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3章
Part 217『戦いか降伏か』
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私の呪いは、結局解除することは出来ませんでした。呪いで最初に支払うと定義したものは、呪いが途中で解除されてしまっても支払われる原則があるのです。
自分の命を全て捧げて発動する『禍神』は一度発動してしまえば、途中で解除されてしまおうと代償は支払われるのです。
ですが、人間の呪いに関する技術は、やはり群を抜いていました。呪いの効果を抑え、呪いの進行を抑える呪いを新たに刻む事によって、数刻の猶予を作り出すことが出来る様です。
私はムゲツと従者の人間に礼を言って一旦、みんなの元へ帰りました。
私が帰ると皆は、私がいない事で混乱状態だったようでした。それをなんとかレンジ達がなだめてくれていたようで、帰った矢先にレンジに拳骨を受けました。
「お前は、一人でどこに行ってんだ。自分の立場ってもんを・・・・・・」
「はい。すみません。」
「まあ、無事で良かった。」
レンジは、そう言ってホッとした表情を浮かべます。彼もここでの生活で随分と印象が変わりました。態度が柔らかくなりました。最初の頃は、必要以上に私以外の人と関わろうとはしない一匹狼といった感じだったのですが、今では、子供達にも慕われる人気者です。
ちゃんと、私のやってきた事には意味があったのですね。なら、やはり、終わらせる訳にはいきません。
「みんなを集めてくれますか。伝えなければいけない事があります。」
私は、レンジにそうお願いしました。最後の戦いです。
レンジは、実に手早く全員を集めてくれました。全員が私の方を見て「無事で良かった」「サツキ様がいなくてびっくりした」と言っています。
私はその様子を見て一度、大きく息を吸いました。今この一瞬が人生で一番体が強張っているきがします。
「皆さんに伝えなければいけない事があります。これから、狐月がこちらに攻めてきます。」
私の言葉に多くの妖怪が表情を変えます。困惑するもの、難しい表情を浮かべるもの様々ではありましたが、どれもいい表情とは言えないのは間違いありません。
「理由は、私が狐月の当主を殺したからです。」
その言葉にさらに妖怪達はざわつきました。レンジも少し驚いた表情を浮かべています。
私は、彼らに事の経緯を説明しました。戦う以外では、彼を説得できなかった事、そして、戦いは激しく生かして、戦いを終えることは出来なかったと言う事。
そして、その仇討ちに狐月はうちに攻めてくると言う事。
呪いを使ったなどと言うことは、勿論、言いませんでした。けれど、私の言葉を全員が信用してくれているようで、どうするかを隣の妖怪達と相談し合っている姿が見えました。
「私達は選択しなければいけません。戦闘か降伏か。けれど、どちらの道も私達にとって地獄になるでしょう。戦えば、血の海が出来るかもしれません。降伏すれば、昔のような生活に戻る事もありえます。」
「俺は、戦うぞ。」
私の言葉に答えたのは、村の中でも穏健派だと思っていた妖怪の男性でした。
「俺達に先に手を出したのは、あいつらだ。なのに何故、俺達が報復されなきゃいけない! 俺達は、戦うべきだ。 ここで降伏なんてしてみろ、死んでいった仲間達に顔向けできない。」
この村は大きな犠牲の上に立っています。多くの妖怪が命がけで守ってきた場所です。ここを守るために死んでいったものが多くいます。
「それにハクもこの場所がずっと続けばいいと言ってたんだ。俺は戦うぞ。」
彼は、ハクととても仲が良かった妖怪でした。その彼の言葉は、とても重く、そして、多くの妖怪達を鼓舞しました。
もう、歯車は動き始めています。止まる事は出来ません。
「分かりました。私達の平穏を勝ち取るために戦いましょう。」
最後まで皆を騙し通さなければ、私は、誰にも見えないように拳を強く握りました。
自分の命を全て捧げて発動する『禍神』は一度発動してしまえば、途中で解除されてしまおうと代償は支払われるのです。
ですが、人間の呪いに関する技術は、やはり群を抜いていました。呪いの効果を抑え、呪いの進行を抑える呪いを新たに刻む事によって、数刻の猶予を作り出すことが出来る様です。
私はムゲツと従者の人間に礼を言って一旦、みんなの元へ帰りました。
私が帰ると皆は、私がいない事で混乱状態だったようでした。それをなんとかレンジ達がなだめてくれていたようで、帰った矢先にレンジに拳骨を受けました。
「お前は、一人でどこに行ってんだ。自分の立場ってもんを・・・・・・」
「はい。すみません。」
「まあ、無事で良かった。」
レンジは、そう言ってホッとした表情を浮かべます。彼もここでの生活で随分と印象が変わりました。態度が柔らかくなりました。最初の頃は、必要以上に私以外の人と関わろうとはしない一匹狼といった感じだったのですが、今では、子供達にも慕われる人気者です。
ちゃんと、私のやってきた事には意味があったのですね。なら、やはり、終わらせる訳にはいきません。
「みんなを集めてくれますか。伝えなければいけない事があります。」
私は、レンジにそうお願いしました。最後の戦いです。
レンジは、実に手早く全員を集めてくれました。全員が私の方を見て「無事で良かった」「サツキ様がいなくてびっくりした」と言っています。
私はその様子を見て一度、大きく息を吸いました。今この一瞬が人生で一番体が強張っているきがします。
「皆さんに伝えなければいけない事があります。これから、狐月がこちらに攻めてきます。」
私の言葉に多くの妖怪が表情を変えます。困惑するもの、難しい表情を浮かべるもの様々ではありましたが、どれもいい表情とは言えないのは間違いありません。
「理由は、私が狐月の当主を殺したからです。」
その言葉にさらに妖怪達はざわつきました。レンジも少し驚いた表情を浮かべています。
私は、彼らに事の経緯を説明しました。戦う以外では、彼を説得できなかった事、そして、戦いは激しく生かして、戦いを終えることは出来なかったと言う事。
そして、その仇討ちに狐月はうちに攻めてくると言う事。
呪いを使ったなどと言うことは、勿論、言いませんでした。けれど、私の言葉を全員が信用してくれているようで、どうするかを隣の妖怪達と相談し合っている姿が見えました。
「私達は選択しなければいけません。戦闘か降伏か。けれど、どちらの道も私達にとって地獄になるでしょう。戦えば、血の海が出来るかもしれません。降伏すれば、昔のような生活に戻る事もありえます。」
「俺は、戦うぞ。」
私の言葉に答えたのは、村の中でも穏健派だと思っていた妖怪の男性でした。
「俺達に先に手を出したのは、あいつらだ。なのに何故、俺達が報復されなきゃいけない! 俺達は、戦うべきだ。 ここで降伏なんてしてみろ、死んでいった仲間達に顔向けできない。」
この村は大きな犠牲の上に立っています。多くの妖怪が命がけで守ってきた場所です。ここを守るために死んでいったものが多くいます。
「それにハクもこの場所がずっと続けばいいと言ってたんだ。俺は戦うぞ。」
彼は、ハクととても仲が良かった妖怪でした。その彼の言葉は、とても重く、そして、多くの妖怪達を鼓舞しました。
もう、歯車は動き始めています。止まる事は出来ません。
「分かりました。私達の平穏を勝ち取るために戦いましょう。」
最後まで皆を騙し通さなければ、私は、誰にも見えないように拳を強く握りました。
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