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リアに告げたのは偽りの言葉というわけではない。
「リア…いや、マリアーナ・コンラリア!との婚約は破棄する!!
もうお前はこの国の次期王の婚約者ではない!」
リアとの婚約は終わらせて、キミと婚姻関係になるから。
僕はもう王太子である事をやめて、次期王は弟に譲るから。
弟には申し訳ないことをしたと思っけれど、
やっぱり僕には国よりリアだった。
リアと一緒にいられないなら、国王にはならない。
「承知致しました。王太子様」
という、リアのアレク様と呼ばない声に少し辛いものを感じるが、リアにはあの花の意味がわかってるはずだ。
なにか察してくれると信じて僕は僅かに微笑んだ。
この微笑みを隣にいる女が分かるわけもない。
でもこの女との婚約を結ぶとは僕は言わなかった。
そこは意地だ。
この女と婚約を結ぶのは弟だ。
しかし、それを知ったこの女は怒り狂うだろう。
どうせ、弟との婚約を切り、国に戻るであろう。
その時に僕を探そうとしたところで僕はリアと辺境の地に移り住んでる予定だから、探すことは不可能だろう。
平民としての暮らしはきついかもしれないが
リアと僕なら大丈夫と信じたい。
暖かい家庭を築いていけると信じたい。
その可能性にかけて、
僕は今日この身分を捨てる。
そして、それを彼女にも、リアにも強制する。
酷いのかもしれない。
それでも僕はリアを諦めきれなかった。
なのに、なのになのになのに!
この舞踏会の後、こっそりリアの家に向かって知った事実は
眠るように動かないリアの姿だった。
リアの家族にも今日連れ去ることを伝えていた。
しかし、あの手紙には花などついてなかったと言われた。
どういうことなのだろうか、
リアは、リアは、、、、
スカビオサの花がリアの倒れた近くに飾られている
私は全てを失った、不幸な恋などの花言葉がある花を
リアは飾っていたのか?
リアには僕がリアを捨てたように見えたのだろう。
リアの手の中には僕がリアの為に作ったスズランの花が
ところどころ花をなくした状態で咲いている。
この花はこんなに麗しいのに毒があるから
この近くに食べ物は置いちゃいけないってリアが言ってたけ?
リアの手の中に咲いている花はそんな毒などないようにみえる。
紫のアスターとスターチスの花、
そして、赤いアネモネ。
君のために今日贈ろうとした花たちをそっと置いて、
僕はリアの手の中に手を伸ばした。
僕の愛は君よりも重症なんだ。
変わらぬ心で君を愛すよ??
「だから僕はずっと君のそばにいる………」
「リア…いや、マリアーナ・コンラリア!との婚約は破棄する!!
もうお前はこの国の次期王の婚約者ではない!」
リアとの婚約は終わらせて、キミと婚姻関係になるから。
僕はもう王太子である事をやめて、次期王は弟に譲るから。
弟には申し訳ないことをしたと思っけれど、
やっぱり僕には国よりリアだった。
リアと一緒にいられないなら、国王にはならない。
「承知致しました。王太子様」
という、リアのアレク様と呼ばない声に少し辛いものを感じるが、リアにはあの花の意味がわかってるはずだ。
なにか察してくれると信じて僕は僅かに微笑んだ。
この微笑みを隣にいる女が分かるわけもない。
でもこの女との婚約を結ぶとは僕は言わなかった。
そこは意地だ。
この女と婚約を結ぶのは弟だ。
しかし、それを知ったこの女は怒り狂うだろう。
どうせ、弟との婚約を切り、国に戻るであろう。
その時に僕を探そうとしたところで僕はリアと辺境の地に移り住んでる予定だから、探すことは不可能だろう。
平民としての暮らしはきついかもしれないが
リアと僕なら大丈夫と信じたい。
暖かい家庭を築いていけると信じたい。
その可能性にかけて、
僕は今日この身分を捨てる。
そして、それを彼女にも、リアにも強制する。
酷いのかもしれない。
それでも僕はリアを諦めきれなかった。
なのに、なのになのになのに!
この舞踏会の後、こっそりリアの家に向かって知った事実は
眠るように動かないリアの姿だった。
リアの家族にも今日連れ去ることを伝えていた。
しかし、あの手紙には花などついてなかったと言われた。
どういうことなのだろうか、
リアは、リアは、、、、
スカビオサの花がリアの倒れた近くに飾られている
私は全てを失った、不幸な恋などの花言葉がある花を
リアは飾っていたのか?
リアには僕がリアを捨てたように見えたのだろう。
リアの手の中には僕がリアの為に作ったスズランの花が
ところどころ花をなくした状態で咲いている。
この花はこんなに麗しいのに毒があるから
この近くに食べ物は置いちゃいけないってリアが言ってたけ?
リアの手の中に咲いている花はそんな毒などないようにみえる。
紫のアスターとスターチスの花、
そして、赤いアネモネ。
君のために今日贈ろうとした花たちをそっと置いて、
僕はリアの手の中に手を伸ばした。
僕の愛は君よりも重症なんだ。
変わらぬ心で君を愛すよ??
「だから僕はずっと君のそばにいる………」
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