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オーブル領
魔女
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「ライズさん大丈夫ですか?」
レムが顔の腫れ上がったライズを心配そうに見る。
「俺もそんなふうにされたな。それにしても」
「やべえツボった」
ホムラは懐かしそうにしていると思ったら、ライズの顔を指さして笑い転げた。
「つーか、婆さんでもないし物理攻撃してくるしこの人が魔女なのか?」
ライズは痛む頬を押さえながら言う。
「あの婆さん魔法で姿変えてんだよ。おっさんが子供の時からあの姿らしいぞ」
ホムラはライズにひそひそと耳打ちする。
「あら、ホムラにも躾が必要かしら?」
ホムラはなんで聞こえてるんだよと言った表情で魔女のことをみた。
「えーと、」
レムがなんと呼べば困惑している
「私は魔女のミモザよ」
「ミモザさん、私たちに力を貸してください」
レムがミモザに頭を下げる。
「レム様!そんな簡単に頭を下げてはいけません」
王女であるレムに頭を下げさせるのをやめようとロイが言う。
「オーブルの小僧はなんて言ってるんだい?」
ミモザはレムたちへの関心はあまりない様子で、ミズキに聞いた。
「領主からの手紙です」
ミズキがミモザにオーブルからの手紙を渡す。
「なるほどね」
ミモザはオーブルからの手紙を読み終えると、レム達を値踏みするように観察した。
「あなた達、森に入ってこれを集めてきな」
ミモザはそう言うと、紙切れに魔法で文字を書き始めた。
「何に使うんだこんなの」
ライズは渡されたメモに目を通しながら言う。
「いいからさっさと行くんだよ」
「ライズ大人しくしとけって」
ホムラが文句を言うライズを嗜め家から出て行く。
「あー、あんたは残るんだよ」
ミモザはみんなと一緒に行こうとするレムを呼び止めた。
「私ですか」
突然呼び止められたレムは不安そうにいう。
「それなら、自分も残らせて貰います」
ロイはミモザのことを警戒している様子だ。
「それはダメよ」
「何故ですか?」
「あなたこの子の裸を除くつもり?」
予想外の解答に、ロイは思考が停止した。
「これからこの子の身体をすみずみまで調べさせてもらうのよ。あなたも一緒にしたいなら構わないけれど」
「そんなことするか!」
ロイは顔を赤くし、そそくさとその場から去った。
「あなた達、そういう関係じゃないの?」
ミモザが不思議そうにレムに聞いた。
「た、ただの幼馴染です!」
顔を赤くしながらレムはそう返した。
レムが顔の腫れ上がったライズを心配そうに見る。
「俺もそんなふうにされたな。それにしても」
「やべえツボった」
ホムラは懐かしそうにしていると思ったら、ライズの顔を指さして笑い転げた。
「つーか、婆さんでもないし物理攻撃してくるしこの人が魔女なのか?」
ライズは痛む頬を押さえながら言う。
「あの婆さん魔法で姿変えてんだよ。おっさんが子供の時からあの姿らしいぞ」
ホムラはライズにひそひそと耳打ちする。
「あら、ホムラにも躾が必要かしら?」
ホムラはなんで聞こえてるんだよと言った表情で魔女のことをみた。
「えーと、」
レムがなんと呼べば困惑している
「私は魔女のミモザよ」
「ミモザさん、私たちに力を貸してください」
レムがミモザに頭を下げる。
「レム様!そんな簡単に頭を下げてはいけません」
王女であるレムに頭を下げさせるのをやめようとロイが言う。
「オーブルの小僧はなんて言ってるんだい?」
ミモザはレムたちへの関心はあまりない様子で、ミズキに聞いた。
「領主からの手紙です」
ミズキがミモザにオーブルからの手紙を渡す。
「なるほどね」
ミモザはオーブルからの手紙を読み終えると、レム達を値踏みするように観察した。
「あなた達、森に入ってこれを集めてきな」
ミモザはそう言うと、紙切れに魔法で文字を書き始めた。
「何に使うんだこんなの」
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「いいからさっさと行くんだよ」
「ライズ大人しくしとけって」
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「あー、あんたは残るんだよ」
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「私ですか」
突然呼び止められたレムは不安そうにいう。
「それなら、自分も残らせて貰います」
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「それはダメよ」
「何故ですか?」
「あなたこの子の裸を除くつもり?」
予想外の解答に、ロイは思考が停止した。
「これからこの子の身体をすみずみまで調べさせてもらうのよ。あなたも一緒にしたいなら構わないけれど」
「そんなことするか!」
ロイは顔を赤くし、そそくさとその場から去った。
「あなた達、そういう関係じゃないの?」
ミモザが不思議そうにレムに聞いた。
「た、ただの幼馴染です!」
顔を赤くしながらレムはそう返した。
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