マンガ喫茶でセフレとエッチする甘々な日々

ねんごろ

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04 セックスしちゃったよ

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「あ……れ。今おれ何て言った??」


 美玖の顔がみるみるうちに赤くなっていく。

 もう、美玖の顔が蒸発して消えてしまうのではないかってくらいに、真っ赤に。


「美玖、おい、そんなに顔赤くしてどうしたんだよ」


 俺は恥ずかしさを紛らわすために、とぼけてみせる。

 もちろん、さっき自分が言ったこと、言ってしまったことは鮮明に覚えている。


『俺たちもヤっちゃう??』


 あああああああああ!!!!!!


 結構ヤバいことを言ってしまった過去の自分が、最高に恥ずかしい。

 やばい、今すぐにこの場から、この空間から、マンガ喫茶から逃げ出してしまいたい。

 なにせ……

 俺は……

 童貞だからな。

 気障なセリフを言うことに、恐ろしいほど慣れていないのだ。



 そんな俺の苦悶の表情を美玖はどんな顔をして見ているのだろうか。


 怖くて顔を上げることができない。


 情けない男だ、全く……


 そんな自問の無限ループに陥っていると。


「う、うん……」


「えっ、美玖。いまなんて……」


「だ、だから……いいよって意味よ!!!!」


「えっそれって……」


「もう、ほんとにっ。それわざとやってるでしょ!!!!!」


 今度の美玖の右手は優しさの一切こもっていない平手打ちを俺の左頬に盛大に食らわせた。


 あう……


 これは、なかなかのお手前で……


「ああああんんんんっっあああんんん」


 隣からの喘ぎ声と今の俺たちの雰囲気がミックスになって、なんかとても不思議な空気がこの完全個室の部屋のなかに漂っている。



「ほらっ……ここにティッシュはご自由にお使いくださいって書いてあるしさ」

 美玖のぎこちない声が響く。


「う、うん……」


「きっと、これはさ。ご自由にヤってくださいっていう、お店からの裏メッセージなんだよ」


「な、なるほど~」


「今日はさ、どういうわけか私持ってきてるしゴム」


「えっ……なんで……」


「ぐ、ぐうぜん持ってたのっ!!!」


 はいっと言った風に美玖がコンドームを俺に手渡してくる。



 まさか、な……


 美玖のやつ、はじめから……


 俺は少しだけその可能性について考えたが……


「ほら……はやくしましょ」


 目の前にいる美玖の姿をみて。


 顔を真っ赤にして恥じらいながらも、股を開くその可愛らしい女の子をみて……


「いいんだな、ほんとうに」


 理性を保つことなんて、できなかったんだ。


「うん……きて、陸人」


 こうして俺たちはお隣さんの喘ぎ声をサウンドトラックにしながら、静かに声を殺して、マンガ喫茶の狭い個室のなかで、初めてのセックスをしたのだった。
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