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第一部 第一章 一期一会
笹野屋邸
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堅苦しいのもなんだから、と、永徳は佐和子を縁側へと連れ出した。先ほど見た日本庭園が一望できる場所で、一瞬景色に目を奪われた佐和子だったが。それよりもなによりも今起きている事態への混乱が強く、表情をこわばらせたまま、ただ黙っていた。
「俺の見た目が気になるかい。年齢とだいぶ違うじゃないかと」
「いや、まあ、若く見える方もいらっしゃいますし……」
佐和子にとっては信じ難い話だったのだが、永徳は自分の母親が連れてきた人間だと納得したらしい。「まったくうちの母は」なんて言いながらも、なんだかそわそわした様子で、楽しげに会話を投げかけてくる。
「この見た目がなかなかネックでね。いい加減身を固めようと、結婚相談所などに登録しようと試みたこともあったんだが。本人確認で引っかかるのだよ。どう見ても五十代というのは嘘だろうと」
「でしょうね……」
落ち込みがちになってからは、人に会うことを避けていた。それが富士子と出会ったがために、人様のお宅に上がって、見知らぬ男と見合いをする羽目になっている。想定外のこと続きで、ドッと疲れが来ていた。そもそも、単に見合い話を断りに来ただけで、こんなに長居するつもりはなかった。
「うわの空だな。顔の色艶も悪い。これでは見合いも進まないなあ」
佐和子の浮かない様子に気づいたのか、永徳はこちらの顔を覗き込んでくる。
「ですから、その話は無かったことに。私、そろそろ帰らないと」
急に目の前にやってきた綺麗な顔に動揺し、思わず距離をとる。近くで見ても肌のキメが細かくて、これで五十代は詐欺だと思った。
「そうか。だけど、その顔色のまま帰すわけにはいかないね。途中で倒れられては敵わないし」
顎に手を当て、考えるような素振りをしたあと。
「そこの客間で待っていなさい」
そう言って、彼は奥へ引っ込んでしまった。
一刻も早くこの場を離れたいと思っていた佐和子だったが、屋敷の主人に待っていろと言われては、勝手に帰ることもできない。しぶしぶ、もといた客間の座布団に、遠慮がちに正座をした。
「イタタ……やっぱ、頭痛いなあ」
仕事を辞める少し前から、ずっと安眠できていなかった。まるで頭の上に岩でも積まれているような重さがあるし、思考もまとまらない。
こめかみを押さえて深いため息をつくと、甘い柚子の香りが鼻をくすぐった。
顔を上げ障子の方へ向くと、永徳が盆に乗せた湯呑みを運んでくるところだった。美しい所作でちゃぶ台の前に座ると、彼は佐和子の前に湯気の立つ湯呑みを差し出す。
「疲れを取るお茶だ。飲んでいくといい」
「……ありがとうございます。柚子茶ですか?」
「ちょっと効果の高い薬湯だと思って飲んでみなさい。きっと今晩はぐっすり眠れるはずだ」
なんだか自信ありげにそう言う永徳は、子どもにありもしない魔法の話をするような、ちょっとした胡散臭さがある。
「ありがとうございます。では、いただきます……」
湯呑みを両手で包み、ゆっくりと中身を口に含む。まろやかな甘みが口の中いっぱいに広がり、柑橘系の香りが鼻を抜けると、不思議なことに先ほどまでの頭の痛みはすっかり消えてしまった。
モヤのかかっていたようだった思考も、くっきりとしてきた。
「このお茶……すごいですね。魔法みたいです」
「まあ、魔法みたいなものかもな。ちょっとだけまじないが仕掛けられているから」
クック、と笑う永徳の横顔は、障子を透ける日の光を帯びて、白磁のような輝きを放っている。この浮世離れした容姿の人が「魔法」だなんていうと、うっかり信じてしまいそうになる。
「さて、葵さんと言ったかな。これで少し頭がスッキリしただろう。まずはお互いを知ろうじゃないか」
断ると言っているのに、永徳は見合いに乗り気な様子で。前のめりに佐和子の話を聞こうとする。
「いやあの……」
「君はどんな仕事をしているんだい? ずいぶん疲れているようだけど」
会話の始まりとしては決して不自然ではないのだが、今この話を振られると大変気まずい。しかしお茶をいただいた分くらいは会話をしなければならないかと、佐和子は思い直し、気が進まないながらも永徳の質問に返答する。
「実は三ヶ月前に辞めていまして……今は働いてはいません」
「おや、そうなのかい。退職の理由を伺っても?」
「まあ、働きすぎと言いますか……」
「なぜそんなになるまで仕事を?」
さすが親子というだけあって、富士子と同じくグイグイと人の事情に入り込んでくる。自分の中でもまとまりきらない事柄について突っ込まれ、佐和子はしどろもどろになりながら、言葉を紡ぎ出す。
「期待された働きを、できなくて……。仕事がどんどん溜まってしまって。私が、優秀だったら、きっと、そんなことにはならなかったと思うんですが。体を、壊してしまって……」
「そう」
うしろ向きな返答で、さぞがっかりしただろう。霊魂といえど母親が気に入って連れてきた娘だと思っているなら、もっとちゃんとしたお嬢さんだと思って期待していたかもしれない。
「憧れていた仕事ではあったんですけど。実績も上げられなくて。精神的にも、体力的にも追い詰められちゃった感じで」
自分で言っていてどんどん惨めになってきた。背中は曲がり、萎れた花のように首は垂れ、自分の中に渦巻く負の感情を吐き出していく。
––––なんで初対面の人に、こんなこと話してるんだろう。みっともない。
同期の社員と食事をしていても、みんなそれなりに今の部署で活躍しているようで、暗い顔をしているのは佐和子だけだった。
大学の同級生だって、それぞれ自分の仕事を楽しんでいる様子で。
––––みんなができていることが、私にはできない。
前を向いているのも辛くなって、佐和子の視線は柚子茶の上を撫ぜていた。
「で、今後はどうするんだ。どこかに再就職するんだろう?」
「……まあ、いつかは。とりあえずは療養中です」
話しながらどんどん暗さを増していった佐和子の声は、最後は尻窄みになっていた。
「よし、ではリハビリがわりに、うちの家業の手伝いをしないか」
「……え?」
––––なにを言い出すのこの人は。
驚いて顔を上げると、永徳の口角は弧を描いている。想像していたのとは真逆の相手の表情に、佐和子は鳩が豆鉄砲をくらったような顔になった。
「そうだ! それがいい。安心しなさい、うちは明るく楽しい良い職場だ。福利厚生も充実しているぞ」
「いや、ちょ、ちょっと、待ってください」
「そうと決まったら職場見学だ! 体調は大丈夫そうだね? うん、顔色も良くなった。さあ、ついておいで」
そう言うと永徳はしっかりと佐和子の腕を掴み、屋敷の奥へ奥へと歩き出した。
「あの、業務内容も聞いてないのに、いきなり職場見学って。私、承諾してませんし」
佐和子の反論など聞く気がないらしく、永徳の勢いは止まらない。
「ああ。人間相手に細かい説明から入ると、大方逃げられてしまうものでね。見てもらったほうが早いよ」
––––説明を聞いた相手が逃げてしまうって。それってとんでもない職場なのでは。
辿り着いたのは、長い廊下の突き当たりにある襖の前だった。年季の感じられる襖紙には、鬼や大蛇や火車などの魑魅魍魎の類が全面に生き生きと描かれており、今にも飛び出してきそうな様だ。
「開けるぞ」
永徳は襖の引手に両手をかけ、一気に開け放った。
「う、うそお……!」
目の前に広がった光景に、驚きのあまり佐和子は両手で口元を覆う。
襖の向こうに現れたのは、ろくろ首や河童など、ひと目見て人間と違うとわかる生き物たちが、ノートパソコンをカタカタと鳴らしながら仕事をしている、世にも奇妙な職場風景だったのだ。
「俺の見た目が気になるかい。年齢とだいぶ違うじゃないかと」
「いや、まあ、若く見える方もいらっしゃいますし……」
佐和子にとっては信じ難い話だったのだが、永徳は自分の母親が連れてきた人間だと納得したらしい。「まったくうちの母は」なんて言いながらも、なんだかそわそわした様子で、楽しげに会話を投げかけてくる。
「この見た目がなかなかネックでね。いい加減身を固めようと、結婚相談所などに登録しようと試みたこともあったんだが。本人確認で引っかかるのだよ。どう見ても五十代というのは嘘だろうと」
「でしょうね……」
落ち込みがちになってからは、人に会うことを避けていた。それが富士子と出会ったがために、人様のお宅に上がって、見知らぬ男と見合いをする羽目になっている。想定外のこと続きで、ドッと疲れが来ていた。そもそも、単に見合い話を断りに来ただけで、こんなに長居するつもりはなかった。
「うわの空だな。顔の色艶も悪い。これでは見合いも進まないなあ」
佐和子の浮かない様子に気づいたのか、永徳はこちらの顔を覗き込んでくる。
「ですから、その話は無かったことに。私、そろそろ帰らないと」
急に目の前にやってきた綺麗な顔に動揺し、思わず距離をとる。近くで見ても肌のキメが細かくて、これで五十代は詐欺だと思った。
「そうか。だけど、その顔色のまま帰すわけにはいかないね。途中で倒れられては敵わないし」
顎に手を当て、考えるような素振りをしたあと。
「そこの客間で待っていなさい」
そう言って、彼は奥へ引っ込んでしまった。
一刻も早くこの場を離れたいと思っていた佐和子だったが、屋敷の主人に待っていろと言われては、勝手に帰ることもできない。しぶしぶ、もといた客間の座布団に、遠慮がちに正座をした。
「イタタ……やっぱ、頭痛いなあ」
仕事を辞める少し前から、ずっと安眠できていなかった。まるで頭の上に岩でも積まれているような重さがあるし、思考もまとまらない。
こめかみを押さえて深いため息をつくと、甘い柚子の香りが鼻をくすぐった。
顔を上げ障子の方へ向くと、永徳が盆に乗せた湯呑みを運んでくるところだった。美しい所作でちゃぶ台の前に座ると、彼は佐和子の前に湯気の立つ湯呑みを差し出す。
「疲れを取るお茶だ。飲んでいくといい」
「……ありがとうございます。柚子茶ですか?」
「ちょっと効果の高い薬湯だと思って飲んでみなさい。きっと今晩はぐっすり眠れるはずだ」
なんだか自信ありげにそう言う永徳は、子どもにありもしない魔法の話をするような、ちょっとした胡散臭さがある。
「ありがとうございます。では、いただきます……」
湯呑みを両手で包み、ゆっくりと中身を口に含む。まろやかな甘みが口の中いっぱいに広がり、柑橘系の香りが鼻を抜けると、不思議なことに先ほどまでの頭の痛みはすっかり消えてしまった。
モヤのかかっていたようだった思考も、くっきりとしてきた。
「このお茶……すごいですね。魔法みたいです」
「まあ、魔法みたいなものかもな。ちょっとだけまじないが仕掛けられているから」
クック、と笑う永徳の横顔は、障子を透ける日の光を帯びて、白磁のような輝きを放っている。この浮世離れした容姿の人が「魔法」だなんていうと、うっかり信じてしまいそうになる。
「さて、葵さんと言ったかな。これで少し頭がスッキリしただろう。まずはお互いを知ろうじゃないか」
断ると言っているのに、永徳は見合いに乗り気な様子で。前のめりに佐和子の話を聞こうとする。
「いやあの……」
「君はどんな仕事をしているんだい? ずいぶん疲れているようだけど」
会話の始まりとしては決して不自然ではないのだが、今この話を振られると大変気まずい。しかしお茶をいただいた分くらいは会話をしなければならないかと、佐和子は思い直し、気が進まないながらも永徳の質問に返答する。
「実は三ヶ月前に辞めていまして……今は働いてはいません」
「おや、そうなのかい。退職の理由を伺っても?」
「まあ、働きすぎと言いますか……」
「なぜそんなになるまで仕事を?」
さすが親子というだけあって、富士子と同じくグイグイと人の事情に入り込んでくる。自分の中でもまとまりきらない事柄について突っ込まれ、佐和子はしどろもどろになりながら、言葉を紡ぎ出す。
「期待された働きを、できなくて……。仕事がどんどん溜まってしまって。私が、優秀だったら、きっと、そんなことにはならなかったと思うんですが。体を、壊してしまって……」
「そう」
うしろ向きな返答で、さぞがっかりしただろう。霊魂といえど母親が気に入って連れてきた娘だと思っているなら、もっとちゃんとしたお嬢さんだと思って期待していたかもしれない。
「憧れていた仕事ではあったんですけど。実績も上げられなくて。精神的にも、体力的にも追い詰められちゃった感じで」
自分で言っていてどんどん惨めになってきた。背中は曲がり、萎れた花のように首は垂れ、自分の中に渦巻く負の感情を吐き出していく。
––––なんで初対面の人に、こんなこと話してるんだろう。みっともない。
同期の社員と食事をしていても、みんなそれなりに今の部署で活躍しているようで、暗い顔をしているのは佐和子だけだった。
大学の同級生だって、それぞれ自分の仕事を楽しんでいる様子で。
––––みんなができていることが、私にはできない。
前を向いているのも辛くなって、佐和子の視線は柚子茶の上を撫ぜていた。
「で、今後はどうするんだ。どこかに再就職するんだろう?」
「……まあ、いつかは。とりあえずは療養中です」
話しながらどんどん暗さを増していった佐和子の声は、最後は尻窄みになっていた。
「よし、ではリハビリがわりに、うちの家業の手伝いをしないか」
「……え?」
––––なにを言い出すのこの人は。
驚いて顔を上げると、永徳の口角は弧を描いている。想像していたのとは真逆の相手の表情に、佐和子は鳩が豆鉄砲をくらったような顔になった。
「そうだ! それがいい。安心しなさい、うちは明るく楽しい良い職場だ。福利厚生も充実しているぞ」
「いや、ちょ、ちょっと、待ってください」
「そうと決まったら職場見学だ! 体調は大丈夫そうだね? うん、顔色も良くなった。さあ、ついておいで」
そう言うと永徳はしっかりと佐和子の腕を掴み、屋敷の奥へ奥へと歩き出した。
「あの、業務内容も聞いてないのに、いきなり職場見学って。私、承諾してませんし」
佐和子の反論など聞く気がないらしく、永徳の勢いは止まらない。
「ああ。人間相手に細かい説明から入ると、大方逃げられてしまうものでね。見てもらったほうが早いよ」
––––説明を聞いた相手が逃げてしまうって。それってとんでもない職場なのでは。
辿り着いたのは、長い廊下の突き当たりにある襖の前だった。年季の感じられる襖紙には、鬼や大蛇や火車などの魑魅魍魎の類が全面に生き生きと描かれており、今にも飛び出してきそうな様だ。
「開けるぞ」
永徳は襖の引手に両手をかけ、一気に開け放った。
「う、うそお……!」
目の前に広がった光景に、驚きのあまり佐和子は両手で口元を覆う。
襖の向こうに現れたのは、ろくろ首や河童など、ひと目見て人間と違うとわかる生き物たちが、ノートパソコンをカタカタと鳴らしながら仕事をしている、世にも奇妙な職場風景だったのだ。
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