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第一章
1:不死麻里奈の初仕事と汚れる手-上-
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「ほら、あれが麻里奈を殺した野盗の根城だよ」
紅愛に連れられ山道を一時間程歩き、案内された場所は小高い丘の上でそのすぐ下には麻里奈を殺した野盗の根城だった。
「私を殺した、野盗……ゔっ」
つい数時間前の鈍い痛みと忘れられない恐怖が蘇り、麻里奈は吐きそうになった。
そんな麻里奈をよそに、紅愛は野盗の根城を指差しながら言い放った。
「さて、試験をしましょ」
吐きそうなのを何とか堪えながら、麻里奈は試験ですか?と答えた。
「えぇ、試験内容は麻里奈1人で麻里奈を殺した野盗の殲滅ね」
紅愛はまるで買い物にでも行かせるような感じに、麻里奈に野盗の殲滅を命じた。
「無理です!?わ、私1人であんな人達を……無理、だよぉ……」
麻里奈は奥底から込み上げる恐怖で身体を震わせ、涙目になりながら必死に紅愛に無理であると告げた。
「無理?そんなの知らないわよ、嫌なら契約は無しね~」
紅愛は嘲るように笑い、やらないなら契約の破棄を告げた後耳元に口を寄せて言った。
「契約破棄したら、麻里奈は死んじゃうよ?いいの?また、痛~い思いしながら死にたい?」
契約の破棄は死ぬ事、それを聞き麻里奈は先程よりもより激しい恐怖に襲われた。
「嫌ぁ……死ぬのは、嫌です!」
ガチガチと歯を鳴らし、耐えきれない恐怖に身を竦ませ、産まれたての子鹿のように震えた。
そんな麻里奈に紅愛は優しく、甘く、刺激的に囁く。
「大丈夫、麻里奈はやればできる子よ。貴女は賢い子、ほら簡単よ?私を信じなさい、ね?」
頭を優しく撫でながら、背中に手を回しポンポンと落ち着かせるように叩き何度も何度も繰り返す。
「わ、私……」
麻里奈はゆっくりと震える身体を無理矢理に抑え、紅愛を真っ直ぐに見据えた。
「答えなさい、これが最後のチャンスよ?さぁ、聞かせて貴女の答えを」
紅愛の黄金のように輝く瞳を見ていると、麻里奈は自分でも気づかない内に身体の震えが止まり、不思議な感覚が身体を駆け巡った。
「やります」
そして麻里奈は決断した、麻里奈は自分でも気づいていないが彼女の茶色だった瞳が真紅に染まり覇気が満ちはじめていた。
「いい子ね、よく決断したわ。フフッ、これはご褒美よ」
紅愛はまるで親が我が子に向けるような慈愛に満ちた笑みを麻里奈に向け、一振りの真紅の刀を手渡した。
「これは……痛ぃ!?」
産まれて初めての刀に麻里奈は興味を惹かれ、つい刃を触ってしまい指を切ってしまった。
「え?」
だが数滴の血が流れ落ちた後、瞬時にして切った箇所が治り痛みも無くなり傷痕も、なくなった。
麻里奈は驚き紅愛に視線を向けると、紅愛はフフッと笑い、さぁお行きなさいと麻里奈の背中を押した。
「きゃあ!?っう!?……あれ?」
斜面の上から背中を押され転がり落ちるように滑りだしたはずだった、だが麻里奈はすぐに体制を立て直せた。
決して運動神経のいい方では無かった麻里奈には絶対にできない事である、しかし今、麻里奈は違った。
「凄い!身体が軽くて、思ったように動ける!」
斜面を一気に駆け下り、麻里奈は根城の門を見張る門番に疾風の如く詰め寄り一瞬で二人同時に斬った。
不思議と人を斬った事に罪悪感は無く、ただ麻里奈の内からはドス黒い殺意が溢れ紅愛の命令通り殲滅戦を始めだした。
紅愛に連れられ山道を一時間程歩き、案内された場所は小高い丘の上でそのすぐ下には麻里奈を殺した野盗の根城だった。
「私を殺した、野盗……ゔっ」
つい数時間前の鈍い痛みと忘れられない恐怖が蘇り、麻里奈は吐きそうになった。
そんな麻里奈をよそに、紅愛は野盗の根城を指差しながら言い放った。
「さて、試験をしましょ」
吐きそうなのを何とか堪えながら、麻里奈は試験ですか?と答えた。
「えぇ、試験内容は麻里奈1人で麻里奈を殺した野盗の殲滅ね」
紅愛はまるで買い物にでも行かせるような感じに、麻里奈に野盗の殲滅を命じた。
「無理です!?わ、私1人であんな人達を……無理、だよぉ……」
麻里奈は奥底から込み上げる恐怖で身体を震わせ、涙目になりながら必死に紅愛に無理であると告げた。
「無理?そんなの知らないわよ、嫌なら契約は無しね~」
紅愛は嘲るように笑い、やらないなら契約の破棄を告げた後耳元に口を寄せて言った。
「契約破棄したら、麻里奈は死んじゃうよ?いいの?また、痛~い思いしながら死にたい?」
契約の破棄は死ぬ事、それを聞き麻里奈は先程よりもより激しい恐怖に襲われた。
「嫌ぁ……死ぬのは、嫌です!」
ガチガチと歯を鳴らし、耐えきれない恐怖に身を竦ませ、産まれたての子鹿のように震えた。
そんな麻里奈に紅愛は優しく、甘く、刺激的に囁く。
「大丈夫、麻里奈はやればできる子よ。貴女は賢い子、ほら簡単よ?私を信じなさい、ね?」
頭を優しく撫でながら、背中に手を回しポンポンと落ち着かせるように叩き何度も何度も繰り返す。
「わ、私……」
麻里奈はゆっくりと震える身体を無理矢理に抑え、紅愛を真っ直ぐに見据えた。
「答えなさい、これが最後のチャンスよ?さぁ、聞かせて貴女の答えを」
紅愛の黄金のように輝く瞳を見ていると、麻里奈は自分でも気づかない内に身体の震えが止まり、不思議な感覚が身体を駆け巡った。
「やります」
そして麻里奈は決断した、麻里奈は自分でも気づいていないが彼女の茶色だった瞳が真紅に染まり覇気が満ちはじめていた。
「いい子ね、よく決断したわ。フフッ、これはご褒美よ」
紅愛はまるで親が我が子に向けるような慈愛に満ちた笑みを麻里奈に向け、一振りの真紅の刀を手渡した。
「これは……痛ぃ!?」
産まれて初めての刀に麻里奈は興味を惹かれ、つい刃を触ってしまい指を切ってしまった。
「え?」
だが数滴の血が流れ落ちた後、瞬時にして切った箇所が治り痛みも無くなり傷痕も、なくなった。
麻里奈は驚き紅愛に視線を向けると、紅愛はフフッと笑い、さぁお行きなさいと麻里奈の背中を押した。
「きゃあ!?っう!?……あれ?」
斜面の上から背中を押され転がり落ちるように滑りだしたはずだった、だが麻里奈はすぐに体制を立て直せた。
決して運動神経のいい方では無かった麻里奈には絶対にできない事である、しかし今、麻里奈は違った。
「凄い!身体が軽くて、思ったように動ける!」
斜面を一気に駆け下り、麻里奈は根城の門を見張る門番に疾風の如く詰め寄り一瞬で二人同時に斬った。
不思議と人を斬った事に罪悪感は無く、ただ麻里奈の内からはドス黒い殺意が溢れ紅愛の命令通り殲滅戦を始めだした。
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