水晶の夜物語

あんのーん

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#8 峠の午後

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指を指した先には、他の生徒に交じってキャピキャピしながら、男子のケツを撫でたり、女子の髪の毛をやたら触ったりしているガタイのいいが一人。
頭一つ飛び出しているそいつは、こちらに視線を向けると満面な笑みを浮かべながら両手を頭の上にあげて、大袈裟に手を振ってくる。

「菊ちゃん目立ち過ぎ」
「相変わらずすげーインパクトだよな」
有太も笑顔で手を振り返しているが、表情と動きとは裏腹な低い声で呟いている。
同感。
生徒を押しのけ教室に入ってきた菊ちゃんは「りぃーん♡きちゃったっ♡」と大きな声を上げる。
声につられ、教室の中にいる生徒たちが一斉に俺たちの方を向く。
俺は急いで菊ちゃんの腕を取り近くの椅子に座らせた。

ざわつく教室内。
そりゃそうだろうな。
オカマが堂々と教室内にいるんだから。
「あら、りん。ホントに着替えちゃったのね。こっちの衣装も可愛くて好きだから着るのかと思ったわ」
「煩い。誰が着るか。ってか声のトーン下げろって。周りに迷惑」
「なによ!コンテスト終わったら文化祭満喫していいって言われたから真っ先に来たのにぃ!」
「あぁもぉわかった、わかったから落ち着いて」
俺はあたりを見回して、菊ちゃんに対応できそうな男子を探した。

最終的な視線の先は─────。
「菊ちゃんこれ、うちのクラスオリジナルノンアルコールカクテル。絶品って評判だったからぜひ飲んでよ」
有太が適任だった。
フリフリのメイド服を着た有太は、笑顔を振りまいている。
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