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3章
Part 120 『拗ねる精霊』
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たどり着いた場所は、街から少し離れた場所にある様で、ほとんど明かりもなく地球よりも随分と近く見える月が明るく光っていた。
地面に映える植物も日本で見たことのある植物に似ているものもあるが、どこかやはり違って見えた。
本当に俺達は異世界へやってきたのだ。と実感させられる。
「ていうか、日本語しか話せないんだけど、大丈夫なんですか?」
「はい。それは問題ないですよ。ここの辺りは共通言語は日本語ですし・・・この世界は日本に行く通路が多いですからね。たまに種族間での特有の言語はありますけど、基本的には問題ないはずです。」
「なるほど、なら良かったです。」
そう言われてみれば、ここの住人も日本にやってくることが多いのだから言語的に通じない方が不便ということだ。
「ところで、なんでサクヤは怒ってるんだ?」
「べっつにー、怒ってませんよ。」
サクヤは、拗ねた様な声音でそっぽを向いている。
「怒ってんじゃん。」
「怒ってないです! 別に怒ってないんです!」
「そうか。じゃあ、街の方行くか」
怒っていないと言い張るのなら仕方がない。俺は街明かりある方向に向かって歩いていこうとする。すると、サクヤは俺の服を掴んで「なんで放置するんですか!」とやっぱり怒っていた。
「お前は何がしたいんだよ!」
「どうせ、藁ですよ。頼りないですよ。全然信頼してくれないですもんね。峰さん」
どうやら、藁にもすがる思いと言ったのが気に入らなかったらしい。まあ、確かに信頼感の無い発言ではあったのだが、本心から言った訳ではない。
「冗談で言っただけで・・・」と言いかけてこの返答は、明らかに長期戦になってしまうと気がついた。
「ごめん。悪かったよ。ほんとは、気が楽になってたから、ありがとう。サクヤ、て、握ってくれて・・・」
そういうとサクヤは、「はい! どういたしまして!」とすぐにいつもの笑顔になった。どうやら、機嫌は治ったらしい。
「そう言えば、真冬さんは今回何か用事があってこっちに来たんですか?」
俺達は、真冬さんの目的に関しては一切知らされていない。何かしらの用事ではあるのだろうが・・・
「そういえば、言ってませんでしたね。まあ、言ってみればただの帰省ですよ。ここ数十年ほど家に帰ってなかったので・・・」
「規模がでかい!?」
ていうか、こちらの時間と向こうの時間の流れる早さには差があるのだからこちらでは、もっと時間が経過しているのではないだろうか。
妖怪だからこその時間感覚である。という事は、真冬さんの出身はこちらという事になるのだろう。
「手紙とかのやり取りはしてましたから・・・」
「それにしたって数十年家に帰らないって相当だと思うんですけど・・・じゃあ、帰ってご家族に会わないといけないですね。」
「そうですね。峰さん達も私の家で泊まっていってくださいね。多分、部屋はいくつも空いているはずなので・・・」
「お願いします。なんだか、色々とお世話になってしまって・・・」
「良いんですよ。さて、それじゃあ、行きましょうか。」
地面に映える植物も日本で見たことのある植物に似ているものもあるが、どこかやはり違って見えた。
本当に俺達は異世界へやってきたのだ。と実感させられる。
「ていうか、日本語しか話せないんだけど、大丈夫なんですか?」
「はい。それは問題ないですよ。ここの辺りは共通言語は日本語ですし・・・この世界は日本に行く通路が多いですからね。たまに種族間での特有の言語はありますけど、基本的には問題ないはずです。」
「なるほど、なら良かったです。」
そう言われてみれば、ここの住人も日本にやってくることが多いのだから言語的に通じない方が不便ということだ。
「ところで、なんでサクヤは怒ってるんだ?」
「べっつにー、怒ってませんよ。」
サクヤは、拗ねた様な声音でそっぽを向いている。
「怒ってんじゃん。」
「怒ってないです! 別に怒ってないんです!」
「そうか。じゃあ、街の方行くか」
怒っていないと言い張るのなら仕方がない。俺は街明かりある方向に向かって歩いていこうとする。すると、サクヤは俺の服を掴んで「なんで放置するんですか!」とやっぱり怒っていた。
「お前は何がしたいんだよ!」
「どうせ、藁ですよ。頼りないですよ。全然信頼してくれないですもんね。峰さん」
どうやら、藁にもすがる思いと言ったのが気に入らなかったらしい。まあ、確かに信頼感の無い発言ではあったのだが、本心から言った訳ではない。
「冗談で言っただけで・・・」と言いかけてこの返答は、明らかに長期戦になってしまうと気がついた。
「ごめん。悪かったよ。ほんとは、気が楽になってたから、ありがとう。サクヤ、て、握ってくれて・・・」
そういうとサクヤは、「はい! どういたしまして!」とすぐにいつもの笑顔になった。どうやら、機嫌は治ったらしい。
「そう言えば、真冬さんは今回何か用事があってこっちに来たんですか?」
俺達は、真冬さんの目的に関しては一切知らされていない。何かしらの用事ではあるのだろうが・・・
「そういえば、言ってませんでしたね。まあ、言ってみればただの帰省ですよ。ここ数十年ほど家に帰ってなかったので・・・」
「規模がでかい!?」
ていうか、こちらの時間と向こうの時間の流れる早さには差があるのだからこちらでは、もっと時間が経過しているのではないだろうか。
妖怪だからこその時間感覚である。という事は、真冬さんの出身はこちらという事になるのだろう。
「手紙とかのやり取りはしてましたから・・・」
「それにしたって数十年家に帰らないって相当だと思うんですけど・・・じゃあ、帰ってご家族に会わないといけないですね。」
「そうですね。峰さん達も私の家で泊まっていってくださいね。多分、部屋はいくつも空いているはずなので・・・」
「お願いします。なんだか、色々とお世話になってしまって・・・」
「良いんですよ。さて、それじゃあ、行きましょうか。」
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