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第1章 少年、冒険をする

第12話 夜空は魔性の女の子

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「えっ、リヒト、“モンテスの街”に行くの!? お土産待ってるね!」
「え、えぇぇ……」

 ギルドでの話し合いが終わったあと、エスメラルダさんと細かい打ち合わせを行ってから、僕は竜の羽休め亭に戻っていた。
 一応訓練を兼ねて、遠回りになるようにルートを取ってランニングもしたよ! 夜空は「ピッピッ」って小気味良くリズムを取ってついてきてくれてたけど、あれってもしかしてトレーナー気分だったりすのかな?

 それで今はティアちゃんと昼食中。
 まだ食堂も人が少ない時間帯だったから、先に食べてしまおうってことらしい。

「まぁ、それは冗談なんだけど。気を付けて行ってきてね。帰りはどうなるの?」
「うん。一応あっちで一泊して帰る予定ではあるよ。半日は掛かるだろうし、夜空をずっと飛ばせるのも大変だろうから」
「ピッ!」
「そっか。じゃあリヒトの連泊日数を一日伸ばしておくね」
「え? いいの?」
「たぶん大丈夫。おかーさーん!」

 パタパタと厨房に走っていくティアちゃんを眺めつつ、僕は手に持ったパンを齧る。口のなか一杯に広がる小麦の香り……美味しい。スープも一口……美味しい。スープにパンを少し浸して……美味しい!
 夜空もご機嫌に食べてるみたいだし、美味しいご飯は世界を救うね! どこの世界かって言われると難しいけど! 僕のお腹の中の世界かな!

「大丈夫だって!」
「リヒト君、気を付けて行ってきてね。あなたはこの子と結婚して、この宿を継いでもらう予定なんだから」
「えぇっ!? そんな予定聞いてないですよ!?」
「お、お母さん!? ななななに言ってるの!?」
「ピ……ピ、ピピィ!」
「あらあら、照れなくてもいいのよ?」
「照れとかじゃなくてですね!?」
「あ、あう……リヒトと結婚……」
「ティアちゃんも固まらないで!? あと、顔染めないで!?」

 呑気に笑うブランディさんと、真っ赤に顔を染めて頭が飛んでるティアちゃんに、僕はあらんかぎりのツッコミを入れつつ、その場をなんとかしのごうと頑張っていた。そう、頑張っていたんだ……。
 しかし――

「ピッ!」
「あいたっ!? よ、夜空!?」
「ピ、ピッピピー!」
「いたい、痛いって。クチバシで頭つつくのは痛いって!」
「あらあら、ティアもライバルがいて大変ね」
「ち、ちがっ……私は、そんな……」

 怒ったように攻撃を繰り返す夜空に、相変わらず笑ってるブランディさん。そして、さらに顔を真っ赤にしてもじもじし始めたティアちゃんに僕はもはや為すすべがなかった。――もう、どうにでもなれ。

「って、良いわけあるか!? みんな落ち着いて! 落ち着いてよー!?」

 そんなこんなで、ティアちゃんが仕事に戻るまでの間、僕は延々いろんな意味でつつかれていた。
 頭と、心と、視線が痛い。痛いよ……。



「そんなことがあったんですね。お疲れさまです」
「ほんと、なんのために早めに切り上げて帰ったのか、分からないくらいには疲れましたよ。今日の朝もティアちゃんと夜空が顔を合わせるや否や、いきなり頂上決戦してましたし」
「あはは……それは仕方ないかな……」
「仕方ないんですかね……」

 モンテスの街へ向かう日の朝、僕は冒険者ギルドの前でエスメラルダさんと合流していた。
 エスメラルダさんは、今日も変わらずメガネを掛けたキリッとした姿で、ギルド職員用の黒地のスーツっぽい服を着ていた。
 そういえばあまり気にしてなかったんだけど、エスメラルダさんの髪は薄い緑色だ。陽の下でエスメラルダさんと会ったのは今日が初めてだけど、陽の光を浴びると、なんだか新緑の山の輝きみたいに見えるね。……この色は、病院の窓からも見えていたから、不思議と安心感があるなぁ。

「リヒト君? どうかしましたか?」
「あ、いえ、なんでもないです!」
「では早速ですが、クエストの受注登録を行いますね」
「あ、はい。これって外でも出来るんですか?」
「基本的には出来ないんですが……この特殊クエスト用の用紙なら出来るんです。緊急時なんかにも使われますので」
「なるほど……便利ですね」

 言いながらクエスト用紙を取り出し、僕のカードを上へと重ね、さらにエスメラルダさんの黒色のカードを重ねた。
 ギルド職員用のカードは黒色らしい。なんだか格好いい!

「黒色のカードって良いですね」
「ええ。特殊なカードなので、わかりやすいよう黒になっているみたいです」
「もしかしてそのカードにもランクってあるんですか?」
「もちろんありますよ。黒ランクオブシディアンといいます」
「か、格好いい……!」

 純然な男子たる者、黒色は好きで当たり前なのだ! 黒という全てを飲み込んだ末の色……! 黒色の服を身に纏った、凄腕の剣士! 二刀流とかも格好いいし、その結果……通称“黒の冒険者”とか呼ばれるようになったらもう格好良さが比類無い!
 あ、でも僕の場合は凄腕の剣士より、凄腕の召喚術士? を目指すことになるのかな? うーん、一気に黒色の持つダークな感じが薄れたなぁ。

「うん。黒色じゃなくていいや」
「手のひらを返す速度が早いですね……」

 少ししょんぼりした様子のエスメラルダさんに、とりあえず笑ってごまかしつつ、僕らは門へと向かう。
 さすがに夜空を街中で大きくする訳にもいかないし、街から出るだけ出ないと。

「おう、リヒト! ティアから聞いたぞ、モンテスに行くんだってな!」
「モーガンさん、おはようございます。そうなんですよー」
「エスメラルダの嬢ちゃんも一緒か! こいつのことよろしく頼むな」
「はい。お任せください。しっかりと手綱を握っておきますので」
「……なんで僕が暴れ馬みたいな扱いになってるんだろう」

 むしろその役目は、ポルカさんやティアちゃんであって、僕は常識人側のはずなんだけど。

「リヒトは真面目な良い奴なんだが……色々と問題を呼びそうだからなぁ」
「そうですね……」
「そんなこと今まで無かったよね!? なんでそんなイメージになってるの!?」
「そりゃ、今まではある程度フォロー出来るやつが傍にいたからだろ」
「“竜の羽休め亭”の方々はこの街では結構有名な方々ですから、お世話になってる方も多いですしね」
「そういうこった。あの人らが傍にいるから、手を出したら面倒なことになるって防波堤になってたんだぜ?」

 つまりこの街を出れば……そういうことになるかもしれないと……?
 いや、おかしくない!? なんで僕だけそんなトラブル誘因装置みたいな扱いになるの!?

「リヒトは一度ちゃんと鏡を見ろ。ホントに理解してんのか……?」
「水鏡なら毎日見てるけど、何もおかしいところなんてないよ?」
「……エスメラルダさん、よろしく頼む」
「はい。お任せください」

 はぁ……と大きいため息をついて、モーガンさんは全てを投げ捨てた。しかも、エスメラルダさんもモーガンさんと同じみたいだし、夜空にいたっては「ピィィ……」と僕の頭を翼でペシペシしてくる。
 なんだ、なんなんだ一体……僕が何をしたっていうんだ!?

 そんなこんな話をして、僕らは門の外へと出ると、夜空を再召喚して最大サイズに変更。あまりの大きさに、エスメラルダさんが驚いて尻餅ついちゃってたけど。
 僕はというと、夜空の首元に抱きついて、そのモフモフとした毛を堪能しもふもふ。

「夜空ちゃんは普通の召喚獣ではないと思ってましたが……まさか、ウィンドホークですか?」
「あ、はい。そうです」
「その歳でウィンドホークと契約を結べるなんて、すごいことですよ」
「そうなんですか?」
「ええ。ウィンドホークは鳥系魔物の中でも高位に存在する魔物で、荒ぶる風を操り空を舞うため、討伐が非常に難しく……出会ったら死を覚悟するほどの魔物とも言われています」

 なんかすごいことを言われている気がする。死を覚悟するほどの魔物……夜空が? こんなにもふもふして気持ちよくて、ご飯を食べるのが好きな夜空が?
 うーん……でもティアちゃんも生きてるし、それほどでもないんじゃない?

「あ、信じてない顔をしてますね? ホントに危険な魔物なんですから!」
「そう言われても、僕まだ魔物と戦った事もないですし」
「あら、そうなんですか? では夜空ちゃんはどうやって……」
「夜空は、神様お爺さんからの贈り物なんです」
「ああ、なるほど。召喚魔法を教わる際に、師匠から魔物を譲ってもらうことがあるとは聞いた事がありますが……これほど高位の魔物を譲られるとは、その方は凄い方なんですね」

 神様ですしね。
 とは、さすがに言えないので、僕は笑って誤魔化すことにした。

「じゃあ、行きましょうか! エスメラルダさん、こっちです」
「はい。夜空ちゃん、お願いしますね」
「ピッ」

 背中を低くした夜空にまたがり、エスメラルダさんを引き上げる。そして、僕らがしっかりと乗ったタイミングで、夜空がバサリと翼を揺らした。

 一気に浮かび上がる夜空に合わせ、一瞬僕らの身体が夜空の身体に押しつけられる。
 しかしその感覚が引いた時には、今まで僕らのいた“ビスキュイの街”は眼下で小さくなっていた。

「す、すごいですね!」
「でしょう? 夜空はすごいんですよ!」
「では夜空さん、街の北に見える街道に沿って飛んでもらえますか?」
「ピィ!」

 バサリ、とまた翼を揺らし、夜空は一気に加速していく。その速度に吹き飛ばされそうな気がするけれど、僕らには風をほとんど感じさせないよう、夜空は風を操ってくれた。
 そのおかげで、僕らはとても気持ちいい風を感じながら、のんびり進んでいくことが出来た。



「ん? エスメラルダさん、アレって何ですか?」
「アレ、ですか? ああ、廃教会ですね。昔は神官様が修行と称して、各街を巡礼されていたのですが、街から街へとなると何日もかかることが多いので、その途中にああいった教会を建てて寝泊まりや修行をされていたみたいです」
「昔はってことは今はされてないんですか?」
「今も修行と称して、別の街の教会に出向することはあるみたいですが、徒歩ではなく馬車などを使うことが増えましたね。教会の内部のことは分からないので、どうしてそうなったのかは知りませんが……。そもそも情報源がポルカの時点で、色々と怪しい面もあるのですが」

 ポルカさん……信用されてなさ過ぎる……。

「そういえばポルカさんとエスメラルダさんって、どういう繋がりなんですか?」
「ポルカとですか? そうですね、神官様を通じて、と言ったところでしょうか。昔、とある神官様にポルカを紹介されまして、“気に掛けてあげてね”と」
「あ、もしかしてクレアさんでしたっけ? その方ですか?」
「そうです。もしかしてポルカから?」
「はい。孤児って事も聞きました」

 「そうですか」と、エスメラルダさんは優しく微笑み、ぽつりぽつりと話をしてくれた。
 ポルカさんがこの街に来たスタンピートのこと、クレアさんという神官様のこと、そしてポルカさんと共に回復魔法を練習した日々の事。
 とても楽しそうに語るエスメラルダさんは、なんだかいつも見ている大人びた雰囲気が無くて、どちらかというと可愛らしい女性って感じがした。いや、いつもがそうじゃないってことじゃなくてね? あと、夜空、わざと身体を揺らさないで恐い。

「でも、ポルカったらいつも変なことばっかりして、神官様に怒られてるみたいなんですよね……私の方にも“どうにか言ってくれ”みたいに神官様が来るんですよ」
「あ、あはは……」
「でも、根はすごく真面目で良い子なんですよ? 孤児の子達に一番好かれてるのも彼女ですし」
「あ、それは僕も思いました。回復魔法を教わった日に孤児院へも行ったんですけど、ポルカさんが連れてきたってだけで、皆抵抗なく受け入れてましたし、注意もちゃんと聞いてましたから」
「そういうところはちゃんとしてくれるんですけどね……。教会の椅子で寝るのは日常的ですし、他にも教会の開放時間を忘れて孤児院で遊んでたり、掃除すると桶をひっくり返したり……この間なんて、修道服を表裏逆に着てたんですよ!? 普通間違えます!? ほぼ毎週一回はするんですよ!?」
「あ、あはは……」

 どんどん小言みたいになってきたけど、うん……どれもポルカさんが悪いかな……。
 ごめんねポルカさん。回復魔法を教えてもらったのはとても恩義を感じているけれど、これに関しては僕は無力です。

「え、えーとポルカさんの話は一旦おいといて。その、廃教会ってことは、今じゃ誰も使ってないんですか?」
「そ、そうですね……すみません。廃教会は冒険者の方の為に解放されているはずですよ。空間収納を使えない方なんかは、テントを持って移動するのも大変ですから、夜風や雨なんかをしのぐ場所として、ですね」
「なるほど……」
「もちろん、使用する上できちんと整理整頓と片付けは行うように義務づけられてます。昔、そういったことをないがしろにしていたことで、使用不可になった場所もありますからね」

 善意で解放してくれてるところなんだろうし、そういったことはやらないとダメだよね! 僕もそのうち使うことがあるかもしれないし、ちゃんと片付けを忘れないようにしないと……。

「さて、あの教会を越えたということは、もう半分を超えてますね。夜空ちゃんは大丈夫でしょうか?」
「んー……夜空? 今半分を超えたらしいけど、どう? 疲れたりお腹空いたりしてない?」
「ピーッピ!」

 夜空は軽快に鳴いて、そのままスイスイと飛んでいく。高度を下げないってことは、大丈夫ってことなんだろう。うんうん、すごいぞ夜空!

「大丈夫みたいです」
「そうみたいですね。ではこのまま向かってしまいましょうか」
「ピッ!」

 バサッと翼をはためかせて、夜空は速度を上げていく。今までが遅かったわけじゃないんだけど、この速度は……すさまじい! 景色が一気に流れていって、もう教会が遥か彼方だ。

「この速度なら、もうすぐ着いてしまいそうですね……」
「まだ半日も経ってないんですけど」
「嬉しい誤算と言うべき、なんでしょうけどね。ラトグリフさんに報告するのが少し恐いです。あの人、力を持ってる人が大好きなので」
「あ、あはは……上手いこと誤魔化しておいてください」

 「はい、善処します」とメガネの位置を直したエスメラルダさんを尻目に、僕は夜空の背中を撫でる。ふさふさふわふわしていてとても気持ちいい……。このままこのふわふわと一緒に寝てしまいたい気すらしてくる。これは魔性のふわふわ。つまり、夜空は魔性の女の子ということになるのだろうか。うんうん、夜空って名前がとてもしっくりくるね!

 そんなことを考えていた僕の視界に、少しずつ街の形が見えてきた。
 あれがモンテスの街か。いったい、どんなところなんだろうなぁ。
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