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オーブル領
オーブル領主
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「無事に着きましたね」
レム達は休む間も無く馬を走らせれ、目的の地に無事に到着した。
「本当に大丈夫なんだよな」
「もしもの場合は頼るのがいいと、ユード様に言われたお方です」
「見た目は頑丈で頼りになりそうだけど」
レム達がたどり着いたオーブル領の砦は、辺境の長閑な雰囲気には似つかわしくない要塞のような見た目をしている。
「あぶねえ!」
【キィン】
ライズの声とほぼ同時に、ロイが剣を抜き飛んできた銃弾を弾いた。
「ほお、なかなかやるみたいだな」
突如、目の前に大剣を担いだ男が現れた。
「他にもいるわね。ライズ援護しなさい。レムは下がって」
視界に見えるのは男1人だが、近くに潜む気配を感じる。
シズナは武器を抜き戦闘態勢を整える。
「オーブル伯ですか?」
シズナ達と反対にロイは剣を納め男に話しかける。
「いかにも、オーブル・アレクセイだが。俺を知っているのか。お前は何者だ」
「わたしはロイと言います。ユード様の配下です。あなたにこれを見せれば分かると」
ロイは羊皮紙を取り出すと、男の足元に放り投げた。
「たしかにあいつの筆跡だな。自分の意思で書いたか分からぬがな?」
オーブルは羊皮紙を放り投げると大剣を抜いた。
そして、オーブルは大剣を抱えているとは思えないスピードで突っ込んでくる。
ロイは寸前のところで剣を抜き、男の攻撃を防いだ。
「ロイ、話が違うじゃないか!」
ライズはオーブルに向けて銃を構える。
「手を出すな!」
ロイがライズに向かって言う。
「全員でかかって来ていいんだぞ」
「私たちは戦いに来たのではありません」
「抵抗しないなら死ぬぞ?」
オーブルは大剣を振り下ろす力をさらに込め、ロイの剣ごと押しつぶすように押し込む。
「く、話を聞いてください」
ロイはオーブルに押し込まれ、片膝をつく。
「ロイ!」
「これ以上は無理だ」
ライズは銃を構え直すとオーブルに銃口を向け、魔力を込める。
「やめねえか!おっさん」
乱入して来た何者かの飛び蹴りで、オーブルが吹き飛ぶ。
「これおろしてね」
突然現れた長髪の者が、ライズの銃を押さえる。
「いつの間に」
「ホムラ!領主を蹴り飛ばすとは何事だ!」
「おっさんが遊ぶからだ」
「魔物でも魔人でもなく人間だし!そもそも知っとる奴やろ?」
3人のやりとりについていけず、レム達は警戒はしつつ様子を見ている。
「悪かったな、ユードの配下の青年!あいつの部下と一戦交えてみたくてな」
オーブルはそういうと地面に座ったまま、大きな声で笑い出した。
「こんな辺鄙な所へよく来たな!歓迎するぞ」
「何か知らねえけど、上手くいったのか?」
「そうみたいね」
レム達は休む間も無く馬を走らせれ、目的の地に無事に到着した。
「本当に大丈夫なんだよな」
「もしもの場合は頼るのがいいと、ユード様に言われたお方です」
「見た目は頑丈で頼りになりそうだけど」
レム達がたどり着いたオーブル領の砦は、辺境の長閑な雰囲気には似つかわしくない要塞のような見た目をしている。
「あぶねえ!」
【キィン】
ライズの声とほぼ同時に、ロイが剣を抜き飛んできた銃弾を弾いた。
「ほお、なかなかやるみたいだな」
突如、目の前に大剣を担いだ男が現れた。
「他にもいるわね。ライズ援護しなさい。レムは下がって」
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シズナは武器を抜き戦闘態勢を整える。
「オーブル伯ですか?」
シズナ達と反対にロイは剣を納め男に話しかける。
「いかにも、オーブル・アレクセイだが。俺を知っているのか。お前は何者だ」
「わたしはロイと言います。ユード様の配下です。あなたにこれを見せれば分かると」
ロイは羊皮紙を取り出すと、男の足元に放り投げた。
「たしかにあいつの筆跡だな。自分の意思で書いたか分からぬがな?」
オーブルは羊皮紙を放り投げると大剣を抜いた。
そして、オーブルは大剣を抱えているとは思えないスピードで突っ込んでくる。
ロイは寸前のところで剣を抜き、男の攻撃を防いだ。
「ロイ、話が違うじゃないか!」
ライズはオーブルに向けて銃を構える。
「手を出すな!」
ロイがライズに向かって言う。
「全員でかかって来ていいんだぞ」
「私たちは戦いに来たのではありません」
「抵抗しないなら死ぬぞ?」
オーブルは大剣を振り下ろす力をさらに込め、ロイの剣ごと押しつぶすように押し込む。
「く、話を聞いてください」
ロイはオーブルに押し込まれ、片膝をつく。
「ロイ!」
「これ以上は無理だ」
ライズは銃を構え直すとオーブルに銃口を向け、魔力を込める。
「やめねえか!おっさん」
乱入して来た何者かの飛び蹴りで、オーブルが吹き飛ぶ。
「これおろしてね」
突然現れた長髪の者が、ライズの銃を押さえる。
「いつの間に」
「ホムラ!領主を蹴り飛ばすとは何事だ!」
「おっさんが遊ぶからだ」
「魔物でも魔人でもなく人間だし!そもそも知っとる奴やろ?」
3人のやりとりについていけず、レム達は警戒はしつつ様子を見ている。
「悪かったな、ユードの配下の青年!あいつの部下と一戦交えてみたくてな」
オーブルはそういうと地面に座ったまま、大きな声で笑い出した。
「こんな辺鄙な所へよく来たな!歓迎するぞ」
「何か知らねえけど、上手くいったのか?」
「そうみたいね」
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