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3章
Part 216『自分勝手』
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私が死ねば、彼らの希望は失われてしまう。せっかく、どん底で夢を見ることも幸せが何かも知らないような子供達がやっと笑顔を見せるようになったのに・・・・・・
それは、なんとしても避けなければいけませんでした。
人間ならば、封印の呪術の知識もあるかもしれません。人間にしか触れることの出来ない清浄石の力を使って私を封印してもらう。
いいえ、封印が出来なくてもいい。形だけでも私が封印されてしまったという事実があれば良いのです。
それは、彼らの生きる希望になる。いつか復活するかもしれないなら、明日に希望が持てるかもしれない。
そのためには、餓狼衆のために精一杯戦い、ギリギリのところで人間に封印され、眠っているという事実が必要でした。
「それで、良いのですか? でもそれは、問題の先送りなんじゃないんですか。」
ムゲツは、説得するようにそう尋ねました。問題の先送り、確かにその通りです。
「同盟が組まれれば、長く続いていた戦いが終わります。平和な時代にゆっくりと変わっていくはずです。今までは私の周りにしかなかった平和がこの辺りは守られるようになるはずです。」
最初は、軋轢や喧嘩があるでしょう。けれど、いつかは、お互いちょうどいい距離感が分かるようになるはずです。
実際、迎え入れた多種族の子達もそうでした。
「しばらくすれば、私よりも大切なものが出来ます。恋人とか友人とか、死ぬことが惜しくなるような何かが見つかるはずです。」
「サツキ姉さんは、自分勝手です。 兄と姉を同時に失う私の事は何も考えてくれないじゃないですか・・・・・・。私達の社会は、弱肉強食です。いつかこうなる覚悟もしていました。けど、サゲツ兄さんもサツキ姉さんも自分勝手で私の事を何も考えてくれないのに! なんで、なんで、そんなお願いをするんですか!」
ムゲツのその悲痛な訴えに胸が裂かれる思いでした。対立する兄妹の板挟みにされてムゲツは大変だった事は容易に想像できました。あの頃の私にはそれを考えている余裕もありませんでした。
私は、ゆっくりとムゲツを抱きしめて何度も謝りました。ムゲツは、私になすがままで受け入れていました。
そして、最終的にムゲツは、私の願いを叶えてくれると言ってくれました。
「姉の最期の願いを叶えるぐらいの情は私にもあります。」
私は、最大限の感謝の気持ちを込めてお礼を言いました。
それは、なんとしても避けなければいけませんでした。
人間ならば、封印の呪術の知識もあるかもしれません。人間にしか触れることの出来ない清浄石の力を使って私を封印してもらう。
いいえ、封印が出来なくてもいい。形だけでも私が封印されてしまったという事実があれば良いのです。
それは、彼らの生きる希望になる。いつか復活するかもしれないなら、明日に希望が持てるかもしれない。
そのためには、餓狼衆のために精一杯戦い、ギリギリのところで人間に封印され、眠っているという事実が必要でした。
「それで、良いのですか? でもそれは、問題の先送りなんじゃないんですか。」
ムゲツは、説得するようにそう尋ねました。問題の先送り、確かにその通りです。
「同盟が組まれれば、長く続いていた戦いが終わります。平和な時代にゆっくりと変わっていくはずです。今までは私の周りにしかなかった平和がこの辺りは守られるようになるはずです。」
最初は、軋轢や喧嘩があるでしょう。けれど、いつかは、お互いちょうどいい距離感が分かるようになるはずです。
実際、迎え入れた多種族の子達もそうでした。
「しばらくすれば、私よりも大切なものが出来ます。恋人とか友人とか、死ぬことが惜しくなるような何かが見つかるはずです。」
「サツキ姉さんは、自分勝手です。 兄と姉を同時に失う私の事は何も考えてくれないじゃないですか・・・・・・。私達の社会は、弱肉強食です。いつかこうなる覚悟もしていました。けど、サゲツ兄さんもサツキ姉さんも自分勝手で私の事を何も考えてくれないのに! なんで、なんで、そんなお願いをするんですか!」
ムゲツのその悲痛な訴えに胸が裂かれる思いでした。対立する兄妹の板挟みにされてムゲツは大変だった事は容易に想像できました。あの頃の私にはそれを考えている余裕もありませんでした。
私は、ゆっくりとムゲツを抱きしめて何度も謝りました。ムゲツは、私になすがままで受け入れていました。
そして、最終的にムゲツは、私の願いを叶えてくれると言ってくれました。
「姉の最期の願いを叶えるぐらいの情は私にもあります。」
私は、最大限の感謝の気持ちを込めてお礼を言いました。
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