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第四章『ボタン』
天才式、超・魔法特化型ビルド
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「また知らない間に、妙なスキル増やしてるにゃー……。【八極拳】て」
「あー、言ってなかったっけ? トレントを狩る時に取ったんだよねー」
「なーるほどにゃ」
言わんとしていることが分かったからか、ケートは軽く頷いて話を切る。
しかし、他の二人は何とも言えないような難しい顔をしていた。
……変なものでもあったっけ?
「セツナさんのスキル構成って、不思議な構成っスよね……」
「そう?」
「そうっスよー。そもそも、構成だけじゃなくて、スキルレベルも変じゃないっスかー」
「【見切り】と【カウンター】を持たれているのにも関わらず、【見切り】より【カウンター】の方が高レベルですの……」
あー、なるほど。
普通は【見切り】で見切った後に、【カウンター】で返すって感じを想定してそうな構成なのに、【見切り】のレベルが低いのはちょっと変だよねー。
まあ、ほとんど発動してないから、レベル上がらないのは仕方ないんだけど。
「セツナは自前で気付くからにゃー。【見切り】の必要があるのかどうかすら分からないぜ」
「さ、流石っスね」
「まあ、セツナの構成はあんまり当てにならないだろうにゃー。リアルチートみたいなもんだから、特殊なパターンだし」
「むう……」
ケートの言葉に、少し拗ねた声を出してみれば、ケートがにゃははと笑い始める。
てか、ケートだって人のこと言えないと思うんだけど……。
「そういうケートの構成はどうなってるの?」
「私かにゃ? んじゃ、見せるぜー」
そう言って、ケートはスキルウィンドウを私達に見えるようにしてくれる。
するとそこには……なんか大量のスキルが表示されていた。
――――――――
名前:ケート
所持スキル:【土魔法Lv.17】【水魔法Lv.17】【魔力操作Lv.20】【火魔法Lv.17】【風魔法Lv.17】【魔法連結Lv.12】【聖魔法Lv.4】【泥魔法Lv.3】【霧魔法Lv.3】【雷魔法Lv.3】【熱魔法Lv.3】【樹魔法Lv.3】【呪術Lv.2】【付与魔法Lv.1】【裸魔法Lv.1】
使用不可所持スキル:【四素魔法Lv.1】
――――――――
「……何コレ」
「見事に魔法ばっかりっスね……」
「使用不可スキルもあるのですね」
なんていうかもうなんか……めちゃくちゃだった。
というか、聞いたことのないスキルが増えすぎ。
【呪術】はまだなんとなくイメージ出来るけど、【裸魔法】って何!?
「【呪術】は、魔力で呪いを植え付ける魔法だぜー。人にも使えるらしいけど、使ったことはないにゃー」
「当たり前でしょ!?」
「あと【裸魔法】は、いわゆる無属性魔法だにゃー。属性を纏わないから、裸らしいぜ」
「いろいろとおかしいけどまあ……いいわ……」
そのネーミングセンスはちょっとどうにかした方が良いと思う。
「簡単に説明すると、【聖魔法】は回復系やアンデットに効果を与える癒やしの魔法だぜー。イーリアスの街に小さな教会があって、そこに行ったら教えてくれたにゃー。【泥魔法】は土と水、【霧魔法】は水と風、【雷魔法】は火と風、【熱魔法】は火と水、【樹魔法】は土と水と風の融合派生スキルみたいだにゃー」
「よくそこまで見つけたっスね……」
「使用不可スキルはどうしてなのでしょう?」
「あー、それは……所持はしてるけど、まだ使うなって言われたにゃー」
シロの問いに苦笑しつつケートがそう答える。
まだ使うなって言われたって……誰に?
「天空王だぜー。セツナが寝てる時ににゃー」
「……つまり、天空王に封印されてるって感じ?」
「ま、そういうことだにゃ」
簡単に言ってるけど、それって結構ヤバいスキルなんじゃ……?
天才天才、口で言ってるけど……ホントに天才だったっていうオチ?
いや、まあケートはやれば出来る子だけど。
「ま、普段はこの中の10個だけを装着してプレイしてるぜー。最近は新スキルをメインで使ってるけどにゃー」
「そういえば、スキルの使用は10個までだったっけ」
「うむー。所持自体はいくらでも持てるみたいだけどにゃー」
つまり、私のスキルもあと1個で装着限界になるってことかー。
まあ、装着変更はいつでもできるし、全然問題はないんだけどね。
「ケートさんのスキルって完全に魔法寄りなんスね」
「それだと接近されると難しくなりませんか?」
「あー、シロ。ケートさんは接近しても余裕で対応してくるっスよ。魔法使いとしてはあるまじき戦いしてくるっス」
「え? そうなのですか?」
にわかに信じられないという顔をしたシロに、ナインが「自分、決闘したことあるんスよ」と、あの日のことを話し出す。
その話を聞いている内に、シロの顔はどんどん引きつっていき……終いには、「ケート様は本当に魔法使いなのですか?」と疑いはじめた。
まあ、言わんとしていることは分かる。
「そうっスよねぇ……普通の魔法使いは、土の拳で殴り返してきたりはしないっスよねぇ……」
「はい。普通はしないと思います」
「っスよねぇ……」
「そこはほらケートちゃん、天才だから。天才魔法使いを普通と比べたらダメだぜっ!」
-----
名前:セツナ
所持金:105,040リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
「あー、言ってなかったっけ? トレントを狩る時に取ったんだよねー」
「なーるほどにゃ」
言わんとしていることが分かったからか、ケートは軽く頷いて話を切る。
しかし、他の二人は何とも言えないような難しい顔をしていた。
……変なものでもあったっけ?
「セツナさんのスキル構成って、不思議な構成っスよね……」
「そう?」
「そうっスよー。そもそも、構成だけじゃなくて、スキルレベルも変じゃないっスかー」
「【見切り】と【カウンター】を持たれているのにも関わらず、【見切り】より【カウンター】の方が高レベルですの……」
あー、なるほど。
普通は【見切り】で見切った後に、【カウンター】で返すって感じを想定してそうな構成なのに、【見切り】のレベルが低いのはちょっと変だよねー。
まあ、ほとんど発動してないから、レベル上がらないのは仕方ないんだけど。
「セツナは自前で気付くからにゃー。【見切り】の必要があるのかどうかすら分からないぜ」
「さ、流石っスね」
「まあ、セツナの構成はあんまり当てにならないだろうにゃー。リアルチートみたいなもんだから、特殊なパターンだし」
「むう……」
ケートの言葉に、少し拗ねた声を出してみれば、ケートがにゃははと笑い始める。
てか、ケートだって人のこと言えないと思うんだけど……。
「そういうケートの構成はどうなってるの?」
「私かにゃ? んじゃ、見せるぜー」
そう言って、ケートはスキルウィンドウを私達に見えるようにしてくれる。
するとそこには……なんか大量のスキルが表示されていた。
――――――――
名前:ケート
所持スキル:【土魔法Lv.17】【水魔法Lv.17】【魔力操作Lv.20】【火魔法Lv.17】【風魔法Lv.17】【魔法連結Lv.12】【聖魔法Lv.4】【泥魔法Lv.3】【霧魔法Lv.3】【雷魔法Lv.3】【熱魔法Lv.3】【樹魔法Lv.3】【呪術Lv.2】【付与魔法Lv.1】【裸魔法Lv.1】
使用不可所持スキル:【四素魔法Lv.1】
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「……何コレ」
「見事に魔法ばっかりっスね……」
「使用不可スキルもあるのですね」
なんていうかもうなんか……めちゃくちゃだった。
というか、聞いたことのないスキルが増えすぎ。
【呪術】はまだなんとなくイメージ出来るけど、【裸魔法】って何!?
「【呪術】は、魔力で呪いを植え付ける魔法だぜー。人にも使えるらしいけど、使ったことはないにゃー」
「当たり前でしょ!?」
「あと【裸魔法】は、いわゆる無属性魔法だにゃー。属性を纏わないから、裸らしいぜ」
「いろいろとおかしいけどまあ……いいわ……」
そのネーミングセンスはちょっとどうにかした方が良いと思う。
「簡単に説明すると、【聖魔法】は回復系やアンデットに効果を与える癒やしの魔法だぜー。イーリアスの街に小さな教会があって、そこに行ったら教えてくれたにゃー。【泥魔法】は土と水、【霧魔法】は水と風、【雷魔法】は火と風、【熱魔法】は火と水、【樹魔法】は土と水と風の融合派生スキルみたいだにゃー」
「よくそこまで見つけたっスね……」
「使用不可スキルはどうしてなのでしょう?」
「あー、それは……所持はしてるけど、まだ使うなって言われたにゃー」
シロの問いに苦笑しつつケートがそう答える。
まだ使うなって言われたって……誰に?
「天空王だぜー。セツナが寝てる時ににゃー」
「……つまり、天空王に封印されてるって感じ?」
「ま、そういうことだにゃ」
簡単に言ってるけど、それって結構ヤバいスキルなんじゃ……?
天才天才、口で言ってるけど……ホントに天才だったっていうオチ?
いや、まあケートはやれば出来る子だけど。
「ま、普段はこの中の10個だけを装着してプレイしてるぜー。最近は新スキルをメインで使ってるけどにゃー」
「そういえば、スキルの使用は10個までだったっけ」
「うむー。所持自体はいくらでも持てるみたいだけどにゃー」
つまり、私のスキルもあと1個で装着限界になるってことかー。
まあ、装着変更はいつでもできるし、全然問題はないんだけどね。
「ケートさんのスキルって完全に魔法寄りなんスね」
「それだと接近されると難しくなりませんか?」
「あー、シロ。ケートさんは接近しても余裕で対応してくるっスよ。魔法使いとしてはあるまじき戦いしてくるっス」
「え? そうなのですか?」
にわかに信じられないという顔をしたシロに、ナインが「自分、決闘したことあるんスよ」と、あの日のことを話し出す。
その話を聞いている内に、シロの顔はどんどん引きつっていき……終いには、「ケート様は本当に魔法使いなのですか?」と疑いはじめた。
まあ、言わんとしていることは分かる。
「そうっスよねぇ……普通の魔法使いは、土の拳で殴り返してきたりはしないっスよねぇ……」
「はい。普通はしないと思います」
「っスよねぇ……」
「そこはほらケートちゃん、天才だから。天才魔法使いを普通と比べたらダメだぜっ!」
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名前:セツナ
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テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
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