人生の絵の具を混ぜろ

葡萄ラテ

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日々2

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スマホを手に取り検索アプリを開く

「人生」と打った

これが怖いことに一連の作業が無意識に行われていた。

検索結果が出た

一番先頭は人生という言葉の意味を説明していた。

「んなことわかってるわ笑」

急に興味が無くなったのかわからないがテキトーにスクロールをする

テレビを横目に上から下に動くスマホの画面を止める

「あなたの人生を買います」

自分の親指はそこで止まっていた

「人生を買う??」

黒い背景に赤い文字どのサイトに比べても奇妙なものだった

でっかくタイトルに人生転売所と書かれている

「なんだよこれ、2ちゃんのタイトルかよ笑」

と、言いつつ下に指を流す


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奇妙な紹介文が次々と流れてきた

意識はすでにサイト持ってかれていた

「ジリジリジリジリ!!!!」

ストップし忘れてた目覚ましが鳴りはじめ、我にかえった

「ハァハァハァ....」

なぜか息が切れており

再び全身は汗だらけになっていた

「なんだよこれ、気持ちわりぃな」

あまりにも日常とはかけ離れてた内容だったため落ち着くのに時間がかかった

時計の針はもう仕事に行かなければならない時刻をさしていた

「よっこらっしょ」

重たい腰をあげ
純白のシャツの袖に腕を通し
ネクタイをしっかり結ぶ

忘れ物はない、身支度はある程度終わった

いつものエナジードリンクを飲み干し

「よっしゃ、今日も頑張るか」

と、俺は玄関のドアを少し強く閉めた
 
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