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3章
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「いかがでしたか?」
「すごすぎます…壮大な御伽噺でした…」
「それはありがとうございます」
麓は寮長の話す御伽噺のストーリー性に圧倒されていた。
深い愛だった。最終的に愛する人と生きる道を歩めたのも安心した。
寮長に物語を編み出す才能があるなんて知らなかった。やはり寮長は最強だと思う。
「ちなみにこれはフィクションですか?」
いつの間にか引き込まれて目が覚めてしまい、麓は布団の中から身を乗り出していた。
「さぁ…? フフ」
寮長は答えず、笑ってみせただけ。
「フィクションなのかノンフィクションなのか。そこが謎なのも一興でしてよ」
そんなことを言う彼女も謎めいている。麓はひそかに思った。
布団の中に戻って頭の中で、御伽噺の主人公の1人である”娘”の姿を思い描いてみた。
きっと気さくで明るくて気が強いところがあって、誰からも頼られるタイプなんだろうな、と考える。
彼女と青年が、永遠の幸せに包まれるといいと思った。でもおそらく人間だから、本当の永遠ではないかもしれない。
麓には1つだけ、気がかりなことがあった。
天井をしばらく見つめていたが目を伏せた。自分のことでは無いのに、落ち込んでしまいそうになるのはなぜか。
麓は寮長に話しかけるでもなく、つぶやく。
「なんで生きていることを、幼なじみに言わないんだろう…」
「それは────忘れてほしかったのではないでしょうか」
返事が返ってくるとは思わなかった。寮長の方を見ると、彼女はさっきの麓と同じように天井を見つめている。寂し気にほほえんでいた。もしかしたら、心情も同じなのかもしれない。娘に感情移入して。
寮長は一旦切った言葉を続けた。
「ほら…意地っ張りな青年の未来が見えたでしょう? これはあくまで私の考えですが────彼は娘のことが好きだけど、それは叶わぬ恋。早いとこ娘のことを忘れ、本当に結ばれるべき相手を見つけてほしかったのです。何より娘は、紳士風の青年に一直線だから」
麓の寝る前の記憶はそこで終わっている。本当はもっと話をしていて、麓が寝落ちただけかもしれない。
その晩、結局地震は起きなかった。
麓は安堵したが、それも束の間。
日中は小さな地震がちょくちょくとあり、それは数日間続いた。雪も毎日欠かさず。
あの晩からしばらく、麓は寮長の部屋に行って彼女と寝ている。
その度に扇や霞はうらやましそうな顔をしていた。
しばらくの間の約束だったが長期間続くことになる。
しかしこの頃は麓自身も、寮長も他の者たちもそんなことを思いつきもしなかった。
この日も雪が降りしきり、富橋に似合わぬ銀世界を形成していた。
それはそれで風情があるのだが如何せん、富橋では元々雪が降ることが少ないため、慣れぬ天候に人々も精霊も戸惑っている。
精霊という、人間とは違った超越した肉体の持ち主たちでさえ、体調を崩す者が少なくない。マスクの数も多くなってきた。
そんなある日の朝食時。麓が光に渡されたのは使い捨てではないカイロ。
「はい、これ。ロクにゃん」
「これは?」
「えっとね、湯せんをすれば何回も使えるカイロだよ。布のカバーもあって可愛いでしょ?」
光からのカイロを手で包み込むと、心地よい温かさが広がった。
「ありがとう。使わせてもらうね」
「うん。そうして」
改めて手元のカイロを見ると、イチゴとウサギの可愛い柄の布のカバーでかわいらしい。
「おーかわいいじゃん。麓に似合ってるね」
階段を降りてきた焔が、麓の手元をのぞきこんだ。彼女があいさつしようと口を開きかけたら、光が遮るように手を振った。
「ホムラっちおはよー。頭のてっぺん、ハネてるよ」
「マジでか。…直してくるわ」
「行ってらっしゃーい」
焔を見送った途端、光がてーぶうに突っ伏して笑い始めた。麓は洗面台へ向かう焔に頭をじっと見た。そこに目立ったハネはない。
「光君、もしかして」
「ん? さっきのは嘘だよー」
「やっぱり…でもなんで?」
「そーだねぇ…ロクにゃんと久しぶりに2人でいたいから、かな? 最近僕たち、一緒にいる時間が少ないでしょ? 学校は学校であーちゃんたちがいるし。あ、別にあーちゃんたちを悪く言うつもりはないからね」
それはいつものより大人びた笑みだった。無邪気な笑顔と違い、少し落ち着いたものがある。
麓もつられてか表情を引き締めた。
すると光が、子どものような笑みを浮かべた。
「も~どうしちゃったのさ急に~。そんな真面目な顔しないでよ、授業じゃないんだから。僕は、ロクにゃんが笑ってる時の方が好きだよ」
麓はきまり悪そうにした。光にそんなことを言われるとは思わずに。
光は手を伸ばして麓の前髪をさらさらとかき分けた。
額に手がふれ、麓は視線をあげる。
「最近、あんま元気ないね。なんかあった?」
「え…」
「僕が気づいていないと思った? 去年のクリスマスからずっと気になっていたんだよ。買い出しの後、寂しそうな顔してたし生徒今もあんまり元気そうには見えないんだ。それにさ、ナギりんと話さなくなったよね」
麓は光見つめてから、首をかしげた。
「────そうかな」
「そうだよ。僕だけじゃなくて他の皆も、ロクにゃんとナギりんが話している所を見てないもん」
バレていた。
話していない理由は悟られていないらしい。
同じ頃。凪は自室でベッドに伏していた────所を、扇が邪魔しに行った。
「起きろ凪ー。遅刻すんぞー」
「うるせーハゲ」
「誰がハゲだ。俺の美しいサラッサラ白髪は健在だ」
「あーそーですか…こちとら寝不足なんだよ。頭下げっから黙って部屋から出てけ」
…と、不貞腐れ気味な凪は頭を下げるどころか、毛布から出てくる様子がない。扇に背中を向けていた。
扇は盛大にため息をつき頭をかいた。
「寝起きワリーなおい。最近やたら起きるの遅くね? 寝不足になるほど気になることで────」
「ンなモンあるかよ。おめーにゃ関係ねェ」
扇の声を遮って凪はそれだけ言うと、毛布を引き上げて頭まですっぽりとかぶった。
それだけで扇は分かった。
こちらが言い終わる前に言い返すということは、凪は嘘をついている。というのが分かったのは以前、人間の心理を題材にした本を読んだからだ。
扇はニンマリと笑む。
「へ~? あるんだ? 気になることが。同期の中で最強と名高い海の精霊様にも、悩みの1つや2つ────」
「いい加減にしねェと息の根を止めるぞ白髪…」
扇の鼻先に紙一重というところに、海竜剣の切っ先を突き付けられている。
凪は起き上がり、武器化身を発動させていた。寝ている間にそうなったのか、寝間着の胸元ははだけていた。
「突然そーゆーことすんのやめろ! 冷や汗かいてるわ!」
「おめーが端から悪い」
凪は刀を鞘に戻した。小気味いい音がしてから、凪の手首へ金のブレスレットに姿が変わる。
扇は動機が収まってから改めて口を開いた。
「凪の悩み…当ててあげよっか」
「だから俺にはそんなモンねぇっての」
「────じゃあここしばらく、お前が麓ちゃんと話している所を見かけねーのはなんで?」
ベッドの端から腰を浮かしかけた凪の動きが止まった。
図星か、と悩みを当てたうれしさもあるが、気に食わない気持ちも浮かぶ。
凪はストン、とベッドの端に再び腰を掛けた。
何やら気難しい顔をしていたが、すぐに真顔になった。
「…別に。ただ話すことがないだけだ」
「え。そんだけ?」
「そんだけってなんだよ。他に理由がいんのか」
「ほしいわ! 納得できねーもん」
「さーてと、朝飯食いに行こうぜ。腹減った」
凪は寝間着の帯を解き、制服をかけたハンガーを取った。
「話そらすな! でも俺も腹減った…凪のせいで…それに麓ちゃんの顔を拝みたいし」
扇が横目で凪の顔を盗み見ると、彼はまだ眠たそうにあくびをした。
「すごすぎます…壮大な御伽噺でした…」
「それはありがとうございます」
麓は寮長の話す御伽噺のストーリー性に圧倒されていた。
深い愛だった。最終的に愛する人と生きる道を歩めたのも安心した。
寮長に物語を編み出す才能があるなんて知らなかった。やはり寮長は最強だと思う。
「ちなみにこれはフィクションですか?」
いつの間にか引き込まれて目が覚めてしまい、麓は布団の中から身を乗り出していた。
「さぁ…? フフ」
寮長は答えず、笑ってみせただけ。
「フィクションなのかノンフィクションなのか。そこが謎なのも一興でしてよ」
そんなことを言う彼女も謎めいている。麓はひそかに思った。
布団の中に戻って頭の中で、御伽噺の主人公の1人である”娘”の姿を思い描いてみた。
きっと気さくで明るくて気が強いところがあって、誰からも頼られるタイプなんだろうな、と考える。
彼女と青年が、永遠の幸せに包まれるといいと思った。でもおそらく人間だから、本当の永遠ではないかもしれない。
麓には1つだけ、気がかりなことがあった。
天井をしばらく見つめていたが目を伏せた。自分のことでは無いのに、落ち込んでしまいそうになるのはなぜか。
麓は寮長に話しかけるでもなく、つぶやく。
「なんで生きていることを、幼なじみに言わないんだろう…」
「それは────忘れてほしかったのではないでしょうか」
返事が返ってくるとは思わなかった。寮長の方を見ると、彼女はさっきの麓と同じように天井を見つめている。寂し気にほほえんでいた。もしかしたら、心情も同じなのかもしれない。娘に感情移入して。
寮長は一旦切った言葉を続けた。
「ほら…意地っ張りな青年の未来が見えたでしょう? これはあくまで私の考えですが────彼は娘のことが好きだけど、それは叶わぬ恋。早いとこ娘のことを忘れ、本当に結ばれるべき相手を見つけてほしかったのです。何より娘は、紳士風の青年に一直線だから」
麓の寝る前の記憶はそこで終わっている。本当はもっと話をしていて、麓が寝落ちただけかもしれない。
その晩、結局地震は起きなかった。
麓は安堵したが、それも束の間。
日中は小さな地震がちょくちょくとあり、それは数日間続いた。雪も毎日欠かさず。
あの晩からしばらく、麓は寮長の部屋に行って彼女と寝ている。
その度に扇や霞はうらやましそうな顔をしていた。
しばらくの間の約束だったが長期間続くことになる。
しかしこの頃は麓自身も、寮長も他の者たちもそんなことを思いつきもしなかった。
この日も雪が降りしきり、富橋に似合わぬ銀世界を形成していた。
それはそれで風情があるのだが如何せん、富橋では元々雪が降ることが少ないため、慣れぬ天候に人々も精霊も戸惑っている。
精霊という、人間とは違った超越した肉体の持ち主たちでさえ、体調を崩す者が少なくない。マスクの数も多くなってきた。
そんなある日の朝食時。麓が光に渡されたのは使い捨てではないカイロ。
「はい、これ。ロクにゃん」
「これは?」
「えっとね、湯せんをすれば何回も使えるカイロだよ。布のカバーもあって可愛いでしょ?」
光からのカイロを手で包み込むと、心地よい温かさが広がった。
「ありがとう。使わせてもらうね」
「うん。そうして」
改めて手元のカイロを見ると、イチゴとウサギの可愛い柄の布のカバーでかわいらしい。
「おーかわいいじゃん。麓に似合ってるね」
階段を降りてきた焔が、麓の手元をのぞきこんだ。彼女があいさつしようと口を開きかけたら、光が遮るように手を振った。
「ホムラっちおはよー。頭のてっぺん、ハネてるよ」
「マジでか。…直してくるわ」
「行ってらっしゃーい」
焔を見送った途端、光がてーぶうに突っ伏して笑い始めた。麓は洗面台へ向かう焔に頭をじっと見た。そこに目立ったハネはない。
「光君、もしかして」
「ん? さっきのは嘘だよー」
「やっぱり…でもなんで?」
「そーだねぇ…ロクにゃんと久しぶりに2人でいたいから、かな? 最近僕たち、一緒にいる時間が少ないでしょ? 学校は学校であーちゃんたちがいるし。あ、別にあーちゃんたちを悪く言うつもりはないからね」
それはいつものより大人びた笑みだった。無邪気な笑顔と違い、少し落ち着いたものがある。
麓もつられてか表情を引き締めた。
すると光が、子どものような笑みを浮かべた。
「も~どうしちゃったのさ急に~。そんな真面目な顔しないでよ、授業じゃないんだから。僕は、ロクにゃんが笑ってる時の方が好きだよ」
麓はきまり悪そうにした。光にそんなことを言われるとは思わずに。
光は手を伸ばして麓の前髪をさらさらとかき分けた。
額に手がふれ、麓は視線をあげる。
「最近、あんま元気ないね。なんかあった?」
「え…」
「僕が気づいていないと思った? 去年のクリスマスからずっと気になっていたんだよ。買い出しの後、寂しそうな顔してたし生徒今もあんまり元気そうには見えないんだ。それにさ、ナギりんと話さなくなったよね」
麓は光見つめてから、首をかしげた。
「────そうかな」
「そうだよ。僕だけじゃなくて他の皆も、ロクにゃんとナギりんが話している所を見てないもん」
バレていた。
話していない理由は悟られていないらしい。
同じ頃。凪は自室でベッドに伏していた────所を、扇が邪魔しに行った。
「起きろ凪ー。遅刻すんぞー」
「うるせーハゲ」
「誰がハゲだ。俺の美しいサラッサラ白髪は健在だ」
「あーそーですか…こちとら寝不足なんだよ。頭下げっから黙って部屋から出てけ」
…と、不貞腐れ気味な凪は頭を下げるどころか、毛布から出てくる様子がない。扇に背中を向けていた。
扇は盛大にため息をつき頭をかいた。
「寝起きワリーなおい。最近やたら起きるの遅くね? 寝不足になるほど気になることで────」
「ンなモンあるかよ。おめーにゃ関係ねェ」
扇の声を遮って凪はそれだけ言うと、毛布を引き上げて頭まですっぽりとかぶった。
それだけで扇は分かった。
こちらが言い終わる前に言い返すということは、凪は嘘をついている。というのが分かったのは以前、人間の心理を題材にした本を読んだからだ。
扇はニンマリと笑む。
「へ~? あるんだ? 気になることが。同期の中で最強と名高い海の精霊様にも、悩みの1つや2つ────」
「いい加減にしねェと息の根を止めるぞ白髪…」
扇の鼻先に紙一重というところに、海竜剣の切っ先を突き付けられている。
凪は起き上がり、武器化身を発動させていた。寝ている間にそうなったのか、寝間着の胸元ははだけていた。
「突然そーゆーことすんのやめろ! 冷や汗かいてるわ!」
「おめーが端から悪い」
凪は刀を鞘に戻した。小気味いい音がしてから、凪の手首へ金のブレスレットに姿が変わる。
扇は動機が収まってから改めて口を開いた。
「凪の悩み…当ててあげよっか」
「だから俺にはそんなモンねぇっての」
「────じゃあここしばらく、お前が麓ちゃんと話している所を見かけねーのはなんで?」
ベッドの端から腰を浮かしかけた凪の動きが止まった。
図星か、と悩みを当てたうれしさもあるが、気に食わない気持ちも浮かぶ。
凪はストン、とベッドの端に再び腰を掛けた。
何やら気難しい顔をしていたが、すぐに真顔になった。
「…別に。ただ話すことがないだけだ」
「え。そんだけ?」
「そんだけってなんだよ。他に理由がいんのか」
「ほしいわ! 納得できねーもん」
「さーてと、朝飯食いに行こうぜ。腹減った」
凪は寝間着の帯を解き、制服をかけたハンガーを取った。
「話そらすな! でも俺も腹減った…凪のせいで…それに麓ちゃんの顔を拝みたいし」
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