【R18】みだれ髪と青春

ねんごろ

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みだれ髪と青春③

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 高野君と私の二人はいつもと同じ帰り道を、少しだけ慣れない道のように感じながら帰っています。

 高野君の顔はたまにチラチラと私の方に向けられ、それに気づかれまいとすぐに反対の方へ首を振ってしまいます。


「あ、あのさ……。高野君はどうして今日、私のこと誘ってくれたのかな?」


「うっ……」


 どうやら、彼の方から話を持ちかけるつもりだったようで、私に先手を打たれたことで少しだけ戸惑っている様子。


「あ、ご、ごめんね。私の方から聞いちゃ不味かったかな……」


「い、いや、べ、別に大丈夫だよ」


「そ、そう」


 私たちの間にはなんとも気まずい空気が流れていく。


 私の方はいたって普通にコミュニケーションしているはずなんだけどな……


 そう思っていたときでした。


「ぽつ、ぽつ、ぽつ……」


 急に雨粒の音が遠くの方から聞こえてきたかと思うと、すぐに私たちのところにまで雨がやってきて、すっかりあたり一面が雨模様になってしまいました。


「た、竹内さん!! こっちへ!!」


 先ほどの優柔不断な彼とは打って変わって、今の高野君はとても判断が早く、私の手を優しく握ると、近くの公園にあった東屋まで走っていきました。


 私はその高野君の大きな背中を見つめながら、ただ彼につられて東屋へと急ぐのでした。


 その後に、私があんなになってしまうなんて、そのときは思いもよらないのでした……
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