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第2話 翌朝の学校はどこか別の世界のように感じた
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「梨太郎、お前……。ひでぇ顔してるぞ」
朝のHRが始まる前の時間帯。
いつもなら、梨太郎は親友と馬鹿な話をして時間を潰しているはずだった。
しかし、今日の梨太郎。心ここにあらず。
親友、もちろん心配。
「一体、お前という一人の存在に何があったというんだ!!!!!梨太郎!!!こっちをむけ!!こっちを!!!まだ水平線の先は明るいぞ!!心に地平線などあるもんか!!!この世は有限!!でも俺たちの心は無限!!想像は無限大だ!!!」
変態の恋人、それすなわち、変態。
変態の親友、それすなわち、変態。
類は友を呼ぶとは、まさにこのことである。
「梨太郎……。どうせまた、ヒナちゃんなんだろう!!!俺がなんだって聞いてやるからさ!!!」
梨太郎の親友、小松永治はこれでもかというほどに捲し立てる。
梨太郎、感傷に浸る暇もない。
これが、梨太郎の日常だった。常に波乱とともある。非常に愉快な日常ともいえるだろうか。
「永治……。おまえ如きがこの俺の悩みを知れるとでも。共有して痛みを分かち合えるとでも?何回もヒナに振り回されてきた、この俺たちが!?」
「そんな悲しいこと言わないでくれよ親友!!今までに何回!ヒナちゃん関係の問題を解決してきたと思ってるんだ!!遠回りするかもしれないけどさ!!!今回だって、きっと!!!!」
「きっと?」
「なんでもないことだったって、笑い飛ばせるような日がくるさ!!」
小松永治。
16歳。
「……お前だけは信用していたんだがな。自白することもない……か。永治?」
あまりにも早すぎる、一日の終わりだった。
「ん?どうした?梨太郎?あ、そうだ。今朝コンビニで買ってきた『なし太郎グミ』でも食べるか?これめっちゃうまいんだよ……。ってあれ?梨太郎?」
梨太郎。なし太郎グミには目も向けず……
手だけは伸ばし、パクリンチョ。
「俺のヒナを寝取りやがった張本人、それがまさかお前だったとはな……。ていうか、これうまいな。もう一個くれ」
「ん……寝取り?ヒナが寝取られて……?んんん!!??なし太郎グミをぱっくんちょ???」
「そうだよ、そうだよ。おい、永治。お前……昨日の放課後ヒナにぱっくんちょ、してもらったんだろう?」
梨太郎が、ヤクザの如き形相で親友を睨みつける。
梨太郎の脳内には、昨日のヒナとのやり取りが流れていた。
…………
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
【回想】
「というか、ヒナ。お前……どうしてそんなに嬉しそうにしてるんだ?お前は俺以外の男とヤッても何も感じないっていうのか?」
「えっと……それはその」
おっと、初めて見せたヒナの困惑。
「俺の気持ちはひとまず、忘れてくれ。特殊性癖エロ漫画読んでた俺のことも一旦、忘れてくれ。できれば一生、忘れてくれ。……それでだ」
初めて得られた主導権。
今の状況ほっとけん。
絶対、吐かせる、ちん犯人。
「お前はなにも感じなかったのか?」
「……正直に言うわ」
梨太郎、生唾を飲み込む。
緊張の瞬間。
ドクンドクンドクンドクン……
心臓の振動。
…………
「めっちゃ感じたわ!!!!」
ヒナはなぜか明後日の方向を向いて、そう言った。
とても大きな、はっきりとした声で。
心、ここにあらずという感じ。
でもね、ヒナさん……
違う、そうじゃない。
「そうじゃないんだよなあぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
再び、梨太郎の暴走。
一呼吸ついて、努めて落ち着く。
「これほど自分の彼女をアホだと思ったことはないかもしれない。でもなぁ……」
梨太郎、きょとんとしたヒナの顔を見つめる。
まるで、今さっき寝取られてきたとは思えないような、平穏な表情。
そこに、美貌も兼ね備えているときた。
「なんで、こんな状況でもヒナは可愛いんだよ……」
梨太郎も梨太郎である。
完全にヒナを溺愛する彼氏と化していた。
寝取られたとは思えないような態度と表情をしているヒナを見ていると、それも無理はないのかもしれない。
……
いや、おおありだよ!!!!!
「梨太郎、本題が見えない。早く言って」
「お前、よくそんな生意気なこと言えるよな……ほんとに」
梨太郎はもう一度深呼吸をしてから、本題に入った。
「相手は誰だ?」
ヒナは再びきょとんとした顔をする。
「それ?関係あるの?」
「いや、おおありだろ」
「…………んっとねぇ。じゃあ、永治くんで」
「じゃあ、永治くんで!?じゃあって何?お前寝取られてる間、寝てたの??」
「梨太郎、ちょっと興奮しすぎ。私が寝取られたの嬉しいのは分かるけどさ、そんなに興奮してたら、ネットスラングになっちゃうよ」
「俺は政治家じゃないよ、ヒナ……」
もう無理。
梨太郎、泣いちゃいそう……
スタンバイ……OK?
「……相手は本当に永治なのか?」
「……そうだよ!!!!!!!」
そうだよ、そうだよ、そうだよ
そうだよ、そうだよ
そうだよ……
…………
梨太郎の頬に一筋の涙が流れた。
【回想終わり】
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「ひでぇ……話だな、それは」
永治、まるで梨太郎の回想を覗き見したかのような、その口ぶり。
梨太郎、興奮してしまって、そう解釈。
「いや、お前がな!!!!!!!!!!!!!」
梨太郎と永治がにらみ合う。
一触即発の危機、到来。
「私のために争わないで!!!!!!!!!!!」
そこに、青木ヒナ、登場。
教室、沈黙、まじで鬱。
「おいおいどうなっちまうんだ、この状況……」
クラスメイトのモブが、沈黙を破り、物語は次回へと続く。
【続く】
朝のHRが始まる前の時間帯。
いつもなら、梨太郎は親友と馬鹿な話をして時間を潰しているはずだった。
しかし、今日の梨太郎。心ここにあらず。
親友、もちろん心配。
「一体、お前という一人の存在に何があったというんだ!!!!!梨太郎!!!こっちをむけ!!こっちを!!!まだ水平線の先は明るいぞ!!心に地平線などあるもんか!!!この世は有限!!でも俺たちの心は無限!!想像は無限大だ!!!」
変態の恋人、それすなわち、変態。
変態の親友、それすなわち、変態。
類は友を呼ぶとは、まさにこのことである。
「梨太郎……。どうせまた、ヒナちゃんなんだろう!!!俺がなんだって聞いてやるからさ!!!」
梨太郎の親友、小松永治はこれでもかというほどに捲し立てる。
梨太郎、感傷に浸る暇もない。
これが、梨太郎の日常だった。常に波乱とともある。非常に愉快な日常ともいえるだろうか。
「永治……。おまえ如きがこの俺の悩みを知れるとでも。共有して痛みを分かち合えるとでも?何回もヒナに振り回されてきた、この俺たちが!?」
「そんな悲しいこと言わないでくれよ親友!!今までに何回!ヒナちゃん関係の問題を解決してきたと思ってるんだ!!遠回りするかもしれないけどさ!!!今回だって、きっと!!!!」
「きっと?」
「なんでもないことだったって、笑い飛ばせるような日がくるさ!!」
小松永治。
16歳。
「……お前だけは信用していたんだがな。自白することもない……か。永治?」
あまりにも早すぎる、一日の終わりだった。
「ん?どうした?梨太郎?あ、そうだ。今朝コンビニで買ってきた『なし太郎グミ』でも食べるか?これめっちゃうまいんだよ……。ってあれ?梨太郎?」
梨太郎。なし太郎グミには目も向けず……
手だけは伸ばし、パクリンチョ。
「俺のヒナを寝取りやがった張本人、それがまさかお前だったとはな……。ていうか、これうまいな。もう一個くれ」
「ん……寝取り?ヒナが寝取られて……?んんん!!??なし太郎グミをぱっくんちょ???」
「そうだよ、そうだよ。おい、永治。お前……昨日の放課後ヒナにぱっくんちょ、してもらったんだろう?」
梨太郎が、ヤクザの如き形相で親友を睨みつける。
梨太郎の脳内には、昨日のヒナとのやり取りが流れていた。
…………
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
【回想】
「というか、ヒナ。お前……どうしてそんなに嬉しそうにしてるんだ?お前は俺以外の男とヤッても何も感じないっていうのか?」
「えっと……それはその」
おっと、初めて見せたヒナの困惑。
「俺の気持ちはひとまず、忘れてくれ。特殊性癖エロ漫画読んでた俺のことも一旦、忘れてくれ。できれば一生、忘れてくれ。……それでだ」
初めて得られた主導権。
今の状況ほっとけん。
絶対、吐かせる、ちん犯人。
「お前はなにも感じなかったのか?」
「……正直に言うわ」
梨太郎、生唾を飲み込む。
緊張の瞬間。
ドクンドクンドクンドクン……
心臓の振動。
…………
「めっちゃ感じたわ!!!!」
ヒナはなぜか明後日の方向を向いて、そう言った。
とても大きな、はっきりとした声で。
心、ここにあらずという感じ。
でもね、ヒナさん……
違う、そうじゃない。
「そうじゃないんだよなあぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
再び、梨太郎の暴走。
一呼吸ついて、努めて落ち着く。
「これほど自分の彼女をアホだと思ったことはないかもしれない。でもなぁ……」
梨太郎、きょとんとしたヒナの顔を見つめる。
まるで、今さっき寝取られてきたとは思えないような、平穏な表情。
そこに、美貌も兼ね備えているときた。
「なんで、こんな状況でもヒナは可愛いんだよ……」
梨太郎も梨太郎である。
完全にヒナを溺愛する彼氏と化していた。
寝取られたとは思えないような態度と表情をしているヒナを見ていると、それも無理はないのかもしれない。
……
いや、おおありだよ!!!!!
「梨太郎、本題が見えない。早く言って」
「お前、よくそんな生意気なこと言えるよな……ほんとに」
梨太郎はもう一度深呼吸をしてから、本題に入った。
「相手は誰だ?」
ヒナは再びきょとんとした顔をする。
「それ?関係あるの?」
「いや、おおありだろ」
「…………んっとねぇ。じゃあ、永治くんで」
「じゃあ、永治くんで!?じゃあって何?お前寝取られてる間、寝てたの??」
「梨太郎、ちょっと興奮しすぎ。私が寝取られたの嬉しいのは分かるけどさ、そんなに興奮してたら、ネットスラングになっちゃうよ」
「俺は政治家じゃないよ、ヒナ……」
もう無理。
梨太郎、泣いちゃいそう……
スタンバイ……OK?
「……相手は本当に永治なのか?」
「……そうだよ!!!!!!!」
そうだよ、そうだよ、そうだよ
そうだよ、そうだよ
そうだよ……
…………
梨太郎の頬に一筋の涙が流れた。
【回想終わり】
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「ひでぇ……話だな、それは」
永治、まるで梨太郎の回想を覗き見したかのような、その口ぶり。
梨太郎、興奮してしまって、そう解釈。
「いや、お前がな!!!!!!!!!!!!!」
梨太郎と永治がにらみ合う。
一触即発の危機、到来。
「私のために争わないで!!!!!!!!!!!」
そこに、青木ヒナ、登場。
教室、沈黙、まじで鬱。
「おいおいどうなっちまうんだ、この状況……」
クラスメイトのモブが、沈黙を破り、物語は次回へと続く。
【続く】
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