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後編

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浴槽は全くストレスなく二人でつかれる広さがありそうで、
シたばかりなのに、また心くすぐられる。
「そうだね……まだ、時間、あるよね?」
「うん。まだ、全然」
大助も同じ気持ちらしく、二人で服を脱ぐなり浴槽にもつれ込んだ。

爽やかな香りの中で、情事の汗が洗われる。
思ったとおり浴槽は広く、二人で抱き合いながら肩までつかることができた。
「さっき全然、顔見れなかったから」
そう言って腰に手を回し、僕の口内を堪能する。
水があふれる音にまじり、くちゅ、くちゅ、と大助の舌が僕の中をかき回す音が脳内を支配する。
「んっ……ふぅ……」
持て余した手で彼の自身を弄ると、すでに硬さを取り戻しつつあった。
大助は触れられてピクリ、と一度動きを止めたが、その後満足そうな笑みを浮かべ、次は僕の首筋にチクリ、と跡をつける。
そしてまた、僕の口の中を弄る。
その彼の舌に、僕の舌を絡めながら彼の昂りを愛撫すると、だんだんと熱を取り戻していくのがわかった。
「ふふ、大助、元気」
「民人くんこそ、もう欲しいって顔してる」
大助は僕を抱えながら湯船を上がり、浴槽のへりにこしかける。
「次は顔見てシたいな」
大助と向かい合って跨り、彼のそれの上に腰を下ろす。
「はっ、ああっ……さっきと違うとこ、当たってる……」
しっかりとした質量のそれを飲み込み、多幸感に声が溢れた。
「さっきゴムした意味ないじゃん……」
「だって、そんなの待てないし」
彼の質量を捉えるように、僕が身体を上下させる。
「ちょ、民人くん、そんなっ」
「うっ、……はあっ、……大助、……きもちい?」
「くっ、……キツ……」
「はあっ、や、ぼくも、きもち、……あん」
彼の首の後ろに手を回すと、彼は僕の胸を貪るように愛撫する。
「や、だいすけ、噛んじゃ、やっ……」
「ここ、好きでしょ」
「だから、噛んだら、だめ」
「こっちだって、もっと奥、欲しいでしょ、俺もほしい」
そう言って、僕の腰を掴み、ぐい、と彼の昂りを置くまで押し込む。
「ああっ……! や、だめ、さっきより、奥……っはぁ」
自分で動いているときに潜在的に避けていたところを刺激され、脳みそが蕩けそうになる。
「民人くん、もっとドロドロにしちゃいたい」
「んっ、はっ……」
彼は僕をめいっぱい抱きしめて、僕のそこらじゅうに口付ける。
彼の体と僕の体はピッタリとくっつき、ガンガンと彼に突き上げられるたびに僕の昂りも刺激される。
「やっ、ああ……おかし、……だめ、こんなの、はじめて……」
夏の昼下がりつ、お天道様の下でする淫らな行為だからか、単純に、のぼせて頭が変になってるのか。
ともかく僕たちは、いつもより盛っていた。
「いいよ、もっと、おかしくなって」
「だめ、トんじゃ……っ、大助と、シてんの、わかんない……」
「なにそれ、ずるい」
もうすぐ、というところで大助のそれが引き抜かれる。
そして、大助にされるがまま、さっきまで腰掛けていた浴槽のへりに寝転がされた。
僕の足を持ち上げて、自らの肩に乗せる。
持ち上げられた下半身に、大助の、妖しい光をまとったそれがふたたび埋められる。
「ほら、見て。民人くんと俺がつながってんの」
「ああっ……」
足を大助に掴まれているせいで逃げ場のない快感が、だらしないうめき声として溢れ出す。
再び、大助が動き出す。
僕の中に、繰り返し大助が埋められるのが視覚としてはっきり認識できた。
「はっ、やっ、だいすけ、はあっ……」
「民人くん、好き、も、止まんない」
「そんな、いま、いわなくてもっ、あっ、はっ、……」
いつものヘラヘラとした笑顔もなく、僕の首筋にまた痕を刻む。
「ずっと、あんただけ、だから」
「あっ、あ、あっ、あんっ、はあ、はっ……」
その跡には、独占欲みたいなのがあるんだと、思った。
少なくとも僕は、大助以外の男性を知ってるし、そのことを、大助も知っている。
だから、すくなくとも、これ以上はずっと、大助だけが僕を抱くんだと、そういうおまじないみたいなものなんだろう。
「はぁ、ぼくも、だいすけ、だけ……」
僕だって、過去は過去だけど、もう大助を知ってしまったから。
「ありがと、……はっ、あ」
にこり、と笑ってから、すぐに眉を寄せて呻く。
「あっ、だいすけ、あっ、あっ……」
頭の中がだんだんとろけてきて、喘ぐしかできない。
快楽にのけぞる身体が、大助に抱き寄せられる。
「やっ、あっ、前、こすれて、あっ、きもち……い、いっ……」
ただでさえ絶頂に近い身体に、だらしなく液を垂れ流していた僕の自身への刺激が加わり、頂へ急に導かれる。
「はあっ、民人くん、うっ……一緒に、……!」
「やっ、あっ、……はっ……ああっ……!」
僕がビクン、と爆ぜてすぐ、彼の自身も引き抜かれる。
それから、僕の太ももに、生ぬるいものがふりかかった。
「ああっ……だめ、も、イってる……」
ドク、ドクと、彼に刺激されるたび、僕の先端からも白濁が溢れる。
「はあ……はあ……すげ……エロい……」
「あんま……見るなよ……ていうか、ナカ、出してよかったのに……」
「だから、大変でしょ」
……夜、いっぱいあげるから。
そう言って、僕の身体を優しく拭った。

***
それからはに体を清め、服は汗まみれでもう着られないので、浴健全衣を着てから居間に戻った。
「夕飯まで一時間か……ああ、喉乾いた……」
ミネラルウォーターを一気飲みする僕を見て、大助が笑う。
「はは。エッチで熱中症になったら困るから、ポカリ買っておこうか」
「ぶっ……」
ギリギリのところで吹き出すのを抑える僕を見て、またニッコリと笑う。
「だって、まだまだこれからでしょ」
こいつ、いっつも余裕こきやがって。
でも、僕にだって、まだ隠し玉がある。
「うん……楽しみにしててよ。今すっごい下着履いてるから」
「えっ……!?」
「晩御飯のあとのお楽しみね」
最近気づいた。
大助は余裕こいてるけど、僕の色仕掛けにはめちゃくちゃ弱い。
こうやって少年みたいに顔を真っ赤にするところを見るのが、僕の楽しみだったりする。

その夜、下着のおかげもあってか大変盛り上がり、僕たちの温泉旅行は当たり前のようにエッチ三昧となった。
まあ、たまには、悪くないよね。


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