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作用があるとは言うけれど(完全版)
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会社の窓から見える空は夕暮れ。少し日没の時間が遅くなってきていると言っても、外は次第に夜の顔を覗かせている。
「んぅ~……!」
仕事を終えて体を伸ばしている男、佐藤優樹。
「佐藤君、お疲れ様」
その背後から声をかけてくる女性が一人。
一ノ瀬早希。優樹の一つ上の先輩で、頼れる人だ。
「お疲れ様です、一ノ瀬さん」
「今は二人きりだから、早希って呼んでくれてもいいのよ?」
「……早希さんこそ、いつもみたいに呼んでくれないんですか?」
互いにそう言うと、揃って笑みをこぼした。
高校で出会っていた二人は恋人同士であり、プライベートや二人きりの時には、こうしてお互いに名前で呼び合っている。
「優樹君もう仕事上がりでしょ? 一緒に飲まないかなーって考えてるんだけど、何か予定あったりする?」
「何か他の予定があっても、早希さんからのお誘いが来ればすぐにリスケしますよ」
「ぷっ、あっはははは!」
早希の問いにふざけるように優樹がそんな事を言うものだから、思わず彼女は笑ってしまった。
「はぁー……もう、それ他の人とかに言っちゃダメだよ?」
「早希さん以外には言わないので大丈夫です」
――真面目な顔でいきなりそんな事言うのズルいなぁ……。まぁもうちょっといい雰囲気の時に言って欲しいけど。
彼女は一つ咳払いをして、話を戻す。
「それで、今日は予定はないって事で良いのかな……?」
「あ、そうでした。特に予定は入ってませんよ」
「良かったぁ! じゃあ行こっか?」
「はいっ!」
優樹は返事をするとすぐに支度を始めるのだった。
× × ×
こうして二人は一緒に街を歩いていたのだが、優樹はふと疑問に思う。
今歩いている場所は飲み屋街という訳でもなく、かと言ってその方向に向かっている訳でもなかった。
「あれ、今日はどっかのお店じゃないんですか?」
「あー……うん。今日はその、うちで飲まないかなって……」
少し頬を赤くしながら早希は口にする。後半になるにつれて、わずかに小声になっていたが。
「……珍しいですね、そういう風に誘ってくるの」
優樹のこの言葉に彼女はさらに顔を赤くした。
何度か家に行った事は確かにある。それも互いに。恋人同士だから当然する事もしている。しかし仕事終わりの時は居酒屋などで飲んで解散、という事がほとんどだった。
それが今、普段とは違って彼女からそういう雰囲気を出して家に来ないかと誘われた。
「だって今日、2月14日だし……」
――ああ、なるほど。
2月14日。バレンタインデー。
起源がどうだなどと色々言われるが、そんな事はどうでもいい。
優樹にとっては恋人である一ノ瀬早希から誘いを受けた。まだ貰っていないが、恐らく今年もチョコを用意しているのだろう。しかし今日という日に彼女から誘われた、という事実だけで彼は堪らなく嬉しかった。
「それに明日は久しぶりに二人とも休みだし……」
「ありがとう休日」
と、そんな事まで思わず口に出してしまう。
「ん、んんっ! とにかく、そういう事だからっ! 行くわよっ!」
頬を染めたまま早希は優樹の手を引く。それに対して彼はにやにやと笑うだけであった。
お酒や食べる物は家に十分あると早希が言うので買い物には寄らず、手は繋いだままで連れられて彼女の家に到着する。
「ただいまー」
「お邪魔します」
「準備は私がするから、優樹君はくつろいでていいよ」
一度自分の寝室に向かう彼女はそう言った。
「手伝わなくていいんですか?」
「うん、そんな手の込んだ料理する訳じゃないし、ゆっくりしてて」
「じゃあお言葉に甘えて」
優樹はそのままリビングに向かおうとすると、早希が入ったはずの部屋の方から「その代わりにあとで沢山動いてもらうから」といった声が聞こえてきた。
それに振り返ると、彼女は部屋から顔だけ出して悪戯を成功させた子供のように舌をわずかに見せる。
――急にそんな事言うのズルいしなんですかその仕草。可愛い。
「すぐ行くから待っててね」
「分かりました」
改めて彼はリビングへと足を運ぶ。
「お待たせ~」
着替えを済ませた早希は酒のつまみとなる幾つかの料理を運んできた。
「美味しそうですね」
「ホントに簡単な物ばかりだけどね」
次に冷蔵庫から缶ビール二本を手にして戻ってくると、片方を優樹に渡して彼の隣に腰を下ろす。
二人が缶ビールを開ける子気味のいい音が響く。
「それじゃあ――」
揃って缶をわずかに掲げ、「乾杯!」と声を合わせた。
◇
飲み始めてからしばらく経った。二人とも缶ビールの二本目を開けて、それを半分ほど飲んだ辺りだ。
優樹はさらに一口飲もうとしながら早希の方に目をやると、彼女はご機嫌な様子で食事を楽しんでいた。
「ん~……ふふっ♪ んぐんぐ、ぷはぁー!」
そんな早希を見ていると自分まで幸せな気分になる。優樹は何気なく見ていたが、その視線にようやく彼女が気付いた。
「な~に~どうしたの~?」
――ふにゃふにゃ可愛い。
「いえ、そんな風に酔ってる早希さん見るの久しぶりだなって思って」
「そうだっけ~?」
「普段なら二本ぐらいでそこまでならないじゃないですか」
彼の言う普段とは、仕事帰りに居酒屋など外で飲んでいる時の事だ。
「まぁ優樹君とこうして家でゆっくりするのなんて、正月休み以来だもんね~」
「正月休みの後もあんまり二人の休み被らなかったですもんね」
「だから今日と明日は、思いっきり優樹君とイチャイチャするもんね~っ!」
彼女はそう言ったかと思えば、少しだけ残っていたビールを一気に飲み干す。それから立ち上がった早希は、キッチンには向かったものの、そのまま冷蔵庫の前を通り過ぎた。
その様子を優樹は不思議そうに見つめる。
「忘れないうちに~……はいっ」
戻ってきた彼女の手には綺麗にラッピングされた小さめな箱。それが何かは優樹もすぐに分かった。
「やっぱり今年もチョコくれるんですね。それも手作りの」
「当然でしょ~。それとも、もういらない?」
「まさか。早希さんから貰えるの、凄く嬉しいんですから」
「ふふっ、そう言ってくれて私も嬉しい!」
優樹はチョコを受け取るとすぐに箱を開ける。中には一口大のチョコが数個入っていた。それを一つ取って口に入れる。
「どう?」
「甘過ぎず、かと言って苦くもない……僕好みの甘さで美味しいです」
彼が感想を述べると、にこにこしていた早希の表情がさらに緩む。
「んふふ~。まぁ伊達に何年も付き合ってないからね~」
彼女はそう言いながら優樹に抱き付く。お酒の匂いがするが、それと同時に早希の甘い香りが彼の鼻孔をくすぐった。
「完全に甘えモードですね」
口にしながら彼女の髪を撫でると、それが気に入ったのか、早希は頭をぐりぐりと優樹の身体に擦り付ける。
かと思えば、早希は顔を上げて彼の唇に一瞬だけキスをした。
「ちょっと甘いね」
「……チョコ付いてました?」
何とも言えない表情で優樹が尋ねるが、彼女は「ううん」と首を横に振る。
「チョコは付いてないよ」
「それは良かった」
「あ、いい事思い付いちゃった~」
「いい事……?」
早希はチョコが入っている箱の中から一つを手に取ると、そのチョコを自らの口に含んだ。
「ひょれふぁあゆうひふん、いふよぉ~」
「え――んんっ!?」
口にチョコを含んだまま彼女は優樹に口付けすると、同時に舌でチョコを押し込む。驚いた彼はわずかに身体をびくりと震わせたが、舐め合う舌の感触とそれによって溶けるチョコの甘さに、そのまま早希の舌を受け入れていた。
「はぁ、ん……」
「ちゅ……れぅ……」
チョコは完全に舐める舌の熱で溶けきり、二人は互いに甘くなった唾液をすすり合う。
それから、どちらからともなく口を離すと名残惜しさを表すように、二人の間に唾液の糸が繋がれていた。
「……いきなり何してくれてるんですか」
目の前で煽情的な表情を見せる早希に問いかける優樹。それに彼女は舌なめずりをして見せる。
「ん~、チョコって媚薬作用があるって言うじゃない? だからそろそろ優樹君をやる気にさせようかな~って思って?」
「確かにそんなのはありますけど……って事は今ここでしてもいいんですか?」
あえて挑発に乗るように言う。それに彼女はニッと笑った。
「残ってる料理をしまってからね♪」
――あぁホント、こういうところでも勝たせてくれないなぁ……。
テーブルの上の物を片付け始める早希にそんな感想を抱きながら、優樹は缶に少しだけ残っていたビールを流し込んで彼女を手伝うのだった。
◇
片付けを終えた二人は寝室へと移動していた。
「それじゃ、始めよっか?」
早希はそう言いながら優樹に向かって両手を広げる。
「改まってするってなると、なんか変な感じしますね……」
「だって、あのまま残った料理とか置いとけないでしょう?」
「それはそうですけど」
「そ・れ・よ・り・も……♡」
優樹をベッドに座らせた早希は彼の膝の上に対面で乗り、そのまま両腕を優樹の首の後ろへと回して抱き付く。
「私の方もそろそろ、したいんだけどな~?」
にぃっと笑みを浮かべる彼女。その表情に彼は息を呑んだ。
その瞬間、早希は再び彼にキスをする。
「ちゅ……ん……」
「んんっ……早希さ……」
さっきと同じチョコの甘さをわずかに感じながら舌を絡ませていく。お互いに吐息を漏らしながらその舌先でねぶり、吸う。
その熱に浮かされた優樹は、右手で早希の胸に触れた。
「んっ……」
彼女もそれが当然の事であるかのように受け入れ、キスと同時に胸を揉まれる感覚に甘い声が漏れる。だが、早希は唇を離して一旦彼の手を止めさせる。
「服の上からじゃなくて直接、ね? 脱ぐから待って」
そう言って優樹の膝から降りた彼女は服を脱ぎ始めた。早希が脱いでいる間に、優樹もシャツやズボンを脱いでいく。
「ほら、触って?」
ブラを外した早希は彼の手を自身の胸に引き寄せ、優樹も言われた通りに彼女の乳房に触れた。
「ん……はぁ……♡」
胸の柔らかさを堪能するように優しく揉めば早希は悩まし気な声を出し、その反応に彼も嬉しさを覚える。
しかし優樹はまだ胸にある桜色の頂点には触れず、その周囲に指を這わせるのみだ。そのもどかしさを示すかのように、少しずつその先端部分が主張をし始めた。
「ね、ねぇ優樹君……」
中々そこを触ってくれない彼に、早希は催促するように名前を呼ぶ。それを待っていたかのように優樹は彼女の乳首に吸い付き、もう片方を指できゅっと摘まんだ。
「ひゃぁ!?」
両方の胸を強い刺激が一気に襲い、早希は堪らず身体をのけ反らせる。
「あっ……んんっ、そんなにしちゃっ……!」
「でも、随分と気持ち良さそうですよ?」
「だからって――あんっ!」
今度は反対側の乳首を舐める。それも一度だけではなく、舌でこねくり回すように。
「やっ、それぇ……!」
先程まで小さかった桜色の先端は刺激によってぷっくりと膨れ上がり、いやらしくその存在をアピールしている。
優樹はまだ胸への責めを続けようとするが、早希は待ったをかけた。その声に彼は口を離すが、まだ両手で乳房をやわやわと揉むのは止めない。
「今度は私が、優樹君を気持ち良くしてあげるっ!」
胸を責められた仕返しをするかのように、彼女はそう言って優樹の下着の上からその熱くなった剛直を撫でる。
「うっ……!」
「ふふっ、優樹君もこんなに大きくしてるじゃない」
早希は彼の下着を脱がせ、そそり立つ肉棒をそっと握った。しかしそのまま手を動かす事はせず、彼女はペニスに顔を近付けるとすんすんと臭いを嗅ぐ。
「ん、はぁ……ホント、この濃いオスの香り嗅いでるとくらくらしちゃう♡」
舌なめずりをする早希に優樹の陰茎はさらに硬度を増す。
「まずは――」
彼女が裏筋をペロッと舐め、それに思わず彼のモノはびくりと反応を見せた。
「あはっ♡」
優樹の反応に気をよくした早希は続けて鈴口にキスをする。口付けと同時に溢れ出たカウパー液を吸い、その周囲をチロチロと舐めていく。
それからまた何度か続けて亀頭にキスした後、今度は下から上へ裏筋を舐め上げた。
「早希さ――あぁっ!」
さっき彼にやられたのと同じように、優樹が声をかけた瞬間、早希は舌を這わせたまま肉棒を口で咥える。
ビクンと優樹の腰が逃げそうになるが、彼女は両手を彼の腰へ回して逃げられないようにした。
「ちょ、それは……ぐぅっ!?」
――さっきのお返しっ!
彼の制止する声も無視してフェラチオを始める。
歯を当てないように気を付けながら、ぢゅぽぢゅぽと動かし優樹のペニスを責めていく。じわじわと舐められていたところに突然強い刺激を受け、優樹も一気に射精しそうな感覚が込み上げてきた。
「そんなにされたら出ちゃいますっ!」
「らひへも、んっ……いいよ? 全部飲んであげるから」
一度口から離してそう言うと、また少し彼の肉棒が硬さが増した。
「出す時に私の頭、掴んでもいいからね」
そうしてフェラチオを再開する早希。それも止める前の、射精させようとする勢いのものだ。
「う、あぁっ……!」
出さないように堪えていた優樹だったが、再び浴びせられた快感に自然と手が彼女の頭へと延びてしまう。そのまま押さえると同時に、彼の剛直がドクンと震えた。
「んぐ……んっ……!」
びゅるびゅると早希の喉奥に精液を吐き出すと、彼女も迷わずその脈動に合わせて飲み込んでいく。しばらくして射精を終えた肉棒を吸い、中に残った精液も飲んでから早希は口を離した。
「けほっ……ん、いっぱい出たね♡」
「……なんか、簡単にイかされたの悔しいです」
「でも、まだまだいけるでしょ?」
早希はそう言って、再び優樹の陰茎に一つキスをする。
「それはまぁ……」
「ま、さっき途中で止めた上に優樹君の精液も飲んだから、私もこっちが疼いちゃってるんだけど」
彼女は下腹部に手を伸ばして、さらにその先の陰部を自分の指で触れた。
「ほらこの音、聞こえる?」
軽く撫でるだけでくちゅくちゅと水音がする。
「はぁ、はぁ……♡」
次第に早希の息が荒くなっていく。その様子に、優樹の肉棒もさっきと同じ硬さを取り戻していた。
「優樹君も触って?」
その言葉に従うように、優樹も彼女の性器へ手を伸ばす。
――凄く熱い……。
少し触れただけで指に絡みつく愛液。彼はそのまま早希の蜜壺に指先を挿れる。
「んっ……!♡」
彼女の膣内は入ってきた優樹の指を、それがまるで待ち望んでいた彼のペニスであるかのようにきゅうきゅうと締め付けた。優樹が指を動かせばぐちゅぐちゅと音が聞こえ、その快感に早希の声が漏れる。
指を引き抜くと、纏わり付いた愛液が膣穴と繋がっているのが見える。
「……早希さん、挿れてもいいですか?」
「ふふ、優樹君も我慢出来なくなっちゃった感じ?」
「これだけいやらしいの見せられたらそうなりますよ」
彼の言葉に早希はにぃっと笑みを浮かべると、準備してあったコンドームを手に取った。そのまま彼女は慣れた手つきで優樹のペニスにゴムを被せていく。
「それじゃあ……シよっか♡」
先程と同じように、早希は優樹の膝の上に乗る形――対面座位で肉棒を自ら膣内に挿入する。
「んっ♡ はぁ♡」
「入れたばっかなのに締め過ぎですよ……っ!」
「そんな事、言われたってぇ……♡」
ペニスを挿れた瞬間に早希の腰が自然と動き、膣肉全体が彼の陰茎を撫で上げた。
フェラチオで一度も射精せず、さらにコンドームを付けていない状態であれば、すぐにでも吐精していたであろう。それ程までに強烈な刺激がゴム越しに優樹を襲っていた。
それは早希も同じなようで、
「あっ♡ これっ、生だったらすぐイっちゃいそう♡」
ぐりぐりと腰を前後に動かしながら、彼女も強い快感に表情が緩んでいる。
「ぐ、っ……!」
優樹はまず先に彼女をイかせようと身体を揺すって、早希の弱い部分を突く。
「ゆ、優樹君っ♡ それっ、ダメぇ!♡」
それ程大きく動いてはいないのだが、彼女の膣穴が相当濡れているのもあり、結合部からぬちゃぬちゃといやらしい音がする。
「そこっ、ぐりぐりされるの弱いからぁ!♡」
「さっきのフェラのお返しです! ほらっ、イっていいですよ!」
逃げないように早希の腰を掴んで彼女を絶頂させる為に動く。
「んぃ♡ イ、イっちゃ――」
ぐちゅり。と彼のペニスが最奥を一突き。
「――~~~~~~っ!♡」
突然の絶頂に彼女は声にならない嬌声を上げ、その刺激に耐えるかのように両腕を優樹の首の後ろに回してしがみ付いた。
「う、く……」
優樹も早希の絶頂によって肉棒がぎちぎちと締め付けられるが射精しないようになんとか耐える。
「はぁ、はぁ……優樹君の意地悪……」
「さっきのお返しだって言ったじゃないですか。お相子ですよ」
抱き付かれていて顔は見えないが、彼女の「むぅ~」という声から察するにむくれているのは優樹も分かった。
「そんな可愛い反応されるともっとやっちゃいますよ?」
そんな事を言いながら彼は再び腰を動かす。
「ちょ、優樹君、待って待って」
早希は慌てて優樹を止めると、そのまま膣穴からペニスを抜いて離れた。
「え、ちょっと早希さん?」
「そんな悲しそうな顔しなくても、ちゃんと続きはするから」
彼女はそう言うとベッドへと寝転がる。
「ん、ほら……今度はこれで――」
優樹に向かって誘うように自ら蜜壺を指で広げて見せた。
「来て♡」
それに彼も笑みを浮かべて早希に覆い被さる。
再び彼女の膣穴に剛直を宛がう優樹。しかしそのまま挿入せず、焦らすように動かす。
「んっ♡ 優樹君早くぅ♡」
「分かりました……よっ!」
「ん゛ひぃっ!?♡」
焦らしてから最奥まで一気に突くと、待ちわびていたかのように早希の膣肉全体がペニスを締め付けた。
その感覚に優樹にもゾクゾクと快感が走る。だが彼は腰を打ち付けていく。
「あっ♡ 気持ち、いいよぉ♡」
「僕も気持ちいいですっ!」
そう交わした二人は互いに顔を近付け、舌を絡めたキスをする。
結合部からは一突きする度にじゅぷじゅぷと音が漏れ、それに合わせてきゅっきゅっと早希の膣内が反応を返す。
「優樹君っ♡ 優樹、くんっ♡」
次第に彼女は手足を優樹の身体に絡み付かせていく。
抱き合いやすいようにお互いが身体を密着させれば、その分ペニスが膣穴を深く刺激する。膣内で暴れ回る肉棒に早希は何度か軽い絶頂が続いていた。
「早希さん……僕、もう……!」
常にペニスを締め付ける膣肉に、優樹も限界が近付いてくる。
「い、いいよっ♡ 好きな時に、出してっ!♡」
「う――くぅっ!」
最奥を突くと同時に彼の剛直がびゅくびゅくと精液を吐き出す。二度目の射精だがその勢いは衰えないどころか一度目よりも多く、そして長かった。
「はぁ……はぁ……」
「ん……ゴムしてなかったら確実にデキちゃってるかも……♡」
「ふぅ……そういう事言うの、反則ですよ」
「ふふ、またシたくなっちゃう?」
悪戯っ子のように笑う早希。
優樹は彼女にキスをしてペニスを抜く。広がった膣穴から、精液が溜まって膨れたコンドームの先端部分が遅れて引き抜かれる。
「さっきよりも沢山出たね♡」
そう言ってゴムを外した陰茎――その亀頭にキスをした早希は、そのまま奥まで咥えてお掃除フェラをする。
「――ってちょっと早希さん! それ明らかに勃たせるフェラですよね!?」
「……えへ♡」
優樹の言葉に誤魔化すように笑う彼女だが、ペニスを扱く手は止めずにいた。その事もあり、再び硬さを取り戻していく剛直。
「優樹君、もう一回シない?」
どうやら早希の方が我慢できないらしい。
「……ゴム、まだありましたよね」
「うん、いっぱいあるから沢山出来るよっ♡」
新しいコンドームを取り出す彼女に、優樹は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「んぅ~……!」
仕事を終えて体を伸ばしている男、佐藤優樹。
「佐藤君、お疲れ様」
その背後から声をかけてくる女性が一人。
一ノ瀬早希。優樹の一つ上の先輩で、頼れる人だ。
「お疲れ様です、一ノ瀬さん」
「今は二人きりだから、早希って呼んでくれてもいいのよ?」
「……早希さんこそ、いつもみたいに呼んでくれないんですか?」
互いにそう言うと、揃って笑みをこぼした。
高校で出会っていた二人は恋人同士であり、プライベートや二人きりの時には、こうしてお互いに名前で呼び合っている。
「優樹君もう仕事上がりでしょ? 一緒に飲まないかなーって考えてるんだけど、何か予定あったりする?」
「何か他の予定があっても、早希さんからのお誘いが来ればすぐにリスケしますよ」
「ぷっ、あっはははは!」
早希の問いにふざけるように優樹がそんな事を言うものだから、思わず彼女は笑ってしまった。
「はぁー……もう、それ他の人とかに言っちゃダメだよ?」
「早希さん以外には言わないので大丈夫です」
――真面目な顔でいきなりそんな事言うのズルいなぁ……。まぁもうちょっといい雰囲気の時に言って欲しいけど。
彼女は一つ咳払いをして、話を戻す。
「それで、今日は予定はないって事で良いのかな……?」
「あ、そうでした。特に予定は入ってませんよ」
「良かったぁ! じゃあ行こっか?」
「はいっ!」
優樹は返事をするとすぐに支度を始めるのだった。
× × ×
こうして二人は一緒に街を歩いていたのだが、優樹はふと疑問に思う。
今歩いている場所は飲み屋街という訳でもなく、かと言ってその方向に向かっている訳でもなかった。
「あれ、今日はどっかのお店じゃないんですか?」
「あー……うん。今日はその、うちで飲まないかなって……」
少し頬を赤くしながら早希は口にする。後半になるにつれて、わずかに小声になっていたが。
「……珍しいですね、そういう風に誘ってくるの」
優樹のこの言葉に彼女はさらに顔を赤くした。
何度か家に行った事は確かにある。それも互いに。恋人同士だから当然する事もしている。しかし仕事終わりの時は居酒屋などで飲んで解散、という事がほとんどだった。
それが今、普段とは違って彼女からそういう雰囲気を出して家に来ないかと誘われた。
「だって今日、2月14日だし……」
――ああ、なるほど。
2月14日。バレンタインデー。
起源がどうだなどと色々言われるが、そんな事はどうでもいい。
優樹にとっては恋人である一ノ瀬早希から誘いを受けた。まだ貰っていないが、恐らく今年もチョコを用意しているのだろう。しかし今日という日に彼女から誘われた、という事実だけで彼は堪らなく嬉しかった。
「それに明日は久しぶりに二人とも休みだし……」
「ありがとう休日」
と、そんな事まで思わず口に出してしまう。
「ん、んんっ! とにかく、そういう事だからっ! 行くわよっ!」
頬を染めたまま早希は優樹の手を引く。それに対して彼はにやにやと笑うだけであった。
お酒や食べる物は家に十分あると早希が言うので買い物には寄らず、手は繋いだままで連れられて彼女の家に到着する。
「ただいまー」
「お邪魔します」
「準備は私がするから、優樹君はくつろいでていいよ」
一度自分の寝室に向かう彼女はそう言った。
「手伝わなくていいんですか?」
「うん、そんな手の込んだ料理する訳じゃないし、ゆっくりしてて」
「じゃあお言葉に甘えて」
優樹はそのままリビングに向かおうとすると、早希が入ったはずの部屋の方から「その代わりにあとで沢山動いてもらうから」といった声が聞こえてきた。
それに振り返ると、彼女は部屋から顔だけ出して悪戯を成功させた子供のように舌をわずかに見せる。
――急にそんな事言うのズルいしなんですかその仕草。可愛い。
「すぐ行くから待っててね」
「分かりました」
改めて彼はリビングへと足を運ぶ。
「お待たせ~」
着替えを済ませた早希は酒のつまみとなる幾つかの料理を運んできた。
「美味しそうですね」
「ホントに簡単な物ばかりだけどね」
次に冷蔵庫から缶ビール二本を手にして戻ってくると、片方を優樹に渡して彼の隣に腰を下ろす。
二人が缶ビールを開ける子気味のいい音が響く。
「それじゃあ――」
揃って缶をわずかに掲げ、「乾杯!」と声を合わせた。
◇
飲み始めてからしばらく経った。二人とも缶ビールの二本目を開けて、それを半分ほど飲んだ辺りだ。
優樹はさらに一口飲もうとしながら早希の方に目をやると、彼女はご機嫌な様子で食事を楽しんでいた。
「ん~……ふふっ♪ んぐんぐ、ぷはぁー!」
そんな早希を見ていると自分まで幸せな気分になる。優樹は何気なく見ていたが、その視線にようやく彼女が気付いた。
「な~に~どうしたの~?」
――ふにゃふにゃ可愛い。
「いえ、そんな風に酔ってる早希さん見るの久しぶりだなって思って」
「そうだっけ~?」
「普段なら二本ぐらいでそこまでならないじゃないですか」
彼の言う普段とは、仕事帰りに居酒屋など外で飲んでいる時の事だ。
「まぁ優樹君とこうして家でゆっくりするのなんて、正月休み以来だもんね~」
「正月休みの後もあんまり二人の休み被らなかったですもんね」
「だから今日と明日は、思いっきり優樹君とイチャイチャするもんね~っ!」
彼女はそう言ったかと思えば、少しだけ残っていたビールを一気に飲み干す。それから立ち上がった早希は、キッチンには向かったものの、そのまま冷蔵庫の前を通り過ぎた。
その様子を優樹は不思議そうに見つめる。
「忘れないうちに~……はいっ」
戻ってきた彼女の手には綺麗にラッピングされた小さめな箱。それが何かは優樹もすぐに分かった。
「やっぱり今年もチョコくれるんですね。それも手作りの」
「当然でしょ~。それとも、もういらない?」
「まさか。早希さんから貰えるの、凄く嬉しいんですから」
「ふふっ、そう言ってくれて私も嬉しい!」
優樹はチョコを受け取るとすぐに箱を開ける。中には一口大のチョコが数個入っていた。それを一つ取って口に入れる。
「どう?」
「甘過ぎず、かと言って苦くもない……僕好みの甘さで美味しいです」
彼が感想を述べると、にこにこしていた早希の表情がさらに緩む。
「んふふ~。まぁ伊達に何年も付き合ってないからね~」
彼女はそう言いながら優樹に抱き付く。お酒の匂いがするが、それと同時に早希の甘い香りが彼の鼻孔をくすぐった。
「完全に甘えモードですね」
口にしながら彼女の髪を撫でると、それが気に入ったのか、早希は頭をぐりぐりと優樹の身体に擦り付ける。
かと思えば、早希は顔を上げて彼の唇に一瞬だけキスをした。
「ちょっと甘いね」
「……チョコ付いてました?」
何とも言えない表情で優樹が尋ねるが、彼女は「ううん」と首を横に振る。
「チョコは付いてないよ」
「それは良かった」
「あ、いい事思い付いちゃった~」
「いい事……?」
早希はチョコが入っている箱の中から一つを手に取ると、そのチョコを自らの口に含んだ。
「ひょれふぁあゆうひふん、いふよぉ~」
「え――んんっ!?」
口にチョコを含んだまま彼女は優樹に口付けすると、同時に舌でチョコを押し込む。驚いた彼はわずかに身体をびくりと震わせたが、舐め合う舌の感触とそれによって溶けるチョコの甘さに、そのまま早希の舌を受け入れていた。
「はぁ、ん……」
「ちゅ……れぅ……」
チョコは完全に舐める舌の熱で溶けきり、二人は互いに甘くなった唾液をすすり合う。
それから、どちらからともなく口を離すと名残惜しさを表すように、二人の間に唾液の糸が繋がれていた。
「……いきなり何してくれてるんですか」
目の前で煽情的な表情を見せる早希に問いかける優樹。それに彼女は舌なめずりをして見せる。
「ん~、チョコって媚薬作用があるって言うじゃない? だからそろそろ優樹君をやる気にさせようかな~って思って?」
「確かにそんなのはありますけど……って事は今ここでしてもいいんですか?」
あえて挑発に乗るように言う。それに彼女はニッと笑った。
「残ってる料理をしまってからね♪」
――あぁホント、こういうところでも勝たせてくれないなぁ……。
テーブルの上の物を片付け始める早希にそんな感想を抱きながら、優樹は缶に少しだけ残っていたビールを流し込んで彼女を手伝うのだった。
◇
片付けを終えた二人は寝室へと移動していた。
「それじゃ、始めよっか?」
早希はそう言いながら優樹に向かって両手を広げる。
「改まってするってなると、なんか変な感じしますね……」
「だって、あのまま残った料理とか置いとけないでしょう?」
「それはそうですけど」
「そ・れ・よ・り・も……♡」
優樹をベッドに座らせた早希は彼の膝の上に対面で乗り、そのまま両腕を優樹の首の後ろへと回して抱き付く。
「私の方もそろそろ、したいんだけどな~?」
にぃっと笑みを浮かべる彼女。その表情に彼は息を呑んだ。
その瞬間、早希は再び彼にキスをする。
「ちゅ……ん……」
「んんっ……早希さ……」
さっきと同じチョコの甘さをわずかに感じながら舌を絡ませていく。お互いに吐息を漏らしながらその舌先でねぶり、吸う。
その熱に浮かされた優樹は、右手で早希の胸に触れた。
「んっ……」
彼女もそれが当然の事であるかのように受け入れ、キスと同時に胸を揉まれる感覚に甘い声が漏れる。だが、早希は唇を離して一旦彼の手を止めさせる。
「服の上からじゃなくて直接、ね? 脱ぐから待って」
そう言って優樹の膝から降りた彼女は服を脱ぎ始めた。早希が脱いでいる間に、優樹もシャツやズボンを脱いでいく。
「ほら、触って?」
ブラを外した早希は彼の手を自身の胸に引き寄せ、優樹も言われた通りに彼女の乳房に触れた。
「ん……はぁ……♡」
胸の柔らかさを堪能するように優しく揉めば早希は悩まし気な声を出し、その反応に彼も嬉しさを覚える。
しかし優樹はまだ胸にある桜色の頂点には触れず、その周囲に指を這わせるのみだ。そのもどかしさを示すかのように、少しずつその先端部分が主張をし始めた。
「ね、ねぇ優樹君……」
中々そこを触ってくれない彼に、早希は催促するように名前を呼ぶ。それを待っていたかのように優樹は彼女の乳首に吸い付き、もう片方を指できゅっと摘まんだ。
「ひゃぁ!?」
両方の胸を強い刺激が一気に襲い、早希は堪らず身体をのけ反らせる。
「あっ……んんっ、そんなにしちゃっ……!」
「でも、随分と気持ち良さそうですよ?」
「だからって――あんっ!」
今度は反対側の乳首を舐める。それも一度だけではなく、舌でこねくり回すように。
「やっ、それぇ……!」
先程まで小さかった桜色の先端は刺激によってぷっくりと膨れ上がり、いやらしくその存在をアピールしている。
優樹はまだ胸への責めを続けようとするが、早希は待ったをかけた。その声に彼は口を離すが、まだ両手で乳房をやわやわと揉むのは止めない。
「今度は私が、優樹君を気持ち良くしてあげるっ!」
胸を責められた仕返しをするかのように、彼女はそう言って優樹の下着の上からその熱くなった剛直を撫でる。
「うっ……!」
「ふふっ、優樹君もこんなに大きくしてるじゃない」
早希は彼の下着を脱がせ、そそり立つ肉棒をそっと握った。しかしそのまま手を動かす事はせず、彼女はペニスに顔を近付けるとすんすんと臭いを嗅ぐ。
「ん、はぁ……ホント、この濃いオスの香り嗅いでるとくらくらしちゃう♡」
舌なめずりをする早希に優樹の陰茎はさらに硬度を増す。
「まずは――」
彼女が裏筋をペロッと舐め、それに思わず彼のモノはびくりと反応を見せた。
「あはっ♡」
優樹の反応に気をよくした早希は続けて鈴口にキスをする。口付けと同時に溢れ出たカウパー液を吸い、その周囲をチロチロと舐めていく。
それからまた何度か続けて亀頭にキスした後、今度は下から上へ裏筋を舐め上げた。
「早希さ――あぁっ!」
さっき彼にやられたのと同じように、優樹が声をかけた瞬間、早希は舌を這わせたまま肉棒を口で咥える。
ビクンと優樹の腰が逃げそうになるが、彼女は両手を彼の腰へ回して逃げられないようにした。
「ちょ、それは……ぐぅっ!?」
――さっきのお返しっ!
彼の制止する声も無視してフェラチオを始める。
歯を当てないように気を付けながら、ぢゅぽぢゅぽと動かし優樹のペニスを責めていく。じわじわと舐められていたところに突然強い刺激を受け、優樹も一気に射精しそうな感覚が込み上げてきた。
「そんなにされたら出ちゃいますっ!」
「らひへも、んっ……いいよ? 全部飲んであげるから」
一度口から離してそう言うと、また少し彼の肉棒が硬さが増した。
「出す時に私の頭、掴んでもいいからね」
そうしてフェラチオを再開する早希。それも止める前の、射精させようとする勢いのものだ。
「う、あぁっ……!」
出さないように堪えていた優樹だったが、再び浴びせられた快感に自然と手が彼女の頭へと延びてしまう。そのまま押さえると同時に、彼の剛直がドクンと震えた。
「んぐ……んっ……!」
びゅるびゅると早希の喉奥に精液を吐き出すと、彼女も迷わずその脈動に合わせて飲み込んでいく。しばらくして射精を終えた肉棒を吸い、中に残った精液も飲んでから早希は口を離した。
「けほっ……ん、いっぱい出たね♡」
「……なんか、簡単にイかされたの悔しいです」
「でも、まだまだいけるでしょ?」
早希はそう言って、再び優樹の陰茎に一つキスをする。
「それはまぁ……」
「ま、さっき途中で止めた上に優樹君の精液も飲んだから、私もこっちが疼いちゃってるんだけど」
彼女は下腹部に手を伸ばして、さらにその先の陰部を自分の指で触れた。
「ほらこの音、聞こえる?」
軽く撫でるだけでくちゅくちゅと水音がする。
「はぁ、はぁ……♡」
次第に早希の息が荒くなっていく。その様子に、優樹の肉棒もさっきと同じ硬さを取り戻していた。
「優樹君も触って?」
その言葉に従うように、優樹も彼女の性器へ手を伸ばす。
――凄く熱い……。
少し触れただけで指に絡みつく愛液。彼はそのまま早希の蜜壺に指先を挿れる。
「んっ……!♡」
彼女の膣内は入ってきた優樹の指を、それがまるで待ち望んでいた彼のペニスであるかのようにきゅうきゅうと締め付けた。優樹が指を動かせばぐちゅぐちゅと音が聞こえ、その快感に早希の声が漏れる。
指を引き抜くと、纏わり付いた愛液が膣穴と繋がっているのが見える。
「……早希さん、挿れてもいいですか?」
「ふふ、優樹君も我慢出来なくなっちゃった感じ?」
「これだけいやらしいの見せられたらそうなりますよ」
彼の言葉に早希はにぃっと笑みを浮かべると、準備してあったコンドームを手に取った。そのまま彼女は慣れた手つきで優樹のペニスにゴムを被せていく。
「それじゃあ……シよっか♡」
先程と同じように、早希は優樹の膝の上に乗る形――対面座位で肉棒を自ら膣内に挿入する。
「んっ♡ はぁ♡」
「入れたばっかなのに締め過ぎですよ……っ!」
「そんな事、言われたってぇ……♡」
ペニスを挿れた瞬間に早希の腰が自然と動き、膣肉全体が彼の陰茎を撫で上げた。
フェラチオで一度も射精せず、さらにコンドームを付けていない状態であれば、すぐにでも吐精していたであろう。それ程までに強烈な刺激がゴム越しに優樹を襲っていた。
それは早希も同じなようで、
「あっ♡ これっ、生だったらすぐイっちゃいそう♡」
ぐりぐりと腰を前後に動かしながら、彼女も強い快感に表情が緩んでいる。
「ぐ、っ……!」
優樹はまず先に彼女をイかせようと身体を揺すって、早希の弱い部分を突く。
「ゆ、優樹君っ♡ それっ、ダメぇ!♡」
それ程大きく動いてはいないのだが、彼女の膣穴が相当濡れているのもあり、結合部からぬちゃぬちゃといやらしい音がする。
「そこっ、ぐりぐりされるの弱いからぁ!♡」
「さっきのフェラのお返しです! ほらっ、イっていいですよ!」
逃げないように早希の腰を掴んで彼女を絶頂させる為に動く。
「んぃ♡ イ、イっちゃ――」
ぐちゅり。と彼のペニスが最奥を一突き。
「――~~~~~~っ!♡」
突然の絶頂に彼女は声にならない嬌声を上げ、その刺激に耐えるかのように両腕を優樹の首の後ろに回してしがみ付いた。
「う、く……」
優樹も早希の絶頂によって肉棒がぎちぎちと締め付けられるが射精しないようになんとか耐える。
「はぁ、はぁ……優樹君の意地悪……」
「さっきのお返しだって言ったじゃないですか。お相子ですよ」
抱き付かれていて顔は見えないが、彼女の「むぅ~」という声から察するにむくれているのは優樹も分かった。
「そんな可愛い反応されるともっとやっちゃいますよ?」
そんな事を言いながら彼は再び腰を動かす。
「ちょ、優樹君、待って待って」
早希は慌てて優樹を止めると、そのまま膣穴からペニスを抜いて離れた。
「え、ちょっと早希さん?」
「そんな悲しそうな顔しなくても、ちゃんと続きはするから」
彼女はそう言うとベッドへと寝転がる。
「ん、ほら……今度はこれで――」
優樹に向かって誘うように自ら蜜壺を指で広げて見せた。
「来て♡」
それに彼も笑みを浮かべて早希に覆い被さる。
再び彼女の膣穴に剛直を宛がう優樹。しかしそのまま挿入せず、焦らすように動かす。
「んっ♡ 優樹君早くぅ♡」
「分かりました……よっ!」
「ん゛ひぃっ!?♡」
焦らしてから最奥まで一気に突くと、待ちわびていたかのように早希の膣肉全体がペニスを締め付けた。
その感覚に優樹にもゾクゾクと快感が走る。だが彼は腰を打ち付けていく。
「あっ♡ 気持ち、いいよぉ♡」
「僕も気持ちいいですっ!」
そう交わした二人は互いに顔を近付け、舌を絡めたキスをする。
結合部からは一突きする度にじゅぷじゅぷと音が漏れ、それに合わせてきゅっきゅっと早希の膣内が反応を返す。
「優樹君っ♡ 優樹、くんっ♡」
次第に彼女は手足を優樹の身体に絡み付かせていく。
抱き合いやすいようにお互いが身体を密着させれば、その分ペニスが膣穴を深く刺激する。膣内で暴れ回る肉棒に早希は何度か軽い絶頂が続いていた。
「早希さん……僕、もう……!」
常にペニスを締め付ける膣肉に、優樹も限界が近付いてくる。
「い、いいよっ♡ 好きな時に、出してっ!♡」
「う――くぅっ!」
最奥を突くと同時に彼の剛直がびゅくびゅくと精液を吐き出す。二度目の射精だがその勢いは衰えないどころか一度目よりも多く、そして長かった。
「はぁ……はぁ……」
「ん……ゴムしてなかったら確実にデキちゃってるかも……♡」
「ふぅ……そういう事言うの、反則ですよ」
「ふふ、またシたくなっちゃう?」
悪戯っ子のように笑う早希。
優樹は彼女にキスをしてペニスを抜く。広がった膣穴から、精液が溜まって膨れたコンドームの先端部分が遅れて引き抜かれる。
「さっきよりも沢山出たね♡」
そう言ってゴムを外した陰茎――その亀頭にキスをした早希は、そのまま奥まで咥えてお掃除フェラをする。
「――ってちょっと早希さん! それ明らかに勃たせるフェラですよね!?」
「……えへ♡」
優樹の言葉に誤魔化すように笑う彼女だが、ペニスを扱く手は止めずにいた。その事もあり、再び硬さを取り戻していく剛直。
「優樹君、もう一回シない?」
どうやら早希の方が我慢できないらしい。
「……ゴム、まだありましたよね」
「うん、いっぱいあるから沢山出来るよっ♡」
新しいコンドームを取り出す彼女に、優樹は苦笑いを浮かべるしかなかった。
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