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2章
Part 94 『変わっていく今』
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後日談
随分と時間のかかった今回の依頼も無事に終了し俺は帰路に着いた。
ユキは、その次の日からリューの店で働くこととなった。元々、リューの店は、リドがほぼほぼ管理していた事もあって、基本的にリドのサポートという形で仕事を覚えていっているようだ。
「魔法使ってお湯を沸かそうとしたら怒られるんだよ? 私、お湯沸かして怒られたの初めてだよ。」
不満げにユキは僕に訴えてくる。しかし、記憶を代償とする魔法をお湯を沸かすためだけに使うのはどう考えても馬鹿だ。
「いや、それは横着したユキが悪いだろ・・・」
「えーだって、待つの面倒臭い・・・」
「みんな、そんなめんどくさい中で生きてんだよ。現代の科学技術のおかげで本来ならもっと時間のかかってたであろう作業が・・・」
「あーあー! そんなお説教が聞きたいいんじゃないよ! もう、お兄さんならわかってくれると思ったのに!」
両手で耳を塞ぎながらこちらに向かってそう叫ぶユキはなんだか年相応の子供に見えた。
「あ、そうだ。私、名前変えたんだ。ユキが2人いたらお兄さん呼ぶときややこしいでしょ?」
「あ、そうなのか。まあ、確かにややこしいはややこしいな。」
「これからは、ツララって名前で呼んでね。」
「ツララか、分かった。いい名前じゃないか。」
そういうとツララは笑って「ありがとう。」と笑った。新しいく自分の人生を生きて行くのにはずいぶん前向きで安心した。
「でも、本当はもっとかっこいい名前にしたかったんだけど、リドさんが、それは、後々傷口をえぐるからやめとけって・・・意味わかんないよね。」
ユキはわざと少し離れたところで事務作業をしているリドに聞こえるようにそう言った。
「名前にダークネスとかシルバーとか付いてるのが許されるのは若いうちだけだっての・・・先人の意見は聞いとくもんだ。」
リドが溜息を吐きながらそう呟いた。ああ、なるほど、闇に葬りたい歴史になるのを防いだのか。優しいな・・・
「キューティー・ダークネス・フレイム・エンペラー・ウィッチとか、かっこ良くない?」
「スタバのメニューかってぐらい盛ってんな・・・ちなみにめちゃくちゃダサイ。」
ダークネス・フレイム・エンペラーはちょっとかっこいいと思うけど・・・
「えー! そっか・・・じゃあ、いいや、ツララで」
どうやら、諦めがついた様でお茶を飲みながら「お兄さん、今度遊びに連れてってよ。」と言ってくるので「また今度な」と返事をすると「ほんと? 約束だからね? じゃあ、お仕事戻るかなぁ・・・」と言ってそそくさと店の奥に行ってしまった。
「じゃあ、俺も今日は帰る。」とリドに伝えて店を出るとちょうど、凛からメールが送られて来た。
それは、遊びに行く予定についての連絡だった。そうだ。サクヤを誘わないと・・・あと、ユキも誘ってみるか・・・
少し前までなら考えられなかった今の状況に少しだけ笑みが漏れる。
「さて、じゃあ、会いに行くかな・・・」
変わっていく事がこんなに楽しいのは久しぶりだと俺は思うのだった。
随分と時間のかかった今回の依頼も無事に終了し俺は帰路に着いた。
ユキは、その次の日からリューの店で働くこととなった。元々、リューの店は、リドがほぼほぼ管理していた事もあって、基本的にリドのサポートという形で仕事を覚えていっているようだ。
「魔法使ってお湯を沸かそうとしたら怒られるんだよ? 私、お湯沸かして怒られたの初めてだよ。」
不満げにユキは僕に訴えてくる。しかし、記憶を代償とする魔法をお湯を沸かすためだけに使うのはどう考えても馬鹿だ。
「いや、それは横着したユキが悪いだろ・・・」
「えーだって、待つの面倒臭い・・・」
「みんな、そんなめんどくさい中で生きてんだよ。現代の科学技術のおかげで本来ならもっと時間のかかってたであろう作業が・・・」
「あーあー! そんなお説教が聞きたいいんじゃないよ! もう、お兄さんならわかってくれると思ったのに!」
両手で耳を塞ぎながらこちらに向かってそう叫ぶユキはなんだか年相応の子供に見えた。
「あ、そうだ。私、名前変えたんだ。ユキが2人いたらお兄さん呼ぶときややこしいでしょ?」
「あ、そうなのか。まあ、確かにややこしいはややこしいな。」
「これからは、ツララって名前で呼んでね。」
「ツララか、分かった。いい名前じゃないか。」
そういうとツララは笑って「ありがとう。」と笑った。新しいく自分の人生を生きて行くのにはずいぶん前向きで安心した。
「でも、本当はもっとかっこいい名前にしたかったんだけど、リドさんが、それは、後々傷口をえぐるからやめとけって・・・意味わかんないよね。」
ユキはわざと少し離れたところで事務作業をしているリドに聞こえるようにそう言った。
「名前にダークネスとかシルバーとか付いてるのが許されるのは若いうちだけだっての・・・先人の意見は聞いとくもんだ。」
リドが溜息を吐きながらそう呟いた。ああ、なるほど、闇に葬りたい歴史になるのを防いだのか。優しいな・・・
「キューティー・ダークネス・フレイム・エンペラー・ウィッチとか、かっこ良くない?」
「スタバのメニューかってぐらい盛ってんな・・・ちなみにめちゃくちゃダサイ。」
ダークネス・フレイム・エンペラーはちょっとかっこいいと思うけど・・・
「えー! そっか・・・じゃあ、いいや、ツララで」
どうやら、諦めがついた様でお茶を飲みながら「お兄さん、今度遊びに連れてってよ。」と言ってくるので「また今度な」と返事をすると「ほんと? 約束だからね? じゃあ、お仕事戻るかなぁ・・・」と言ってそそくさと店の奥に行ってしまった。
「じゃあ、俺も今日は帰る。」とリドに伝えて店を出るとちょうど、凛からメールが送られて来た。
それは、遊びに行く予定についての連絡だった。そうだ。サクヤを誘わないと・・・あと、ユキも誘ってみるか・・・
少し前までなら考えられなかった今の状況に少しだけ笑みが漏れる。
「さて、じゃあ、会いに行くかな・・・」
変わっていく事がこんなに楽しいのは久しぶりだと俺は思うのだった。
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