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歪んだ縁
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「つまり、私はここに来てそのまま、身を投げようとしていたと」
玲子は隠すことなく、悠美に起こった出来事の詳細を説明した。悠美は、目を丸くしていたものの否定はなく、その事実を受け入れていた。それどころか、納得した様子も玲子には感じられた。
「何か、心当たりがあるのか?」
「心当たりというほどのものでは無いんですけど、最近、幸せなはずなのにどこか、違和感があって・・・・・・。このまま、結婚するべきだとは思うんですけど、何か違う様な気がするんです。それがモヤモヤとしていて、日に日に大きくなって、それが気持ち悪くて・・・・・・」
(拒否反応が出ている? 確かあの女の子の話では、縁結びは関係性を見て結ぶって言ってたはずだけど)
悪用を警戒して縁結びの結ぶ回数は、少なめにしているはずである。結婚まで進む状況というのは、明らかに十回結んでいなければ、起こりえない。女の話から、それだけの量を結ぶのはカップルで来た時のみだと話していた。もっとも、出会った女が正直に話しているかどうかなども、分かったものではないが。
「縁結びの噂を知ってるか?」
玲子の問いかけに、悠美は少し考えてから、思い出した様に頷いた。
「真斗さんと一緒に縁結びに行きました。あんまり、信じていなかったんですけど。その日から真斗さんのことを意識し始めたので、本当に効果があったのかもしれないですね」
「あんたは、真斗って人のことを嫌っていただろ。何で、縁結びに一緒に行く話になるんだ?」
「それは・・・・・・あの人、私が告白を振っても何度も言い寄ってきて、拒否し続けていたら、今日で諦めるから、一日だけ本当の彼女の振りをして欲しいって言われたの。私も一日だけで相手が付きまとって来ないならって。その流れで縁結びに行って、気付いたら、本当に好きになってたの」
明らかに悪用を考えての真斗の振る舞いに玲子は生理的な嫌悪感を感じていた。嫌いな人間との縁を強制的にねじ曲げて、繋げられる。その気持ちの悪さは、想像するよりもずっと大きい。無意識に死を選んでしまいそうになるほどに悠美の精神は限界を感じていた。遅かれ早かれ、この状況は起こっていただろう。
「そろそろ、帰らないと、真斗さんが心配するし」
悠美は腕時計を確認するとそう呟いた。玲子は現場を何とか打開する方法を考えたが、自分は明らかに力不足だった。引き止める言葉も思いつかず、玲子はそのまま、悠美を帰すことにした。
「・・・・・・ああ、悪かった。長い間引き止めて」
「ううん。なんか話したらちょっとスッキリしたし、命の恩人だしこのぐらいは全然」
「気をつけて」
「あはは、流石にもう投身自殺なんてしないよ」
そう言って、悠美は階段を降りていった。表情は明るかったが、いつまた、自殺をするか分からない。見殺しに出来るほど玲子も無情ではなかった。
スマホを起動して、誠に電話をかける。もう一度、縁結びの少女に会い、結んだ縁を外す方法を聞き出す必要があった。
数回のコールですぐに誠と連絡がついた。
「誠、縁結びの女を探そう。このままだと、死人が出る。」
「え? どういうこと?」
「無理に縁を結ばれた女が自殺しそうになってた。私は油揚げ買ってから稲穂原公園に行くから現地で合流しよう」
玲子の言葉に電話越しから「玲子。多分、僕、縁結びの女の子見つけたと思う」と誠が答えた。
「・・・・・・ん? 何で?」
玲子は隠すことなく、悠美に起こった出来事の詳細を説明した。悠美は、目を丸くしていたものの否定はなく、その事実を受け入れていた。それどころか、納得した様子も玲子には感じられた。
「何か、心当たりがあるのか?」
「心当たりというほどのものでは無いんですけど、最近、幸せなはずなのにどこか、違和感があって・・・・・・。このまま、結婚するべきだとは思うんですけど、何か違う様な気がするんです。それがモヤモヤとしていて、日に日に大きくなって、それが気持ち悪くて・・・・・・」
(拒否反応が出ている? 確かあの女の子の話では、縁結びは関係性を見て結ぶって言ってたはずだけど)
悪用を警戒して縁結びの結ぶ回数は、少なめにしているはずである。結婚まで進む状況というのは、明らかに十回結んでいなければ、起こりえない。女の話から、それだけの量を結ぶのはカップルで来た時のみだと話していた。もっとも、出会った女が正直に話しているかどうかなども、分かったものではないが。
「縁結びの噂を知ってるか?」
玲子の問いかけに、悠美は少し考えてから、思い出した様に頷いた。
「真斗さんと一緒に縁結びに行きました。あんまり、信じていなかったんですけど。その日から真斗さんのことを意識し始めたので、本当に効果があったのかもしれないですね」
「あんたは、真斗って人のことを嫌っていただろ。何で、縁結びに一緒に行く話になるんだ?」
「それは・・・・・・あの人、私が告白を振っても何度も言い寄ってきて、拒否し続けていたら、今日で諦めるから、一日だけ本当の彼女の振りをして欲しいって言われたの。私も一日だけで相手が付きまとって来ないならって。その流れで縁結びに行って、気付いたら、本当に好きになってたの」
明らかに悪用を考えての真斗の振る舞いに玲子は生理的な嫌悪感を感じていた。嫌いな人間との縁を強制的にねじ曲げて、繋げられる。その気持ちの悪さは、想像するよりもずっと大きい。無意識に死を選んでしまいそうになるほどに悠美の精神は限界を感じていた。遅かれ早かれ、この状況は起こっていただろう。
「そろそろ、帰らないと、真斗さんが心配するし」
悠美は腕時計を確認するとそう呟いた。玲子は現場を何とか打開する方法を考えたが、自分は明らかに力不足だった。引き止める言葉も思いつかず、玲子はそのまま、悠美を帰すことにした。
「・・・・・・ああ、悪かった。長い間引き止めて」
「ううん。なんか話したらちょっとスッキリしたし、命の恩人だしこのぐらいは全然」
「気をつけて」
「あはは、流石にもう投身自殺なんてしないよ」
そう言って、悠美は階段を降りていった。表情は明るかったが、いつまた、自殺をするか分からない。見殺しに出来るほど玲子も無情ではなかった。
スマホを起動して、誠に電話をかける。もう一度、縁結びの少女に会い、結んだ縁を外す方法を聞き出す必要があった。
数回のコールですぐに誠と連絡がついた。
「誠、縁結びの女を探そう。このままだと、死人が出る。」
「え? どういうこと?」
「無理に縁を結ばれた女が自殺しそうになってた。私は油揚げ買ってから稲穂原公園に行くから現地で合流しよう」
玲子の言葉に電話越しから「玲子。多分、僕、縁結びの女の子見つけたと思う」と誠が答えた。
「・・・・・・ん? 何で?」
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