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不倫サイト〜若妻の戸惑い〜
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「カワイイですね……」
彼は、軽く指先へ触れながらネイルを褒めてくれた。
サロンでネイリストに頼んだり、特別に気合いを入れて仕上げたわけでもなく、いつも外出時に塗っているベースコートに少しシールを載せただけで、そんなに目を惹くものではない。それでも、奈津美は嬉しかった。
「…ふふっ…」
ついつい、間抜けな笑い声を漏らしてしまう。初対面の相手に触れられたことよりも、ネイルを褒められて嬉しくなったことの方が恥ずかしかった。
「カワイイです……」
どういうつもりで彼がそう言ったのかは解らなかったが、素直に口を吐いて出たのは、自然な言葉だった。
「…ありがとうございます…」
彼は、タナカだと名乗ってはいたが、おそらく偽名だろう。しかし、それは奈津美の方も同じだった。本名は別にある。
どこの誰ともわからない男性とホテルの部屋に二人きりで、ぎこちなく言葉を交わしている自分は、とても嘘くさいと思った。
(でも……)
奈津美の手は握ったまま、同じソファに間ひとつ空けて座っていた彼が、少しからだを寄せてくる。彼は俯いて、彼女が膝の上へ揃えて置いた両手の指先を見つめていた。
奈津美も、自分の手を握った彼の手と顔を交互に見つめる。何を考えているのかまではわからなかったが、彼の穏やかな表情に、気分が少しほぐれたような感じがした。
一瞬、彼が顔を上げて、こちらへ視線を向けた。目が合うと、彼が同意を求めるように微笑しながら首を傾げ、それに応えるように奈津美も静かに頷く。
(何だろう、この気持ち……)
視線を外さず、彼は、奈津美の左の親指に触れ、ゆっくりと摩りながら、さっきよりもさらに、からだを寄せてきた。
(こんな気持ちになるなんて……)
キレイに整った彼の顔が、すぐ目の前まで迫ってきている。胸の前に覆い被さっていた髪を、両方の肩の向こう側へ、片方の手で順番にやさしく掻き撫でられ、奈津美は、鼓動が高まってくるのを感じた。
そっと目を閉じ、唇を重ねる。
彼女の肩を抱き寄せながら、彼は、短いキスを繰り返した。奈津美も目を閉じたまま、それに応じていく。
唇が離れ、しばらくして、奈津美は目を薄く開けてみた。彼の短く刈ってある髪が横の方へ動いていくのが見え、その刹那、首筋に彼の吐息を感じた。
「…はぁ…」
思わず、声を上げてしまう。奈津美は、ゆっくりと目を閉じた。
◇ ◇ ◇
「…ぅあっ…」
目の前に大きく開かれた両脚の間、既に溢れだした愛液で潤う奈津美のソノ部分へ彼の舌がするりと入ってきた。入り口に近い上側の壁を擦るように何度も舐めあげられる。
「…ぁは…ぅん…」
結婚して二年になるが、こんな風にして貰ったことは今までに一度もなかった。夫への奉仕は、当たり前のように求められるものの、奈津美の方からそれを求めたことはない。何の疑問もなく応じてきたし、何もしてくれないことに不満はなかった。
(そう思っていたのだけれど……)
奈津美の最も敏感な部分を舐めあげられる。
「…んぁ…はぁ…」
彼が、ソノ部分を舌先で突っつき、チロチロと小刻みに刺激してくる。同時に指が入ってきて、前の方のスポットへ届いた指の腹が、グリグリとソノ部分へ擦りつけられた。
「…ぅん…ぁは…あ…あぁ…」
奈津美は堪らなくなって、彼の腕を掴む。
「…もぅ…来て…くださぃ…」
彼は、手を突いて、からだを起こし、上目遣いに奈津美を見つめる。それに応えるように、彼女も彼を見つめ返した。
どちらからともなく、お互いに目を瞑って、何度も何度も唇を吸い合う。周りへ溢れた涎が纏わりついてしまうほど、激しく舌と舌を絡み合わせた。
◇ ◇ ◇
彼が、ゆっくりと入ってきた。
「…んぁっ…」
短く声を上げた奈津美のソコを、硬く膨れ上がった彼のモノが、じわじわと押し広げながら、奥の方へ挿し込まれていく。
「…うぁ…」
突き当たりまできたところで、いったん、彼は動きを止め、微かに身じろぎする奈津美の下半身に合わせて腰の位置と角度を調整した。
「…あぁ…はぁ…はあぁ…」
大したことはまだ何もされていない筈なのに、だらしなく半開きにされた奈津美の口からは、自然に吐息が溢れ出してしまう。
隙間なく、みっしりと満たされた充実感と、ソコから、じわじわと広がっていく快感が入り混じり、奈津美の身も心も掻き乱されていった。
(ダメ……どうして……こんなに……)
欲しい。もっと欲しい。もっと奥深くまで突いて欲しい。奈津美は、自分が求めていることが何なのかハッキリと自覚した。
見下ろす彼の両目を見つめ返し、縋りつくように、熱く言葉を絞り出す。
「…ねぇ…お願い…」
それに応えて、彼が動き始めた。
「…あぁ…ぅん…はぁ…」
じっとりと滲み出してくる愛液を、絡ませ馴染ませていくような、彼の緩慢な動きに、奈津美は身悶えした。
からだの奥底へ点火された炎が、なかなか周りへと燃え広がっていかない。焦ったさに苛まれ、奈津美はもう「そのこと」しか考えられなってきていた。
(来て、もっと来て……)
奈津美は、いきなり自ら腰を浮かせて、ソノ部分ごと、彼に押しつけていった。
「…はぁ…ぁはぁ…ぅん…ぁはぁ……」
呼び込んだ彼のモノが、奈津美の感じるポイントへ当たって、その度に、吐息まじりのいやらしい声が出てしまう。
しかし、奈津美の唐突で衝動的な動きは、彼のリズムとズレていて、上手く噛み合っていなかった。どうしようもなく、もどかしさを覚える。
(もっと気持ち良くなりたいのに……)
と思ったとき、彼が、奈津美に覆いかぶさり、背中へ腕を回しながら抱きしめ、からだを持ち上げようとしてきた。
「しっかり掴まってください……」
言われた通り、奈津美は、彼の背中へ両手を回し、力を入れてしがみついた。
彼は、自分と一緒に奈津美のからだを引き起こすと、両脚を投げ出してベッドへ横たわった。ソコは繋がったまま、奈津美を腰の上へ載せて、やさしく促す。
「好きなように動いてください……」
少し戸惑ったものの、彼の意図を理解した奈津美は、おずおずと動き始めた。
前庭の敏感な部分を彼の根元へ擦り付けると、同時に、彼のモノがソコへ出入りして、さらなる快感の波を生み出していく。
「…あっ…あぁ…んっ…ぅうん…」
奈津美は、夢中になって腰をくねらせていった。
(気持ちいい……こんなに気持ちいいなんて……)
夫とのセックスでは得られなかった、自らが求め味わう悦びに、奈津美は、微かな戸惑いを覚えながらも素直に身を委ねていった。
「…はぁ…あぁ…あんっ…ぅあぁ……」
彼が、奈津美の腰に手を当てて動きをサポートする。下からの適度な突き上げに応じて腰を振ると、前庭の敏感な部分と奥底の両方から、さらなる快感が湧き上がって、からだ中を駆け巡った。
「…あぁ…はぁ…ぁああああああっ…」
奈津美は、最初の絶頂を迎えた。
◇ ◇ ◇
彼は、先に部屋を出て行った。
契約では、二人でチェックアウトして食事することなども可能だったが、初めての利用ということもあって、そうしなかった。
ひとり、部屋に取り残された奈津美は、ベッドの端へ腰を下ろし、少し乱れたシーツを掌でなぞりながら窓の外を眺める。
あのあと、いくつも体位を変えながら、彼は、何度も何度も絶頂を味わわしてくれた。
言葉をかけられたのは数えるほどだったが、彼の視線や息遣い、掌や指先の感触、手脚や背中、抱かれた胸の温もり、奈津美の頭の中に残る「彼との記憶」を反芻した。
(何だろう、この気持ち……)
寂しさ? 単純に言えば、そうなのかもしれないが、ちょっと違う気もする。
切なさ? とまでは行かないだろう。「心の痛み」という感じでもない。
しばらく考えてみたが、ピッタリとした言葉は見つからなかった。
これから、自分は、どうして行けばいいのだろう?
そんなことは、わからなかったし、今は、どうでもよかった。
(もう少しだけ、ここに居よう……)
そう思って、奈津美は指先でシーツの端を撫でた。
(了)
彼は、軽く指先へ触れながらネイルを褒めてくれた。
サロンでネイリストに頼んだり、特別に気合いを入れて仕上げたわけでもなく、いつも外出時に塗っているベースコートに少しシールを載せただけで、そんなに目を惹くものではない。それでも、奈津美は嬉しかった。
「…ふふっ…」
ついつい、間抜けな笑い声を漏らしてしまう。初対面の相手に触れられたことよりも、ネイルを褒められて嬉しくなったことの方が恥ずかしかった。
「カワイイです……」
どういうつもりで彼がそう言ったのかは解らなかったが、素直に口を吐いて出たのは、自然な言葉だった。
「…ありがとうございます…」
彼は、タナカだと名乗ってはいたが、おそらく偽名だろう。しかし、それは奈津美の方も同じだった。本名は別にある。
どこの誰ともわからない男性とホテルの部屋に二人きりで、ぎこちなく言葉を交わしている自分は、とても嘘くさいと思った。
(でも……)
奈津美の手は握ったまま、同じソファに間ひとつ空けて座っていた彼が、少しからだを寄せてくる。彼は俯いて、彼女が膝の上へ揃えて置いた両手の指先を見つめていた。
奈津美も、自分の手を握った彼の手と顔を交互に見つめる。何を考えているのかまではわからなかったが、彼の穏やかな表情に、気分が少しほぐれたような感じがした。
一瞬、彼が顔を上げて、こちらへ視線を向けた。目が合うと、彼が同意を求めるように微笑しながら首を傾げ、それに応えるように奈津美も静かに頷く。
(何だろう、この気持ち……)
視線を外さず、彼は、奈津美の左の親指に触れ、ゆっくりと摩りながら、さっきよりもさらに、からだを寄せてきた。
(こんな気持ちになるなんて……)
キレイに整った彼の顔が、すぐ目の前まで迫ってきている。胸の前に覆い被さっていた髪を、両方の肩の向こう側へ、片方の手で順番にやさしく掻き撫でられ、奈津美は、鼓動が高まってくるのを感じた。
そっと目を閉じ、唇を重ねる。
彼女の肩を抱き寄せながら、彼は、短いキスを繰り返した。奈津美も目を閉じたまま、それに応じていく。
唇が離れ、しばらくして、奈津美は目を薄く開けてみた。彼の短く刈ってある髪が横の方へ動いていくのが見え、その刹那、首筋に彼の吐息を感じた。
「…はぁ…」
思わず、声を上げてしまう。奈津美は、ゆっくりと目を閉じた。
◇ ◇ ◇
「…ぅあっ…」
目の前に大きく開かれた両脚の間、既に溢れだした愛液で潤う奈津美のソノ部分へ彼の舌がするりと入ってきた。入り口に近い上側の壁を擦るように何度も舐めあげられる。
「…ぁは…ぅん…」
結婚して二年になるが、こんな風にして貰ったことは今までに一度もなかった。夫への奉仕は、当たり前のように求められるものの、奈津美の方からそれを求めたことはない。何の疑問もなく応じてきたし、何もしてくれないことに不満はなかった。
(そう思っていたのだけれど……)
奈津美の最も敏感な部分を舐めあげられる。
「…んぁ…はぁ…」
彼が、ソノ部分を舌先で突っつき、チロチロと小刻みに刺激してくる。同時に指が入ってきて、前の方のスポットへ届いた指の腹が、グリグリとソノ部分へ擦りつけられた。
「…ぅん…ぁは…あ…あぁ…」
奈津美は堪らなくなって、彼の腕を掴む。
「…もぅ…来て…くださぃ…」
彼は、手を突いて、からだを起こし、上目遣いに奈津美を見つめる。それに応えるように、彼女も彼を見つめ返した。
どちらからともなく、お互いに目を瞑って、何度も何度も唇を吸い合う。周りへ溢れた涎が纏わりついてしまうほど、激しく舌と舌を絡み合わせた。
◇ ◇ ◇
彼が、ゆっくりと入ってきた。
「…んぁっ…」
短く声を上げた奈津美のソコを、硬く膨れ上がった彼のモノが、じわじわと押し広げながら、奥の方へ挿し込まれていく。
「…うぁ…」
突き当たりまできたところで、いったん、彼は動きを止め、微かに身じろぎする奈津美の下半身に合わせて腰の位置と角度を調整した。
「…あぁ…はぁ…はあぁ…」
大したことはまだ何もされていない筈なのに、だらしなく半開きにされた奈津美の口からは、自然に吐息が溢れ出してしまう。
隙間なく、みっしりと満たされた充実感と、ソコから、じわじわと広がっていく快感が入り混じり、奈津美の身も心も掻き乱されていった。
(ダメ……どうして……こんなに……)
欲しい。もっと欲しい。もっと奥深くまで突いて欲しい。奈津美は、自分が求めていることが何なのかハッキリと自覚した。
見下ろす彼の両目を見つめ返し、縋りつくように、熱く言葉を絞り出す。
「…ねぇ…お願い…」
それに応えて、彼が動き始めた。
「…あぁ…ぅん…はぁ…」
じっとりと滲み出してくる愛液を、絡ませ馴染ませていくような、彼の緩慢な動きに、奈津美は身悶えした。
からだの奥底へ点火された炎が、なかなか周りへと燃え広がっていかない。焦ったさに苛まれ、奈津美はもう「そのこと」しか考えられなってきていた。
(来て、もっと来て……)
奈津美は、いきなり自ら腰を浮かせて、ソノ部分ごと、彼に押しつけていった。
「…はぁ…ぁはぁ…ぅん…ぁはぁ……」
呼び込んだ彼のモノが、奈津美の感じるポイントへ当たって、その度に、吐息まじりのいやらしい声が出てしまう。
しかし、奈津美の唐突で衝動的な動きは、彼のリズムとズレていて、上手く噛み合っていなかった。どうしようもなく、もどかしさを覚える。
(もっと気持ち良くなりたいのに……)
と思ったとき、彼が、奈津美に覆いかぶさり、背中へ腕を回しながら抱きしめ、からだを持ち上げようとしてきた。
「しっかり掴まってください……」
言われた通り、奈津美は、彼の背中へ両手を回し、力を入れてしがみついた。
彼は、自分と一緒に奈津美のからだを引き起こすと、両脚を投げ出してベッドへ横たわった。ソコは繋がったまま、奈津美を腰の上へ載せて、やさしく促す。
「好きなように動いてください……」
少し戸惑ったものの、彼の意図を理解した奈津美は、おずおずと動き始めた。
前庭の敏感な部分を彼の根元へ擦り付けると、同時に、彼のモノがソコへ出入りして、さらなる快感の波を生み出していく。
「…あっ…あぁ…んっ…ぅうん…」
奈津美は、夢中になって腰をくねらせていった。
(気持ちいい……こんなに気持ちいいなんて……)
夫とのセックスでは得られなかった、自らが求め味わう悦びに、奈津美は、微かな戸惑いを覚えながらも素直に身を委ねていった。
「…はぁ…あぁ…あんっ…ぅあぁ……」
彼が、奈津美の腰に手を当てて動きをサポートする。下からの適度な突き上げに応じて腰を振ると、前庭の敏感な部分と奥底の両方から、さらなる快感が湧き上がって、からだ中を駆け巡った。
「…あぁ…はぁ…ぁああああああっ…」
奈津美は、最初の絶頂を迎えた。
◇ ◇ ◇
彼は、先に部屋を出て行った。
契約では、二人でチェックアウトして食事することなども可能だったが、初めての利用ということもあって、そうしなかった。
ひとり、部屋に取り残された奈津美は、ベッドの端へ腰を下ろし、少し乱れたシーツを掌でなぞりながら窓の外を眺める。
あのあと、いくつも体位を変えながら、彼は、何度も何度も絶頂を味わわしてくれた。
言葉をかけられたのは数えるほどだったが、彼の視線や息遣い、掌や指先の感触、手脚や背中、抱かれた胸の温もり、奈津美の頭の中に残る「彼との記憶」を反芻した。
(何だろう、この気持ち……)
寂しさ? 単純に言えば、そうなのかもしれないが、ちょっと違う気もする。
切なさ? とまでは行かないだろう。「心の痛み」という感じでもない。
しばらく考えてみたが、ピッタリとした言葉は見つからなかった。
これから、自分は、どうして行けばいいのだろう?
そんなことは、わからなかったし、今は、どうでもよかった。
(もう少しだけ、ここに居よう……)
そう思って、奈津美は指先でシーツの端を撫でた。
(了)
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