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どうして私なの

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「アッ、あぁッ、あァッ!あッ、やあ、アぁ~~ッッ!」
「…なあ、お前声やばい。流石に隣から苦情来るからちょっと抑えて」
 
 うるさい、じゃあ動くのやめてよ。
 何でこんなことになっちゃったんだろう。
 初めて入った佐崎さんの家で、あれよあれよという間に私は彼のベッドで大きく脚を開かされ、凶悪な肉棒に串刺しにされてどうにも逃げられなくなっていた。
 お礼を渡したらすぐに帰るつもりだったのに。プレゼントに喜んでくれたのか、佐崎さんがいきなり私のことを「可愛い」とかゾッとするような事を言い出して、突然リビングのソファに押し倒された。深いキスを必死で受け止めている間にあっという間に衣服は剥かれて、気付けば秘穴には3本のゴツゴツと骨ばった長い指が根元まで埋め込まれていた。ソファで指だけでイかされて、力が抜けてしまった身体を抱えられ、寝室へと連れ込まれた。
 そこからはもう記憶があやふやになってしまっている。





***





「あッあ゛!イってるっ、またイっちゃッ、やぁッ~!!」
「…ん、ナカ、めっちゃ締まる。そんな気持ちイイ?」
「んんっ、ァッ!あッ、あ!」
「なあ、聞こえてる?めっちゃ感じてんなあ。ラブボより声出てるけど」

 意識が朦朧とする中、佐崎さんの低くて意地悪でちょっと掠れた色っぽい声が脳を溶かしてくる。どうしようもない程の快楽に支配されて、ぼろぼろと止まらない涙が白いシーツを汚してしまう。何度か瞬きをしてクリアになった視界で見上げれば、どうにも彫りの深い美しい男が、歯を食いしばり額に汗を滲ませて私を貪っている。こんなかっこいい人が何で私を、とかそんなことばかりを考えてしまって、いつも素っ気ない態度で彼を突き放してしまうけれど。それでもその度に追い掛けて来てくれるから、そろそろ自分の気持ちの始末も負えなくなっていた。

「や、あっ、も、ゆ、るしてぇっ!」

 逞しい胸板を必死で押し返しても、何でも無いように激しく動く腰に何度目かの絶頂へと強制的に連れて行かれる。

「アッ、ア~~~ッ!らめッ、だ、めぇッ!とまっ、で!やだぁっ!!」
「ッ、は、えろ…」

 イッた瞬間、ギュッと彼のモノを一際強く締め上げてしまい、「ぐ、ぅッ」と彼が小さく呻いて、薄い膜越しに欲望が弾けたのをお腹の奥で感じた。
 佐崎さんの部屋で、そのベッドで、という環境に戸惑ってしまったせいか、いつもよりも疲労感が強い。ふわふわとした意識の遠くの方で、彼のそれではないようなとても甘ったるいチョコレートの様な声が耳を濡らした気がした。
 
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