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あんたの好きってなんなん
しおりを挟むほんまにあん時は体が思うように言うこと聞いてくれんくて、大変やった。
とっかえひっかえ、女の子を変えて変えて変えて変えて……
もう昨日の女の子の顔なんて、なんも覚えてへんくらい落ちぶれとったと思う。
なんか、妙におっぱいとか、おめことか、そういうやつの味とかだけはリアルに覚えてて。
自分は女の子がほんまに好きなんやろかって思ったりするくらいやってん。
といってもな。
こんな感じで回想めいたこと書いてるけど、これ数ヶ月前の話なんな。
友達とか今の女の子とか、いろんな人にな『それはあかん』って言われて、渋々やめてんねん。
『お前はもっと大事にするってことを覚えやなあかん』
『女の子はものじゃない』
『お前はただの動物や』
まあ、そんな感じの、なんの遠慮もない言葉とかなんやらを投げてくるもんで、さすがの自分も参ってしまったんな。
ほんまにええ友達をもったやんか、とか。
それくらい言ってくれる人って現代では貴重かもしれへんな、とか。
自分の人生なんもしらへんような人が通りすがりに吐いていきくさるもんで、ちっとだけイラッときてるねんけど。そんな感情を吐いた瞬間に、そいつら目そらして自分のほうなんも見いへんくなるんな。
ほんまに人って勝手なもんやと思うで。他人事やと思って、好き放題いいやがって。それが合ってようと間違ってようと、気持ち悪い正義感でそんなこと言うのやめてほしいねん。
お前らのゴミはちゃんと自分の心のなかに捨ていや。ほんまに。
「なあなあ。そんな思い詰めた顔してどおしたん?」
自分がベットの上で固まってそんな状態でおったもんで、今の女の子が自分の目のなかじっと見つめてきてる。
この女の子の名前、なんやったけ。忘れたった。
なんかあいつらの言葉、反芻してたら気持ち悪うなってきたわ。ちょっと、思いっきりしゃぶりたくなってきたな。
自分がなにをしたって自由なんとちゃうん?
自分のしたいことできへんより、よっぽどましとちゃうん?
なあ?
「なんもあらへんで。それよかさ、おっぱいまたしゃぶってもええか?」
「ほんまにおっぱい好きなんな。赤ちゃんみたいやなあ」
「自分が吸ってるときって、どんな気持ちなん?」
「んー難しいこというな。なんかな、赤ちゃんが乳首吸うてるときもエッチな気分になるんかな、とか?」
「いま、エッチな気分になってるんや」
「なにいうてるん? あたりまえやんそんなこと」
目の前にいる女の子は、ぐいっと自分の頭を胸ん中に押し付けて、ぐいぐいぐいとしてきた。
ほんまにミルクの香りばっかりしてきて、頭がくらくらする。あ風呂上がりやもんで、汗のツンとした匂いもせえへんし、ほんまにあんたが赤ちゃんみたいやなって思うたわ。
「でもなぁ。こんな気持ちも赤ちゃんできたら、また変わってくんやろな」
「……ぜんぜん分からへんな」
「おんなだけなんかな、こんな気持ち」
「そうなんとちゃう? もったいないな女って」
「そうかな、私はそうは思わへんけど」
「じゃあ、どうやって気持ちよくなるん?」
「……そんなん、なってみいへんことにはわからへんなあ」
目の前の女は、そういってはぐらかした。
たぶん会話がめんどくさくなってきたんやと思う。絶対そうや。だって自分も正直もうやめたいな思ってたんやからな。
「今日はおめこ、いつもより綺麗に洗ったから味変わってるかも」
「おいおい、いつもは綺麗に洗ってへんかったんか?」
「そういうんも好きなんやろ? 私けっこういい加減な性格してるからなあ」
「ほんま、そういう女好きやわ」
「……あんたがそうやって、好きいうたん初めてきいたわ」
「そうか?」
「うん。なんか、ちょっと。うれしい」
「なんや、気持ち悪いなあ」
目の前の女は嬉しそうにはにかんだ。
おっぱいが、たゆんと揺れた。
おめこは、ぷっくらとピンク色の鮮やかな発色をしていた。健康的な色合いだった。
「そんじゃあ、入れてもいいん?」
「ええよ」
「久しぶりやな、セックス」
「そうなん。自分はそんなこともないけど」
「あー、またそんなこと言うたな。ふつーの女の子やったら今のOUTやからね」
「あんたはええん?」
「あかんに決まっとるやろ!」
目の前の女はそういうと、自分のペニスをそのおめこに、ぬちょっと音を立てて挿入した。
自分はその水っぽい音を聞きながら、『あんたの好きってなんなん』ってずっと考えた。
でも、そんなん答えがでるわけもなくてな。
ずっと気持ちいい感触が下腹部にあって。
それに身を任せることしか今日もできやんかった。
今はそれでいいんやろか。
まあ、気楽にやってくのが一番ええってことには変わりないよな。
そうやよな。
『ぱっちゅぱっちゅぱちゅぴちゅぴちゅぱっちゅぱっちゅぱっちゅ』
快楽のためだけのセックスが、そこに2人の繋がりを確かに作っていた。
今はそれでいい。
それでいいと、思ったんや。
【完】
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