5 / 15
第4話_レーキレーキ
しおりを挟む
さて、例のヒノキとの決着もついたということで、いよいよ庭キャンプで焚火をするぜ!
「焼き林檎や焼きバナナとかやってみたかったんだよね。焚火ならチキンラーメンを煮るだけでも美味しくなりそう。色々思いつくことはあるけど、今日は王道の焼肉気分だから、昨日、地元スーパーで国産牛肉(2割引きシール)買ってきたよ。」
100円ショップの折り畳みミニクーラーボックスを片手に持ったニケが、上機嫌でついてきてた。
肉の準備ありがとう。
・・・・・・けれどもその前に、庭キャンプ場の【整地】が必要だ!!
「You idiot!(バカ野郎!)」
被っていたキャップをハリセンがわりに頭を叩かれた。
じゃあきくが、このゴツゴツした足場で焚火やんのか?火は頑張ればたけるが、椅子やテーブルおいてもガッタガタだぞ?焚火台も傾いてデンジャーなクッキングになるぜ?今回テントを見送ったのも、これが理由だし。
それでは、整地を始めましょう。ニケ、食材は一度、冷蔵庫へしまってらっしゃーい。
「てめー、いつかA5和牛買わせてやるからな!!」
そもそもキミは、オレが朝5時半起床の朝食後に作業を始めようと言った時点で、すぐに焚火する気はないと気づかなかったのかな?
心の中で楽しみがフライングしていたニケが戻ってくるのを待って、整地作業を始めよう。
整地・・・・・・と便宜上そう表現したが、実際オレがやりたいのは、細かい石を取り除いて、地面をできるだけ平行にしたいということだ。
ただ、ここにある石を全部まともに取り除いていたら発狂するだろう。それだけ細かい石が多い。
もう1つ問題があって、ここの土は粘土質の成分を含んでいるのか、硬いとい。表面はサラサラだが、ちょっとほると重たい層にすぐぶち当たる。スコップで彫る分には問題ない硬さなので、ダコタファイアーホール(※穴を掘って焚火をする手法の1つ)をやろうと思えばできる。
想定しているのは簡易的に組んだ石窯や焚火台を使用した庭キャンプなので、安定した地面をまずは作りたい。
そこで今回使うのが、このアメリカンレーキだ。
日本人ニキには、金属タイプの熊手と言ったほうが分かり易いだろう。色々なタイプがあるが、今回は硬い土壌に使えて、石を集めやすいアメリカンレーキを用意した。倉庫には死んだじーちゃんが使ってた畑用のレーキしかなかったから、買ってきた。
石を集める方向を決めたら、端からそこへ一方通行の動作を繰り返しで石とでっぱり部分の土を集めていく。石は適当に集めてまとめておく。処分してもいいのだが、残しておくとキャンプでは色々微調整に使える。整地したあとでも、100%の平は難しいので、どうしても焚火台がガタつく場合など、小石を下に入れて浮をなくしたりできる。あとは、簡易カマドの隙間の調整など。
「私が暇なんですけど?」
ニケが整地範囲外に立ち尽くしていた。
アメリカンレーキは1本しかないので、ニケには重要な役割をしてもらおう。
石と盛り上がった土を集め終わった場所を、ひたすら歩き回る様に言った。
「これになんの意味が?」
知らない人がみたら、怪しい儀式のようにも見えるだろう。
アメリカンレーキをかけた後の土地は、表面が柔くなる。これをこのままにしておくと、テントを張ったときに土埃がまったり、土が付着しやすくなったりする。椅子を置いたときにも、体重がかかるところが沈みやすい。そうなるので、ある程度硬くしておきたい。
頑張れよ。XX.Xキロのニケさん。
「いつまでもそのネタ引っ張るなあ!!」
地面だけでなく、彼女のプライドも削ってしまった。
ニケは少し前、フィットネスにもなるゲームの配信をしていたとき、体重入力画面を隠すの忘れ、リアル体重を世界中にさらしてしまったのだ。
それ以降、チャットや書き込みで【XX.Xキロさん】といじられるようになった。小数点の1桁目を繰り上げてはいけない。それは火に油を注ぐことになる。
オレ的にはもう少し寛大になってもいいのでは・・・・・・と。オレは同じゲーム配信をしたことがあるが、体重を隠す発想はまったくなく、堂々を公開して始めた。アバターがある以上、正確な体型はバレないのだ。あ・・・・・でもうちのプロダクションでもらうアバターって、偉い人の趣味なのか、リアル体型に近いデザインのアバターが多いな。
巨乳の子は巨乳キャラか爆乳キャラに。貧乳の子は貧乳か壁に・・・・・・。(後者は解せぬと言うタレントもいる。)
まあ、あれだ・・・・・・とある箱(プロダクション)のツインテールのメイド娘のように、ファンメイドのゲームにまでリアル体重ネタが盛り込まれたわけじゃない。キミはまだ致命傷じゃない。
「うるせえ!乙女心としてはとっくにライフはゼロよ!」
ダン!ダン!と片足を大きく上げて力強く地面を踏みしめる。ニケの八つ当たりも、今回に限っては都合がいい。その調子で頼む。
本当は、専用の踏み硬める道具があるのだが、使用頻度と値段のバランスを考えると見送った方がいいと判断した。剣鉈の失敗は2度と繰り返さない。コールドスチールのトレンチホークが値段以上に汎用性ありすぎたのさ・・・・・・。
オレがかき集める。ニケが踏みしめるを繰り返して、キャンプ場と呼んでいる範囲の作業が終わった。
整地が終わったところで、始めよう!
ジャパニーズ正月フードのぜんざいを!!
「No way!(ねんでやねん!)」
最後の一発の踏み込みが一番パワフルなニケだった。
次回はマジで焼肉前にぜんざいを煮込む。オレがやりたいからだ。
「焼き林檎や焼きバナナとかやってみたかったんだよね。焚火ならチキンラーメンを煮るだけでも美味しくなりそう。色々思いつくことはあるけど、今日は王道の焼肉気分だから、昨日、地元スーパーで国産牛肉(2割引きシール)買ってきたよ。」
100円ショップの折り畳みミニクーラーボックスを片手に持ったニケが、上機嫌でついてきてた。
肉の準備ありがとう。
・・・・・・けれどもその前に、庭キャンプ場の【整地】が必要だ!!
「You idiot!(バカ野郎!)」
被っていたキャップをハリセンがわりに頭を叩かれた。
じゃあきくが、このゴツゴツした足場で焚火やんのか?火は頑張ればたけるが、椅子やテーブルおいてもガッタガタだぞ?焚火台も傾いてデンジャーなクッキングになるぜ?今回テントを見送ったのも、これが理由だし。
それでは、整地を始めましょう。ニケ、食材は一度、冷蔵庫へしまってらっしゃーい。
「てめー、いつかA5和牛買わせてやるからな!!」
そもそもキミは、オレが朝5時半起床の朝食後に作業を始めようと言った時点で、すぐに焚火する気はないと気づかなかったのかな?
心の中で楽しみがフライングしていたニケが戻ってくるのを待って、整地作業を始めよう。
整地・・・・・・と便宜上そう表現したが、実際オレがやりたいのは、細かい石を取り除いて、地面をできるだけ平行にしたいということだ。
ただ、ここにある石を全部まともに取り除いていたら発狂するだろう。それだけ細かい石が多い。
もう1つ問題があって、ここの土は粘土質の成分を含んでいるのか、硬いとい。表面はサラサラだが、ちょっとほると重たい層にすぐぶち当たる。スコップで彫る分には問題ない硬さなので、ダコタファイアーホール(※穴を掘って焚火をする手法の1つ)をやろうと思えばできる。
想定しているのは簡易的に組んだ石窯や焚火台を使用した庭キャンプなので、安定した地面をまずは作りたい。
そこで今回使うのが、このアメリカンレーキだ。
日本人ニキには、金属タイプの熊手と言ったほうが分かり易いだろう。色々なタイプがあるが、今回は硬い土壌に使えて、石を集めやすいアメリカンレーキを用意した。倉庫には死んだじーちゃんが使ってた畑用のレーキしかなかったから、買ってきた。
石を集める方向を決めたら、端からそこへ一方通行の動作を繰り返しで石とでっぱり部分の土を集めていく。石は適当に集めてまとめておく。処分してもいいのだが、残しておくとキャンプでは色々微調整に使える。整地したあとでも、100%の平は難しいので、どうしても焚火台がガタつく場合など、小石を下に入れて浮をなくしたりできる。あとは、簡易カマドの隙間の調整など。
「私が暇なんですけど?」
ニケが整地範囲外に立ち尽くしていた。
アメリカンレーキは1本しかないので、ニケには重要な役割をしてもらおう。
石と盛り上がった土を集め終わった場所を、ひたすら歩き回る様に言った。
「これになんの意味が?」
知らない人がみたら、怪しい儀式のようにも見えるだろう。
アメリカンレーキをかけた後の土地は、表面が柔くなる。これをこのままにしておくと、テントを張ったときに土埃がまったり、土が付着しやすくなったりする。椅子を置いたときにも、体重がかかるところが沈みやすい。そうなるので、ある程度硬くしておきたい。
頑張れよ。XX.Xキロのニケさん。
「いつまでもそのネタ引っ張るなあ!!」
地面だけでなく、彼女のプライドも削ってしまった。
ニケは少し前、フィットネスにもなるゲームの配信をしていたとき、体重入力画面を隠すの忘れ、リアル体重を世界中にさらしてしまったのだ。
それ以降、チャットや書き込みで【XX.Xキロさん】といじられるようになった。小数点の1桁目を繰り上げてはいけない。それは火に油を注ぐことになる。
オレ的にはもう少し寛大になってもいいのでは・・・・・・と。オレは同じゲーム配信をしたことがあるが、体重を隠す発想はまったくなく、堂々を公開して始めた。アバターがある以上、正確な体型はバレないのだ。あ・・・・・でもうちのプロダクションでもらうアバターって、偉い人の趣味なのか、リアル体型に近いデザインのアバターが多いな。
巨乳の子は巨乳キャラか爆乳キャラに。貧乳の子は貧乳か壁に・・・・・・。(後者は解せぬと言うタレントもいる。)
まあ、あれだ・・・・・・とある箱(プロダクション)のツインテールのメイド娘のように、ファンメイドのゲームにまでリアル体重ネタが盛り込まれたわけじゃない。キミはまだ致命傷じゃない。
「うるせえ!乙女心としてはとっくにライフはゼロよ!」
ダン!ダン!と片足を大きく上げて力強く地面を踏みしめる。ニケの八つ当たりも、今回に限っては都合がいい。その調子で頼む。
本当は、専用の踏み硬める道具があるのだが、使用頻度と値段のバランスを考えると見送った方がいいと判断した。剣鉈の失敗は2度と繰り返さない。コールドスチールのトレンチホークが値段以上に汎用性ありすぎたのさ・・・・・・。
オレがかき集める。ニケが踏みしめるを繰り返して、キャンプ場と呼んでいる範囲の作業が終わった。
整地が終わったところで、始めよう!
ジャパニーズ正月フードのぜんざいを!!
「No way!(ねんでやねん!)」
最後の一発の踏み込みが一番パワフルなニケだった。
次回はマジで焼肉前にぜんざいを煮込む。オレがやりたいからだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる