精霊はこれが普通じゃないからね。かなり、今のサクヤは規格外だから」
長い間貯め続けた魔力を消費して得られる境地だ。
普通の妖精と比較されたら、妖精がかわいそうだ。
「でも良かった。これで心置きなく壊せる。」
「凛!? 直せるからって壊し続けて良い理由にはならないからね!?」
さらりと恐ろしいことを口走る凛に慌てて注意すると「冗談」と笑った。
「まあ、とりあえず、続きをしようか。」
俺はボーリング玉を持ってレーンに立つ。レーンの先にあるピンはいくつもの宝石があしらわれライトに照らされていくつもの光を放っていた。
「・・・・・・サクヤ?」
震えた声で指摘するとサクヤも頭を掻いて小さく笑った。
「あはは・・・・・・申し訳なくて装飾を多めにしたんですけど・・・・・・」
「直してきなさい。」
「はい・・・・・・」
少し落ち込んだ様子でサクヤはピンを元の状態に戻していく。
凄い力があってもサクヤはサクヤだな。
なんだかとてもそう思えた。
「あ、あのどうしましょう。」
そこには無残に破壊されたピンがレーンの上に転がっていた。
サクヤは慌てた様子で俺に尋ねてくる。
誤算だったのは、サクヤが開花した状態だと言う事実である。初めてボーリングをするサクヤにやり方を説明したのだが、説明の仕方が悪かった。
「力入れてないとボールに体が持っていかれるからな。投げるギリギリまで力は抜いちゃダメだぞ。」
なんてことを言ってしまったんだろうか。
その結果、ボーリングの球はプロの投手の野球ボールの様な勢いで床に触れることなくピンに激突し、粉砕した。
周囲がどよめく。これはまずい。
しかし一番混乱しているのは間違いなくサクヤだった。
「峰さん、どうしましょう!? 私お金なんてありません。弁償ですかね? あ、そうだ。お金を想像すれば・・・・・・」
「犯罪だから!」
「じゃあ、私はどうすれば良いんですか!? 噂の臓器売買ですか!?」
「いや、魔法で直すだけで良いんだよ!」
「臓器をですか?」
「ピンをだよ!!」
なんで臓器売って解決する前提なんだ。怖いよ。
しかし、俺の言葉にサクヤは納得してすぐに魔法を使ってピンを修理していく。
ほんの一瞬でよく注目している人間でもなければ、突然のことのように思えるだろう。
「あ、周囲の人の記憶も隠蔽しないと」
そういうとサクヤはレーンの近くにいる人たちに向かってお辞儀をすると指を振るった。
すると先程までどよめいていた人達が何事もなかったかのようにボーリングを再開した。
「これで良しですね。本当でした。今なら大体のことが出来るのを忘れていました。」
突然のトラブルに弱いのは相変わらずだ。
「精霊って凄いんですね。」
「ユキ、精霊はこれが普通じゃないからね。かなり、今のサクヤは規格外だから」
長い間貯め続けた魔力を消費して得られる境地だ。
普通の妖精と比較されたら、妖精がかわいそうだ。
「でも良かった。これで心置きなく壊せる。」
「凛!? 直せるからって壊し続けて良い理由にはならないからね!?」
さらりと恐ろしいことを口走る凛に慌てて注意すると「冗談」と笑った。
「まあ、とりあえず、続きをしようか。」
俺はボーリング玉を持ってレーンに立つ。レーンの先にあるピンはいくつもの宝石があしらわれライトに照らされていくつもの光を放っていた。
「・・・・・・サクヤ?」
震えた声で指摘するとサクヤも頭を掻いて小さく笑った。
「あはは・・・・・・申し訳なくて装飾を多めにしたんですけど・・・・・・」
「直してきなさい。」
「はい・・・・・・」
少し落ち込んだ様子でサクヤはピンを元の状態に戻していく。
凄い力があってもサクヤはサクヤだな。
なんだかとてもそう思えた。
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