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迷子の子猫
しおりを挟むオレは猫が好きだ。三度の飯より大好きだ。
優美な肢体につやつやの毛並み。
クールで気まぐれでときには甘えん坊という、つかみどころのない性格。
その「自由」を体現した存在そのものがたまらない。尊い。愛しい。美しい。萌え~なのだ。
実家にいた三毛猫のアンを筆頭に、野良でも血統書付きでもどんな猫でも愛せる自信がある。
前世はおそらく猫だったんだろう。
来世もきっと猫になると確信していた。
だから見知らぬ森の中で猫の姿になっていても、べつだん驚きはしなかったのだ。
え? ここどこ? と思いながら近くの小川にて自分の姿を確認し、あれオレ猫になってんじゃん、ラッキー♪ なんて軽く考えたりして。
しばらく小川でパシャパシャ水遊びをしたり散策したり、見たこともない草木や花のにおいを嗅いだりしてたら腹が減ってきて。
けれどもいざ探してみると猫のオレに食べられそうなものはなにもなく……。
あらためて小川をのぞきこんでも小魚一匹見あたらない。水は澄んでて透明度は高いきれいな川なのに…なんで?
そういえば鳥の鳴き声もしないし、リスやネズミなど小動物の気配もない。虫も見てない。聞こえるのは風に揺れる木々のざわめきだけ。つまり生き物の気配がまったくしないのだ。
…え、これ変じゃね?
だんだん嫌な予感がしてきた。
生き物がダメなら植物は? と、木の実やキノコ類を探したけど、見つけられたのは真っ赤な傘に黒い水玉模様の、見るからに毒々しいキノコばかり。
都会育ちのオレでも、食べられる野生のキノコってのは、たいていが茶色系の地味なものだって認識はある。料理しないから名前はあやふやだけど。カラフルなやつはだいたい食べちゃいけないやつだよな。でも他にめぼしい食料は無く。
毒キノコのまわりをぐるぐる歩きながら葛藤した。
さすがにこれはヤバイやつだよな? ちょっと色がな~微妙だな。腹へったな~。どうしよ。少しくらいなら大丈夫かな。くんくん。うん。においはとくに無い。目をつぶれば全然食べれそう。…え? 食べ…ちゃう? 食べてみちゃう? えー……。ほかに食べれそうなものは見つからないし…いってみる?
なーんてことをぐだぐだ考えていたら、とつぜん後ろのしげみがガサッと音をたてた。完ぺきに油断してたからビックリして飛び上がっちゃったよ!
もしかして食料!?
バッと振り返ったその先にいたのは小動物──ではなかった。え、うそ。
期待にふるえたオレは、今度は恐怖にふるえあがった。瞳孔がくわっと広がるのを感じた。マジで。
しげみから現れたのは真っ黒い大きな狐みたいなやつだった。
狼より大きくて、でも鼻面はもっとシュッとしててイヌってよりはキツネっぽい。だけどもとんでもなく大きかった。いやオレいま猫だからそう感じるだけなんだろうか。てか、黒い狐っていたっけか? うなり声もなんかオドロオドロしいし……わわ。こっち来んなよ!
猫らしくフーッと勇ましく威嚇して追い払えたらよかったんだけど、オレはただただ震え上がってその場に臥せっているしかできなくて。ヤツがそろりそろりと近づいてくるのをガタガタ震えながら見ていたんだ。…ビビりすぎて腰が抜けちゃったんだよ。足に力がはいらなくてさぁ、逃げたいのに逃げられないんだよぉおお!
そうこうしてる間にヤツはもう目の前にいた。オレからはリーチが短くて届かないけど、ヤツはオレを片手(片前足?)でなぎ払えるような距離。射程圏内というやつだ。絶体絶命。もうだめだ。オレはいまヤツのキルゾーンの中にいる。
…終わった。猫である喜びを噛み締めていられたのは一瞬だった。オレの人生…じゃなかった、猫生のなんとあっけないことよ。
絶望を感じ取ったのか、ニタリとヤツが笑った。残虐性がうかがえる嫌な感じの笑みだ。
うなり声が一層強くなり、至近距離での重圧にオレはブルッた。いやブルッと体がふるえたのはちびったせいかも。チョロっとではなく結構な量が出ちゃったのは、暖かいものが下半身らへんの地面に広がる感覚でわかった。恥ずかしいけどでもしょうがないよな? 死の恐怖を感じてたんだからさ。羞恥心なんて微塵もない。そんな余裕はない。
するとヤツはクンクンと鼻をならし、ずいッと身をのりだしてオレの匂いをかぎはじめた。
わぁっ、鼻があたった!
恐怖に固まるオレ。息を呑むあまり震えもとまった。
ぐるりと体まわりを一周され、下半身は特にしつこくクンクンされた。ヤツの威嚇のうなり声もやんでいた。かわりに、ハッハッハッハッと浅い呼吸音。なんだか忙しない。んん? 腰の辺りに違和感が…。固い木の棒かなんかがゴリゴリあたってる。
なんかこれって…。もしかして…?
嫌な予感にふるえるオレに、ヤツはズシッと背中から覆い被さってきて。
押さえつけるようにうなじをくわえられ、予感は確信に変わった。まるで天の啓示のようだった。
オレのことモグモグ食うつもりからそっちの食うに路線変更したのね! と……
えええええぇぇ?
そ、そうなの?? おまえそっちなの??? オレ男…じゃなかった、オスだけどもそこは気にしないわけ? え、てか気にして? オス同士とかオレはめっちゃ気になるよ!? それにサイズ感! 全然合ってないからッ、無理だから!! どう見たって入らないでしょうよ! って実際オレは見てねーけども! 気づいて! あぁでも待てよ、やっぱやーめたっとなったら今度こそオレの猫生終了なのか? 貞操と引き換えに命が助かるならめっけもん、なのかっ??
またいつものような葛藤が、今度は口に出ていたらしい。
マーオ、マーオと情けなくも怯えた鳴き声がひっきりなしに喉からほとばしる。
くわえこまれたうなじの辺りが、ヤツの呼気でじっとり湿ってきた。
間違いない。オレの怯えを感じとり、ヤツはますます興奮していってる。そうとわかっていても体の震えと鳴き声がとめられない。
もう自分ではどうしようもないのだ。この状況のなにもかもが手に負えない…。
もうオレ無理ィィィ!
誰か助けてぇぇ、誰でもいいからあッ!
マァァァオオ とひときわ大きく鳴き叫んだ時だった。
ガウッガウッ、と別のケモノの威嚇音が耳に飛び込んできた。
ドッと横から体当たりされて、オレに覆い被さっていた黒狐はあっけなく吹っ飛ばされた。もちろん非力なオレも道連れだ。うなじを噛まれて固定されてたからさァ。二匹揃って地面をザザッと横滑った。めっちゃ痛い! ちくしょう黒狐の野郎、いきなり攻撃食らってもオレのこと離さなかったんだよ。けっこうな衝撃だったのになんという執念。…っていうか、なんだなんだ? 何が起きたんだっ?
四つ足で起き上がる黒狐。鼻面にぶらさがるオレ。その目の前には銀色の狐…? じゃない。もっと犬っぽいからきっと狼だ。そう、銀色の狼が立ちはだかっていた。
ええぇ、なんかさらにデッケェ……。
銀狼は黒狐よりさらにひとまわり大きかった。うなり声も迫力がある。でも、黒狐もひるんでなかった。オレを口に咥えたまま負けず劣らずのうなり声。器用だな。…なんてのんきに感心してる場合じゃない。
これは一体どういう状況なんだ?
両者にらみ合いの息詰まるような状況のなか、必死で考えを巡らせる。
銀狼はオレを助けてくれるのか、それとも、エサとして横取りして食うつもりなのか。
狼って肉食だよな。ってことは、黒狐から助けてもらえたとしても「ありがとう、じゃ!」とはいかないよな? 結局は黒狐にヤラれるか、銀狼に食われるかのだっちかなわけ? どっちも嫌なんですけど!!
オレの苦悩はさておき、両者…じゃない、両獣はうなりあったまま相手の出方をうかがうばかりでなかなかアクションをおこさない。こういうのって、先にガオッと手を出した方が負けるとかあんのかな。平和主義を地でいくオレには喧嘩のセオリーはさっぱりだ。
でもオレを口に咥えたままの黒狐のほうが身動きがとりづらくて不利だよな?
銀狼のほうが体も足も大きく、牙も鋭く尖っているんだから先にガオッとしても大丈夫な気がするんだけど…。何をためらっているんだろう。
その時、銀狼がウォフッと一声吠えた。威嚇音とは別の落ち着いた声色だった。黒狐もオレを口に咥えたままケンッと吠えた。いやほんと器用だな!
声色同様殺気をおさえて落ち着いた雰囲気の銀狼と、かなり不機嫌そうな黒狐の間でしばらくウォフッとケンッの応酬が続いた。
いつの間にかうなり声も毛が逆立つような緊張感も消えている。
え、なにこれ。もしかして話し合いとかしてるわけ? 獣なのに? さっきあれだけ睨みあってたのに一体なんで……。てか、オレだけ何言ってるかわかんないとかなんか不公平じゃね?
つまりあれか? こういうことか?
銀「いやがってるだろう、無理強いはよくないな。ウォフッ」
黒「うるせー、テメェにゃ関係ねぇだろ。ケンッ」
…みたいなやりとりをしてるのか? コイツらは。
少女漫画にありがちな展開だよな。いや、オレら全員オスだしむしろBL的ストーリーか?
まぁ、どっちにしろオレの立ち位置だったらセリフは決まってる。
「やめろよふたりともッ。っていうかそもそもオレ男だし…女扱いすんなよ!」
と、威勢よく言ったつもりだった。なんなら顔もキリッとさせた。
けど。
オレの口から出たのはニ~とかミ~とかいう甘ったれた声音。っていうか美声…! それどころじゃないってのにあまりの歓喜に体がふるえたよ。猫好きにはたまらない子猫ヴォイス! あぁッ。
自分で自分の声を絶賛していたその時、それまで黒狐にばかり意識をむけていた銀狼とまともに目が合った。
途端。体がブルッとふるえてボッとしっぽが太くなった。
オレじゃない。黒狐でもない。銀狼だ。
こらえきれないといったていで銀狼が遠吠えをした。すさまじい声量だった。おまけに長い。
銀狼を中心に強風が発生し、木々がいっせいにざわめいた。枝はもちろん幹をも揺らすほどの圧迫感に、木の葉が渦を巻いて乱れ飛ぶ。おぅふ。なんという肺活量……てか、耳がきーーんってして痛い! うう、木の葉が顔にピシピシ当たるよ。オレは必死で前足でガードした。
すると、ただでさえ大きかった銀狼の体がぐんぐん膨らんでいき…あれあれ? なんか胸板も厚くなった? 毛もふさっと長くなってない? 優雅に風になびいているよ。全体的にキラキラ輝いてるし、太ももあたりの筋肉も盛り上がって……ええ? なんかパワーアップした!?
黒狐との体格差はもはや歴然だった。馬と大型犬くらいだったのが、ゾウと中型犬くらいになり…。ん? 黒狐おまえちょっと縮んだか? さっきまでプランプラン揺れていたオレの両後ろ足が地面に接してる。
ちらりと上目に見やると、黒狐はあきらかに戦意を喪失していた。腰が引けブルブルふるえている。オレをペッと吐き捨てると、ケンケーーンッと叫びながら木立の中に消えていった。
さしずめ「ごめんなサーーいッ」ってところかな?
地面に打ち捨てられコロリと転がったオレは、その態勢のまま、呆然と銀狼の巨体を見上げた。
あらためて見てもデカイ。そしてなにやら煌めいていて神々しい…。
黒狐のすがたが見えなくなると銀狼は遠吠えを終わらせた。気がすんだのだろうか。……てかオレこれからどうなんの? おまえはおれをどうするつもり?
見上げるオレと見下ろす銀狼。しばしの無言。
すると、ウォフ…と銀狼が何か言った。優しい声だった。オレに対する語りかけのようなのだが、やっぱりオレ的にはただのウォフで。
ごめん、なに言ってるかわかんないや…。
寝転んだまま「ミ~」と鳴いて首をかしげて見せると、銀狼のふっさふさのしっぽがゆらりと揺れた。
ん? ふたたび首をかしげるオレ。見下ろす銀狼。間違いない。銀狼のでっかいしっぽがゆらゆらしている。
え。何事? …まさか。オレ気に入られてんの? ほんとに助けてもらえたのか?
まだ半信半疑だったけど、だったらオレのすべきことは決まってる。
全力での感謝アピールだ。
助けてくれてありがとう。ほんとにありがとうっ。オレもうダメかと思って絶望してた。気づいたら見知らぬ森の中にいたんだけど、オレにはここがどこだかさっぱりわかんなくてさ。小川で水は飲めたけど、食べ物は見あたらないし捕まえられそうな動物はいないし、この森いったいどうなってんの?
ミ~ミ~ニ~ニ~
オレは魅惑の子猫ヴォイスを連発した。これでもかというほど銀狼に浴びせてやった。
とにかくここは全力で可愛いアピをすべきだ、とオレの生存本能も力説してるし。
やっぱり銀狼もオレが何を言ってるかわからないのだろう。しばらく神妙な面持ちで耳を傾けてくれていたのだが、そのふさふさな耳を少し下げて首をかしげてきた。心なしか困ったような申し訳ないような顔。でっかい図体にしおれた雰囲気。…ちょっと可愛い。
やっぱりダメか…。
あぁ…。オレはうなだれた。
危機的状況を回避できた安堵からか、また空腹感がもどってきた。くぅぅ、と腹の虫が鳴る。小さな音だったけど、ピピッと銀狼の耳が揺れた。やだ聴こえちゃった?
そうなのオレ腹減ってんの。なにか食べたいの。食べ物。わかる?
ふたたびミ~ミ~鳴いて見せると、しばし考え込む様子の銀狼。そしてなんと。その巨体がしゅるるるると縮みはじめたではないか。
おおお? と目を見張っていると、とつぜんパアッとまばゆい光。思わずギュッと目をつむるオレ。
光は一瞬だった。おそるおそるまぶたを開けると、銀狼はすがたを消していた。代わりに男が一人立っていた。
銀髪ロン毛の長身美丈夫である。
紺色の燕尾服っぽい上着に白いズボン、膝下まである黒のロングブーツ。腰には細身の剣…。
すわ王子か騎士かといったていの超絶イケメンである。
銀狼を擬人化したらそうそうまさにこんな感じ……。ん? 頭の上のあれはケモ耳か? まさかと下を見ればやっぱり尻尾もついている。
つまりそういうこと?
BL的ストーリーのこれは、いま流行りの獣人じゅうじんものだったってわけ? え? なんでそんなに詳しいのかって?
オレ人間だったころ姉貴が二人いたんだけど、二人揃って大の漫画好きでさ。少女漫画もBL漫画も本棚にわんさかあってだね。後学のために読んどけといろんなもの押し付けられたんだよね。
イケメンはオレをそっと抱き上げた。
「私はアラン。この森の管理者だ。君は…迷子か? どこから来たんだ?」
よかった。今度は銀狼…改めアランがなにを言ってるかわかった。まさに王道的展開……。
どこから来たのかって? それはオレも知りたい。ここが地球じゃないことだけはなんとなくわかるけど…、昨日オレ何してたっけ? なんも思い出せない。
猫のオレ、名前はなんだろ。前世の記憶としては博己ひろきって名前だって思ってるけど、猫としてのオレはなんて名前だ? てか、野良猫ってみんな名前持ってんのか? その場合、誰が名付けるんだ? うーん。うーん。わからん。まぁわかってたとしても言葉が通じないみたいだから意味ないけどな。
とりあえずアランの質問をスルーするのは失礼だよな。いいやつっぽいし。
返事のつもりで「ミ~?」と首をかしげてみせると、アランの頬ほほがほんのり赤くなった。ハハ。なんだ?
しっかしテンプレ通りの美声だなー。穏やかな口調には理性の響き。さぞ女にモテるんだろーなー。憂いに満ちた風情もなんかセクシー? に見えてきた。あれ、オレ何考えてんだ。うーん。間が持たん。とりあえずまた「ミー」と鳴いてみる。
「そうか……」とつぶやいたイケメン・アランはしばし物思いに耽っていたが、オレの両脇をつかんで目の高さを合わせてきた。なにやらひとりで納得した様子。野良認定されたのだろう。お? この流れはもしや?
「行くところがないならうちへこないか?」
やっぱそうきた? あぁ、やったァ、よかった! 行く行く行きます。オレに否いなやはねぇ!
「ミ~♪」と上機嫌に鳴いて見せると、アランはとろけるような笑顔で頷いてくれた。どうやら気持ちは伝わったようだ。
会ってまだ一時間にも満たないけれど、オレはアランを信頼した。飼われる気満々だった。
だってこいつ絶対いいやつじゃん?
安直すぎるかもだけど、野良猫を保護するやつに悪いやつはいないよな?
こんだけ身なりがいいイケメンだし、理知的な風貌には好感しかないし、住んでるとこだって裕福な家に決まってる! なにより清潔感がある。元日本人のオレ的にはソコ一番大事だから!
ふたたび懐に抱き込まれる。歩きだすアラン。心地よい揺れにオレの尻尾もリズミカルに跳ねる。
大きな手が耳のあたりを優しく掻いてきて、オレはうっとりと目をとじた。
まだお腹は減ってるはずだけども、幸福感が半端なくて。ご飯なんかどうでもよくなってきたし。
勝手にのどもゴロゴロ鳴り出して。気づいたアランが立ち止まり、ほおずりしてきた。お返しにオレも額をこすりつけてやった。うりうり。は~、幸せだな?
※※※※※※※※※
こうしてオレはアランの家の猫こになった。
家っていうか、城? だったんだけど。まぁ掃除するのはオレじゃないし、広い方が探検のしがいがあっていいよな、ってことでその辺はあまり気にしない。
衣食住の礼に、せいいっぱい主人アランの癒しに貢献する。ただそれだけだ。
アランとは仲良くやっている。と思う。オレ的にはだけど。
多忙なアランが城にいるときは、会議中だろうが食事中だろうが常にそばにいることを求められた。正直うっとうしいときもあるけど…なるべく我慢して付き合ってやってる。もちろん寝るのも一緒のベッドでだ。あんなにイケメンなのにまだ独身みたいだし、ひとり寝が寂しいのか? 可愛いやつ。
でもたまに、二人きりの時にアランがせつなそうな目でオレを見るとか、熱に浮かされたようにキスを浴びせてくるとかがあるんだ。なぜ人型にならないんだ? とか、君に私の名前をつけたい、とか。
………意味がよくわかんないんだよね。だってオレ猫だし。難しいことは好きじゃない。
そんなこんなでスルーしていた、アランの口からたまに出る「私のツガイ」ってのの意味を知る日がそのうちくるんだけど………それはまた別のおはなし。
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