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3章
Part 215 『願い』
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「サツキ・・・・・・姉さん」
どうしようもなく立ち尽くす現場に現れたのは、私の妹のムゲツでした。その表情は、驚愕と恐れの混じった表情でした。
兄妹で殺し合わなければ、いけなかった。ここまでするつもりは、私にはなかった・・・・・・はずです。
「ごめんなさい。ムゲツ。サゲツを止めるには、こうするしかありませんでした。」
私は、言い訳がましくサゲツにそう言っていました。結果は、何も変わらないというのに
体に刻まれた呪いは、自分の体を蝕む感覚がします。この呪いの効力は保って一日と言ったところでしょうか。
ここで終わるわけにはいかないのです。帰って皆に・・・・・・
「サツキ姉さん、待ってください! どうして、こんな・・・・・・」
「ごめんなさい。ムゲツ、けど、私の大切なものを守るためには、必要なことだったんです・・・・・・安心してください。私ももう長くはありません。」
「長くないって・・・・・・」
「呪いです。命を全て捧げて自身の能力を引き上げる呪い、それを使わなければ、勝ち目はありませんでしたから・・・・・・」
「そんな・・・・・・。呪い、呪いなら! うちに人間の部下がいます。その人に呪いを解いてもらえば・・・・・・」
ムゲツは、真剣な表情で私にそう言ってくれます。
しかし、いくら呪いの技術が他よりも高い人間でも私の命を救う事は難しいでしょう。
サゲツを殺した私の身を案じてくれているムゲツを見て、この子は、あの弱肉強食の世界でも優しく育ったのだと実感する。
その優しさに漬け込む私は、やはり外道でしょう。けれど、普段より回る思考が方法を思いついてしまった。ここまで来てしまった私が出来る最後の仕事を・・・・・・
「ムゲツ、あなたにお願いがあるんです。」
頼み事が出来る立場ではない事は分かっていました。兄を殺し、一族を抜けた異端の妖狐である私がムゲツにお願いをするなんて図々しいにも程があります。
けれど、もし、ムゲツが少しでも私を哀れむなら、私を未だ姉と思ってくれるのなら
「お願いですか・・・・・・?」
私は、彼女の問いかけに小さく頷きました。本当に愚かな事を思いつきました。けれど、それが最善のようでもあり、最悪のようでもありました。
「私の村を襲ってくれませんか?」
私は、ムゲツにそうお願いしたのです。
どうしようもなく立ち尽くす現場に現れたのは、私の妹のムゲツでした。その表情は、驚愕と恐れの混じった表情でした。
兄妹で殺し合わなければ、いけなかった。ここまでするつもりは、私にはなかった・・・・・・はずです。
「ごめんなさい。ムゲツ。サゲツを止めるには、こうするしかありませんでした。」
私は、言い訳がましくサゲツにそう言っていました。結果は、何も変わらないというのに
体に刻まれた呪いは、自分の体を蝕む感覚がします。この呪いの効力は保って一日と言ったところでしょうか。
ここで終わるわけにはいかないのです。帰って皆に・・・・・・
「サツキ姉さん、待ってください! どうして、こんな・・・・・・」
「ごめんなさい。ムゲツ、けど、私の大切なものを守るためには、必要なことだったんです・・・・・・安心してください。私ももう長くはありません。」
「長くないって・・・・・・」
「呪いです。命を全て捧げて自身の能力を引き上げる呪い、それを使わなければ、勝ち目はありませんでしたから・・・・・・」
「そんな・・・・・・。呪い、呪いなら! うちに人間の部下がいます。その人に呪いを解いてもらえば・・・・・・」
ムゲツは、真剣な表情で私にそう言ってくれます。
しかし、いくら呪いの技術が他よりも高い人間でも私の命を救う事は難しいでしょう。
サゲツを殺した私の身を案じてくれているムゲツを見て、この子は、あの弱肉強食の世界でも優しく育ったのだと実感する。
その優しさに漬け込む私は、やはり外道でしょう。けれど、普段より回る思考が方法を思いついてしまった。ここまで来てしまった私が出来る最後の仕事を・・・・・・
「ムゲツ、あなたにお願いがあるんです。」
頼み事が出来る立場ではない事は分かっていました。兄を殺し、一族を抜けた異端の妖狐である私がムゲツにお願いをするなんて図々しいにも程があります。
けれど、もし、ムゲツが少しでも私を哀れむなら、私を未だ姉と思ってくれるのなら
「お願いですか・・・・・・?」
私は、彼女の問いかけに小さく頷きました。本当に愚かな事を思いつきました。けれど、それが最善のようでもあり、最悪のようでもありました。
「私の村を襲ってくれませんか?」
私は、ムゲツにそうお願いしたのです。
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