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マリアンヌの世界
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小さい時にお父様が言った言葉が今も頭をよぎる。
「お前は上に立つものとしての自覚を持ちなさい」
この言葉の意味が理解出来ていたら、
きっと違う未来があったに違いない。
「殿下の婚約者にマリアンヌが選ばれた」
どこか複雑そうなお父様に幼い心に不思議に思った。
優しくてかっこいい殿下のお嫁さんになれるらしい。
幼い私にはとても嬉しい出来事だったのに…。
「マリアンヌ、これから君と頑張っていきたいからよろしくね。
僕のことはアリクと呼んで?」
そう言って笑ってくれた殿下…アリク様の笑顔は素敵で、私もアリク様を支えられるような妃になるために頑張ろうって思ったの。
それから、婚約者に決まってから、周りで不思議なことがよく起こる。
やってない事をやったと言われる日々。
それでもきっと、アリク様は分かってくれると思っていた。
だって、私はアリク様の婚約者だから。
何が起きても、動じずに自分がすべきことを必死でやるだけなの。
アリク様が困らないように家では家庭教師を呼び、妃として必要なことを覚える日々。
正直しんどいという言葉が似合う内容たちだったけれど、そんなことは言えない。
だって、私はアリク様の婚約者だから。
「マリアンヌ、なんで来てくれなかったの?」
久しぶりに呼ばれたから城に行ったら、
アリク様にそんなことを言われた。
「なんのことでしょう?」
そういうと傷ついたような顔をして、
アリク様はどこかへ行ってしまわれた。
どうして?
久しぶりにお会いできて嬉しくて、
もっとお話したかったのに。
悲しい気持ちはあるけど、
殿方に縋っては行けません。
感情を表に出しては行けません。
そう教師の方々が言ってたから、アリク様は追わない。
悲しみを顔に出さない。
だって、私はアリク様の婚約者だから。
「マリアンヌ、こそこそやるなら直接言ってこい。
お前が何を考えているのか分からない」
しばらく経って、久しぶりにお会い出来たと思ったら、アリク様はとても機嫌が悪かった。
「なんのことでしょうか?」
そういうと、アリク様は余計機嫌が悪くなってしまった。
「そうやってとぼけるんだな、マリアンヌ。
お前がやっていることはわかってるんだ。
正直に言え」
やっていることとは何のことでしょうか?
やはり、さっぱり分かりません。
「アリク様?どうなさったの??」
どうしてそのような事を言うのか分からなくて、
もう一度聞いたのにますますアリク様は機嫌が悪くなってしまった。
「俺の事を名前で呼ぶな」
そう言って、アリク様は去っていかれた。
確かに学園に行く年齢になるにつれて、
あまり、異性の名前を呼ぶのも良くないのかもしれない。
殿下…殿下って呼ぶように心がけよう。
それにしても、何の事だったのだろう?
妃たるもの、敵国に誘拐されることもあるらしい。
その時に情報を渡さないかテストなさっていたのだろうか?
幼い頃から勉強してきたことを生かせたのだろうか?
きっと生かせたに決まっている。
だって、私は殿下の婚約者だから。
それなのに、
それなのに、、、
なぜ今私は檻の中にいるの???
「お前は上に立つものとしての自覚を持ちなさい」
この言葉の意味が理解出来ていたら、
きっと違う未来があったに違いない。
「殿下の婚約者にマリアンヌが選ばれた」
どこか複雑そうなお父様に幼い心に不思議に思った。
優しくてかっこいい殿下のお嫁さんになれるらしい。
幼い私にはとても嬉しい出来事だったのに…。
「マリアンヌ、これから君と頑張っていきたいからよろしくね。
僕のことはアリクと呼んで?」
そう言って笑ってくれた殿下…アリク様の笑顔は素敵で、私もアリク様を支えられるような妃になるために頑張ろうって思ったの。
それから、婚約者に決まってから、周りで不思議なことがよく起こる。
やってない事をやったと言われる日々。
それでもきっと、アリク様は分かってくれると思っていた。
だって、私はアリク様の婚約者だから。
何が起きても、動じずに自分がすべきことを必死でやるだけなの。
アリク様が困らないように家では家庭教師を呼び、妃として必要なことを覚える日々。
正直しんどいという言葉が似合う内容たちだったけれど、そんなことは言えない。
だって、私はアリク様の婚約者だから。
「マリアンヌ、なんで来てくれなかったの?」
久しぶりに呼ばれたから城に行ったら、
アリク様にそんなことを言われた。
「なんのことでしょう?」
そういうと傷ついたような顔をして、
アリク様はどこかへ行ってしまわれた。
どうして?
久しぶりにお会いできて嬉しくて、
もっとお話したかったのに。
悲しい気持ちはあるけど、
殿方に縋っては行けません。
感情を表に出しては行けません。
そう教師の方々が言ってたから、アリク様は追わない。
悲しみを顔に出さない。
だって、私はアリク様の婚約者だから。
「マリアンヌ、こそこそやるなら直接言ってこい。
お前が何を考えているのか分からない」
しばらく経って、久しぶりにお会い出来たと思ったら、アリク様はとても機嫌が悪かった。
「なんのことでしょうか?」
そういうと、アリク様は余計機嫌が悪くなってしまった。
「そうやってとぼけるんだな、マリアンヌ。
お前がやっていることはわかってるんだ。
正直に言え」
やっていることとは何のことでしょうか?
やはり、さっぱり分かりません。
「アリク様?どうなさったの??」
どうしてそのような事を言うのか分からなくて、
もう一度聞いたのにますますアリク様は機嫌が悪くなってしまった。
「俺の事を名前で呼ぶな」
そう言って、アリク様は去っていかれた。
確かに学園に行く年齢になるにつれて、
あまり、異性の名前を呼ぶのも良くないのかもしれない。
殿下…殿下って呼ぶように心がけよう。
それにしても、何の事だったのだろう?
妃たるもの、敵国に誘拐されることもあるらしい。
その時に情報を渡さないかテストなさっていたのだろうか?
幼い頃から勉強してきたことを生かせたのだろうか?
きっと生かせたに決まっている。
だって、私は殿下の婚約者だから。
それなのに、
それなのに、、、
なぜ今私は檻の中にいるの???
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