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第1章 新しい世界と出会い
第12話 とてもまずい
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「ちなみに、アキさんはポーションを飲んだことはあるか?」
「そういえば……飲んだこと無いですね」
「そうか……」
玉兎との戦いで多少攻撃を受けたとはいえ、大したダメージでもなかったし……。
それに、木槌に持ち替えてからは、攻撃を受けることもなくなったしね。
「多分、飲んでみたら分かると思うが……」
「え、そんなにひどいの?」
「そうだな……。傷の痛みなんかは消えていくんだが、慣れるまでは飲み込むのにも勇気が必要なくらいだ。……というわけで」
意味深なところで言葉を切って、アルさんは立ち止まり、僕の手に小瓶を掴ませてくる。
深い緑色をした液体が入ってる……。
「最下級、ですよね?」
何も言わず頷くだけってことは……これを飲めってことなんだろうなぁ。
最下級は確か、切った薬草を火にかけた水の中に入れて、薬効成分を水の中に溶かし出すだけ。
だから多分、薬草が持つ苦みの成分も一緒に溶け出してるだろうし、灰汁とかも取ってないから余計にひどいことになってそうではあるよね。
……考えれば考えるほどに、美味しくはなさそう。
「ほら、男だったらグイッと」
瓶を見つめたまま、現実逃避気味に思考のループに逃げていた僕に釘を刺すためか、アルさんが手を頭に乗せながら、耳元でそんなことを囁く。
男だって話したからだろうか……逃がしてもらえそうにもない。
い、一応身体は女なんだからね!?
「よ、よし! いきます!」
「おー」
アルさんのやる気の無い声を聞きながら、腰に手を当ててグイッと一気に流し込む。
どろり……と喉を通り抜けそうで中々通り抜けない不快感と、鼻に上ってくる苦味。
更に、土を食べてるような泥臭さも相まって、これは……確かに吐きたくなるほどの不味さ!
思わず小瓶から口を離して、吐き出した後に水で洗い流したいところだけど……ええい、僕も男だ!
腰に当てていた手で瓶を押し上げて、一気に、それこそ無理矢理に流し込んだ。
「お、やるじゃないか。飲みきったみたいだな」
そう言ってまた手を頭に乗せると、今度は優しく撫でてくれた。
「そ……そりゃ飲みきれるよ! ちょっと予想以上の不味さで手間取ったけど」
言いながら、アルさんの手を避けて瓶を返す。
少し顔が熱いけど、たぶんポーションの効能のせいだろう。
……体力使ったし。
「まぁ分かったと思うが……アレを戦いながら飲むのは、ちょっとな。基本的にはガードや回避を重視して、飲まなくても済むように立ち回ってはいるが、やむを得ない時やミスをする事もあるからな」
「なるほど……」
飲んでみて分かったけど、戦いの最中にあんなものを飲むのは……ほんとに最後の手段にしたいかも。
変に精神とか体力とか消耗するし……いや、数値上は回復するんだけど。
「だから味をなんとか、っておばちゃんに聞いてたんだね」
「そういうことだ」
「んー……。一応、僕も最下級なら作ったことがあるんだけど、確かにあの作り方ならこんな風になっちゃうのも分かるかなぁ……って感じ」
現実でも、良薬は口に苦しって言われて、粉末のお薬なんかは苦いものが多いけど……。
「なるほどな。だが、現実だと液状の薬なんかはシロップ薬みたいになっていて、甘かったりするだろう? あんな風にはできないのか?」
「ふむ……」
言われてみれば、確かに。
お店なんかで見る野菜ジュースなんかも、多少は糖分とか入ってて飲みやすいし……。
「多分、作る過程で何か材料を足して作るのかなぁ……」
「なるほど。もし可能なら、少し試してみてくれないか?」
「それは別に良いんだけど……僕自身、まだ始めたばっかりだよ? それに材料もあんまり、」
「材料ならこっちからもある程度は出す。それに、もしまともな味の回復薬が出来た際は、きちんと報酬も渡す。買い取りもするぞ」
「んー、時間はかかるだろうけど、それでもいいなら……」
「よし、それで構わない! やっている最中に欲しい材料ができたら言ってくれ。その際は責任持って取ってくるぞ」
「あ、はい……」
そう言って、アルさんは僕に薬草の束を渡してくる。
たぶんこれが最初の材料分ってことなんだろうなぁ……結構ある気がするんだけど。
面倒なことになっちゃったかなぁ……と思いながらも、今から返すのも悪い気がして、僕は受け取った束をインベントリの中に放り込んだ。
◇
ゴリゴリとすり鉢の中で薬草を潰す音が、部屋の中に響く。
パーティーで狩りに行くというアルさんと別れて、今はまたおばちゃんのお店の奥。
おばちゃんから借りている部屋の中で、これまたおばちゃんに借りたすり鉢で、僕は乾燥させた薬草を潰していた。
ちなみにこの薬草はシルフに風を当ててもらい、ぼーっと待ってる内に[薬草]が[薬草(乾燥)]に変化していたものだ。
説明文を読む限り、効果自体に変化はないんだけど……一文だけ、乾燥しているって文章が追加されていた。
「現実でも……っ、草をすりつぶしてから、粉末……にしたほうが……」
「だ、大丈夫ですか……?」
「だ、大丈夫……」
ゴリゴリと均等な大きさになるように、ずーっと棒を動かしているからか、だんだん腕が疲れてきた……。
もう10分は経つけど……まだ、まだなのか……。
「きっと……粉末の方が、効果が……っ」
「が、がんばってください!」
「あ、あり、がとう……」
ゴリゴリと潰すこと約20分。
ようやく1束の薬草が、ばらつきもなく均等の大きさになった。
……時間が掛かりすぎる。
「ただ、粉末は絶対苦いんだよね。さっきのポーションでもすごい不味かった薬草を、ほぼ生の状態で飲むんだし……」
「それでもやってみるんですね……」
「こればっかりはやらないとわかんないし……」
すり鉢の中で粉になった薬草をひと摘まみ持ち上げ、情報を確認してみる。
[薬草(粉末):10秒かけてHPが10%回復
ただし、飲む際には水が必要]
な、なるほど……。
水につけない分、薬草をそのまま食べるよりも効果は高くなってるけど、飲む際に他のものが必要になるのか……。
これは戦闘中には使えないかな。
せめて固形状、いわゆるタブレットみたいになってれば使えるんだろうけど。
「まぁ、タブレットみたいに固める方法もわかんないんだけど」
それに、人によってはタブレットでも水が必要だったりするから、噛み砕いても大丈夫ってタイプにしないとダメだろうけど。
そこまで考えてから粉を戻し、僕は次の手を考えることにした。
「そういえば……飲んだこと無いですね」
「そうか……」
玉兎との戦いで多少攻撃を受けたとはいえ、大したダメージでもなかったし……。
それに、木槌に持ち替えてからは、攻撃を受けることもなくなったしね。
「多分、飲んでみたら分かると思うが……」
「え、そんなにひどいの?」
「そうだな……。傷の痛みなんかは消えていくんだが、慣れるまでは飲み込むのにも勇気が必要なくらいだ。……というわけで」
意味深なところで言葉を切って、アルさんは立ち止まり、僕の手に小瓶を掴ませてくる。
深い緑色をした液体が入ってる……。
「最下級、ですよね?」
何も言わず頷くだけってことは……これを飲めってことなんだろうなぁ。
最下級は確か、切った薬草を火にかけた水の中に入れて、薬効成分を水の中に溶かし出すだけ。
だから多分、薬草が持つ苦みの成分も一緒に溶け出してるだろうし、灰汁とかも取ってないから余計にひどいことになってそうではあるよね。
……考えれば考えるほどに、美味しくはなさそう。
「ほら、男だったらグイッと」
瓶を見つめたまま、現実逃避気味に思考のループに逃げていた僕に釘を刺すためか、アルさんが手を頭に乗せながら、耳元でそんなことを囁く。
男だって話したからだろうか……逃がしてもらえそうにもない。
い、一応身体は女なんだからね!?
「よ、よし! いきます!」
「おー」
アルさんのやる気の無い声を聞きながら、腰に手を当ててグイッと一気に流し込む。
どろり……と喉を通り抜けそうで中々通り抜けない不快感と、鼻に上ってくる苦味。
更に、土を食べてるような泥臭さも相まって、これは……確かに吐きたくなるほどの不味さ!
思わず小瓶から口を離して、吐き出した後に水で洗い流したいところだけど……ええい、僕も男だ!
腰に当てていた手で瓶を押し上げて、一気に、それこそ無理矢理に流し込んだ。
「お、やるじゃないか。飲みきったみたいだな」
そう言ってまた手を頭に乗せると、今度は優しく撫でてくれた。
「そ……そりゃ飲みきれるよ! ちょっと予想以上の不味さで手間取ったけど」
言いながら、アルさんの手を避けて瓶を返す。
少し顔が熱いけど、たぶんポーションの効能のせいだろう。
……体力使ったし。
「まぁ分かったと思うが……アレを戦いながら飲むのは、ちょっとな。基本的にはガードや回避を重視して、飲まなくても済むように立ち回ってはいるが、やむを得ない時やミスをする事もあるからな」
「なるほど……」
飲んでみて分かったけど、戦いの最中にあんなものを飲むのは……ほんとに最後の手段にしたいかも。
変に精神とか体力とか消耗するし……いや、数値上は回復するんだけど。
「だから味をなんとか、っておばちゃんに聞いてたんだね」
「そういうことだ」
「んー……。一応、僕も最下級なら作ったことがあるんだけど、確かにあの作り方ならこんな風になっちゃうのも分かるかなぁ……って感じ」
現実でも、良薬は口に苦しって言われて、粉末のお薬なんかは苦いものが多いけど……。
「なるほどな。だが、現実だと液状の薬なんかはシロップ薬みたいになっていて、甘かったりするだろう? あんな風にはできないのか?」
「ふむ……」
言われてみれば、確かに。
お店なんかで見る野菜ジュースなんかも、多少は糖分とか入ってて飲みやすいし……。
「多分、作る過程で何か材料を足して作るのかなぁ……」
「なるほど。もし可能なら、少し試してみてくれないか?」
「それは別に良いんだけど……僕自身、まだ始めたばっかりだよ? それに材料もあんまり、」
「材料ならこっちからもある程度は出す。それに、もしまともな味の回復薬が出来た際は、きちんと報酬も渡す。買い取りもするぞ」
「んー、時間はかかるだろうけど、それでもいいなら……」
「よし、それで構わない! やっている最中に欲しい材料ができたら言ってくれ。その際は責任持って取ってくるぞ」
「あ、はい……」
そう言って、アルさんは僕に薬草の束を渡してくる。
たぶんこれが最初の材料分ってことなんだろうなぁ……結構ある気がするんだけど。
面倒なことになっちゃったかなぁ……と思いながらも、今から返すのも悪い気がして、僕は受け取った束をインベントリの中に放り込んだ。
◇
ゴリゴリとすり鉢の中で薬草を潰す音が、部屋の中に響く。
パーティーで狩りに行くというアルさんと別れて、今はまたおばちゃんのお店の奥。
おばちゃんから借りている部屋の中で、これまたおばちゃんに借りたすり鉢で、僕は乾燥させた薬草を潰していた。
ちなみにこの薬草はシルフに風を当ててもらい、ぼーっと待ってる内に[薬草]が[薬草(乾燥)]に変化していたものだ。
説明文を読む限り、効果自体に変化はないんだけど……一文だけ、乾燥しているって文章が追加されていた。
「現実でも……っ、草をすりつぶしてから、粉末……にしたほうが……」
「だ、大丈夫ですか……?」
「だ、大丈夫……」
ゴリゴリと均等な大きさになるように、ずーっと棒を動かしているからか、だんだん腕が疲れてきた……。
もう10分は経つけど……まだ、まだなのか……。
「きっと……粉末の方が、効果が……っ」
「が、がんばってください!」
「あ、あり、がとう……」
ゴリゴリと潰すこと約20分。
ようやく1束の薬草が、ばらつきもなく均等の大きさになった。
……時間が掛かりすぎる。
「ただ、粉末は絶対苦いんだよね。さっきのポーションでもすごい不味かった薬草を、ほぼ生の状態で飲むんだし……」
「それでもやってみるんですね……」
「こればっかりはやらないとわかんないし……」
すり鉢の中で粉になった薬草をひと摘まみ持ち上げ、情報を確認してみる。
[薬草(粉末):10秒かけてHPが10%回復
ただし、飲む際には水が必要]
な、なるほど……。
水につけない分、薬草をそのまま食べるよりも効果は高くなってるけど、飲む際に他のものが必要になるのか……。
これは戦闘中には使えないかな。
せめて固形状、いわゆるタブレットみたいになってれば使えるんだろうけど。
「まぁ、タブレットみたいに固める方法もわかんないんだけど」
それに、人によってはタブレットでも水が必要だったりするから、噛み砕いても大丈夫ってタイプにしないとダメだろうけど。
そこまで考えてから粉を戻し、僕は次の手を考えることにした。
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