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ずっとこうしたかった
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「民人くん、すごい……出さずにイったの? 前、つらくない?」
恍惚とした表情で、大助がため息を漏らす。
「んぁ……だいすけぇ……もっと、奥、欲しい……」
イったばかりなのに、身体は疼き続ける。
はやく、太ももに当たっているそれを飲み込みたい。
大助は額に手を当てて、天を仰ぐ。
「奥って……、あぁ……民人くん俺、今日止まんないかも」
「止めないで……ここ、エッチするところなんだから」
「民人くん……ほんと、エッチ好きなんだね……」
そう言いながら小袋を破き、自身に皮膜を被せる。
「……好きな人とするのが、好きなんだよ」
そう言うと、手を止めて、こちらを見る。
そして口元を緩めて、赤面する。
……僕は僕で、言ってから恥ずかしくなって、枕に顔を埋めているのだけど。
「好きな人、か……ほんと、夢みたい。……ねえ、俺のこと、好きって言って」
「ん……そう言われると、恥ずかしくて」
「そっか」
彼は少し、残念そうに笑う。
……申し訳ないけど、今本心を言ったら、本当に、全部のタガが外れてしまいそうで。
本当は伝えたいんだけど。
大助のこと、どれだけ好きか。
「大助、きて」
かわりに、首に手を回して、それだけ伝える。
せめて、態度で示したくて。
大助は顔をほころばせ、僕の頬に手を添えた。
硬くて、熱いそれが、ぴったりと後孔にあてがわれる。
「民人くん、好きだよ」
少しずつ、大助がめり込んでくる間隔に、思わず声が漏れる。
「ん、ぁ……アア、ん……」
しっかりとした質量のそれを感じながら、なんとか受け入れる。
「くっ……入り口、すごいきつい」
「だって、だいすけ、ふとい……」
久々の――とはいえ半月だけれど――身体には、刺激が強すぎるかも知れない。
指では絶対に得られない多幸感。
「……褒めてくれてる?」
「うん、きもちい……」
「ありがと。……でも、つらかったら、言ってね」
そう言って、額に優しく口づけする。
僕の腰を抱えて、少しずつ、僕の中を押し進む。
「ん、アア……だいすけぇ……奥、キてる……」
「ハァ、民人くん、この前より、締まる……」
「あ、ああ……だいすけえ……きもちい……? くるしく、ない?」
彼は、頬を紅潮させて、破顔する。
そして、耳元でため息交じりに囁いた。
「うん、きもちいいよ、民人くんのナカ……目が合うたびに、ここ、締まる」
下腹部を撫でられて、思わず顔を背けた。
……だって、大助の表情が、あまりに扇情的だから。
大助は僕とセックスすること、僕から好意を向けられること、夢みたいだと言っているけれど。
僕も夢みたいだと思う。
ふだん親友として接していた男に、こんなに焦がれて、どうしようもないくらい情緒を掻き乱されるなんて。
「……だいすけぇ……」
名前を呼ぶたび、嬉しそうににこりと応じる。
ごり、と奥をえぐられる。
尻に彼の体が密着し、大助が全て収まったのだと理解した。
「ああ、民人くん……好き、ほんとに、民人くんのこと、ずっと好きだった、ずっとこうしたかった」
僕の髪を梳くように、優しく頭を撫でる。
心臓がうるさい。
大助の胸に手を当てると、彼の心臓も、同じくらいバクバクと跳ねていた。
その鼓動を感じているのを察したのか。
「……恥ずかしいな、余裕がないのバレちゃう」
そう言って、照れくさそうに笑う。
「お互い様だよ」
頭を撫でる彼の髪を、僕の胸の真ん中に誘導する。
僕の鼓動を感じて、目を細める。
「……嬉しい、俺で、こんなにしてくれてるんだ」
ただ、コクリとうなずく。
背中に手を回すと、大助も僕を強く抱きかかえた。
舌先でつん、と唇をつつかれて、何度目かの、舌を絡め合う口づけを交わす。
「あ、んう……」
体を動かさないまま、ナカに埋まった大助の欲望と、口の中で蠢く彼の舌を感じる。
身体が、ぜんぶひとつになる感覚。
しばらく無言で、くちゅ、くちゅ……と、絡まり合う音と、互いの吐息を堪能する。
やがて、どちらからともなく離れていき、互いをつなぐ透明な糸が、ぷつりと切れた。
……はやく、それを奥まで、突き上げてほしい。
大助と目があったとき、今にも僕を抱き壊してしまいたいとでもいうような、獰猛な欲望をはらんだ表情を向けられて、心臓がきゅっと締め付けられる。
「ねえ、民人くん……動いて、いいかな」
それでも、いつもみたいな甘い、優しい声で、穏やかにねだる。
「うん……奥、ちょーだい……」
「はあ、それ……ほんと、ずるい」
ゆっくりと、埋めたそれを引き抜いては、奥を突き上げるように挿し込む。
硬いそれが内壁がゴリゴリと刺激する感覚に、声が抑えられない。
「あ、ああっ……ア……」
思わず開く足を一瞥し、腰を抱えていた腕を、僕の太ももに持ち替える。
「あ、だめ、それぇ……」
あられもない姿を大助にさらけ出す恥じらいと、大助の当たる場所が変わったことで強くなった刺激に、身を捩らせる。
探るように、押し当てるように動いていた腰は、少しずつ速度を速めていく。
「ん、あ、……あァ、んは、ぁ、だい、すけぇっ」
「ア、……ん、ぐ、……みんと、くん」
眉間にしわを寄せて、呻くように声を漏らす大助を見つめる。
いつも見ている横顔……だけれど、いつもは見ない表情。
半月ぶりに見るその顔つきに、愛おしさがこみ上げる。
もともと――親友だと思って、どこかで一線を引いていたけれど――、大助はどこまでも、僕の好きな男だ。
整った顔を流れる汗が、顎を伝うその様だって、たまらなく画になる。
「あ、だいすけ、え、すき、あ、ああっ」
口にしたら、おかしくなってしまうと思っていたその言葉が、思わず溢れるくらいには。
「……ああ、ア……みんと、くん、ハァ……うれしい、おれも、すき」
顔をくしゃりと歪ませて、熱い吐息を漏らす。
彼の下半身が、少し膨張したようで。
彼が腰を打ち付ける度、こすれるそれが、僕の弱いところを押さえつける。
「んあ、ア、あ、あっ……ふぁ、あっ……!」
大助をもっと感じたくて、彼の欲望を締め付けるように、下腹部に力を込める。
「あ、みんと、くん、キツ……あ、はぁ、たまんない……」
僕は僕で、力を込めた分、よけいに彼を感じてしまって。
「んぁ、ああ、はぁっ……だいすけ、そこ、だめ、……っあ、ア、あ」
しかも、彼は僕の弱いところを探り当てたようで、ぐりぐりと先端を押しつける。
「ふ、……みんとくん、ここ、突くと、すっごいしまる、搾り取られる、みたいっ」
「や、ア、だめ、ほんと、おかしく、なっ……ア、ああっ……!」
満たされる多幸感と、強い刺激に、頭の中で星がちらばったみたいに、まぶしくて何も考えられない。
軽いオーガズムみたいなのがずっと続いてて、ただ大助から与えられる快楽を受け入れるしかない。
「んぁ、だいすけ……すきぃ、もっと、奥……」
「みんと、くん、ハァ、おれまで、おかしく、……ふ、アっ……」
奥をねだると、大助はぐり、と奥に打ち付けてくれる。
指じゃ届かないそこが、たっぷりと大助の先端で満たされる感覚。
「あ、ああん、あ、アっ……あ、すき、あっ……」
「そんなに、好きって……ハァ、おれも、すき、ずっと、すき」
彼の肩に片足を担がれ、今までよりももっと奥に差しこまれる。
「あ、ア、はぁ、奥、だめ、キちゃう、あ、ああっ……!」
そして、空いた手が、触れられずに痛いほど腫れ上がった僕の中心に添えられる。
その刺激で、今までじれったく感じていた快楽が、一気に絶頂に攻め立てられる。
彼のそれが最奥を突いたとき、びくり、と身体が跳ねた。
「……ハァ、民人くん、エロすぎ……」
うごめく僕のナカは、一度動きを止めた彼を絡め取るように動く。
僕の意思に反して、ひくひくと彼を締め付ける。
「あぁ……大助、うごか、ないで……」
「動いてないよ、民人くんが、俺の絞ってんの……これだけでイきそう」
「うそ、あ……だって、こんな、きもち……」
ドクドクと、だらしなく僕の先端から溢れる白濁を、大助はただ見つめる。
「ほんと、気持ちよさそう、……こんなエッチな民人くん、見れるなんて」
「そんなの、みないで、はずかし……」
額に、チュ、と音を立てて口づける。
「ねえ、民人くん……俺も、民人くんで、イきたい」
耳元で、僕の大好きな……ふだんから、僕にしかしない甘い声でねだられたら、断れるはずもなく。
「ん……うごいて、僕で、イって」
「ごめんね、ちょっと、我慢して」
果てたばかりの僕を、労ってくれているけれど。
再び動き始めた彼の首に手を回して、思わず、本音をこぼす。
「ん、がまんしない、まだ、たりない……大助、ほしい」
「……みんとくん、はあ、好き、今日、ほんと、ゴム足りない、かも」
「んあ、あ、いい……すきなだけ、シよ……」
行きがけに買ったスキンは、それなりの数があったはずだけれど。
半月……いや、大助にとってはそれ以上、ずっと、耐えてきたんだから、仕方ないかもしれない。
それに何より、こんなに、相性がいいなんて。
唇を薄く開けて彼を見つめると、願ったとおりに唇を重ねてくれる。
「ん、うぁ……あ、はあ、あっ……」
「ん、あ、民人くん、は、はあ……あ、ア……」
もだえるような表情に、彼の絶頂が近いことを悟る。
「だいすけ、え……奥、ちょうだい、んぁ」
余韻でひくつくナカを締め付け、大助を求める。
「あ、みんとくん、……ハァ、あ、ア!」
ばちん、と音を立てて僕の奥を突き上げると、ナカで大助がどくり、と爆ぜた気がした。
被膜越しに、彼の脈動を感じる。
「あ……大助の、なんか、アツい……」
しばらく軽い口づけを交わしてから、ずるり、とそれが引き抜かれる。
「民人くん……ここ、ほんと、エロすぎ……」
見えないけれど、大助の形にぽっかりと空いた穴が、ひくひくと未だそれを求めているのだろう。
そんな痴態を大助に見られている、と思ったら、思わず枕に顔を埋めて声を上げた。
「ああ、見ないで、電気消して」
「いまさら? もう、民人くんの全部、見ちゃったよ。俺のが入ってるところも」
そう言って、僕の身体を指でなぞる。
「ずるい、僕はほとんど、見えてないのに」
「そんなこと言われても……」
大助は、キョロキョロと部屋を見渡す。
そして、天を仰いでから。
「そうだ」
と言って、上体を起こす。
ぱちん、とゴムの音がしたので、おそらくスキンを剥がしたのだろう。
「……手慣れてるね」
手際よく結ぶ姿を見て、つい感心して言ってしまう。
それを聞いて、大助は少し、むすっと頬を膨らせた。
「……言っとくけど俺、民人くんが初めての相手だからね」
「えっ……」
つまり、半月前のあのとき。
いや、じゃあ僕、あんな形で、大助の初めてを奪ってしまったのか。
「……ごめんなさい……」
「いや、謝らないでよ、俺は嬉しいんだから」
へら、と笑う彼は、僕に気を使っているのではなく、本当に嬉しいようだった。
……それなら、浮かばれるけれど。
「慣れてるのは、ひとりでするとき散らからないように使ってるだけだし。……こういうときモタつかないように練習も兼ねて、だけど」
そう言って、2つ目の袋を手に取る。
「僕、べつにナマでいいんだけど、大助なら」
「大変なのは民人くんじゃん。……俺はそうやって民人くんに甘えるの、もうやめようって決めたから」
「大助……こんないい男が近くにいたなんて」
つい、思ったことを口に出してしまったが、大助は少し得意げに笑う。
「気づいてよかったね」
少しの間のあと、二人で笑い合う。
それから、大助はベッドから降りて、浴室を指差す。
「ところで……風呂、ってさ、鏡あるかな」
「鏡? あるかもしれないけど……」
「そっか。……一緒にどう?」
「え、僕、まだ……」
まだ、ヤりたりないんだけど、と言おうとして、大助がスキンの小袋を携えていることに気づく。
……そういうことか。
「……うん、入ろう」
大助に、なにか考えがあるのだろう。
少し乗っかってみようと、僕も重い腰を上げた。
恍惚とした表情で、大助がため息を漏らす。
「んぁ……だいすけぇ……もっと、奥、欲しい……」
イったばかりなのに、身体は疼き続ける。
はやく、太ももに当たっているそれを飲み込みたい。
大助は額に手を当てて、天を仰ぐ。
「奥って……、あぁ……民人くん俺、今日止まんないかも」
「止めないで……ここ、エッチするところなんだから」
「民人くん……ほんと、エッチ好きなんだね……」
そう言いながら小袋を破き、自身に皮膜を被せる。
「……好きな人とするのが、好きなんだよ」
そう言うと、手を止めて、こちらを見る。
そして口元を緩めて、赤面する。
……僕は僕で、言ってから恥ずかしくなって、枕に顔を埋めているのだけど。
「好きな人、か……ほんと、夢みたい。……ねえ、俺のこと、好きって言って」
「ん……そう言われると、恥ずかしくて」
「そっか」
彼は少し、残念そうに笑う。
……申し訳ないけど、今本心を言ったら、本当に、全部のタガが外れてしまいそうで。
本当は伝えたいんだけど。
大助のこと、どれだけ好きか。
「大助、きて」
かわりに、首に手を回して、それだけ伝える。
せめて、態度で示したくて。
大助は顔をほころばせ、僕の頬に手を添えた。
硬くて、熱いそれが、ぴったりと後孔にあてがわれる。
「民人くん、好きだよ」
少しずつ、大助がめり込んでくる間隔に、思わず声が漏れる。
「ん、ぁ……アア、ん……」
しっかりとした質量のそれを感じながら、なんとか受け入れる。
「くっ……入り口、すごいきつい」
「だって、だいすけ、ふとい……」
久々の――とはいえ半月だけれど――身体には、刺激が強すぎるかも知れない。
指では絶対に得られない多幸感。
「……褒めてくれてる?」
「うん、きもちい……」
「ありがと。……でも、つらかったら、言ってね」
そう言って、額に優しく口づけする。
僕の腰を抱えて、少しずつ、僕の中を押し進む。
「ん、アア……だいすけぇ……奥、キてる……」
「ハァ、民人くん、この前より、締まる……」
「あ、ああ……だいすけえ……きもちい……? くるしく、ない?」
彼は、頬を紅潮させて、破顔する。
そして、耳元でため息交じりに囁いた。
「うん、きもちいいよ、民人くんのナカ……目が合うたびに、ここ、締まる」
下腹部を撫でられて、思わず顔を背けた。
……だって、大助の表情が、あまりに扇情的だから。
大助は僕とセックスすること、僕から好意を向けられること、夢みたいだと言っているけれど。
僕も夢みたいだと思う。
ふだん親友として接していた男に、こんなに焦がれて、どうしようもないくらい情緒を掻き乱されるなんて。
「……だいすけぇ……」
名前を呼ぶたび、嬉しそうににこりと応じる。
ごり、と奥をえぐられる。
尻に彼の体が密着し、大助が全て収まったのだと理解した。
「ああ、民人くん……好き、ほんとに、民人くんのこと、ずっと好きだった、ずっとこうしたかった」
僕の髪を梳くように、優しく頭を撫でる。
心臓がうるさい。
大助の胸に手を当てると、彼の心臓も、同じくらいバクバクと跳ねていた。
その鼓動を感じているのを察したのか。
「……恥ずかしいな、余裕がないのバレちゃう」
そう言って、照れくさそうに笑う。
「お互い様だよ」
頭を撫でる彼の髪を、僕の胸の真ん中に誘導する。
僕の鼓動を感じて、目を細める。
「……嬉しい、俺で、こんなにしてくれてるんだ」
ただ、コクリとうなずく。
背中に手を回すと、大助も僕を強く抱きかかえた。
舌先でつん、と唇をつつかれて、何度目かの、舌を絡め合う口づけを交わす。
「あ、んう……」
体を動かさないまま、ナカに埋まった大助の欲望と、口の中で蠢く彼の舌を感じる。
身体が、ぜんぶひとつになる感覚。
しばらく無言で、くちゅ、くちゅ……と、絡まり合う音と、互いの吐息を堪能する。
やがて、どちらからともなく離れていき、互いをつなぐ透明な糸が、ぷつりと切れた。
……はやく、それを奥まで、突き上げてほしい。
大助と目があったとき、今にも僕を抱き壊してしまいたいとでもいうような、獰猛な欲望をはらんだ表情を向けられて、心臓がきゅっと締め付けられる。
「ねえ、民人くん……動いて、いいかな」
それでも、いつもみたいな甘い、優しい声で、穏やかにねだる。
「うん……奥、ちょーだい……」
「はあ、それ……ほんと、ずるい」
ゆっくりと、埋めたそれを引き抜いては、奥を突き上げるように挿し込む。
硬いそれが内壁がゴリゴリと刺激する感覚に、声が抑えられない。
「あ、ああっ……ア……」
思わず開く足を一瞥し、腰を抱えていた腕を、僕の太ももに持ち替える。
「あ、だめ、それぇ……」
あられもない姿を大助にさらけ出す恥じらいと、大助の当たる場所が変わったことで強くなった刺激に、身を捩らせる。
探るように、押し当てるように動いていた腰は、少しずつ速度を速めていく。
「ん、あ、……あァ、んは、ぁ、だい、すけぇっ」
「ア、……ん、ぐ、……みんと、くん」
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もともと――親友だと思って、どこかで一線を引いていたけれど――、大助はどこまでも、僕の好きな男だ。
整った顔を流れる汗が、顎を伝うその様だって、たまらなく画になる。
「あ、だいすけ、え、すき、あ、ああっ」
口にしたら、おかしくなってしまうと思っていたその言葉が、思わず溢れるくらいには。
「……ああ、ア……みんと、くん、ハァ……うれしい、おれも、すき」
顔をくしゃりと歪ませて、熱い吐息を漏らす。
彼の下半身が、少し膨張したようで。
彼が腰を打ち付ける度、こすれるそれが、僕の弱いところを押さえつける。
「んあ、ア、あ、あっ……ふぁ、あっ……!」
大助をもっと感じたくて、彼の欲望を締め付けるように、下腹部に力を込める。
「あ、みんと、くん、キツ……あ、はぁ、たまんない……」
僕は僕で、力を込めた分、よけいに彼を感じてしまって。
「んぁ、ああ、はぁっ……だいすけ、そこ、だめ、……っあ、ア、あ」
しかも、彼は僕の弱いところを探り当てたようで、ぐりぐりと先端を押しつける。
「ふ、……みんとくん、ここ、突くと、すっごいしまる、搾り取られる、みたいっ」
「や、ア、だめ、ほんと、おかしく、なっ……ア、ああっ……!」
満たされる多幸感と、強い刺激に、頭の中で星がちらばったみたいに、まぶしくて何も考えられない。
軽いオーガズムみたいなのがずっと続いてて、ただ大助から与えられる快楽を受け入れるしかない。
「んぁ、だいすけ……すきぃ、もっと、奥……」
「みんと、くん、ハァ、おれまで、おかしく、……ふ、アっ……」
奥をねだると、大助はぐり、と奥に打ち付けてくれる。
指じゃ届かないそこが、たっぷりと大助の先端で満たされる感覚。
「あ、ああん、あ、アっ……あ、すき、あっ……」
「そんなに、好きって……ハァ、おれも、すき、ずっと、すき」
彼の肩に片足を担がれ、今までよりももっと奥に差しこまれる。
「あ、ア、はぁ、奥、だめ、キちゃう、あ、ああっ……!」
そして、空いた手が、触れられずに痛いほど腫れ上がった僕の中心に添えられる。
その刺激で、今までじれったく感じていた快楽が、一気に絶頂に攻め立てられる。
彼のそれが最奥を突いたとき、びくり、と身体が跳ねた。
「……ハァ、民人くん、エロすぎ……」
うごめく僕のナカは、一度動きを止めた彼を絡め取るように動く。
僕の意思に反して、ひくひくと彼を締め付ける。
「あぁ……大助、うごか、ないで……」
「動いてないよ、民人くんが、俺の絞ってんの……これだけでイきそう」
「うそ、あ……だって、こんな、きもち……」
ドクドクと、だらしなく僕の先端から溢れる白濁を、大助はただ見つめる。
「ほんと、気持ちよさそう、……こんなエッチな民人くん、見れるなんて」
「そんなの、みないで、はずかし……」
額に、チュ、と音を立てて口づける。
「ねえ、民人くん……俺も、民人くんで、イきたい」
耳元で、僕の大好きな……ふだんから、僕にしかしない甘い声でねだられたら、断れるはずもなく。
「ん……うごいて、僕で、イって」
「ごめんね、ちょっと、我慢して」
果てたばかりの僕を、労ってくれているけれど。
再び動き始めた彼の首に手を回して、思わず、本音をこぼす。
「ん、がまんしない、まだ、たりない……大助、ほしい」
「……みんとくん、はあ、好き、今日、ほんと、ゴム足りない、かも」
「んあ、あ、いい……すきなだけ、シよ……」
行きがけに買ったスキンは、それなりの数があったはずだけれど。
半月……いや、大助にとってはそれ以上、ずっと、耐えてきたんだから、仕方ないかもしれない。
それに何より、こんなに、相性がいいなんて。
唇を薄く開けて彼を見つめると、願ったとおりに唇を重ねてくれる。
「ん、うぁ……あ、はあ、あっ……」
「ん、あ、民人くん、は、はあ……あ、ア……」
もだえるような表情に、彼の絶頂が近いことを悟る。
「だいすけ、え……奥、ちょうだい、んぁ」
余韻でひくつくナカを締め付け、大助を求める。
「あ、みんとくん、……ハァ、あ、ア!」
ばちん、と音を立てて僕の奥を突き上げると、ナカで大助がどくり、と爆ぜた気がした。
被膜越しに、彼の脈動を感じる。
「あ……大助の、なんか、アツい……」
しばらく軽い口づけを交わしてから、ずるり、とそれが引き抜かれる。
「民人くん……ここ、ほんと、エロすぎ……」
見えないけれど、大助の形にぽっかりと空いた穴が、ひくひくと未だそれを求めているのだろう。
そんな痴態を大助に見られている、と思ったら、思わず枕に顔を埋めて声を上げた。
「ああ、見ないで、電気消して」
「いまさら? もう、民人くんの全部、見ちゃったよ。俺のが入ってるところも」
そう言って、僕の身体を指でなぞる。
「ずるい、僕はほとんど、見えてないのに」
「そんなこと言われても……」
大助は、キョロキョロと部屋を見渡す。
そして、天を仰いでから。
「そうだ」
と言って、上体を起こす。
ぱちん、とゴムの音がしたので、おそらくスキンを剥がしたのだろう。
「……手慣れてるね」
手際よく結ぶ姿を見て、つい感心して言ってしまう。
それを聞いて、大助は少し、むすっと頬を膨らせた。
「……言っとくけど俺、民人くんが初めての相手だからね」
「えっ……」
つまり、半月前のあのとき。
いや、じゃあ僕、あんな形で、大助の初めてを奪ってしまったのか。
「……ごめんなさい……」
「いや、謝らないでよ、俺は嬉しいんだから」
へら、と笑う彼は、僕に気を使っているのではなく、本当に嬉しいようだった。
……それなら、浮かばれるけれど。
「慣れてるのは、ひとりでするとき散らからないように使ってるだけだし。……こういうときモタつかないように練習も兼ねて、だけど」
そう言って、2つ目の袋を手に取る。
「僕、べつにナマでいいんだけど、大助なら」
「大変なのは民人くんじゃん。……俺はそうやって民人くんに甘えるの、もうやめようって決めたから」
「大助……こんないい男が近くにいたなんて」
つい、思ったことを口に出してしまったが、大助は少し得意げに笑う。
「気づいてよかったね」
少しの間のあと、二人で笑い合う。
それから、大助はベッドから降りて、浴室を指差す。
「ところで……風呂、ってさ、鏡あるかな」
「鏡? あるかもしれないけど……」
「そっか。……一緒にどう?」
「え、僕、まだ……」
まだ、ヤりたりないんだけど、と言おうとして、大助がスキンの小袋を携えていることに気づく。
……そういうことか。
「……うん、入ろう」
大助に、なにか考えがあるのだろう。
少し乗っかってみようと、僕も重い腰を上げた。
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