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ここはロゼセルト国の王宮。
国王と王妃には2人の息子と1人の娘がいました。
今年10歳になる王太子のアレクシスは白金の髪にピンクゴールドの瞳。
この国で1番の美丈夫になるのではないかと言われるほどのかっこよさ。
誰がこの王太子の婚約者になるか、それが今1番の国の考え事というくらいの平和な国。
今日はそんな王太子の10歳の誕生日のパーティー。
同世代の小さなレディもジェントルマンも浮き足が経っている様子。
そんなお庭では一人の女の子がこっそり輪から外れてお花を眺めておりました。
コンラリア公爵家のマリアーナ嬢です。
初めてのちゃんとしたパーティーに疲れてしまったのか、
ほかの女の子たちがキャッキャウフフとパーティー会場でお話しながら気になる異性の話で盛り上がったり実際に異性と話してダンスをしたりする中、抜け出した様子。
マリアーナにはどんなに煌びやかなところよりも
お庭のお花の方が100倍綺麗に見えました。
王子様はご挨拶したけれど、とてもかっこよかったなあと思いつつ、彼のようなかっこいい人には私より似合う人がいるだろう。あの煌びやかなところは自分に向いているとは思えない。
そう思うとあそこにいる意味がないように思え、そっとお花が綺麗なところを探すために抜け出し、さまよいました。
そこで見つけたのがこのお花畑でした。
ああ、ちょうどマリアーナのところに白金の髪の男の子が来たようです。
男の子はマリアーナの姿を一目見て、彼女こそ自分の婚約者に相応しい。
あの女の子が欲しい。と思い探しておりました。
たまたま城の侍女がマリアーナによく似た女の子が庭の方に行ったと発言してくれたおかげで男の子はマリアーナのところに行くことが出来ました。
この男の子こそ、今日の主役でもあるアレクシス王太子。
2人はたちまち恋に落ちたのです。
ようやく見つけたのは既に愛おしく感じる自分だけのお姫様。
しかし、いざマリアーナを前にすると何を話していいか分からないのです。
それでもこれ以上のチャンスはありません。
「何を見てるの?」
アレクシスはマリアーナに問いかけました。
そこでびっくりしたのはマリアーナ。
先程見たかっこいい王子様の瞳には自分が写っていて、明らかに自分に話しかけてくださってるという状態です。
マリアーナはドキドキしながらアレクシスの言葉に答えます。
「スズランのお花を見ておりました、王太子様。
私が1番好きなお花でございます。
とても綺麗に咲いているので、眺めていたくて…」
「そうか、私も一緒に見てもいいか?
そして、マリアーナ嬢と呼んでも良いか?
私のこともアレクシスでよい…」
2人はそのままスズランの近くに座りつつ、
警備のものに声をかけられるまでずっとお話し続けました。
2人の婚約は国中に喜ばれながら決まったのです。
ここから物語は始まりました。
国王と王妃には2人の息子と1人の娘がいました。
今年10歳になる王太子のアレクシスは白金の髪にピンクゴールドの瞳。
この国で1番の美丈夫になるのではないかと言われるほどのかっこよさ。
誰がこの王太子の婚約者になるか、それが今1番の国の考え事というくらいの平和な国。
今日はそんな王太子の10歳の誕生日のパーティー。
同世代の小さなレディもジェントルマンも浮き足が経っている様子。
そんなお庭では一人の女の子がこっそり輪から外れてお花を眺めておりました。
コンラリア公爵家のマリアーナ嬢です。
初めてのちゃんとしたパーティーに疲れてしまったのか、
ほかの女の子たちがキャッキャウフフとパーティー会場でお話しながら気になる異性の話で盛り上がったり実際に異性と話してダンスをしたりする中、抜け出した様子。
マリアーナにはどんなに煌びやかなところよりも
お庭のお花の方が100倍綺麗に見えました。
王子様はご挨拶したけれど、とてもかっこよかったなあと思いつつ、彼のようなかっこいい人には私より似合う人がいるだろう。あの煌びやかなところは自分に向いているとは思えない。
そう思うとあそこにいる意味がないように思え、そっとお花が綺麗なところを探すために抜け出し、さまよいました。
そこで見つけたのがこのお花畑でした。
ああ、ちょうどマリアーナのところに白金の髪の男の子が来たようです。
男の子はマリアーナの姿を一目見て、彼女こそ自分の婚約者に相応しい。
あの女の子が欲しい。と思い探しておりました。
たまたま城の侍女がマリアーナによく似た女の子が庭の方に行ったと発言してくれたおかげで男の子はマリアーナのところに行くことが出来ました。
この男の子こそ、今日の主役でもあるアレクシス王太子。
2人はたちまち恋に落ちたのです。
ようやく見つけたのは既に愛おしく感じる自分だけのお姫様。
しかし、いざマリアーナを前にすると何を話していいか分からないのです。
それでもこれ以上のチャンスはありません。
「何を見てるの?」
アレクシスはマリアーナに問いかけました。
そこでびっくりしたのはマリアーナ。
先程見たかっこいい王子様の瞳には自分が写っていて、明らかに自分に話しかけてくださってるという状態です。
マリアーナはドキドキしながらアレクシスの言葉に答えます。
「スズランのお花を見ておりました、王太子様。
私が1番好きなお花でございます。
とても綺麗に咲いているので、眺めていたくて…」
「そうか、私も一緒に見てもいいか?
そして、マリアーナ嬢と呼んでも良いか?
私のこともアレクシスでよい…」
2人はそのままスズランの近くに座りつつ、
警備のものに声をかけられるまでずっとお話し続けました。
2人の婚約は国中に喜ばれながら決まったのです。
ここから物語は始まりました。
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