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13「深夜の露出狂~改~」

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 私は2年前に東京の大学に進学した。何の変哲もない街の、無気力の街の、その雰囲気のなかで大学生活をスタートさせた。

 地元では大騒ぎになる程の出来事だったらしい。

 地元の友達が、駅まで見送りに来てくれて、頑張ってねと一言、涙ながらに言ってくれた光景が今でも忘れられない。

 
「元気にしているのかなぁ」


 私は最近それが口癖のようになってきた。気がついたら呟いている。無意識のうちに口から溢れている。


 私は過去を見ていた。

 今とこれからのことは何も考えていなかった。

 
「はぁ……私、どうして東京なんかに来たんだろう」


 私はそう呟くと、アパートの軋む玄関の扉を押し開けて、外へ出た。

 外の空気はもうすっかり秋になっていた。

 涼しい。

 いや、少し肌寒いくらいだ。


 それもそうだろう……


 だって今、私は裸なのだから。



「あぁ……東京って言っても、深夜になると誰も歩いていないのよね。池袋とかは別だろうけど……」


 私は東京が意外と、眠る街だということを知っている。

 少し道を脇にそれるだけで、人が全くいなくなる街だということも知っている。

 だから、私は今こうして全裸で歩くことができている。



 初めは何も考えていなかった。

 深夜に全裸で歩く性癖を持つ人たちがいるなんてことも、やる前までは知らなかった。

 野外露出は本能のままにやったのだと、今では思っている。


「はぁ……気持ちがいいわ」


 気がつけば、あそこが濡れている。たらぁっと蜜が流れる感触が太ももにある。

 私はいつからか、この実態の掴みづらい、快感に溺れるようになっていった。

 誰かに犯されている気がする……

 誰かのいやらしい目で、体全体をなめられているような気がする。


「いやぁっっ……」


 ふと背中を誰かの舌が這う感触がした。

 ベロォォォっと長く。

 肩甲骨の辺りから、骨盤の根本の方まで。

 お尻の割れ目にまで、その舌は到達しようとした。

 そして……


 それは私のアナルをねっとりと舐め回す。

 ゆっくりと、じっとりと。

 たくさんの生暖かい唾液を含みながら。

 情欲のこもった熱い吐息を吐きかけながら。


 ………



 私は今日も犯されていく……



「ああ……私はいまとっても幸せだわぁ」


 深夜の東京の、人気が少ない道の真ん中。


 私は今日も一人。


 体をうねらせながら


 全裸で


 強い幻覚のような何かを


 いっぱいに感じながら


 激しく絶頂に達するのでした……



 街路灯の淡い光が、彼女の不摂生でふっくらとした、体の曲線を照らしていた……
 
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