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第二章 サトリの里
ピンチヒッター
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いよいよ最終選考の取材前日。
笹野屋邸の居間には、編集室の精鋭たちが集まっていた。
サトリのダンスコンテストに派遣される部員は刹那、宗太郎、マイケル、そして佐和子と永徳だ。
「えええ、なんでマイケルが本会場担当なのよ! これまで一度も取材出たことないのに!」
刹那がそう文句を言えば、マイケルは背を丸めて申し訳なさそうにする。
それを庇うように永徳が口を挟んだ。
「だからこそだよ。こういう大きいイベントの取材なんてあんまりないし。いい経験になると思うんだ」
「でも編集長に加えて下っ端もいるだろ? 三人は多いんじゃねえかなあ」
すでに尖っている口をさらに尖らせ、宗太郎も文句を言う。
やはり皆、生でOKITSUNEを見る機会をそう簡単に諦められないらしい。
「私は半人前ですし……三人いても、実力的には二人分なんじゃないでしょうか」
「葵さんはちゃんと取材できているよ。俺はほら、全体監督だから。まあそういう意味で三人いるけど実際は二馬力じゃないかね」
刹那と宗太郎は、別会場で最終候補者たちのダンスパフォーマンスに立ち会うことになっている。
当日は会場と別会場の映像を切り替えながらオンライン上でライブ配信することになる。参加者が心を読まれないための運営側の配慮だ。別会場での通信回線のトラブルシューティングにはあやかしの業者が入るらしい。
「なんだか、すみません……あの、編集長。やっぱり僕は会場でなくても」
おずおずとそう言いかけたマイケルを、永徳は笑顔で制する。
「いやいや。マイケルはダンス領域の知識が豊富だろう? イベントを見学してもらって、葵さんや俺がわからない部分の補足をしてくれるとありがたい」
「はあ……」
「さて、では当日の打ち合わせと行こうかね……ん?」
木琴を叩いたような軽快な永徳のスマホの通知音が部屋に響く。彼はスマホを懐から取り出して画面を見ると、眉を顰めた。
「あらら、こりゃまいったね。明日のイベントまずいかも」
「ちょっと、どういうことですか? わかるように説明して下さいよ」
「そう喚かないでくれよ刹那。ほら、見てごらん」
永徳が見せた画面を、その場にいた全員が食い入るように見つめる。
「「OKITSUNE……解散……?!」」
その場の空気が凍り、誰もが口を開けたまま固まった。
非常事態にも関わらず、普段と変わらぬ鷹揚さで顎に手を置くと、スマホの画面を自分の方に向け、永徳は記事の内容を説明し始める。
「いまざっと目を通したけど、メンバーが真っ二つに割れて喧嘩をしているみたいだね。今後のグループとしての展開について、意見の食い違いがあったとかなんだとか。今受けてる仕事はどうするつもりなんだろうねえ」
悠長にそう言ういつも通りの永徳を見て、佐和子は落ち着きを取り戻す。
慌てても仕方がない。起こってしまったことは起こってしまったこととして、まずは現状を把握するのが先決だ。
「とにかく、サトリの頭領さんに状況を確認してみましょう。私、電話してみます。向こうにはOKITSUNEの事務所から何か連絡が入っているかもしれないし」
「うん、頼むよ葵さん」
佐和子は慌ただしくスマホを取り出し、その場で電話をかけた。
イベント開始は明日の夜8時。果たして無事開催できるのだろうか。
◇◇◇
「結局、OKITSUNEの出演はどうなるんでしょう……」
白樺の想いを知っているだけに、佐和子は自分のことのように動揺していた。
結局昨日の電話では、サトリたちも解散を記事で知ったということで、事務所に連絡を取っているところらしかった。
「当たり前ですが、運営側、すごくバタバタしてますね」
マイケルもハラハラした表情で会場の様子を見ている。
佐和子たちがいるのはOKITSUNEがオープニングを飾る予定の本会場。あと一時間半でイベント開始というところだが、状況がわからない。
OKITSUNEの解散報道で視聴者数は激減するかと思いきや。審査員変更のアナウンスがないために、逆に出席率がいいようだ。OKITSUNE最後のステージになるかもしれないと考えて予定通りアクセスして来ているのだろう。
報道関係者受付では、ゴシップ誌の記者らしき一つ目小僧がスタッフに噛みついていた。OKITSUNEの出演有無について聞き出そうとしているようだ。
「まさかイベント直前で解散発表をするなんて。……まあ、自由気ままなあやかしたちの間では、ありえないことでもないんですけど。でも、イベント前日はひどすぎる」
そう言ってマイケルは唇を噛んだ。あやかし瓦版はあくまで取材が仕事。イベントが失敗に終わっても、特に編集部に被害はない。しかしイベントの企画段階から関わっていることもあり、あやかし瓦版の編集部員は皆、自分のことのように今回の件を受け止めていた。
永徳は運営スタッフのサトリを捕まえて、状況がどうなっているのか聞いていたようなのだが、渋い顔をして戻ってきた。
「聞いてきたよ、今の状況。解散発表前からの契約だからってことで、事務所がOKITSUNEのメンバーを無理やり会場まで連れてきたみたいなんだけど。空気がかなり険悪で。さっき控室で大喧嘩を始めちゃって、リハができてないそうだ。このまま行くと出演は厳しいかもしれない」
腕時計を確認する。すでに先ほどから十分経っていた。
佐和子は項垂れ唇をむすぶ。この状況で部外者の自分にできることはない。
でも待っているだけというのも癪だった。
「サトリたちのパフォーマンスでなんとか繋いで、その間になんとか交渉できないでしょうか」
「うーん。サトリたち自身にネームバリューがあるわけじゃないからね。彼らが踊り始めた瞬間『OKITSUNEのステージはどうなってんだ!』ってヤジが飛ぶだろうな。ある程度有名なダンサーが繋いでくれるならサプライズにもなるし、時間稼ぎになるとは思うんだけど……」
そう永徳は言うと、期待を込めた瞳でマイケルを見る。
佐和子はどうして彼がマイケルを見つめたのかわからなかったが、マイケルは永徳の意を汲んだようだった。
「編集長、もしかして僕を本会場に配置したのって、こういうトラブルに対処するためだったりします? 耳の早い編集長のことですから、OKITSUNEの不穏な噂も事前につかんでいたんじゃないですか?」
「さあ、どうだろうね。それに議論している時間はない。マイケル、なんとかならないかなぁ。説得は俺が頑張るからさ」
「笹野屋さん、それってどういう……」
永徳はにっこりと佐和子に向かって微笑んだが、何も答えずマイケルに視線を戻す。
「空を飛べないあやかしが、本当に空を飛べないか。試してみる価値はあると思わないかい? 飛んでみずに用意されたレールに乗ったら、きっと君は後悔する。それに今なら、飛べるか飛べないかは視聴者が判断してくれる。失敗しても繋ぎはできる。成功すれば、君は高く飛べる。悪い話ではないと思わないかい?」
マイケルは両手でくしゃくしゃと頭をかき混ぜると、大きくため息をついて永徳を見た。
「プロジェクターをお借りしたいです。演出なしでのダンスじゃ迫力に欠けるので、背景が欲しい。映像はクラウドに保存してあるので、すぐに引き出せます。音源もあります。全力を尽くしてみますから、だからどうか」
永徳は拳を突き出し、マイケルもおずおずと、自分の拳を永徳のそれに合わせる。
「任せておくれ。マイケルが頑張っている間に、どうにかしてOKITSUNEたちを引っ張って来て見せるさ」
決意のこもった視線を交わし合う男たちの間で、佐和子は一人取り残される。
「あの、これって……」
「葵さん、君はカメラのスタンバイを。とっておきの飛び入りショーの始まりだよ」
ひらりと羽織を翻し、くせ毛を靡かせながら、永徳は颯爽と控え室の方へと向かっていく。マイケルはスタッフを捕まえて事情を話すと、ノートパソコンを開き、何やら慌ただしく準備をし始める。
「と、とりあえず準備!」
動き始めた会場の空気に押されるようにして、佐和子は撮影の支度をし始めたのだった。
笹野屋邸の居間には、編集室の精鋭たちが集まっていた。
サトリのダンスコンテストに派遣される部員は刹那、宗太郎、マイケル、そして佐和子と永徳だ。
「えええ、なんでマイケルが本会場担当なのよ! これまで一度も取材出たことないのに!」
刹那がそう文句を言えば、マイケルは背を丸めて申し訳なさそうにする。
それを庇うように永徳が口を挟んだ。
「だからこそだよ。こういう大きいイベントの取材なんてあんまりないし。いい経験になると思うんだ」
「でも編集長に加えて下っ端もいるだろ? 三人は多いんじゃねえかなあ」
すでに尖っている口をさらに尖らせ、宗太郎も文句を言う。
やはり皆、生でOKITSUNEを見る機会をそう簡単に諦められないらしい。
「私は半人前ですし……三人いても、実力的には二人分なんじゃないでしょうか」
「葵さんはちゃんと取材できているよ。俺はほら、全体監督だから。まあそういう意味で三人いるけど実際は二馬力じゃないかね」
刹那と宗太郎は、別会場で最終候補者たちのダンスパフォーマンスに立ち会うことになっている。
当日は会場と別会場の映像を切り替えながらオンライン上でライブ配信することになる。参加者が心を読まれないための運営側の配慮だ。別会場での通信回線のトラブルシューティングにはあやかしの業者が入るらしい。
「なんだか、すみません……あの、編集長。やっぱり僕は会場でなくても」
おずおずとそう言いかけたマイケルを、永徳は笑顔で制する。
「いやいや。マイケルはダンス領域の知識が豊富だろう? イベントを見学してもらって、葵さんや俺がわからない部分の補足をしてくれるとありがたい」
「はあ……」
「さて、では当日の打ち合わせと行こうかね……ん?」
木琴を叩いたような軽快な永徳のスマホの通知音が部屋に響く。彼はスマホを懐から取り出して画面を見ると、眉を顰めた。
「あらら、こりゃまいったね。明日のイベントまずいかも」
「ちょっと、どういうことですか? わかるように説明して下さいよ」
「そう喚かないでくれよ刹那。ほら、見てごらん」
永徳が見せた画面を、その場にいた全員が食い入るように見つめる。
「「OKITSUNE……解散……?!」」
その場の空気が凍り、誰もが口を開けたまま固まった。
非常事態にも関わらず、普段と変わらぬ鷹揚さで顎に手を置くと、スマホの画面を自分の方に向け、永徳は記事の内容を説明し始める。
「いまざっと目を通したけど、メンバーが真っ二つに割れて喧嘩をしているみたいだね。今後のグループとしての展開について、意見の食い違いがあったとかなんだとか。今受けてる仕事はどうするつもりなんだろうねえ」
悠長にそう言ういつも通りの永徳を見て、佐和子は落ち着きを取り戻す。
慌てても仕方がない。起こってしまったことは起こってしまったこととして、まずは現状を把握するのが先決だ。
「とにかく、サトリの頭領さんに状況を確認してみましょう。私、電話してみます。向こうにはOKITSUNEの事務所から何か連絡が入っているかもしれないし」
「うん、頼むよ葵さん」
佐和子は慌ただしくスマホを取り出し、その場で電話をかけた。
イベント開始は明日の夜8時。果たして無事開催できるのだろうか。
◇◇◇
「結局、OKITSUNEの出演はどうなるんでしょう……」
白樺の想いを知っているだけに、佐和子は自分のことのように動揺していた。
結局昨日の電話では、サトリたちも解散を記事で知ったということで、事務所に連絡を取っているところらしかった。
「当たり前ですが、運営側、すごくバタバタしてますね」
マイケルもハラハラした表情で会場の様子を見ている。
佐和子たちがいるのはOKITSUNEがオープニングを飾る予定の本会場。あと一時間半でイベント開始というところだが、状況がわからない。
OKITSUNEの解散報道で視聴者数は激減するかと思いきや。審査員変更のアナウンスがないために、逆に出席率がいいようだ。OKITSUNE最後のステージになるかもしれないと考えて予定通りアクセスして来ているのだろう。
報道関係者受付では、ゴシップ誌の記者らしき一つ目小僧がスタッフに噛みついていた。OKITSUNEの出演有無について聞き出そうとしているようだ。
「まさかイベント直前で解散発表をするなんて。……まあ、自由気ままなあやかしたちの間では、ありえないことでもないんですけど。でも、イベント前日はひどすぎる」
そう言ってマイケルは唇を噛んだ。あやかし瓦版はあくまで取材が仕事。イベントが失敗に終わっても、特に編集部に被害はない。しかしイベントの企画段階から関わっていることもあり、あやかし瓦版の編集部員は皆、自分のことのように今回の件を受け止めていた。
永徳は運営スタッフのサトリを捕まえて、状況がどうなっているのか聞いていたようなのだが、渋い顔をして戻ってきた。
「聞いてきたよ、今の状況。解散発表前からの契約だからってことで、事務所がOKITSUNEのメンバーを無理やり会場まで連れてきたみたいなんだけど。空気がかなり険悪で。さっき控室で大喧嘩を始めちゃって、リハができてないそうだ。このまま行くと出演は厳しいかもしれない」
腕時計を確認する。すでに先ほどから十分経っていた。
佐和子は項垂れ唇をむすぶ。この状況で部外者の自分にできることはない。
でも待っているだけというのも癪だった。
「サトリたちのパフォーマンスでなんとか繋いで、その間になんとか交渉できないでしょうか」
「うーん。サトリたち自身にネームバリューがあるわけじゃないからね。彼らが踊り始めた瞬間『OKITSUNEのステージはどうなってんだ!』ってヤジが飛ぶだろうな。ある程度有名なダンサーが繋いでくれるならサプライズにもなるし、時間稼ぎになるとは思うんだけど……」
そう永徳は言うと、期待を込めた瞳でマイケルを見る。
佐和子はどうして彼がマイケルを見つめたのかわからなかったが、マイケルは永徳の意を汲んだようだった。
「編集長、もしかして僕を本会場に配置したのって、こういうトラブルに対処するためだったりします? 耳の早い編集長のことですから、OKITSUNEの不穏な噂も事前につかんでいたんじゃないですか?」
「さあ、どうだろうね。それに議論している時間はない。マイケル、なんとかならないかなぁ。説得は俺が頑張るからさ」
「笹野屋さん、それってどういう……」
永徳はにっこりと佐和子に向かって微笑んだが、何も答えずマイケルに視線を戻す。
「空を飛べないあやかしが、本当に空を飛べないか。試してみる価値はあると思わないかい? 飛んでみずに用意されたレールに乗ったら、きっと君は後悔する。それに今なら、飛べるか飛べないかは視聴者が判断してくれる。失敗しても繋ぎはできる。成功すれば、君は高く飛べる。悪い話ではないと思わないかい?」
マイケルは両手でくしゃくしゃと頭をかき混ぜると、大きくため息をついて永徳を見た。
「プロジェクターをお借りしたいです。演出なしでのダンスじゃ迫力に欠けるので、背景が欲しい。映像はクラウドに保存してあるので、すぐに引き出せます。音源もあります。全力を尽くしてみますから、だからどうか」
永徳は拳を突き出し、マイケルもおずおずと、自分の拳を永徳のそれに合わせる。
「任せておくれ。マイケルが頑張っている間に、どうにかしてOKITSUNEたちを引っ張って来て見せるさ」
決意のこもった視線を交わし合う男たちの間で、佐和子は一人取り残される。
「あの、これって……」
「葵さん、君はカメラのスタンバイを。とっておきの飛び入りショーの始まりだよ」
ひらりと羽織を翻し、くせ毛を靡かせながら、永徳は颯爽と控え室の方へと向かっていく。マイケルはスタッフを捕まえて事情を話すと、ノートパソコンを開き、何やら慌ただしく準備をし始める。
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