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第2章 現実と仮想現実

第129話 なんだかんだで、もう明日

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「道具良し、装備も良し、持ちこむ素材も大丈夫……!」
「結構いっぱいになりましたね」
「種類は20種、合計80個ってなるとねぇ……」

 ガラッドさん作の採取道具3つに、元々のツルハシを加えて武器が4つ。
 それから、キャロさんに作ってもらった<収穫の日ハーベスト>シリーズの防具4つに、トレッキングシューズと髪をまとめてるリボンで、6つ。
 これだけで、種類としては半分の10種類。

「あと、スミスさんに貰った包丁と、アルさん達と一緒に買った携帯用コンロ……」
「それに加えて、混ぜるためのお鍋と、お玉も買いましたし……」
「まな板と、すり鉢もだね!」
「アキ様……。もう調薬というより、お料理ですね……」
「……うん」

 道具だけで、16種類……。
 個数としては80個まで持っていけるから、あと4種類を64個持っていける。
 だから僕は――

「[最下級ポーション(良)] のアルペ味を20本に、薬草の束を32束。水を入れた瓶を10本と薬草の粉末を2つで……」
「合計20種類の80個、ですね」

 今、机の上には僕が持っていく予定の80個とは別に、アルペ味の最下級ポーションや、下級ポーションも小分けして置いている。
 これは、僕以外のメンバーにも薬草やアクアリーフの蜜、[下級ポーション(良)]なんかを分配して渡す予定だから。
 空瓶を持っていかなくても、ポーション作成用の瓶は、使ったポーションの瓶を洗ってもらったりすれば再利用できる分、僕はまだ持っていくものが分かりやすい。
 むしろ僕よりも、オリオンさんやキャロさんの方が持ち物に困ってたみたいだ。

「あの2人は、道具も素材も多いからね……。ある程度は現地調達になるんだろうけど……」
「そういえば、スミス様は火炉をどうする予定なのでしょう?」
「たしか……いざとなったら現地で作るって言ってたような……」
「火炉を、ですか……?」

 まぁ、小型の火炉があるのかどうかもしらないんだけど……。
 現実世界と違って、火魔法を使ったりで火力上げれたりするのかな?

「まぁ、みんなもいるし……多分大丈夫なんじゃないかな?」
「そうですね。皆様で力を合わせれば、きっと大丈夫だと思います」

 机の上に広げたアイテムをインベントリにしまいつつ、アルさんやトーマ君用のアイテムを革袋ごとに分けて作っておく。
 明日の待ち合わせの時に、忘れないようにしないと……。

「なんだかんだで、もう明日がイベントなんだねぇ……」

 準備した物をしまっていくと、だんだんと実感が湧いてくる。
 森から帰ってきてから2週間。
 依頼や準備をしてたら、もう明日なんだ……。

「結構、あっという間でしたね」
「うん。でも、そのあっという間にもいろんな人に出会ったよね」

 オリオンさんや、スミスさんのような同じパーティーのメンバーだけじゃ無くて、リュンさんやフェンさんの不思議な2人組。
 それに……。

「ハスタさんと、ラミナさんもイベント……参加するって言ってたよね」
「そうですね」
「2人には、お礼ってことも含めて少し多めにポーションもあげたし、大丈夫だといいんだけど」

 もしイベント中に出会ったら、その時はまた材料次第で作ってあげようかな?
 ハスタさんとか、突っ込んでいって傷増やしそうだし。

「イベント楽しみですね、アキ様」
「そうだね! 何があるかなぁ……!」

 見たことない素材とか手に入ったりしないかな!
 そろそろ、ポーションももっと良いの作ってみたいし……。
 あー、でも先に解毒薬とかも手を出したいなぁ……!

「でもアキ様。気をつけてくださいね」
「ん?」
「忘れないでくださいね。アキ様は、狙われてるかもしれないのですから」
「そうだね……。気をつけるよ。1人にならないようにするよ」
「それがいいでしょうね……」

 基本的には、スミスさんやキャロさん、オリオンさん辺りと一緒にいることになるだろうし……。
 多分、大丈夫だと思うんだけど……。
 とりあえず、イベント開始したら、アレ……作っておこうかな……。

「しかし、アレは……うーん……」
「でも、アレがあったら急場はしのげるかもですし、作っておくべきかと……」
「だよねぇ……」

 僕とシルフはそんな会話をしながら、作業場を片付けていく。
 明日からのイベント、どうなるかわかんないけど、楽しめればいいなぁ……。
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