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男装神主と口裂け女
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「気づいただろ? リサコは私しか襲わない」
自分でも気づいていないだろう。ユズカは口裂け女のことを本名で呼ぶようになった。
口裂け女が森へ消えた後、無事に儀式を終えた。小紅による舞も。口裂け女の襲来などなかったかのように神社の修繕が始まったが、一行とユズカとカツミは境内の隅にいた。
ユズカはカツミに手首を包帯で巻いてもらっている。頬の傷は血が止まっているが生々しい。
「じゃあそれは口裂け女のせいだな? 舞が得意でないというのも嘘だろ」
「あぁ……この前攻撃を交わす時にひねった」
京弥に迫られ、ユズカは全てを白状し、足を指し示した。
口裂け女の詳細を、幼なじみのことを話した彼女は懐かしく切なそうに目を細めている。
京弥は全て聞き終えると口を歪ませた。前髪をかき上げ、悔しそうに中途半端な笑みを浮かべる。
「情けないな……。全然歯が立たなかった」
「もはや相手にされてなかったもんな。俺たちのことが見えていないような……」
征司は赤くなった顔を濡らした手拭いで押さえた。口裂け女の足跡がまだ残っている。
その隣でサスケは、菊光のことを尊敬のまなざしを向けていた。今まで以上に輝いた目はまぶしい。
「菊光の兄貴すごかったっス! でも、なんであの時刀を抜かなかったんスか?」
「ユズカさん以外に興味ないなら斬りつけても仕方ないって言うか……」
菊光はあの後、”うえー!”と叫んで川へ走っていった。鞘を水面にぶっさすと鍋をかき混ぜるように勢いよく振り回していた。
「……そうか」
なんでもないように宙を見つめる菊光に、ユズカはどこか安堵した様子でうなずいた。
「君たち。正式にお願いしたい。リサコを人間に戻してほしい……。あの子を人外として終わらせたくない」
「ユズカさん……」
手当てが終わったユズカは征司たちに向かって頭を下げた。橙色の長い髪が一緒に垂れる。
正式な依頼だ。顔を上げたユズカはまっすぐな目で征司たちの顔を順番に見た。
「私からもお願いするわ……。本当に仲が良かった二人の日常を取り戻してほしい」
カツミも一行に向かって手を合わせた。
いつもだったら二つ返事なのだが、彼らは下がった眉で顔を見合わせた。
口裂け女にはたった一瞬で戦意喪失させられてしまった。しかも全く相手にされない。
「兄ちゃん! 剣を教えてくれよ!」
「おれも! 兄ちゃんみたいに強くなりたい!」
「おわっ」
重い沈黙が流れる中、少年たちが菊光のことを取り囲んだ。刀の代わりか、その辺で拾った木の枝を持っている。
ユズカは軽やかな声で笑うと、菊光の背中を叩いた。
「さっきの菊光、かっこよかったもんな。皆、菊光に教わるといい」
「はーい!!」
「それはさっき断っただろ!」
「そんなに人気なんじゃ子どもたちから奪うわけにはいかないだろ」
ユズカは何事もなかったように、”さぁ今年もやるかー”と拝殿に向かって歩き出した。
神社の修繕が始まった二日目の夜。
この日もカツミの食事に舌鼓を打った一行は、片づけを手伝って大浴場で汗を流した。
「ユズカさん。せーめーさんに連絡を取りたいのですが、からくりを貸してもらっていいですか?」
「ん? いいぞ」
ユズカと菊光が終い湯に行くところを、征司は呼び止めた。
彼女は社務所に一行を連れていくと、燭台に火を灯した。部屋の片隅には布がかけられた箱のようなものがある。布を取ると、薄い硝子の板がはめられた木の箱が現れた。
鹿子村や矢羽根村のものとは違い、箱に彫られた七宝柄がお洒落だ。真紅、くちなし色、紺碧、生成色。一つ一つに色が塗られている。規則性がないのがまた美しい。小紅と菊光は”わぁ……!”と感嘆の声をもらした。
「綺麗……」
「見事だな……」
ユズカは二人が見入ってる様子にほほえみ、硝子にそっとふれた。
すると硝子は火を灯された部屋のように明るくなった。この国の地図が現れ、地図上には赤い点や地名が書かれている。
「君たちがいたのはここだったな」
ユズカがある赤い点をさわると、画面が黒くなった。
普通に生きていたら見ることがないからくりに、菊光は歩き回って観察している。
『呼んだか? ユズカ殿』
画面上に突然現れたのは、征司たちの故郷にいる清命。彼も風呂上がりなのか、髪を束ねずに寝間着姿だ。その後ろには泰親が正座で控えている。
清命とユズカは同じ18歳で、数少ない若い神主仲間だと後で教えてもらった。
「こんばんは、清命殿。征司たちを派遣してくれてありがとう」
『滅相もない。ヤツらは元気か?』
「あぁ。おかげで神社の修繕も進んでいる。ちなみにここにいるんだが……」
「せーめーさんお久しぶりです!」
「助けてほしいっス!」
『なんだぁ!?』
画面に飛びついた征司とサスケは涙目。画面の向こうで清命は後ずさっている。画面から飛び出てきそうな勢いに驚いたのだろう。
「菊光。私たちは大浴場に行こうか。最近は湯が冷めるのが早いからな」
ユズカは箱から離れた菊光に声をかけ、二人は社務所を出た。
ここに来てからというもの、菊光はユズカと終い湯に入るのが習慣だ。
「菊光も家族に連絡を取るかー?」
湯舟に浸かると、女風呂にいるユズカの声が反響して聞こえた。
「いや、いいです」
「どうして? 征司たちの近くに家があるんだろ?」
「別に……いい」
菊光は湯舟で膝を抱えた。ちゃぷ、と水が揺れる。
「家族は菊光のことを心配しているんじゃないか? まだ16だろ」
「それは……そうかもしれません。両親はボクのことを自由にしたくないから」
「……一体どういう家なんだ?」
「ユズカさんが思っているようなことではないから。大丈夫ですよ」
余計なことを話してしまった。菊光は努めて明るい声で返した。
「……生きているなら会った方がいいぞ」
家族を亡くしたユズカからの言葉は重かった。しかし、それには素直にうなずけない自分の言葉に嫌気が差した。
『幼なじみが口裂け女に、か……』
『ただの人外ではありませんね』
『痣だらけだったのに真っ白な肌になった、ってのも気になるな』
画面の向こうで清命と泰親が首を捻っている。
今回、彼らに連絡したのはこれが目的だった。
『ちょっと気になるから私たちも行こう。なぁ、泰親』
『いいでしょう』
「助かりますっス!」
画面越しに頭を下げると、画面の向こうが騒がしくなった。
『清命君こんばんはー』
『小紅もいるんですって?』
「母ちゃん!?」
「母上! お久しぶりっス!」
清命と入れ替わるように画面に現れたのは、征司とサスケの母。その横には小紅の母も。二人は我が子たちの明るい声に顔を綻ばせた。
「母さん……」
『元気そうね、小紅。なんだかたくましくなったように見えるわ』
彼らも久しぶりにふれる両親の顔に、子どもらしい柔らかな笑顔を浮かべた。
が、それも束の間。母親たちの歓声に冷めることになる。
『あっ! 京弥君じゃないかい!』
『いつ見ても男前ねぇ……』
「人妻が女出すんじゃねぇ気色わりぃ……」
「母さんも見る目がない……」
お互いの母親の変貌ぶりに苦笑いし合う。小紅は体中から”嫌”という感情を絞り出した顔をしている。
反対に京弥は、母親たちに麗しい愛想笑いを振りまいていた。
「どうもどうも。ご無沙汰してます」
京弥の魅力を楽しんだ後、征司とサスケの母親が”そうだ”と手を叩いた。
『そういえば菊光ちゃん? 前の村で話した時に可愛い男の子がいただろ?』
「菊光の兄貴なら風呂に行ってますけど……どうかしたんスか?」
『あの後にとあるお侍さんがこの村にみえてね。菊光ちゃんがその息子さんに似てたんだよ』
だからどうした、という話だが一行は思い出したことがあった。
「そういえば菊光って追われてたよな……」
「なんやかんやで仲間になったんだよね……」
『お侍さんの家は娘さんが家出をしてちょっとした騒動になってるらしいわ』
「娘ねぇ……」
いつの間にか輪から外れた京弥は人知れず、口の端を上げた。
自分でも気づいていないだろう。ユズカは口裂け女のことを本名で呼ぶようになった。
口裂け女が森へ消えた後、無事に儀式を終えた。小紅による舞も。口裂け女の襲来などなかったかのように神社の修繕が始まったが、一行とユズカとカツミは境内の隅にいた。
ユズカはカツミに手首を包帯で巻いてもらっている。頬の傷は血が止まっているが生々しい。
「じゃあそれは口裂け女のせいだな? 舞が得意でないというのも嘘だろ」
「あぁ……この前攻撃を交わす時にひねった」
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京弥は全て聞き終えると口を歪ませた。前髪をかき上げ、悔しそうに中途半端な笑みを浮かべる。
「情けないな……。全然歯が立たなかった」
「もはや相手にされてなかったもんな。俺たちのことが見えていないような……」
征司は赤くなった顔を濡らした手拭いで押さえた。口裂け女の足跡がまだ残っている。
その隣でサスケは、菊光のことを尊敬のまなざしを向けていた。今まで以上に輝いた目はまぶしい。
「菊光の兄貴すごかったっス! でも、なんであの時刀を抜かなかったんスか?」
「ユズカさん以外に興味ないなら斬りつけても仕方ないって言うか……」
菊光はあの後、”うえー!”と叫んで川へ走っていった。鞘を水面にぶっさすと鍋をかき混ぜるように勢いよく振り回していた。
「……そうか」
なんでもないように宙を見つめる菊光に、ユズカはどこか安堵した様子でうなずいた。
「君たち。正式にお願いしたい。リサコを人間に戻してほしい……。あの子を人外として終わらせたくない」
「ユズカさん……」
手当てが終わったユズカは征司たちに向かって頭を下げた。橙色の長い髪が一緒に垂れる。
正式な依頼だ。顔を上げたユズカはまっすぐな目で征司たちの顔を順番に見た。
「私からもお願いするわ……。本当に仲が良かった二人の日常を取り戻してほしい」
カツミも一行に向かって手を合わせた。
いつもだったら二つ返事なのだが、彼らは下がった眉で顔を見合わせた。
口裂け女にはたった一瞬で戦意喪失させられてしまった。しかも全く相手にされない。
「兄ちゃん! 剣を教えてくれよ!」
「おれも! 兄ちゃんみたいに強くなりたい!」
「おわっ」
重い沈黙が流れる中、少年たちが菊光のことを取り囲んだ。刀の代わりか、その辺で拾った木の枝を持っている。
ユズカは軽やかな声で笑うと、菊光の背中を叩いた。
「さっきの菊光、かっこよかったもんな。皆、菊光に教わるといい」
「はーい!!」
「それはさっき断っただろ!」
「そんなに人気なんじゃ子どもたちから奪うわけにはいかないだろ」
ユズカは何事もなかったように、”さぁ今年もやるかー”と拝殿に向かって歩き出した。
神社の修繕が始まった二日目の夜。
この日もカツミの食事に舌鼓を打った一行は、片づけを手伝って大浴場で汗を流した。
「ユズカさん。せーめーさんに連絡を取りたいのですが、からくりを貸してもらっていいですか?」
「ん? いいぞ」
ユズカと菊光が終い湯に行くところを、征司は呼び止めた。
彼女は社務所に一行を連れていくと、燭台に火を灯した。部屋の片隅には布がかけられた箱のようなものがある。布を取ると、薄い硝子の板がはめられた木の箱が現れた。
鹿子村や矢羽根村のものとは違い、箱に彫られた七宝柄がお洒落だ。真紅、くちなし色、紺碧、生成色。一つ一つに色が塗られている。規則性がないのがまた美しい。小紅と菊光は”わぁ……!”と感嘆の声をもらした。
「綺麗……」
「見事だな……」
ユズカは二人が見入ってる様子にほほえみ、硝子にそっとふれた。
すると硝子は火を灯された部屋のように明るくなった。この国の地図が現れ、地図上には赤い点や地名が書かれている。
「君たちがいたのはここだったな」
ユズカがある赤い点をさわると、画面が黒くなった。
普通に生きていたら見ることがないからくりに、菊光は歩き回って観察している。
『呼んだか? ユズカ殿』
画面上に突然現れたのは、征司たちの故郷にいる清命。彼も風呂上がりなのか、髪を束ねずに寝間着姿だ。その後ろには泰親が正座で控えている。
清命とユズカは同じ18歳で、数少ない若い神主仲間だと後で教えてもらった。
「こんばんは、清命殿。征司たちを派遣してくれてありがとう」
『滅相もない。ヤツらは元気か?』
「あぁ。おかげで神社の修繕も進んでいる。ちなみにここにいるんだが……」
「せーめーさんお久しぶりです!」
「助けてほしいっス!」
『なんだぁ!?』
画面に飛びついた征司とサスケは涙目。画面の向こうで清命は後ずさっている。画面から飛び出てきそうな勢いに驚いたのだろう。
「菊光。私たちは大浴場に行こうか。最近は湯が冷めるのが早いからな」
ユズカは箱から離れた菊光に声をかけ、二人は社務所を出た。
ここに来てからというもの、菊光はユズカと終い湯に入るのが習慣だ。
「菊光も家族に連絡を取るかー?」
湯舟に浸かると、女風呂にいるユズカの声が反響して聞こえた。
「いや、いいです」
「どうして? 征司たちの近くに家があるんだろ?」
「別に……いい」
菊光は湯舟で膝を抱えた。ちゃぷ、と水が揺れる。
「家族は菊光のことを心配しているんじゃないか? まだ16だろ」
「それは……そうかもしれません。両親はボクのことを自由にしたくないから」
「……一体どういう家なんだ?」
「ユズカさんが思っているようなことではないから。大丈夫ですよ」
余計なことを話してしまった。菊光は努めて明るい声で返した。
「……生きているなら会った方がいいぞ」
家族を亡くしたユズカからの言葉は重かった。しかし、それには素直にうなずけない自分の言葉に嫌気が差した。
『幼なじみが口裂け女に、か……』
『ただの人外ではありませんね』
『痣だらけだったのに真っ白な肌になった、ってのも気になるな』
画面の向こうで清命と泰親が首を捻っている。
今回、彼らに連絡したのはこれが目的だった。
『ちょっと気になるから私たちも行こう。なぁ、泰親』
『いいでしょう』
「助かりますっス!」
画面越しに頭を下げると、画面の向こうが騒がしくなった。
『清命君こんばんはー』
『小紅もいるんですって?』
「母ちゃん!?」
「母上! お久しぶりっス!」
清命と入れ替わるように画面に現れたのは、征司とサスケの母。その横には小紅の母も。二人は我が子たちの明るい声に顔を綻ばせた。
「母さん……」
『元気そうね、小紅。なんだかたくましくなったように見えるわ』
彼らも久しぶりにふれる両親の顔に、子どもらしい柔らかな笑顔を浮かべた。
が、それも束の間。母親たちの歓声に冷めることになる。
『あっ! 京弥君じゃないかい!』
『いつ見ても男前ねぇ……』
「人妻が女出すんじゃねぇ気色わりぃ……」
「母さんも見る目がない……」
お互いの母親の変貌ぶりに苦笑いし合う。小紅は体中から”嫌”という感情を絞り出した顔をしている。
反対に京弥は、母親たちに麗しい愛想笑いを振りまいていた。
「どうもどうも。ご無沙汰してます」
京弥の魅力を楽しんだ後、征司とサスケの母親が”そうだ”と手を叩いた。
『そういえば菊光ちゃん? 前の村で話した時に可愛い男の子がいただろ?』
「菊光の兄貴なら風呂に行ってますけど……どうかしたんスか?」
『あの後にとあるお侍さんがこの村にみえてね。菊光ちゃんがその息子さんに似てたんだよ』
だからどうした、という話だが一行は思い出したことがあった。
「そういえば菊光って追われてたよな……」
「なんやかんやで仲間になったんだよね……」
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