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第2章 現実と仮想現実
第116話 仮想『現実』世界
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「住民や行商人……?」
「せやで」
「確か……プレイヤー以外の方は、イベントの告知を見れなかったと、認識しておりますが……」
「その通りやな」
トーマ君の言葉に、みんなして首をかしげる。
その理由は、オリオンさんの言葉通り……『イベントはプレイヤーしか知らない』はずだから。
だからみんな、広場の掲示板を見て確認してたはずなんだけど……。
「ただ、プレイヤーしか知らんって、その認識がそもそも間違ってたんやで。ちと範囲広げてみたら、出るわ出るわ……。後から考えりゃ、これならまぁ、当たり前やわ。こっちの世界のどこかでは行われるんやからな」
「なるほどな……。無意識的に『これはゲームだ』と思いこんでいたことによる認識の差か」
「そういうことね……。アルの言う通り、私たちプレイヤーは運営から情報が『与えられる』と、思い込んでいたってことね」
アルさんとリアさんが、トーマ君の言葉を受けてそんなことを口にする。
2人には分かったみたいだけど、つまりどういうこと……?
「つまり……どういうことです?」
そう思った直後、僕の思いと同じ内容の声が聞こえた。
声の主は、僕と同じく理解が追いついてないらしいスミスさん。
難しいよねぇ……。
「つまり、掲示板のイベント情報は俺達に知らせるためだけに設置されてたってわけだ。だから、プレイヤー以外には見えなくても問題がないってことだろ」
「そうだな。ジンの言うとおり、彼らはそれを見る必要が無かったんだ。そういうことだな? トーマ」
ジンさんの言葉を引き継いで、アルさんがトーマ君に確認の意味を込めて声をかける。
トーマ君はその言葉に、満足げな顔でうなづいた。
「ま、そーゆーこっちゃ。こっちの住民らは、別の経路で情報を聞いとる。俺らみたいに、『イベント』ってわけやないけどな」
「あぁ、なるほど……」
だから、イベント情報がプレイヤーにしか見えなかったんだ……。
「多分、この掲示板のイベント情報ってのは、新規プレイヤーのための告知なんかもしれんな。そうしときゃ、最低限の情報は掲示板でも入手できるわけやしな」
「……それに、もしかすると運営側としては、もっとこっちの世界の人と交流してほしいってことなのかもね」
言われてみれば、確かにそれなら……キャロさんの予想も、あながち外れじゃなさそうだ。
実際、雑貨屋のおばちゃんや、ジェルビンさん、兵士のおじさんさんみたいに、交流しようとしなければ、教えてくれない情報なんかもあったわけだし……。
僕の<戦闘採取術>とか……。
「ま、つーことで話進めんで。そんで聞いた話なんやけどな……」
パンッと手を鳴らし、トーマ君はみんなの意識を自分に集め、話を戻す。
そうだった……本題はそっちじゃなかった……。
「まず、最初に言っておきたいんは、まだイベントと確定した情報やないってことや。ただ、かなり整合が取れとるだけに、その確率は高いと思う」
「それについては、今の状態では仕方ないだろう。続けてくれ」
「りょーかい。んで、掴んだ情報の内容を一言で言えば……『開拓』や」
開拓……?
「そんだけやわからんやろうし、詳しゅう説明するわ。……正確な場所まではよう分からんかったが、どうやらこの街のある国の領内に、開発がほとんどされてへん島があるらしいわ。そこを開拓するってことで、どうやら先遣隊が出とるみたいやな」
「ふむ、なるほど……」
「んで、気になって調べてったら、どうも本隊は『神のお導き』で現れる、みたいに伝わっとるみたいや」
「そんなのほぼ確定じゃねぇか……」
「ジンと同じ気持ちなのはちょっと嫌だけど、そうね……」
その神のお導きっていうのが、運営によるイベントの開催ってことかな?
だとすると、僕らが開拓を行う本隊ってこと……!?
「んで、先遣隊ってのはキャンプを設営するのが主目的みたいでな、完成の後に本隊を送る事になってる。そのタイミング的にも、イベントのタイミングとちょうど合致するんや」
「なるほど……。キャンプの規模にはよるが、開拓が目的ということは、戦闘だけが重要って訳ではなさそうだな」
「そうですね。それこそ、探索を行う人と、キャンプを良いものにして、補助をする人が必要になってくるでしょう」
アルさんとオリオンさんが、僕らにもわかりやすく内容をかみ砕いて説明してくれる。
それなら、僕も補助する側にまわるってことかな?
「それなら、一応俺らも生産道具を持ってったほうが良いって事ですよね?」
「あぁ、そうなるな……。スミスさん以外の方も、持ち込める道具は持ち込む予定にしてもらえると助かる」
「わかりました!」
「もし生産組の方で、持ち込むアイテムが厳しければ相談ください。戦闘組の方はアイテムが余るとおもいますので、分けて持ち込めばある程度持ち込めるはずなので」
以前、念話で話したことをアルさんはみんなにも伝えていく。
イベント……なんとかなるといいなぁ……。
「せやで」
「確か……プレイヤー以外の方は、イベントの告知を見れなかったと、認識しておりますが……」
「その通りやな」
トーマ君の言葉に、みんなして首をかしげる。
その理由は、オリオンさんの言葉通り……『イベントはプレイヤーしか知らない』はずだから。
だからみんな、広場の掲示板を見て確認してたはずなんだけど……。
「ただ、プレイヤーしか知らんって、その認識がそもそも間違ってたんやで。ちと範囲広げてみたら、出るわ出るわ……。後から考えりゃ、これならまぁ、当たり前やわ。こっちの世界のどこかでは行われるんやからな」
「なるほどな……。無意識的に『これはゲームだ』と思いこんでいたことによる認識の差か」
「そういうことね……。アルの言う通り、私たちプレイヤーは運営から情報が『与えられる』と、思い込んでいたってことね」
アルさんとリアさんが、トーマ君の言葉を受けてそんなことを口にする。
2人には分かったみたいだけど、つまりどういうこと……?
「つまり……どういうことです?」
そう思った直後、僕の思いと同じ内容の声が聞こえた。
声の主は、僕と同じく理解が追いついてないらしいスミスさん。
難しいよねぇ……。
「つまり、掲示板のイベント情報は俺達に知らせるためだけに設置されてたってわけだ。だから、プレイヤー以外には見えなくても問題がないってことだろ」
「そうだな。ジンの言うとおり、彼らはそれを見る必要が無かったんだ。そういうことだな? トーマ」
ジンさんの言葉を引き継いで、アルさんがトーマ君に確認の意味を込めて声をかける。
トーマ君はその言葉に、満足げな顔でうなづいた。
「ま、そーゆーこっちゃ。こっちの住民らは、別の経路で情報を聞いとる。俺らみたいに、『イベント』ってわけやないけどな」
「あぁ、なるほど……」
だから、イベント情報がプレイヤーにしか見えなかったんだ……。
「多分、この掲示板のイベント情報ってのは、新規プレイヤーのための告知なんかもしれんな。そうしときゃ、最低限の情報は掲示板でも入手できるわけやしな」
「……それに、もしかすると運営側としては、もっとこっちの世界の人と交流してほしいってことなのかもね」
言われてみれば、確かにそれなら……キャロさんの予想も、あながち外れじゃなさそうだ。
実際、雑貨屋のおばちゃんや、ジェルビンさん、兵士のおじさんさんみたいに、交流しようとしなければ、教えてくれない情報なんかもあったわけだし……。
僕の<戦闘採取術>とか……。
「ま、つーことで話進めんで。そんで聞いた話なんやけどな……」
パンッと手を鳴らし、トーマ君はみんなの意識を自分に集め、話を戻す。
そうだった……本題はそっちじゃなかった……。
「まず、最初に言っておきたいんは、まだイベントと確定した情報やないってことや。ただ、かなり整合が取れとるだけに、その確率は高いと思う」
「それについては、今の状態では仕方ないだろう。続けてくれ」
「りょーかい。んで、掴んだ情報の内容を一言で言えば……『開拓』や」
開拓……?
「そんだけやわからんやろうし、詳しゅう説明するわ。……正確な場所まではよう分からんかったが、どうやらこの街のある国の領内に、開発がほとんどされてへん島があるらしいわ。そこを開拓するってことで、どうやら先遣隊が出とるみたいやな」
「ふむ、なるほど……」
「んで、気になって調べてったら、どうも本隊は『神のお導き』で現れる、みたいに伝わっとるみたいや」
「そんなのほぼ確定じゃねぇか……」
「ジンと同じ気持ちなのはちょっと嫌だけど、そうね……」
その神のお導きっていうのが、運営によるイベントの開催ってことかな?
だとすると、僕らが開拓を行う本隊ってこと……!?
「んで、先遣隊ってのはキャンプを設営するのが主目的みたいでな、完成の後に本隊を送る事になってる。そのタイミング的にも、イベントのタイミングとちょうど合致するんや」
「なるほど……。キャンプの規模にはよるが、開拓が目的ということは、戦闘だけが重要って訳ではなさそうだな」
「そうですね。それこそ、探索を行う人と、キャンプを良いものにして、補助をする人が必要になってくるでしょう」
アルさんとオリオンさんが、僕らにもわかりやすく内容をかみ砕いて説明してくれる。
それなら、僕も補助する側にまわるってことかな?
「それなら、一応俺らも生産道具を持ってったほうが良いって事ですよね?」
「あぁ、そうなるな……。スミスさん以外の方も、持ち込める道具は持ち込む予定にしてもらえると助かる」
「わかりました!」
「もし生産組の方で、持ち込むアイテムが厳しければ相談ください。戦闘組の方はアイテムが余るとおもいますので、分けて持ち込めばある程度持ち込めるはずなので」
以前、念話で話したことをアルさんはみんなにも伝えていく。
イベント……なんとかなるといいなぁ……。
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