そんな離婚の理由、初めて聞きました。いいです、もう私の方から出て行きます。

ねんごろ

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 私はこの人とずっと、老いるまで一緒にいるのだと思っていました。

 ですが、その考えは今では夢の国へ置いてきてしまいました。

「いつから夫はこんな感じになってしまったのでしょう」

 いくら考えても答えは出てきません。

 今まで夫と過ごしてきた歳月の中で、無数の衝突を繰り返してしました。

 その全てを私は解決してきたつもりでいました。

「私が何か致命的なミスをしているのでしょうか。しかし、それでもです……。彼の態度は理解できそうにない。自分だけが悲劇のヒロインみたいな、そんな態度」


 考えれば考えるほど、彼の良さがわからなくなってしてしまう。

 
 悪いところばかりが目につく。


「昔の彼を返して……」


 そう呟いたときでした。


『ガチャン』


 玄関を豪快に開ける音が響きました。


 どうやら夫が遅めの帰宅をしたようです。


 時計を見ると時刻はすでに12時を回っていました。


 私は重たい腰を上げて、夫を迎えに行きます。


「…………」



 そこには新婚の時の初々しさは当然のように感じられず。



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