織畑ナズナの姐さん飯

KUROGANE Tairo

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織畑ナズナの姐さん飯-72[赤魚の煮付け]

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 家の大掃除をしていたら、懐かしい物がでてきました。

 粘土を詰めたバイ貝が数個でてきました。これはベイゴマの原型で、レンカのために亡き夫が作ったおもちゃの1つでした。ものが貝殻なので脆く、劣化するのですが、これは私がすぐに妖力でコーティングしたので作られた当時の姿を保ち、とても頑丈です。人間の力ではまず壊せないでしょう。

 お茶の時間の時にレンカにみせると

『お父さんが作ってくれたのがまだ残っていたんだ。』

 と喜んでくれました。

 その後、彼女はキョウちゃんを庭に呼びました。

 使っていない洗面器に布を緩めに張って、臨時の台を作ってました。

 キョウちゃんに1つ貸し出して、正月らしくコマ回し。

 ・・・・・・と、思っていたんですが。

『ゴーおおおおお!シュートおぉ!』
『ごー。しゅーとお。』

 レンカにやや遅れて合わせたキョウちゃんの掛け声が続きました。素材は貝殻のはずなんですが、金属がぶつかり合う音と火花が飛び散り、お互いのバイ貝から狐形のようなオーラが立ち上っていました。

 はい。ちょっと考える時間をください。それ、後継のベイゴマを飛び越えてベイ●レードも通り過ぎてました。
 
 やがてぶつかり合うバイ貝を基点に竜巻の元になりそうな風が渦巻き始めたので、中断させました。今後、バイ貝は観賞用にするとレンカと約束しました。

 さてこの話はここまでにして、料理紹介です。今夜の晩御飯は、肉類をクリスマス前後でけっこう食べていたので魚の気分でした。

 昼間大掃除中に炬燵で寝ながら光TVでサスペンス一挙放送を見ていたポンコツパイセンこと、タマモ先輩をブラジリアン柔術式の腕十字固めで起こし、赤魚を買いに行かせておきました。

 忙しい年末、手抜きで……げふんげふん、簡単にできる【赤魚の煮付け】です。切り身を人数分用意したところから始めます。

[1]麺つゆ(通常濃度)にチューブ生姜を入れてよく混ぜる
 好みの濃度でチューブ生姜を入れてください。最終的な量は、赤魚の切り身がギリ浸かるくらいです。

[2]フライパンに赤魚の切り身が重ならないように置く
 ここでのポイントは、皮を下においてください。

[3]生姜を混ぜた麺つゆをいれて落し蓋をする
 量は切り身がギリ浸かる程度です。落し蓋はアルミホイルやクッキングペーパーで作りましょう。

[4]弱火から中火で15分程煮込む
 煮込む音が静かに聞こえる程度が目安です。いかにも沸騰してます的なあのグツグツという音がきこえないように火加減は調整します。あとは各皿に切り身をのせて完成です。あまった汁を軽くかけてもいいでしょう。

 正月時期に飲みたくなる日本酒と相性がいい一品です。

 ご飯いっぱい食べたい派は、煮込んだあとの汁をかけるとガツガツいけます。

 ついつい食べがちな正月休み、たまには少ないくらいの1品で胃を休ませ、カロリーリセットする・・・・・・という考えに使ってもいい料理ですね。

 これを見ているあなたの世界の時間が『よいお年を。』か『明けましておめでとう。』かは分かりませんが、ほんのわずかにでも『去年より良いツキがやってくる。』ことを祈ります。

 それではまた次回、よろしくお願いします。


【材料(3人前)】※本文参照
赤魚の切り身…3切れ
麺つゆ…適量※
チューブ生姜…適量※
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